令和6年度 中野区特別職報酬等審議会答申

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更新日:2024年12月25日

令和6年度開催状況

令和6年11月1日、中野区議会議員の議員報酬及び期末手当の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の額について、区長から中野区特別職報酬等審議会へ諮問。

第1回 令和6年11月1日

23区特別職給料月額等の比較、区議会、教育委員会及び監査委員の活動状況について情報共有を行った後、議員報酬及び期末手当の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の額の適否について審議。

第2回 令和6年11月19日

区議会議長及び副議長、教育長を招いて、区議会及び教育委員会の活動内容等について、説明を受け意見交換。

第3回 令和6年12月10日

議員報酬及び期末手当の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の額の適否について審議を行い、答申に向けての意見集約。

第4回 令和6年12月18日

答申案の審議を行い答申を決定。

答申文

はじめに

 中野区特別職報酬等審議会は、令和6年11月1日に中野区長から「中野区議会議員の議員報酬及び期末手当の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の額について」の諮問を受けた。
 審議にあたっては、議員報酬・特別職給料及び各職の期末手当の特別区比較、中野区の財政白書、主要施策の成果、特別区人事委員会勧告の概要などを基礎資料とした上で、今年度は区議会正副議長、教育長から各職の活動状況を直接聴取するとともに、区長・副区長については区政運営や執務に関する資料の提出を求めるなど、広範な角度から検討を重ね、12月18日までの間に4回にわたり審議を行った。

検討の背景

社会経済状況について

 政府発表の11月の月例経済報告は、現状の日本経済の情勢について「景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。」とする一方で、「ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。」とも指摘している。
 また、政策態度においては、10月の月例経済報告に引き続き、「経済財政運営に当たっては、デフレ脱却を確かなものとするため、『経済あっての財政』との考え方に立ち、『賃上げと投資が牽引する成長型経済』を実現していく。」としている。

中野区の財政状況について

 中野区の財政白書による令和5年度の決算では、歳入総額から翌年度に繰り越す財源を差し引いた実質収支は35億円の黒字となった。
 また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく4つの指標(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率)については、政令で定められた早期健全化基準を全て下回っており、いずれも健全性を確保している。しかしながら、今後子育て支援や高齢化による扶助費、操出金等の増加も想定されることから、臨時的・投資的経費を一定程度見込む計画的な財政運営を確保するため、事業見直しを行うなど安定的な財政運営に努めていく必要があるとしている。

特別区人事委員会勧告について

 本年の特別区人事委員会勧告は、月例給・特別給ともに3年連続の引き上げとした。
 月例給については、公民較差を解消するため給料表の改定が適当とし、改定にあたっては、人材確保の観点等を踏まえ初任給及び若年層に重点を置きつつ、全ての級及び号給の給料月額の引き上げを行うとしている。
 また、特別給(期末手当、勤勉手当)については、民間との均衡を踏まえ、年間の支給月額を0.2月引き上げることが適当としている。

中野区と他の特別区の報酬、給料等の比較について

 議員報酬の額及び特別職の給料の額は、他の特別区と比較して下位に位置するものの、最近の改定の動向から、期末手当を含めた年間収入の比較においては、中位以上に位置する状況となってきている。
 なお、常勤の監査委員の給与水準は、減額や据え置き、増加額の抑制を行ったことにより、他の特別区と比較して差は少なくなりつつあるものの、依然上位にある。

審議

議員報酬・特別職給料及び各職の期末手当に対する基本認識について

 区議会議員の議員報酬の額及び特別職の給料の額並びに各職の期末手当の額は、職務の内容、職責の重さに応じて定められ、民間企業の従業員の給与などを考慮して決定される一般職員の給与体系とは自ずと性格が異なる。
 しかしながら、区議会議員及び特別職といえども、社会の経済情勢や民間の給与動向等と全く無関係・独立にその報酬や期末手当が決定されるべきものでもない。
 特別職は一般職員の管理者として執行機関における区政の成果を共有するものであり、また、区議会議員はその特別職と車の両輪として区政運営の舵取りを共に担うものであることから、議員報酬・特別職給料及び各職の期末手当の額の適否を検討するにあたっては、公民較差を考慮した一般職員の給与勧告が参考となる。

区議会議員及び特別職の職責と実績について

 区議会議員は区民の代表者として、法が定める事件について議会の議決を行うだけでなく、区の行財政運営や事業の実施が適正かつ効率的に行われているかどうかを監視する役割も担っている。加えて、地方分権の進展等に伴い、複雑多様化する区民要望の実現に向けた政策形成の過程に参画するなど、活動は広範囲にわたり、その職責は重大である。
 区長及び副区長については、財務規律を遵守し、事務の効率的執行の確保に向けて事務改善を図りながら、着実に区政経営を推進すべき立場にある。また、区の行政のトップとして、複雑多様化する区民ニーズに対し的確に対応するため、より高度な判断力、実行力が求められ、その職責が益々重くなっていると理解することができる。
 教育長については、区の教育行政の責任者として、教育委員会を代表する立場にあり、少子高齢化やグローバル化が急速に進む中で、子どもたち一人ひとりの個性を尊重し、可能性を伸ばす教育環境を実現するため、その職務、職責は重大さを増している。
 常勤の監査委員については、自治体の財務に関する事務や経営に係る事業について、経済性、効率性、有効性及び合規性の観点から、書面審査、現地調査、職員の事情聴取などを通じて、適正な執行を確認し、区政に対する区民の信頼を確保していく重い職責を担っている。
 当審議会では審議の過程において、各職の活動状況について直接聞き取りを行い、また一部書面による報告により、それぞれの職責が果たされていたことを確認した。

議員報酬・特別職給料及び各職の期末手当の額について

 当審議会は、審議にあたって、緩やかに景気が回復している社会経済活動の状況を考慮し、中野区の財政状況、他の特別区の議員及び特別職の報酬等の状況とともに、一般職の特別区人事委員会勧告の内容を判断の材料とした。また、納税者である区民一人当たりの所得額や中野駅新北口駅前エリアにおける市街地再開発事業の遅れに関する不安などに伴う区民感情等に対する配慮も判断材料の一つとして加えた。
 審議の過程では、区政の課題に対し、各職がそれぞれの職責における職務の適正な遂行について評価する意見があった。
 なかでも区議会議員に対しては、区民の代弁者としての様々な活動を改めて確認し、その活動は今後の期待を込めて評価したいとの意見があった。
 こうした議論を重ねる中、議員の報酬並びに区長等の特別職の給料の額については、特別区人事委員会勧告を参考に増額するべきとの意見が多数を占めた。その一方、区民感情等を考慮したうえで、引き上げの改定率を一定程度抑制すべきとの意見も出された。
 以上の意見を踏まえ、社会経済情勢や中野区の財政状況並びに、他の特別区の状況を鑑み、増額すべきとの結論に達した。具体的な増額の率については、特別区人事委員会勧告における公民較差(2.89%)とするか、一般職の最上位号給の改定率(0.8%)とするか、または、その他の改定率を適用すべきかについて議論した。そして、それぞれの職が担う職務、職責の重大さや他の特別区との均衡を考慮し、議員の報酬については同勧告で示された一般職のうち上級職である給料表4~6級職の平均改定率(0.9%)と同率の増額が適当であると判断した。また、区長、副区長及び教育長並びに常勤の監査委員の給料の額については、同勧告による部長級(給料表6級)の最高号給の改定率(0.8%)と同率の増額が適当であると判断した。
 なお、各職の期末手当については、これまでの議論の経過を踏まえ、一般職と同程度の改定率(4.3%増)を各職の支給月数に適用することとし、区議会議員については0.17月、区長、副区長並びに教育長については0.16月、常勤の監査委員については0.14月、それぞれ引き上げることが望ましいとの意見でまとまった。

議員報酬・特別職給料及び各職の期末手当の額の適否

区議会議員の議員報酬及び期末手当の額について

 区議会議員の議員報酬の額については、0.9%引き上げることが適当である。また、期末手当については、0.17月引き上げることが適当である。

区長、副区長及び教育長の給料及び期末手当の額について

 区長、副区長及び教育長の給料の額については、0.8%引き上げることが適当である。また、期末手当については、0.16月引き上げることが適当である。

常勤の監査委員の給料及び期末手当の額について

 常勤の監査委員の給料の額については、0.8%引き上げることが適当である。また、期末手当については、0.14月引き上げることが適当である。

報酬・給料及び期末手当の具体的な額について

 本答申における区議会議員の議員報酬及び期末手当の具体的な額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の具体的な額は、別表のとおりである。

おわりに

 今回の答申は、議員報酬及び特別職給料である月例給並びに各職の期末手当について、昨年度に引き続き増額の内容となった。
 審議の過程では、昨今の社会状況、区の財政状況、過去の報酬及び給料等の改定経緯を踏まえ、他の特別区との比較を行うなど様々な角度から検討した結果、上記の措置を講じることが妥当との結論に至ったものである。
 区議会議員並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員に対しては、中野区発展への尽力について敬意を表するとともに、更なる区民サービスの充実に努めるなど、区民の信頼と負託に応える区政運営に努められ、以って、区民生活が一層向上することを切望し、答申の結びとする。

区議会議員の議員報酬及び期末手当の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料及び期末手当の額

1.議員報酬及び給料の額
職名月額増減
区長1,264,600円 +10,000円
副区長1,015,200円+8,100円
教育長889,900円+7,100円
常勤の監査委員808,500円+6,400円
議長909,200円+8,100円
副議長770,400円+6,900円
委員長660,100円+5,900円
副委員長630,300円+5,600円
議員600,200円+5,400円
2.期末手当の額
職名支給月数増減年額増減
区長3.94月+0.16月7,224,658円+348,196円
副区長3.94月+0.16月5,799,836円+279,922円
教育長3.94月+0.16月5,083,998円+245,372円
常勤の監査委員3.47月+0.14月4,067,966円+195,028円
議長4.22月+0.17月5,563,394円+271,686円
副議長4.22月+0.17月4,714,076円+230,424円
委員長4.22月+0.17月4,039,150円+197,362円
副委員長4.22月+0.17月3,856,804円+188,254円
議員4.22月+0.17月3,672,622円+179,660円

※議員報酬又は給料の月額及びこれらに100分の45を乗じて得た額の合計額に支給月数を乗じて得た額

中野区特別職報酬等審議会委員

会長 福原 紀彦
会長職務代理者 吉川 信將
委員 稲尾 公貴
委員 鈴木 真理
委員 谷 進二
委員 星野 新一
委員 増田 宏明
委員 宮田 百枝
委員 山越 亘恵

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