中野区障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定による行政処分等の実施に関する要綱
2025年3月12日
要綱第33号
(目的)
第1条 この要綱は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「法」という。)に規定する命令、指定の取消し及び指定の全部又は一部の効力の停止(以下「行政処分」という。)等を行う場合の基準及び事務手続を明確にし、行政処分の手続の公正を確保するとともに透明性の向上を図り、指定特定相談支援事業者に対して的確に行政処分を実施することにより、もって区民の特定相談支援事業の制度への信頼維持及び利用者保護に資することを目的とする。
(基本方針)
第2条 法第51条の29第2項の規定による行政処分を行うに当たっては、当該行為の重大性及び悪質性について、公益侵害の程度、故意性、反復継続性及び組織性に着眼し検証を行うとともに、地域におけるサービス提供及び基盤整備の状況並びに事業者の運営管理体制等を総合的に勘案して行う。
(定義)
第3条 この要綱において使用する用語は、法において使用する用語の例による。
(命令等)
第4条 区長は、法第51条の28第2項の規定による勧告を受けた指定特定相談支援事業者が正当な理由なくその勧告に係る処置を講じなかった場合で必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る処置を講ずるよう命令をすることができる。
2 区長は、法第51条の33第1項の規定による勧告を受けた指定特定相談支援事業者が正当な理由なくその勧告に係る処置を講じなかった場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る処置を講ずるよう命令をすることができる。
3 第1項及び第2項の勧告は、中野区障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱(2017年中野区要綱第20号。以下「実施要綱」という。)の規定による監査等結果に基づき、区長が必要があると認めるときに、当該指定特定相談支援事業者に対し、期限を定めて行うものとする。
(指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止)
第5条 区長は、指定特定相談支援事業者が法第51条の29第2項の規定に該当する場合で、必要があると認めるときは、指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止(以下「取消し等」という。)を行う。
2 区長は、指定の取消しを行ったときは、その旨を公示する。
(適用範囲)
第6条 区長が行政処分を行うときは、この要綱の規定によるほか、行政手続法(平成5年法律第88号)及び中野区聴聞及び弁明の機会の付与に関する規則(平成6年中野区規則第80号)の規定による。
(行政処分の手続の開始)
第7条 区長は、法令違反、計画相談支援給付費等の不正請求及び不適正な障害者相談支援の提供等が認められる場合その他区長が必要と認めるときは、行政処分の手続を開始し、その事案の調査結果の内容を記載した調書(以下「監査調書等」という。)を作成する。
(1) 取消し等を行うとき又は区長が相当と認めるとき 聴聞
(2) 前号に該当しないとき 弁明の機会の付与
2 次のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。
(1) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続をとることができないとき。
(2) 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。
(3) 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。
(4) 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金額の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。
(5) 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽徴なものであるため名宛人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして行政手続法施行令(平成6年政令第265号)で定める処分をしようとするとき。
(聴聞)
第9条 区長は、聴聞を行うときは、聴聞の日の1週間前の日までに、当事者に対し、次に掲げる事項を記載した聴聞通知書を交付して通知する。
(1) 聴聞の件名
(2) 予定される行政処分の内容及び根拠法令の条項
(3) 行政処分の原因となる事実
(4) 聴聞の日時及び場所
(5) 聴聞に関する事務担当者の連絡・照会先
(6) 聴聞の日に出席して意見を述べ、証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出できること。
(7) 聴聞の日に出席する代わりに陳述書及び証拠書類等を提出できること。
(8) 聴聞が終結するまでの間、監査調書等を閲覧できること。
(9) 代理人を選任できること。
(10) 聴聞の日に主宰者の許可を得て、補佐人とともに出席できること。
(11) 正当な理由なく聴聞の日に欠席し、かつ、その日までに陳述書又は証拠書類等が提出されないときは、聴聞が終結すること。
2 当事者の所在が判明しない場合は、前項の規定による通知を、次に掲げる事項を記載した書面を区役所庁舎前の掲示場に掲示することにより行う。この場合において、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知が当事者に到着したものとみなす。
(1) 当事者の名称又は氏名
(2) 聴聞の日時及び場所
(3) 聴聞に関する事務担当者の連絡・照会先
(4) 前項の聴聞通知書をいつでも当事者に対して交付する旨
3 聴聞は、健康福祉部障害福祉課長が主宰する。ただし、健康福祉部障害福祉課長が主宰できないときは、当該行政処分事案を所管する課長以外の課長で健康福祉部長の指名する者が主宰する。
4 主宰者は、当事者以外の者であって、当該行政処分の根拠となる法令に照らし当該行政処分に利害関係を有するものと認められる者に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。
5 主宰者は、聴聞の日ごとに、聴聞の審理の経過を記載した調書(以下「聴聞調書」という。)を作成し、聴聞終結後、行政処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書(以下「聴聞報告書」という。)を作成する。
6 主宰者は、当事者又は参加人の求めに応じ、聴聞調書及び聴聞報告書を閲覧させる。
(弁明)
第10条 区長は、弁明の機会を設けるときは、当事者が弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出して行うものとする。
2 区長は、弁明の機会を設けるときは、弁明書の提出期限の1週間前の日までに、当事者に対し、次に掲げる事項を記載した弁明通知書を交付して通知するものとする。
(1) 弁明の件名
(2) 予定される行政処分の内容及び根拠法令の条項
(3) 行政処分の原因となる事実
(4) 弁明書の提出先及び提出期限
(5) 代理人を選任できること。
(6) 提出期限までに弁明書が提出されないときは、弁明の機会を放棄したものとみなすこと。
3 当事者の所在が判明しない場合は、前項の規定による通知を、次に掲げる事項を記載した書類を区役所庁舎前の掲示場に掲示することにより行う。この場合において、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知が当事者に到達したものとみなす。
(1) 当事者の名称又は氏名
(2) 弁明書の提出先及び提出期限
(3) 前項の弁明通知書をいつでも当事者に対し交付する旨
(行政処分の決定)
第11条 行政処分の決定に当たっては、聴聞調書及び聴聞報告書又は弁明書の内容を十分に考慮する。
(通知)
第12条 区長は、行政処分を行うことを決定したときは、当事者に対し、当該行政処分の内容、根拠法令の条項及びその理由を明記した行政処分通知書を交付する。
(事実の公表)
第13条 区長は、行政処分を行った場合は、その旨を公表する。
(関係機関への通知)
第14条 区長は、命令、取消し等を行ったときは、区市町村等の関係機関に通知する。
附則
この要綱は、2025年3月12日から施行する。