中野区総合設計許可要綱
2018年3月22日
要綱第32号
中野区総合設計許可要綱(1998年中野区要綱第114号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 計画要件(第5条―第7条)
第3章 計画基準(第8条―第14条)
第4章 容積率制限の緩和(第15条―第23条)
第5章 斜線制限の緩和等(第24条―第27条)
第6章 雑則(第28条・第29条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第59条の2の規定に基づく総合設計許可(以下「許可」という。)に関して必要な事項を定めることにより、土地の有効かつ合理的な利用の促進及び公共的な空地空間の確保による市街地環境の整備改善に資することを目的とする。
(基本目標)
第2条 前条に規定する許可の運用に当たっての基本目標は、次に掲げるとおりとする。
(1) 市街地環境の整備改善
(2) 良好な建築・住宅ストックの形成
(3) 公共施設の機能の補完
(4) 市街地の防災機能の強化
(5) 福祉のまちづくりの推進
(6) 都心居住の推進
(7) 職と住とのバランスのとれた都市の形成
(8) 少子高齢社会にふさわしい住まいの整備
(9) 敷地の集約による質の高い市街地形成
(10) 良好な都市景観の創造
(11) 緑化の推進
(12) 低炭素まちづくりの推進
(取扱方針等)
第3条 この要綱は、許可の取扱方針を定めるものであるとともに、許可の申請に当たり、必要な条件を示すものとする。
2 許可の要件を十分に満たすものであるか否かは、具体的な計画に即し、前2条の規定に照らして総合的見地から判断するものとする。
(1) 計画建築物 総合設計の計画に係る建築物をいう。
(2) 一般建築物 計画建築物の敷地内において法第3章第4節の一般規定によって許容される建築物をいう。
(3) 活用方針 「新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針」(2003年6月東京都都市整備局策定)をいう。
(4) 一般型総合設計 一定規模面積以上の計画敷地内に一定割合以上の公開空地を設けた総合設計で、市街地住宅型総合設計、共同住宅建替誘導型総合設計、都心居住型総合設計及び業務商業育成型総合設計以外のものをいう。
(5) 市街地住宅型総合設計 市街地住宅の供給の促進に資することを目的として、住宅の用途に供する部分の床面積の合計(容積率の算定基礎となる延べ面積に算入されない部分を除く。)が敷地面積に割増容積率を乗じて得た数値以上となり、割増容積率に相当する部分の住宅(サービス付き高齢者向け住宅等部分を除く。)の専有面積が55平方メートル以上となる建築計画に適用する総合設計をいう。
(6) 共同住宅建替誘導型総合設計 良質な住宅ストックの形成に資することを目的として、原則として、建築後30年を経過した主たる用途が共同住宅である建築物を建て替える計画(住宅用途以外の用途に供する部分の床面積(中野区総合設計許可要綱実施基準(2018年3月22日付け29中都建第2079号。以下「実施基準」という。)で定める施設に供する部分の床面積を除く。以下同じ。)の合計が、建替え前より増加しない計画に限る。)であり、割増容積率に相当する部分(法第3条第2項の規定により、法第52条第1項、第2項又は第7項の規定の適用を受けない既存建築物における超過容積率(算定方法は、第16条第2号の規定による。以下同じ。)に相当する部分並びにサービス付き高齢者向け住宅等及び子育て支援住宅である部分を除く。)の住宅の専有面積が55平方メートル以上となる建築計画に適用する総合設計をいう。
(7) 都心居住型総合設計 都心居住を推進することを目的として、次のいずれにも該当する建築計画に適用する総合設計をいう。
ア 住宅の用途に供する部分の床面積の合計が計画建築物の延べ面積の3分の2以上となり、かつ、延べ面積の4分の3以上を住宅又は日常生活を支える施設(実施基準で定める施設をいう。以下同じ。)の用途に供する計画
イ 住宅戸数の3分の2以上が55平方メートル以上の専有面積を有する計画
ウ 住宅の専有面積が全て40平方メートル以上となる計画(サービス付き高齢者向け住宅等部分を除く。)
(8) 業務商業育成型総合設計 活用方針に定める育成用途(以下「育成用途」という。)を整備する目的で行われる建築計画又は都市再開発法(昭和44年法律第38号)第2条の3第1項及び同条第2項に規定する都市再開発の方針(以下「再開発方針」という。)に適合する建築計画に適用する総合設計をいう。
(9) 一般拠点地区 活用方針に定める一般拠点地区をいう。
(10) 再開発促進地区 再開発方針に定められた都市再開発法第2条の3第1項第2号又は同条第2項に規定する地区内で地区計画等により高度利用を図るべきとされた区域をいう。
(11) センター・コア・エリア 活用方針に定めるセンター・コア・エリアをいう。
(12) 基準建蔽率 法第53条の規定により許容される建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の限度を百分率で表したものをいう。
(13) 空地 建築物又はこれに準ずる工作物に覆われていない敷地の部分をいう。
(14) 空地率 次式による数値をいう。
(空地面積/敷地面積)×100(%)
(15) 基準容積率 法第52条の規定により許容される建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の限度を百分率で表したものをいう。
(16) 割増容積率 この要綱によって基準容積率に割増しされる容積率(%)をいう。
(17) ピロティ等 ピロティ、アーケード等の建築物又は建築物の部分をいう。
(18) 人工地盤等 人工地盤、建築物の低層屋上面、サンクンガーデンその他これらに類するものをいう。
(19) 公開空地 計画建築物の敷地内の空地又は開放空間(アトリウム、ピロティ等及び人工地盤等をいう。)のうち、日常一般に公開される部分(当該部分に設ける環境の向上に寄与する植栽、花壇、池泉等及び空地の利便の向上に寄与する公衆便所等の小規模の施設に係る土地並びに屋内に設けられるもの等で特定行政庁が深夜等に閉鎖することを認めるものを含み、車路並びに自動車及び自転車の駐車の用に供する部分を除く。)で、第9条第1項に定める公開空地の規模及び形状の基準に適合する帯状又は一団の形態を成すものをいう。
(20) 歩道状空地 公開空地のうち、前面道路に沿って設ける歩行者用の空地及び当該空地に沿って設ける修景施設(当該空地に接する部分から幅4メートル未満の部分に限る。)をいう。
(21) 貫通通路 公開空地のうち、敷地内の屋外空間及び計画建築物内を動線上自然に通り抜け、かつ、道路、公園その他これらに類する公共施設(以下「道路等の公共施設」という。)相互間を有効に連絡する歩行者用通路(当該通路に沿って設ける修景施設のうち、その接する部分から幅員4メートル未満の部分を含む。)をいう。
(22) 屋外貫通通路 貫通通路のうち、計画建築物の屋外に設けるもの(ピロティ等の部分を含む。)をいう。
(23) 屋内貫通通路 屋外貫通通路以外の貫通通路をいう。
(24) アトリウム 公開空地のうち、計画建築物内に設ける大規模な吹き抜け空間で、天空光を確保できるものをいう。
(25) 広場状空地 歩道状空地、貫通通路及びアトリウム以外の公開空地をいう。
ア 緑化を図るなど修景上良好に設計された開放空間で、道路又は公開空地からの高低差が一定以下のもの
イ 歴史的建造物の存置部分
(28) 有効公開空地率 次式による数値をいう。
(公開空地等の有効面積の合計/敷地面積)×100(%)
(29) 基準公開空地率 有効公開空地率から次条第4号に定める有効公開空地率の最低限度を減じた数値をいう。
(30) 絶対高さ制限 法第55条第1項に規定する第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内における建築物の高さの制限をいう。
(31) 道路斜線制限 法第56条第1項第1号に規定する前面道路の反対側の境界線からの建築物の高さの制限をいう。
(32) 隣地斜線制限 法第56条第1項第2号に規定する隣地境界線からの建築物の高さの制限をいう。
(33) 北側斜線制限 法第56条第1項第3号に規定する北側隣地からの建築物の高さの制限をいう。
(34) 斜線投影面積 第14条に定める斜線投影図の作図法による斜線投影図のうち、敷地境界線から外側の部分の面積をいう。
(35) 地上部の緑化 敷地内の地上部を樹木で有効に植栽することをいう。
(36) 建築物上の緑化 建築物の屋上、壁面等の部分を樹木、多年草等で有効に植栽することをいう。
(37) PAL* 建築物の断熱や熱負荷の低減に係る指標をいう。
(38) PAL*の低減率 PAL*の基準値に対するPAL*の値の低減率をいい、「東京都建築物環境配慮指針」(平成28年東京都告示第1487号)別表第1による。
(39) ERR 設備システムのエネルギー利用の低減率をいい、「東京都建築物環境配慮指針」別表第1及び「都市開発諸制度の適用に関する環境都市づくりの取扱い指針」(平成29年3月東京都都市整備局策定)による。
(40) 緊急輸送道路 震災時の緊急輸送や応急活動を担う防災拠点等を結ぶ輸送ネットワークとして、道路管理者が指定する道路であり、東京都耐震改修促進計画(平成28年3月東京都都市整備局策定。以下「耐震改修促進計画」という。)に記載された道路をいう。
(41) サービス付き高齢者向け住宅等 高齢者の居住安定確保プラン(平成27年3月東京都都市整備局・福祉保健局策定。以下「安定確保プラン」という。)に記載されたサービス付き高齢者向け住宅等で実施基準に定めるもの。ただし、安定確保プランの計画期間内に着工するものに限る。
(42) 子育て支援住宅 東京都子育て支援住宅認定制度要綱(平成28年2月22日付27都市住民第1444号)に定める子育て支援住宅をいう。
(43) 子育て支援施設 活用方針に定める子育て支援施設をいう。
(44) 高齢者福祉施設等 活用方針に定める高齢者福祉施設等をいう。
(45) 歴史的建造物 法第3条1項各号に該当する建築物、景観法(平成16年法律第110号)第19条第1項に規定する景観重要建造物、東京都景観条例(平成18年東京都条例第136号)第22条第1項に規定する都選定歴史的建造物及び同項ただし書に規定する選定対象外建造物をいう。
(46) 職住近接ゾーン 活用方針に定める職住近接ゾーンをいう。
(47) 一時滞在施設 帰宅が可能になるまで待機する場所がない帰宅困難者を一時的に受け入れる施設をいう。
(48) 待機スペース 帰宅が可能になるまで待機する場所がない帰宅困難者が一時滞在施設内において待機する空間をいう。
第2章 計画要件
(計画の基本要件)
第5条 この要綱が適用される計画の基本的な要件は、次に掲げるとおりとする。
(1) 総合設計の適用区域は、中野区全域とする。
(2) 空地率の最低限度は、次に掲げる数値とする。
ア 容積率制限の緩和を伴う計画建築物の敷地内における空地率の最低限度は、当該敷地の基準建蔽率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:%)
基準建蔽率(Fo) | 空地率 |
30≦Fo≦50 | 115-Fo |
50<Fo≦55 | 65 |
55<Fo≦100 | 120-Fo |
イ ア以外の計画建築物の敷地内における空地率の最低限度は、当該敷地の基準建蔽率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:%)
基準建蔽率(Fo) | 空地率 |
30≦Fo≦50 | 110-Fo |
50<Fo≦55 | 60 |
55<Fo≦100 | 115-Fo |
(4) 計画建築物の敷地内における有効公開空地率の最低限度は、当該敷地の基準容積率に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:%)
基準容積率(Vo) | 有効公開空地率の最低限度(Po) |
Vo≦100 | 30 |
100<Vo<500 | 35-(Vo/20) |
500≦Vo | 10 |
(5) 計画建築物の敷地には、原則として、歩道状空地及び広場状空地を設けること。なお、歩道状空地にあっては、原則として、前面道路(幅員4.5メートル以上の歩道が確保されているものを除く。)に接する全ての敷地の部分に設けること。
ア 計画建築物の外壁又はこれに代わる柱の外面から敷地境界線までの水平距離は、当該部分の計画建築物の高さ(敷地境界線の地表面からの高さをいう。)の平方根の2分の1に2メートルを加えた数値以上であること。ただし、壁面の位置の統一を図るべき地区において、壁面の位置を統一する計画建築物、歴史的建造物の部分又は公共用歩廊、渡り廊下、地下鉄駅出入口施設その他これらに類する建築物の部分は、これによらないことができる。
イ 計画建築物の外壁又はこれに代わる柱の外面から道路境界線までの水平距離は、当該部分の計画建築物の高さ(敷地境界線の地表面からの高さをいう。)の平方根の2分の1に総合設計の種類別に必要な歩道状空地の幅員を加えた数値以上であること。ただし、実施基準で定める危険防止の措置を講じている場合は、総合設計の種類別に必要な歩道状空地の幅員の数値以上とすることができる。また、壁面の位置の統一を図るべき地区において、壁面の位置を統一する計画建築物、歴史的建造物又は公共用歩廊、渡り廊下、地下鉄駅出入口施設その他これらに類する建築物の部分にあっては、これによらないことができる。
(種類別要件)
第6条 前条に規定する計画の基本要件に付加する要件は、総合設計の種類に応じて、次に掲げるとおりとする。
(1) 一般型総合設計
ア 適用区域は、中野区全域とする。
イ 計画建築物の敷地面積の最低限度は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:m2)
用途地域 | 敷地面積 |
第一種低層住居専用地域 | 1,000 |
上欄以外の地域 | 500 |
ウ 計画建築物の敷地は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値以上の幅員を有する道路に接すること。ただし、近隣商業地域又は商業地域内にある計画建築物の敷地が、幅員6メートル以上の道路に当該敷地境界線の長さの合計の4分の1以上接する場合で、幅員4メートル以上の歩道状空地(当該道路境界線から2メートルまでの部分は、建築物又は建築物の部分で覆われていないものとする。この場合、当該部分は公開空地の有効面積の算定から除くものとする。)を当該道路に接して有効に設けたときは、この限りでない。
(単位:m)
用途地域 | 道路幅員 |
第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び準工業地域 | 6 |
近隣商業地域及び商業地域 | 8 |
(2) 市街地住宅型総合設計
ア 適用区域は、指定容積率400パーセント以上の区域とする。
イ 計画建築物の敷地面積の最低限度は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:m2)
用途地域 | 敷地面積 |
第一種低層住居専用地域 | 1,000 |
上欄以外の地域 | 500 |
ウ 計画建築物の敷地は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値以上の幅員を有する道路に接すること。ただし、近隣商業地域又は商業地域内にある計画建築物の敷地が、幅員6メートル以上の道路に当該敷地境界線の長さの合計の4分の1以上接する場合で、かつ、幅員4メートル以上の歩道状空地(当該道路境界線から2メートルまでの部分は、建築物又は建築物の部分で覆われていないものとする。この場合、当該部分は公開空地の有効面積の算定から除くものとする。)を当該道路に接して有効に設けたときは、この限りでない。
(単位:m)
用途地域 | 道路幅員 |
第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び準工業地域 | 6 |
近隣商業地域及び商業地域 | 8 |
(3) 共同住宅建替誘導型総合設計
ア 適用区域は、中野区全域とする。
イ 計画建築物の敷地面積の最低限度は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:m2)
用途地域 | 敷地面積 |
第一種低層住居専用地域 | 1,000 |
上欄以外の地域 | 500 |
ウ 計画建築物の敷地は、幅員が6メートル以上の道路に接すること。
(4) 都心居住型総合設計
ア 適用区域は、センター・コア・エリア内の区域とする。
イ 計画建築物の敷地面積の最低限度は、1,000平方メートルとする。
ウ 計画建築物の敷地は、割増し後の容積率に応じて、下表に掲げる数値以上の幅員を有する道路(当該道路に沿って歩道状空地が設けられているものに限る。)に接すること。
(単位:m)
割増し後の容積率 | 道路幅員 |
600%以下のもの | 8 |
600%を超えるもの | 12 |
(5) 業務商業育成型総合設計
ア 適用区域は、一般拠点地区及び再開発促進地区とする。
イ 計画建築物の敷地面積の最低限度は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値とする。
(単位:m2)
用途地域 | 敷地面積 |
第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域 | 1,000 |
上欄以外の地域 | 500 |
ウ 計画建築物の敷地は、用途地域の種別に応じて、下表に掲げる数値以上の幅員を有する道路に接すること。ただし、近隣商業地域又は商業地域内にある計画建築物の敷地が、幅員6メートル以上の道路に当該敷地境界線の長さの合計の4分の1以上接する場合で、かつ、幅員4メートル以上の歩道状空地(当該道路境界線から2メートルまでの部分は、建築物又は建築物の部分で覆われていないものとする。この場合、当該部分は公開空地の有効面積の算定から除くものとする。)を当該道路に接して有効に設けたときは、この限りでない。
(単位:m)
用途地域 | 道路幅員 |
第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び準工業地域 | 6 |
近隣商業地域及び商業地域 | 8 |
エ 建築計画が再開発方針に適合するもの以外である場合は、ウの規定にかかわらず、計画建築物の敷地は、幅員が12メートル以上の道路に接すること。
(その他の要件)
第7条 第16条第2号アに定める敷地規模別係数の計算式を適用する区域は、センター・コア・エリア内の区域とする。なお、適用区域外における計画の敷地規模別係数は1として割増容積率を算出するものとする。
2 有効空地の有効面積を含めて算出した有効公開空地率を適用する区域は、センター・コア・エリア内の区域とする。なお、適用区域外における有効公開空地率には、公開空地の有効面積のみから算定した数値を適用するものとする。
3 センター・コア・エリア内の区域にあっては、割増容積率に相当する床面積(容積率の算定基礎となる延べ面積に算入されない部分及び公益施設等に係る割増容積率に相当する部分を除く。)の用途は、事務所以外とすること。ただし、市街地住宅型総合設計、共同住宅建替誘導型総合設計及び都心居住型総合設計においては、この限りでない。
4 センター・コア・エリア外の区域における住居系用途地域内では、割増容積率に相当する部分を業務商業施設(日常生活を支える施設を除く。)の用途としてはならない。ただし、一般拠点地区においては、この限りでない。
第3章 計画基準
(計画に当たって配慮すべき事項等)
第8条 許可の対象となる建築計画は、法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令 」という。)に定める有効な都市空間の確保を基調とし、併せて第2条に定める基本目標の実現に貢献する次に掲げる要件に配慮又は対応した計画とする。
(1) 周辺の市街地環境等に対して配慮した建築形態であること。
(2) 周辺市街地の状況の変化等を踏まえ、計画建築物の用途、形態、配置等について、地区の将来像を見据えた配慮がなされていること。
(3) 計画の規模及び周辺市街地の状況に応じ、都市施設若しくは公共施設等の機能補完又はこれらの負荷軽減のための具体的な措置を講じていること。
(4) 計画の規模に応じ、周辺市街地の防災、避難に有効な施設を設けていること。
(5) 福祉のまちづくりの推進に配慮したものであること。
(6) 計画の内容に応じ、適切に用途及び施設が計画されていること。
(7) 住宅の整備に当たっては、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成及び高齢者等の居住の安定の確保に資する住宅の供給に配慮すること。
(8) 敷地内の空地及び建築物の屋上等について、緑化が図られていること。なお、公開空地の緑化については、「公開空地等のみどりづくり指針」(平成19年5月31日付19都市基施第74号)に即したものであること。
(9) 計画の用途、規模等に応じ、建築物の熱負荷の低減及び設備システムの省エネルギーに対する取組を環境への負荷の低減に高い効果を有するものとするなど、省エネルギー対策等によるカーボンマイナス(CO2の排出削減)について配慮したものであること。
(10) 建築物の高さ等について、「中野区総合設計許可に係る建築物の高さ等誘導指針」(2018年3月22日付け29中都建第2079号)及び東京都景観計画の景観形成基準に適合したものであること。
(公開空地)
第9条 公開空地の規模及び形状の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 歩道状空地
ア 幅員が3メートル以上(都心居住型総合設計にあっては4メートル以上)で、かつ、通行可能な部分の幅(以下「有効幅員」という。)が2メートル以上であること。ただし、当該有効幅員にあっては、歩道状空地に沿って有効幅員が3メートル以上の歩道がある場合は、この限りでない。
イ 共同住宅建替誘導型総合設計の適用を受ける建築物の敷地にあっては、アの規定にかかわらず、幅員及び有効幅員は2メートル以上であること。ただし、当該有効幅員にあっては、歩道状空地に沿って有効幅員が2メートル以上の歩道がある場合は、この限りでない。
エ 原則として、段差が設けられておらず、車椅子ですれ違いが可能であるなど福祉のまちづくりに寄与する構造であること。
(2) 貫通通路
ア 屋外貫通通路は、幅員が3メートル以上で、かつ、有効幅員が2メートル以上であること。ただし、車路に沿って設ける貫通通路にあっては、幅員が2メートル以上で、かつ、有効幅員を1.5メートル以上とすることができる。
イ 屋内貫通通路は、有効幅員が8メートル以上で、かつ、天井の各部分の高さが12メートル以上であること。ただし、当該敷地外の施設との歩行者ネットワークの形成を図るために設けられたものの天井の各部分の高さは、地下部分にあっては3メートル以上、地上部分にあっては6メートル以上とすることができる。
(3) アトリウムは、おおむね幅が30メートル以上で、かつ、床面から天井までの高さが30メートル以上であり、他の公開空地と有効に連絡する吹き抜け空間であること。
(4) 広場状空地
ア 最も狭い部分の幅は、4メートル以上であること。
イ 一の広場状空地(二以上の広場状空地が一体の空間を成し、かつ、相互間を有効に連絡するものを含む。この場合、当該空地面に高低差があるときは、その高低差が3メートル以内のものに限る。)の面積は、用途地域の区分に応じて、下表に掲げる数値以上であること。なお、空地面積の最低限度の算定に当たっては、当該広場状空地と同じ高さで接する歩道状空地及び屋外貫通通路を含むことができる。この場合、幅員が4メートル未満の部分を除くものとする。また、敷地面積の規模が令第136条第3項の表(ろ)欄に掲げる規模未満の場合にあっては、下表にかかわらず敷地面積の10分の1以上、かつ、100平方メートル以上とすることができる。
(単位:m2)
用途地域 | 空地面積 |
第一種低層住居専用地域 | 300 |
第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域及び準工業地域 | 200 |
近隣商業地域及び商業地域 | 100 |
ウ 全周長の8分の1以上が、道路、公園(一体的に利用されるものに限る。)、歩道状空地又は屋外貫通通路に接するものであること。
(5) 公開空地に含まれるピロティ等及び人工地盤等
ア ピロティ等にあっては、天井の高さが6メートル以上で、かつ、奥行きが当該高さの2倍以内の部分であること。ただし、壁面の位置の統一を図るべき地区において、壁面の位置を統一するために設けるものは、天井の高さを3メートル以上とすることができる。
イ 人工地盤等にあっては、次のいずれにも該当するもの又は該当する部分であり、サンクンガーデンにあっては、その最も狭い部分の幅が最大の深さの2倍以上であること。
(ア) 道路等の公共施設又は他の公開空地と幅員2メートル以上の階段若しくは傾斜路により、又は同一平面上で、2箇所以上(その位置及び幅員により同等以上の効果があると認められる場合は、1箇所)で有効に通じていること。
(イ) 道路等の公共施設又は歩道状空地(以下「道路等の公共施設等」という。)との高低差が6メートル以内であること。この場合、高低差とは、階段又は傾斜路により、道路等の公共施設等と有効に通じている部分における高低差(人工地盤等が高低差のある貫通通路又は他の広場状空地を経由して道路等の公共施設等に通じる場合には、当該貫通通路又は他の広場状空地と道路等の公共施設等との当該高低差を加えたもの)をいい、高低差の異なる2か所以上で接続する場合にはこれらの平均の高さをいう。
ウ 全周長の4分の1以上が道路等の公共施設又は他の公開空地と接すること。ただし、高低差が1.5メートル以内のものにあっては、全周長の6分の1以上とすることができる。
2 公開空地である屋内貫通通路、アトリウム及びピロティ等の「公開空地等の有効面積」の算定に当たっては、公開空地全体の面積の3分の1の面積に相当する部分を対象とする。
(1) 歩道状空地(幅員が4メートル以下(建築協定、高度利用地区、地区計画等で歩行者の利便を目的として幅員4メートルを超える壁面後退の指定がある場合については、当該指定の範囲内)で道路との高低差が1.5メートル以下のものに限る。)に係る公開空地の有効係数は、計画する地域ごとに、連続(二辺以上の連続(総合設計の種類別に必要な前面道路幅員を満たす道路と満たさない道路との連続は除く。)を含め、出入口等による分断は必要と認められる範囲で連続とみなす。)する歩道状空地の長さに応じて、下表ア及びイの当該各欄に掲げる数値とし、その他の歩道状空地の有効係数は同表ウに掲げる数値とする。なお、壁面の位置の統一を図るべき地区において、壁面の位置を統一するために設けるピロティ部分は、歩道状空地とみなし、ピロティによる低減の対象としない。
計画形態 | 有効係数 | |
ア 環状第7号線の内側の区域 | ||
① 長さが100m以上のもの | 1.8 | |
② 長さが80m以上100m未満のもの | 1.7 | |
③ 長さが60m以上80m未満のもの | 1.5 | |
④ 長さが40m以上60m未満のもの | 1.4 | |
⑤ 長さが20m以上40m未満のもの | 1.2 | |
⑥ 長さが20m未満のもの | 1.0 | |
イ その他の区域 | ||
① 長さが100m以上のもの | 1.7 | |
② 長さが80m以上100m未満のもの | 1.5 | |
③ 長さが60m以上80m未満のもの | 1.4 | |
④ 長さが40m以上60m未満のもの | 1.2 | |
⑤ 長さが40m未満のもの | 1.0 | |
ウ その他の部分 | 0.8 |
(2) 貫通通路に係る公開空地の有効係数は、下表に掲げる数値とする。
計画形態 | 有効係数 | |
ア 屋外貫通通路 | 0.8 | |
イ 屋内貫通通路 | ||
① 地下鉄との歩行者ネットワークの形成を図る部分 | 1.2 | |
② 景観形成建築物の敷地内で歩行者ネットワークの形成を図る部分 | 0.5~1.0 | |
③ 上欄以外の部分(その規模及び形態に応じて) | 0.3~0.8 |
(3) アトリウムに係る公開空地の有効係数は、下表に掲げる数値とする。
計画形態 | 有効係数 |
ア 歩行者ネットワークの形成を図るもの | 0.5~0.8 |
イ 上欄以外のもの(その規模及び形態に応じて) | 0.3~0.6 |
(4) 広場状空地に係る公開空地の有効係数は、下表に掲げる数値とする。
計画形態 | 有効係数 | |
ア 幅員が6m以上の道路、歩道状空地又は屋外貫通通路(この表において「道路等」という。)に接する一の広場状空地の面積が1,000m2以上のもの | ||
① 道路等に面する部分 | 1.2 | |
② 道路等に面しない部分 | 0.6 | |
イ 道路等に接する一の広場状空地の面積が300m2以上のもの | ||
① 道路等に面する部分 | 1.0 | |
② 道路等に面しない部分 | 0.5 | |
ウ 道路等に接する一の広場状空地の面積が100m2以上のもの | ||
① 道路等に面する部分 | 0.8 | |
② 道路等に面しない部分 | 0.4 |
(5) ピロティ等に係る公開空地の有効係数は、壁面の位置の統一を図るべき地区において、壁面の位置を統一するために設けるものを除き、下表に掲げる数値とする。
計画形態 | 有効係数 |
ア 歩行者ネットワークの形成を図るもの | 0.9 |
イ 天井の高さが6m以上、かつ、奥行きが高さの2倍以内の部分 | 0.7 |
(6) 人工地盤等に係る公開空地の有効係数は、下表に掲げる数値とする。ただし、下表のアからオまでの2以上に該当する場合は、その最大値とする。
計画形態 | 有効係数 |
ア 人工地盤等がこれに有効に通じる道路、公園等の公共施設又は他の公開空地との高低差が1.5m以下の部分 | 0.8 |
イ 人工地盤等がこれに有効に通じる道路、公園等の公共施設又は他の公開空地より低い位置にあり、その高低差が1.5mを超え3m以下の部分 | 0.6 |
ウ 人工地盤等がこれに有効に通じる道路、公園等の公共施設又は他の公開空地より低い位置にあり、その高低差が3mを超える部分 | 0.4 |
エ 人工地盤等がこれに有効に通じる道路、公園等の公共施設又は他の公開空地より高い位置にあり、その高低差が1.5mを超え3m以下の部分 | 0.4 |
オ 人工地盤等がこれに有効に通じる道路、公園等の公共施設又は他の公開空地より高い位置にあり、その高低差が3mを超える部分 | 0.3 |
ア 歩道と合わせた幅員が6メートルを超える歩道状空地の部分における低減係数 0.8
イ 広場状空地のうち、計画建築物により、冬至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間で全ての時間帯で日影となる部分における低減係数 0.8
4 公開空地の質は、「公開空地等のみどりづくり指針」に適合した上で、次に掲げる事項について、実施基準に定める基準に適合するよう努めること。
(1) 周辺の緑との連続性
(2) 樹種の多様性
(3) 既存樹木の保全及び活用
(4) 樹高の高い木の植栽
(5) 芝生、水面等による被覆
(6) 建築物上の緑化(屋上、壁面及びベランダ)
5 外壁又はこれに代わる柱の外面から、当該計画建築物の高さ(公開空地の地表面からの高さをいう。)の平方根の2分の1以内の距離の部分を公開空地とする場合は、実施基準に定める危険防止の措置を講ずるものとする。
(有効空地)
第10条 有効空地の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 屋上の開放空間は、道路の路面の中心からの高さが12メートル以下のところにあり、かつ、道路に面した5メートル以内の範囲で、その一の面積が50平方メートル以上であること。
(2) 歴史的建造物の存置部分は、歴史的建造物の水平投影面積の範囲内であること。
(3) 有効空地の面積のうち、公開空地の面積の合計の2分の1以内の部分を公開空地等の有効面積の対象とする。
2 有効空地の有効係数は、下表に掲げる数値とする。
種別 | 有効係数 |
屋上の開放空間 | 0.2 |
歴史的建造物の存置部分 | 1.2 |
(住宅)
第11条 住宅の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 住宅性能は、次に掲げる基準に適合するよう努めること。なお、等級は住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号。以下「住宅品確法」という。)に基づく日本住宅性能表示基準による。
ア 構造の安定性は、耐震等級2以上又は免震構造建築物、かつ、耐風等級2であること。
イ 火災時の安全性は、耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))2以上、かつ、耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))4であること。
ウ 劣化の軽減は、劣化対策等級3であること。
エ 維持管理への配慮は、維持管理対策等級(共用配管)2以上であること。
オ 高齢者等への配慮は、高齢者等配慮対策等級(共用部分)4以上であること。
(2) 高齢者向けの住宅を整備する場合には、サービス付き高齢者向け住宅等を5戸以上整備するものであること。
(環境性能等)
第12条 環境性能等の取扱いについては、次に掲げるとおりとする。
ア PAL*の低減率が10パーセント以上かつERRが20パーセント以上であること。
イ アに加え、次に掲げる事項について、実施基準に定める環境負荷の低減に貢献する「優れた取組」又は「特に優れた取組」を行うよう努めること。
(ア) 再生可能エネルギー等の利用(太陽エネルギー利用など)
(イ) エネルギー負荷を軽減する設計上の工夫(タスクアンビエント空調、輻射冷暖房施設の導入など)
(ウ) 運用時のエネルギー低減につながる取組(ビル環境エネルギー管理システムの導入など)
(2) 計画建築物の用途が住宅である場合、断熱等性能等級が4程度以上かつERRが0パーセント以上であること。あわせて、実施基準に定める環境負荷の低減に貢献する「優れた取組」を行うよう努めること。なお、断熱等性能等級4程度とは、以下のいずれかの基準に適合するものとする。
ア 住宅品確法に基づく評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号)第5の5―1(3)イに掲げる基準及び(3)ロに掲げる基準における等級が、いずれも4であること。
イ 住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針(平成25年国土交通省告示第907号)附則5に掲げる基準
(防災施設)
第13条 防災施設は、原則として建築物ごとに次に掲げる基準を満たすこと。
(1) 用途ごとに下表の基準を満たす防災備蓄倉庫を整備すること。この場合、防災備蓄倉庫の1箇所当たりの面積は、1平方メートル以上とする。
用途 | 業務 | 住宅 | その他の用途 |
防災備蓄倉庫の必要面積 | 業務の用に供する部分の延べ面積の0.001倍以上 | 住宅の用に供する部分の延べ面積の0.001倍以上 | 1m2以上 |
整備位置 | いずれの階からも最長歩行距離4層以内に1箇所以上 | いずれの階からも最長歩行距離2層以内に1箇所以上 | いずれの階からも最長歩行距離4層以内に1箇所以上 |
備考 この表における「延べ面積」は、自動車車庫及び駐輪場の用に供する部分を除くものとする。
(2) 次に掲げる基準を満たす自家発電設備を整備すること。ただし、法第34条第2項による非常用の昇降機を設けなければならない建築物に限る。
ア 用途ごとに下表により必要出力数を算出し、それらを合計した値以上の出力数を有する自家発電設備を整備すること。
用途 | 業務 | 住宅 | その他の用途 |
用途ごとの延べ面積当たりの発電機出力数 | 0.018kW/m2 | 0.006kW/m2 | 0.014kW/m2 |
備考 この表における「延べ面積」は、自動車車庫及び駐輪場の用に供する部分を除くものとする。
イ 次式で算出される数量(以下「貯蔵量」という。)以上の燃料を貯蔵するための施設を整備すること。ただし、やむを得ない事情により当該貯蔵施設が法別表第2に適合しない場合は、この限りでない。また、住宅の用に供する部分の延べ面積が全体の延べ面積の過半を占める建築物において、貯蔵量が1,950リットルを超える場合は、次式にかかわらず貯蔵量を1,950リットルとすることができる。なお、その他これらと同等以上の性能を有する動力源を整備する場合は、この基準によらないことができるものとする。
Q=b×E×H/w
Q:貯蔵量(l)
b:自家発電設備の燃料消費率(g/kWh)
E:自家発電設備の原動機出力(kW)
H:時間(h)
H={48×(0.018×A業+0.014×A他)+12×0.006×A住}/(0.018×A業+0.014×A他+0.006×A住)
A業:業務用途の延べ面積
A住:住宅用途の延べ面積
A他:その他の用途の延べ面積
w:燃料密度(重油850g/l、軽油830g/l)
(斜線投影図の作図法)
第14条 道路斜線制限又は隣地斜線制限の緩和を受けようとする計画建築物にあっては、斜線投影図を作図するものとする。
2 作図方法は、建築物の任意の部分から当該部分の高さを、道路斜線勾配(法第56条第1項第1号に定める数値)で除した数値を長さとして道路境界線と直角の方向へ取った点及び建築物の任意の部分から当該部分の高さを隣地斜線勾配(法第56条第1項第2号に定める数値)で除した数値を長さとして隣地境界線と直角の方向へ取った点を、それぞれ地盤面上に水平投影し、これらの点(以下「斜線投影点」という。)を当該建築物の各部分について求め、斜線投影点により最大となる図形(以下「斜線投影図」という。)を作図するものとする。
3 一般建築物の斜線投影図を作図する場合における道路斜線制限の適用については、次に掲げるとおりとする。
(1) 法第56条第1項第1号の規定中「前面道路の反対側の境界線からの水平距離が同表(は)欄に掲げる距離以下の範囲内においては、」の部分を削り、同号の規定を適用するものとする。
(2) 法第56条第2項から第6項までの規定は、適用しないものとする。
(3) 前面道路の反対側に、幅員10メートルを超える公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、前面道路の反対側の境界線とみなす位置は、令第134条第1項の規定にかかわらず、当該境界線の外側10メートルを限度とする。
(4) 二以上の前面道路がある場合で、一以上の道路の幅員(前号の規定により緩和される幅員を含む。)が、当該敷地の基準容積率に応じて定める下表に掲げる数値を超え、かつ、他の道路側における建築物の高さが緩和されることとなる場合においては、令第132条及び第134条第2項の規定にかかわらず、令第132条及び第134条第2項に定める区域は、当該敷地の基準容積率に応じて、下表の各欄に掲げる幅員の道路があるものとみなす。
(単位:m)
基準容積率(Vo) | 道路幅員 |
Vo≦100 | 4 |
100<Vo | Vo/25 |
4 一般建築物の斜線投影図を作図する場合における隣地斜線制限の適用については、次に掲げるとおりとする。
(1) 隣地斜線制限における隣地境界線上の建築物の高さ(以下「立ち上がりの高さ」という。)は、法第56条第1項第2号の規定にかかわらず、当該敷地の基準容積率に応じて、下表に掲げる数値以下とする。ただし、31メートル(第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域又は第一種住居地域内のものにあっては、20メートル)を限度とする。
(単位:m)
基準容積率(Vo) | 立ち上がりの高さ |
Vo≦100 | 8.5 |
100<Vo | (4.5Vo/100)+4 |
(2) 敷地が、公園(都市公園法施行令(昭和31年政令第290号)第2条第1項第1号に規定する都市公園を除く。)、広場、水面その他これらに類するものに接する場合における令第135条の3第1項第1号の規定による立ち上がりの高さの緩和については、当該規定にかかわらず、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの幅の2分の1以下の数値(10メートルを超える場合は、10メートルとする。)に、隣地斜線勾配を乗じて得た数値を前号の規定による立ち上がりの高さに加えたものを限度とする。
6 建築物の敷地の形態が不整形である場合における斜線投影図及び技術基準による立面投影図の作図に当たっては、等積の長方形又はこれに類する多角形の敷地に近似させることができるものとする。
第4章 容積率制限の緩和
(公開空地等による容積率の緩和)
第16条 公開空地等による容積率の緩和は、次に掲げるとおりとする。
(1) 緩和の対象は、計画建築物の敷地内に有効公開空地率が第5条第4号に定める有効公開空地率の最低限度(以下「有効公開空地率の最低限度」という。)を超える公開空地等を設ける場合とする。
(2) 割増容積率の限度は、次に定めるものとする。
ア 公開空地等による割増容積率の限度は、次式による。ただし、共同住宅建替誘導型総合設計を除く総合設計にあっては、(P-Po)の値が10未満の場合は、割増しを行わない。
割増容積率(%)=(P-Po)×α×((Vo/400)+Kx×β)×γ×Ky
P:有効公開空地率(%)
Po:有効公開空地率の最低限度(%)
表1
事項 | 内容 |
周辺の緑との連続性 | 近隣の公園や隣接する公開空地等のみどりとの連続性 |
樹種の多様性 | 落葉樹及び常緑樹のバランスのとれた植栽 |
既存樹木の保全及び活用 | 既存樹木のうち、健全な樹木の保全及び活用 |
樹高の高い木の植栽 | 植栽基盤を確保した上での、より樹高の高い木の植栽 |
芝生及び水面等による被覆 | まとまりのある芝生地及び水系施設の整備 |
建築物上の緑化 (屋上、壁面及びベランダ) | 地上部から視認性の高い建築物上の緑化 |
表2
計画適合評価 | A | B | C | D |
公開空地の質係数 | 1.3 | 1.2 | 1.1 | 1.0 |
Vo:基準容積率(%)
Kx:総合設計種類別係数 下表の総合設計制度の種類により定める係数をいう。
総合設計の種類 | Kx | |
一般型総合設計 | 1 | |
市街地住宅型総合設計 | センター・コア・エリア内 | 2.5 |
その他の適用区域 | 2.0 | |
共同住宅建替誘導型総合設計 | センター・コア・エリア内 | 5 |
その他の適用区域 | 4 | |
都心居住型総合設計 | 4.5 | |
業務商業育成型総合設計 | 一般拠点地区及び再開発促進地区 | 1.5 |
β:住宅係数 βは次の計算式により求める。ただし、一般型総合設計又は業務商業育成型総合設計の場合は、その値を1とする。
β=1+住宅性能係数(β1)+高齢者住宅・子育て支援住宅係数(β2)+建替支援係数(β3)
ただし、1.45を上限とする。
住宅性能係数(β1)=0.05×第11条第1号に定める住宅性能の基準への適合数
ただし、0.2を上限とする。
高齢者住宅・子育て支援住宅係数(β2)=0.005×サービス付き高齢者向け住宅等及び子育て支援住宅の整備戸数
ただし、0.25を上限とする。
建替支援係数(β3)=0.0025×超過容積率(%)
ただし、0.25を上限とする。
(So-Ao×基準容積率)/A (単位:%)
So:法第52条を適用するとした場合の容積率の算定の基礎となる延べ面積(m2)
Ao:既存建築物の敷地面積(m2)
A:計画建築物の敷地面積(m2)
(ア) 計画建築物の用途が住宅以外の用途である場合、下表に掲げる数値とする。
評価 | A | B | C |
建築計画の内容 | PAL*の低減率10%以上、ERR20%以上及び特に優れた取組 | PAL*の低減率10%以上、ERR20%以上及び優れた取組 | A又はB以外 |
環境性能係数 | 1.3 | 1.2 | 1.0 |
備考 この表における「特に優れた取組」又は「優れた取組」とは、実施基準に定めるところによる。
(イ) 計画建築物の用途が住宅である場合、下表に掲げる数値とする。
評価 | A | B | C |
建築計画の内容 | 断熱等性能等級4程度並びに優れた取組ア及びイ | 断熱等性能等級4程度及び優れた取組イ | A又はB以外 |
環境性能係数 | 1.2 | 1.1 | 1.0 |
備考 この表における「優れた取組ア」及び「優れた取組イ」とは、実施基準に定めるところによる。
Ky:敷地規模別係数 計画建築物の敷地面積が5,000平方メートルを超える場合は、当該敷地面積の規模に応じて、次式による。ただし、敷地を集約化したものに限る。
Ky={1+(A-Amin)/(X-Amin)}×W
敷地面積が5,000平方メートル以下の場合は、Ky=1とする。
A:敷地面積(m2)なお、Aが30,000平方メートル以上の場合は、A=30,000平方メートルとして、Kyを算定する。
Amin:500(m2)
X:30,000(m2)
W:W=0.1×{9+(y-6)/6}
yは、計画敷地の周長の6分の1以上に接する道路の幅員(m)とする。なお、幅員12メートルを超える場合は、y=12とする。また、第5条第3号ただし書を適用する場合は、W=0.9とする。
イ 地上部及び建築物上の緑化面積に応じて、アによる割増容積率の限度を以下の値により、増減するものとする。
(P-Po)×{(Vo/400)+1}×Kz (単位:%)
Kz:地上部及び建築物上の緑化係数
Kz=X-Xo (X≦0.35)
Kz=(X-Xo)/2 (0.35<X)
X:当該敷地の緑化率
X=(地上部の緑化面積及び建築物上の緑化面積の合計)/(敷地面積-建築面積+屋上の面積)
Xo:緑化基準値(0.35)
なお、地上部及び建築物上の緑化は、中野区みどりの保護と育成に関する条例施行規則(昭和54年中野区規則第8号)第11条及び第12条(建築計画が東京における自然の保護と回復に関する条例(平成12年東京都条例第216号)第14条第1項に規定する緑化計画書の届出を要する行為に該当する場合は、同条例施行規則(平成13年東京都規則第39号)第6条)によるほか、実施基準に定める緑化の基準を満たすものとする。また、緑化面積及び屋上の面積の算定方法は、中野区みどりの保護と育成に関する条例(昭和53年中野区条例第42条)及び同条例施行規則(建築計画が、東京における自然の保護と回復に関する条例第14条第1項に規定する緑化計画書の届出を要する行為に該当する場合は、同条例及び同条例施行規則)の規定によるものとする。ただし、Kzは、0.05を上限値とする。
(ア) 一般型総合設計 基準容積率の0.5倍又は175パーセントのいずれか低い数値とする。
(イ) 市街地住宅型総合設計 計画敷地の所在地により、それぞれ下表に掲げる数値とする。
区域 | 割増容積率の最高限度 |
環状第7号線の内側の区域 | 基準容積率の0.75倍又は300%のいずれか低い数値 |
上欄以外の区域 | 基準容積率の0.5倍又は250%のいずれか低い数値 |
なお、割増し後の容積率は、1,000パーセントを超えることはできない。
(ウ) 共同住宅建替誘導型総合設計 計画敷地の所在地により、それぞれ下表に掲げる数値とする。
区域 | 割増容積率の最高限度 |
環状第7号線の内側の区域 | 基準容積率の0.75倍又は300%のいずれか低い数値 |
上欄以外の区域 | 基準容積率の0.5倍又は250%のいずれか低い数値 |
なお、割増し後の容積率は、1,000パーセントを超えることはできない。
(エ) 都心居住型総合設計 計画敷地の所在地により、それぞれ下表に掲げる数値とする。
区域 | 割増容積率の最高限度 |
センター・コア・エリアの下欄以外の区域 | 基準容積率の1.0倍又は400%のいずれか低い数値 |
センター・コア・エリア内の近隣商業地域又は商業地域以外の用途地域で、高度地区(最低限高度地区を除く。)が指定されている区域 | 基準容積率の0.75倍又は300%のいずれか低い数値 |
なお、割増し後の容積率は1,000パーセントを超えることはできない。また、割増容積率の最高限度が異なる区域にまたがる場合の割増容積率の最高限度は、当該各区域の割増容積率の最高限度にその敷地の当該区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計とする。
(オ) 業務商業育成型総合設計 基準容積率の0.5倍又は250パーセントのいずれか低い数値とする。
(防災による容積率の緩和)
第17条 防災による容積率の緩和は、次に掲げるとおりとする。
(1) 緊急輸送道路の沿道の建築物の建替えにおける容積率の緩和については、次に掲げるとおりとする。
ア 緩和の対象 緊急輸送道路に接する敷地に1981年5月31日以前の耐震基準により建てられた建築物で、そのいずれかの部分の高さ(地盤面からの高さをいう。ただし、地盤面が、当該建築物の敷地に接する緊急輸送道路の路面の中心より低い場合は、当該路面の中心からの高さをいう。)が、当該部分から前面道路の境界線までの水平距離に下表に掲げる当該前面道路の幅員に応じ、それぞれ下表に定める距離を加えた数値を超える建築物(建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第4条第2項第3号に掲げる建築物の耐震診断及び耐震改修の実施について技術上の指針となるべき事項に定めるところにより耐震診断を行った結果、地震に対して安全な構造であると認められなかったもので、耐震改修促進計画の計画期間内に工事に着手するものに限る。以下「緩和対象建築物」という。)を建て替える場合。なお、この項目の緩和を受ける建築物は、前条第2号の住宅係数の算定に当たり、構造の安定による基準を適合対象項目とすることはできない。
前面道路の幅員 | 加算距離 |
12m以下の場合 | 6m |
12mを超える場合 | 前面道路の幅員の1/2に相当する距離 |
イ 割増容積率の限度
(イ) 耐震改修促進計画において耐震化を図るべき建築物とされている民間の特定建築物で実施基準に定めるものを建て替え、法に定める基準の1.25倍以上の耐震強度又はこれと同等以上の耐震性能を確保する場合 緩和対象建築物の従前の敷地面積の80パーセントに相当する面積を計画建築物の敷地面積で除した割合。ただし、計画敷地面積が従前の敷地面積より小さい場合は、計画敷地面積の80パーセントに相当する面積を計画敷地面積で除した割合による。
(ウ) 法第3条第2項の規定により法第52条第1項、第2項又は第7項の規定の適用を受けないマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)第2条第1号に定めるマンションをいう。)で実施基準に定めるものの建替えを行う場合 超過容積率が100パーセントを超える場合は、当該超過容積率から100パーセントを引いた割合
(2) 重点的に耐震化を図るべき建築物の建替えは、次に定めるものとする。
ア 緩和の対象 耐震改修促進計画において耐震化を図るべき建築物とされている民間の特定建築物で実施基準に定めるものを建て替え、法に定める基準の1.25倍以上の耐震強度又はこれと同等以上の耐震性能を確保する場合。ただし、前号イ(イ)の場合に該当しないもので耐震改修促進計画の計画期間内に工事に着手するものに限る。
イ 割増容積率の限度 緩和対象建築物の従前の敷地面積の30パーセントに相当する面積を計画建築物の敷地面積で除した割合。ただし、計画敷地面積が従前の敷地面積より小さい場合は、計画敷地面積の30パーセントに相当する面積を計画敷地面積で除した割合による。
(3) 敷地の集約化は、次に定めるものとする。
ア 緩和の対象 隣接地の所有者(所有者が当該隣接地を相続その他の一般承継により取得した場合は、所有者及びその前主)が5年間以上保有していた土地を許可申請者が自ら計画建築物の敷地として集約化し、敷地の整形化を図る場合。ただし、集約化後の敷地面積が5,000平方メートル以下のものに限る。
イ 割増容積率の限度 敷地の集約化による割増容積率は、次式による数値とする。
割増容積率=集約化の評価点数の合計×集約係数(単位:%)
(ア) 集約化の評価点数
集約化する敷地面積 | 100m2未満 | 100m2以上300m2未満 | 300m2以上500m2未満 |
評価点数 | 5 | 4 | 3 |
(イ) 集約係数は、下表のとおりとする。
集約比率は、次式による。
集約比率=(集約化した敷地面積の合計/5,000m2)×100(%)
集約比率 | 5%以上10%未満 | 10%以上15%未満 | 15%以上20%未満 | 20%以上25%未満 | 25%以上 |
係数 | 1.2 | 1.4 | 1.6 | 1.8 | 2.0 |
(公益施設等の整備による容積率の緩和)
第18条 公益施設等の整備による容積率の緩和は、次に掲げるとおりとする。
(1) 地域の防災性の向上に資する施設の整備は、次に定めるものとする。
ア 緩和の対象
(ア) 原則として一般拠点地区において、区との協定等に基づき、住宅、病院及び社会福祉施設(社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条第2項及び第3項の事業を行う施設をいう。)の用途に供する部分以外に、実施基準に定める基準を満たす一時滞在施設を設ける場合
(イ) 水防法(昭和24年法律第193号)第14条に規定する洪水浸水想定区域における計画建築物の敷地に、深さ3メートル以上の雨水貯留槽を設ける場合
(ウ) 区の要請等に基づく施設を設ける場合
イ 割増容積率の限度 地域の防災性の向上による割増容積率は、次式による数値とする。ただし、ア(ウ)に基づく場合で、整備に必要な部分の床面積の合計に相当する部分を算定することが困難な場合は、下表のとおりとする。
Ab/A×100 (単位:%)
Ab:地域の防災性の向上に寄与する施設の面積
(ただし、ア(ア)に基づく場合は、待機スペースの面積×0.4とする。)
A:敷地面積
かまどベンチや災害用マンホールトイレなど地域の防災性の向上に資する設備 | 1基につき0.5%上限を5%とする |
(2) その他の公益施設等の整備は、次に掲げるとおりとする。
(ア) 保安、公害防止等に寄与する施設
(イ) 地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設
(ウ) 福祉の向上に貢献する施設((キ)に該当するものを除く。)
(エ) 一般交通の機能の向上に資する施設
(オ) 供給処理施設等の負荷軽減に寄与する施設
(カ) 歴史的建造物
(キ) 子育て支援施設
イ 割増容積率の限度 公益施設等による割増容積率は、次式による数値をその限度として公益施設等の床面積に応じて緩和する。ただし、整備に必要な部分の床面積の合計に相当する部分を算定することが困難な場合は、下表のとおりとする。また、「建築基準法第52条第14項第1号に基づく東京都容積率の許可に関する取扱基準」(平成16年3月4日付15都市建市第282号。以下「法52条14項1号取扱基準」という。)に該当する公益施設等又は高齢者福祉施設については、当該施設の床面積を加えることができる。
(Vo/50)+80 (Vo:基準容積率(%))
道路の無電柱化 | 50% |
自転車シェアリングのポート、ステーション | 自転車を駐留する部分の水平投影面積/敷地面積(%) |
(公開空地、防災、公益施設等による割増容積率の合計の限度)
第19条 公開空地、防災、公益施設等による割増容積率の合計の限度は、次に掲げるとおりとする。
(公共空地による容積率の緩和)
第21条 公共空地による容積率の緩和は、次に掲げるとおりとする。
(1) 緩和の対象 計画建築物の整備と一体的に計画配置される道路、公園、緑地、広場その他これらに類する公共空地のうち、事業者の無償譲渡等に係るもので、かつ、都市計画決定(地区計画等を含む。)されたもの(計画建築物とおおむね同時期に決定されるものを含む。)又は地方公共団体により管理されるもの(開発行為等に伴い整備する提供公園等の受益者負担部分を除く。)
(2) 緩和の限度 当該公共空地面積に基準容積率を乗じて求められる面積を計画建築物の許容延べ面積に加えることができる。
(1) 緩和後の容積率による法別表第3(は)欄に掲げる規定に適合すること。
(2) 緩和後の容積率による法別表第3(は)欄に掲げる規定に適合しない場合にあっては、次条の道路斜線制限の緩和基準に準じて計画建築物の斜線投影図(市街地住宅型総合設計、共同住宅建替誘導型総合設計又は都心居住型総合設計にあっては、立面投影図で比較することができる。)を作図し、同条各号に掲げる緩和の限度を超えないこと。
第5章 斜線制限の緩和等
2 前項の規定による緩和の限度は、次に掲げるとおりとする。
(1) 計画建築物の敷地の各辺における斜線投影面積は、当該敷地における一般建築物の対応するそれぞれの辺の斜線投影面積を超えないこと。ただし、前面道路の幅員が法別表第3(い)欄及び(ろ)欄に掲げる地域又は区域及び容積率の限度の区分に応じて、同表(は)欄に掲げる距離を超える場合にあっては、当該辺については、この限りでない。なお、隣接地の用途地域、土地利用状況又は当該敷地からの方位によっては、二以上の辺の斜線投影面積の合計によって比較することができるものとする。
(2) 前号の場合において、前面道路の境界線から後退した計画建築物の当該道路境界線側の辺における斜線投影面積は、斜線投影面積から、後退距離(法第56条第2項の規定に定めるものをいう。)に敷地の当該辺の長さを乗じて得た数値を減じたものによることができるものとする。また、隣地境界線から、後退した計画建築物の当該隣地境界線側の辺における斜線投影面積は、斜線投影面積から、計画建築物(当該辺に面する道路の路面の中心又は地表面からの高さが5メートル以下の部分を除く。)から隣地境界線までの水平距離のうち、最小のものに相当する距離に、敷地の当該辺の長さを乗じて得た数値を減じたものによることができるものとする。
2 前項の規定による緩和の限度は、次に掲げるとおりとする。
(1) 法第56条の2の規定による日影規制の対象となる建築物については、次に定める条件に該当するものでなければならない。
ア 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域内の対象区域内の土地に日影を生じさせるものにあっては、当該地域内の日影については、東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例(昭和53年東京都条例第63号)に定める規制値の適用に当たって、法第56条の2第1項中「敷地境界線からの水平距離が5メートルを超える範囲」を「敷地境界線を超える範囲」と、法別表第4の(に)欄中「水平距離が10メートル以内」を「水平距離が5メートル以内」と、「水平距離が10メートルを超える」を「水平距離が5メートルを超える」とそれぞれ読み替えたものに適合すること。
(2) 前号に規定する建築物以外の建築物については、平均地盤面からの高さが4メートルの水平面に、敷地境界線からの水平距離が5メートルを超える範囲において、法別表第4の3の項の(に)欄(二)に掲げる日影時間以上日影となる部分を生じさせないこと。ただし、周辺市街地に及ぼす影響が軽微であると認められるものについては、この限りでない。
2 前項の規定による緩和の限度は、次に掲げる数値のいずれか低い数値とする。ただし、20メートルを超えることはできない。
(1) 方位別斜線制限 建築物の各部分の平均地盤面からの高さは、当該部分から敷地境界線までの各方位別の水平距離に応じて、下表の各欄に掲げる数値以下とする。
(単位:m)
方位 | 水平距離 | 高さの限度 |
真東 | Le | 4+1.25Le |
真西 | Lw | 4+1.25Lw |
真南 | Ls | 4+1.25Ls |
真北 | Ln | 4+0.50Ln |
(2) 日影制限 前条に定める日影規制に適合するものとすること。この場合において、計画建築物の各部分の高さは、原則として、当該部分から隣地境界線までの水平距離の1.25倍に10メートルを加えたものをその限度とする。
(1) 法第3条第2項の規定により法第56条第1項の適用を受けない建築物の増築であること。
(3) 建築物の増築が、第2条の基本目標の実現に資するものであること。
(4) 計画建築物の容積率が、基準容積率の制限の範囲内であること。
第6章 雑則
(雑則)
第28条 都市計画で定める高度地区(最高限度高度地区)の規定に基づく許可の特例と総合設計とを併用する場合においては、「都市計画高度地区内の総合設計制度に係る建築物の高度地区の高さ制限の許可基準」(平成10年3月2日付9都市建調第285号)に適合するものとする。
(その他)
第29条 この要綱の実施に関して必要な次の事項は、別に実施基準で定める。
(1) 特定の地域における容積の割増部分の用途制限等
(2) 公開空地及び公共空地等である旨の標示
(3) 公開空地及び公共空地の維持管理
(4) 許可申請手続及び申請図書
(5) この要綱の適用を受ける計画建築物等に設ける屋外広告物の設置基準
(6) 市街地住宅型総合設計、共同住宅建替誘導型総合設計、都心居住型総合設計又は業務商業育成型総合設計による建築物である旨の標示
(7) 緑化の基準、標示及び維持管理
附則
1 この要綱は、2018年4月1日から施行する。