中野区争訟事務規則

令和4年3月30日

規則第41号

中野区争訟事務規則(平成7年中野区規則第34号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この規則は、区の業務の執行又は施設の設置若しくは管理(以下「業務執行等」という。)に伴い発生した争訟事件を適正かつ迅速に処理するための事務手続に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 争訟事件 区(区の機関を含む。)を当事者とする訴訟事件、調停事件、和解事件、行政不服申立事件(行政不服審査法(平成26年法律第68号)に基づき区長に対してされた審査請求に係る事件をいう。以下同じ。)及び事故(他人の身体又は財産に損害を生じさせた事故のうち、法律上区が損害賠償責任を負うべきもの又は訴訟事件、調停事件若しくは和解事件となるおそれが高いものをいう。以下同じ。)をいう。

(2) 主管部長 争訟事件の発生の原因となった業務執行等を主管する中野区組織規則(平成31年中野区規則第13号)第5条第1項に規定する部長、同規則第6条第1項に規定する担当部長、同条第3項に規定する室長及び中野区会計室設置規則(平成31年中野区規則第15号)第4条第1項に規定する室長をいう。

(3) 主管課長 争訟事件の発生の原因となった業務執行等を主管する中野区組織規則第8条第1項に規定する課長、同規則第9条第1項及び第2項に規定する担当課長及び中野区会計室設置規則第4条第1項に規定する室長をいう。

(4) 主管係長 争訟事件の発生の原因となった業務執行等を主管する中野区組織規則第11条第1項に規定する係長、同規則第12条第1項に規定する担当係長及び中野区会計室設置規則第5条第1項に規定する係長をいう。

(5) 関係職員 争訟事件の発生の原因となった業務執行等の担当職員、事故の現場に居合わせた職員その他当該争訟事件について関係を有する職員をいう。

(令5規則45・一部改正)

(争訟事件に係る事務の主管)

第3条 争訟事件のうち次に掲げる事務は、総務部長が主管する。

(1) 訴訟事件に係る訴訟手続(民事訴訟法(平成8年法律第109号)第89条の規定による訴訟上の和解に係る手続を含む。)

(2) 調停事件に係る調停手続

(3) 前2号に規定する事件に係る指定代理人の指定

(4) 行政不服申立事件に係る審査庁として行う手続

2 争訟事件のうち次に掲げる事務は、主管部長が主管する。

(1) 訴訟事件に係る訴訟委任契約の手続及び訴訟代理人の指定

(2) 調停事件に係る調停の諾否の決定

(3) 事故の処理に関する手続及び和解事件に係る和解手続(民事訴訟法第275条に規定する訴え提起前の和解に係る手続を含む。)

(4) 行政不服申立事件に係る処分庁として行う手続

(5) 争訟事件に関する調査、資料等の収集及び保全その他必要な措置

3 前項の規定により主管部長が処理する事務について、総務部長及び総務部法務担当課長(以下「法務担当課長」という。)は、主管部長及び主管課長に対し法的な助言及び指導を行うことができる。

4 総務部長及び法務担当課長は、主管部長及び主管課長に対し争訟事件に関する調査、資料等の収集及び保全その他必要な措置を講ずるよう指示することができる。ただし、特に必要があると認めるときは、自らこれらの必要な措置を講ずることができる。

5 主管部長及び主管課長は、第1項の規定により総務部長が行う争訟事件に関する事務の処理及び前項の規定により総務部長及び法務担当課長が行う争訟事件に関する必要な措置に協力しなければならない。

6 第1項の規定により総務部長が処理する事務(行政不服申立事件に係る事務を除く。)について事案の決定を行うときは、当該事件に係る主管部長及び主管課長の協議をするものとする。ただし、当該事案の内容により当該主管部長及び主管課長の協議を要しないと認めるものについては、この限りでない。

(事故発生の際の措置)

第4条 関係職員は、事故が発生したときは、直ちに、被害者の救護、現場の安全の確保及び被害の拡大の防止のために必要な応急措置(当該事故が交通事故の場合においては、道路交通法(昭和35年法律第105号)第72条第1項に規定する措置等を含む。)を講ずるとともに、当該事故の原因を究明するための資料等の収集及び保全に努めなければならない。

(事故発生の報告等)

第5条 関係職員は、前条に規定する措置を講じた後、当該事故の内容について、主管係長及び主管課長に報告しなければならない。

2 主管課長は、前項の規定による報告を受けたときは、関係職員その他の所属職員に対し、前条に規定する応急措置並びに事故の原因の究明のための資料等の収集及び保全に関して必要な指示をするとともに、当該事故の内容について、主管部の庶務担当課長及び主管部長に報告しなければならない。

3 主管課長は、前項の規定により報告した事故の内容について、法務担当課長に報告しなければならない。この場合において、主管課長は、事故の内容が重大で緊急の措置を要するものと認めるときは、その処理について法務担当課長に対し法的な助言を求めるものとする。

4 法務担当課長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該事故の内容について、総務部総務課長(以下「総務課長」という。)及び総務部長に報告するものとする。

5 総務部長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該事故の内容について、副区長及び区長に報告するものとする。ただし、事故の内容により副区長及び区長への報告を要しないと認めるときは、この限りでない。

6 前各項に規定する事故発生の報告は、速やかに行わなければならない。ただし、当該事故の内容が重大でかつ緊急の措置を要するものであるときは、直ちに当該報告を行わなければならない。

7 総務部長及び法務担当課長は、発生した事故に関し必要があると認めるときは、主管部長及び主管課長に対し、当該事故の内容、第3条第4項本文の規定により指示した事項その他必要な事項について報告を求めることができる。

(令5規則45・一部改正)

(事故発生報告書及び事故解決報告書の作成等)

第6条 関係職員は、発生した事故の内容その他の事項について、速やかに、事故発生報告書(第1号様式)を作成し、次に掲げる者に報告しなければならない。ただし、前条第5項ただし書に該当するものについては、第3号に掲げる者を除く。

(1) 主管係長、主管課長、庶務担当課長及び主管部長

(2) 総務部総務課担当職員、総務部総務課審査請求・争訟担当係長、法務担当課長、総務課長及び総務部長

(3) 副区長及び区長

2 関係職員は、前項の規定により報告した事故発生報告書の内容(この項の規定により報告した事故発生報告書の内容を含む。)に変更が生じ、又は追加すべき事項が生じたときは、速やかに、当該変更し、又は追加すべき事項について事故発生報告書を作成し、変更又は追加前の事故発生報告書の写しを添付して、前項の規定により報告をした者に報告を行わなければならない。ただし、軽微な内容の変更又は追加については、この限りでない。

3 関係職員は、第1項の規定により報告した事故が解決したときは、速やかに、事故解決報告書(第2号様式)を作成し、当該事故に係る事故発生報告書の写しを添付して、同項の規定により報告をした者に報告を行わなければならない。

4 法務担当課長は、前3項の規定による報告を受けたときは、総務部職員課長に対し必要な情報提供を行うものとする。

5 法務担当課長は、第1項及び第2項の規定による事故発生報告書の作成並びに第3項の規定による事故解決報告書の作成について、関係職員その他必要と認める者に対し必要な助言及び指導を行うことができる。

(令5規則45・全改)

(争訟事務会議)

第7条 総務部長は、争訟事件のうち訴訟事件、調停事件、和解事件及び事故(以下「訴訟事件等」という。)の処理に当たり、次に掲げる事項の検討を行うために必要があると認めるときは、争訟事務会議を開催することができる。

(1) 訴訟事件等の処理方針

(2) 訴訟事件等の発生状況、被害の程度等事実関係の確認

(3) (区の機関を含む。)の責任の有無及びその程度

(4) 前3号に掲げるもののほか、総務部長が必要と認める事項

2 主管部長は、訴訟事件等の処理に当たり、争訟事務会議において前項各号に掲げる事項の検討を行う必要があると認めるときは、総務部長に対し争訟事務会議の開催を求めることができる。

3 争訟事務会議の出席者は、原則として次に掲げるとおりとする。

(1) 総務部長、総務課長、法務担当課長及び総務部総務課審査請求・争訟担当係長

(2) 主管部長、主管課長及び主管係長

(3) 関係職員その他の職員で総務部長又は主管部長が必要と認める者

4 争訟事務会議は、総務部長が主宰するものとする。

5 総務部長は、災害その他やむを得ない事由により争訟事務会議を開催することが困難な場合で、早急に第1項の規定による検討を行う必要があると認めるときは、当該訴訟事件等に係る事案の概要、検討すべき事項その他必要な事項を記載した書面を当該会議に出席すべき者に送付して、その意見を徴し、又は賛否若しくは異議の有無を問い、その結果をもって、当該会議の開催及び検討結果に代えることができる。この場合において、当該書面の送付に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機により情報処理の用に供されるものをいう。)を送信することにより行うことができる。

6 総務部長は、必要に応じて争訟事務会議の検討結果を副区長及び区長に報告しなければならない。

7 争訟事務会議の庶務は、総務部において処理する。

(行政不服審査事務会議)

第8条 総務部長は、争訟事件のうち行政不服申立事件の処理に当たり、次に掲げる事項の検討を行うために必要があると認めるときは、行政不服審査事務会議を開催することができる。

(1) 行政不服申立事件の事実関係及び進捗状況の確認

(2) 前号に掲げるもののほか、総務部長が必要と認める事項

2 前条(第1項を除く。)の規定は、行政不服審査事務会議について準用する。この場合において、同条第2項中「訴訟事件等」とあるのは「行政不服申立事件」と、「争訟事務会議」とあるのは「行政不服審査事務会議」と、「前項各号」とあるのは「第8条第1項各号」と、同条第3項及び第4項中「争訟事務会議」とあるのは「行政不服審査事務会議」と、同条第5項中「争訟事務会議」とあるのは「行政不服審査事務会議」と、「第1項」とあるのは、「第8条第1項」と、「訴訟事件等」とあるのは「行政不服申立事件」と、同条第6項及び第7項中「争訟事務会議」とあるのは「行政不服審査事務会議」と読み替えるものとする。

(行政委員会等の権限に属する業務執行等に係る争訟事件の処理)

第9条 総務部長は、行政委員会等の権限に属する業務執行等に関し当該行政委員会等を当事者とする争訟事件が発生した場合において、当該行政委員会等からその処理について依頼があったときは、この規則の規定の例により処理することができる。この場合において、当該業務執行等における事故の発生及び解決に係る報告は、当該事故の内容に応じて第6条第1項第2号及び第3号に掲げる者への報告を省略することができる。

(令5規則45・一部改正)

(様式の定め)

第10条 第1号様式及び第2号様式は、別に定める。

(補則)

第11条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この規則は、令和4年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 改正前の中野区争訟事務規則(以下「旧規則」という。)第8条第1項の規定によりされた報告に係る第6条第2項及び第3項の規定により添付する事故発生報告書の写しには、旧規則第8条第1項に規定する事故・苦情報告書の写しを含むものとする。

(令5規則45・一部改正)

(中野区庁有車の使用及び管理に関する規則の一部改正)

3 中野区庁有車の使用及び管理に関する規則(昭和63年中野区規則第57号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう省略〕

(令和5年3月31日規則第45号)

この規則は、令和5年4月1日から施行する。

中野区争訟事務規則

令和4年3月30日 規則第41号

(令和5年4月1日施行)