中野区未熟児養育事業実施要綱

昭和52年1月10日

要綱第46号

―昭和51年5月18日決定―

第1 目的

この要綱は、母子保健法(昭和40年法律第141号。以下「法」という。)の規定に基づく未熟児の保健指導及び養育のため病院に収容することを必要とする未熟児に対して行う養育医療給付に係る必要な事項を定める。

第2 低体重児の届出

未熟児の養育対策の万全を期するため、母子保健法第18条の規定による低体重児の早期届出の徹底を図る必要がある。このため、妊娠の届出、母と子の保健バツクの交付、母親学級等の機会をとらえて、速やかに届出が行われるよう指導するほか、医師会、助産師会等の積極的な協力を得るため、医師会、助産師会との連絡協調を密にし、未熟児の早期把握に万全を期するものとする。

低体重児の届出は、出生通知票(低体重児届出兼用)(中野区母子保健法施行規則(昭和50年中野区規則第14号。以下「区規則」という。)第5号様式)による。

第3 未熟児訪問指導

1 訪問指導の実施

区長は、法第19条による訪問指導の実施にあたつては、医療機関等を通じて未熟児の症状等の把握に努めるものとし、指導内容は、当該医療機関の医師等の意見を聞くほか、昭和36年8月12日児発第847号厚生省児童局長通知「新生児訪問指導の実施について」の第4を準用し、特に合併症又は後遺症等の発現について留意のうえ適切な指導を行うものとする。

2 対象者の把握

区長は、訪問指導を徹底するため、次により対象者の把握につとめなければならない。

(1) 低体重児の届出の徹底

(2) 医療機関等との緊密な連絡

3 事後指導の徹底

区長は、訪問指導票を整備し、指導を行つたときは、訪問指導票及び母子健康手帳に必要な事項を記入して事後指導の徹底を図らなければならない。

第4 未熟児の養育医療給付

1 対象者

保護者が区内に住所を有する未熟児で、医師が入院養育を必要と認めたものとする。

なお、法第6条第6項にいう諸機能を得るに至つていないものとは、例えば、次のいずれかの症状等を有している場合をいう。

(1) 出生時体重2,000グラム以下のもの

(2) 生活力が特に薄弱であつて、次に掲げるいずれかの症状を示すもの

ア 一般状態

(ア) 運動不安痙攣があるもの

(イ) 運動が異常に少ないもの

イ 体温が摂氏34度以下のもの

ウ 呼吸器、循環器系

(ア) 強度のチアノーゼが持続するもの、チアノーゼ発作を繰り返すもの

(イ) 呼吸数が毎分50を超えて増加の傾向にあるか又は毎分30以下のもの

(ウ) 出血傾向の強いもの

エ 消化器系

(ア) 生後24時間以上排便のないもの

(イ) 生後48時間以上嘔吐が持続しているもの

(ウ) 血性吐物・血性便のあるもの

オ 黄疸

生後数時間以内に現われるか、異常に強い黄疸があるもの

2 医療給付の範囲等

(1) 給付の範囲

ア 診察

イ 薬剤又は治療材料の支給

ウ 医学的処置・手術及びその他の治療

エ 病院又は診療所への収容

オ 看護

看護は、未熟児の症状が重篤で医師又は看護師が常時監視し随時適切な処置を必要とする場合に承認するものとし承認期間は症状に応じて最小限必要な期間とする。

この取扱いについては、昭和26年10月10日保発第75号厚生省保険局長通知「看護料の算定基準について」及び昭和35年9月13日保発第63号厚生省医療課長通知「看護料の算定基準について」に定めるところによる。

カ 移送

移送は、入院又は医師が特に必要と認めた場合に承認するものとし、その額は必要とする最小限度の実費とする。なお、移送に際し、介護の必要があると認められる場合は、付添人の移送費についても支給する。

(2) 給付の方法

医療費に給付は、看護料及び移送費を除き、現物給付によるものとする。ただし、やむを得ない事情がある場合に限り現物給付にかえて、その費用を支給することができる。

(3) 社会保険各法との関連

母子保健法施行規則(昭和40年厚生省令第55号。以下「規則」という。)第14条第2項の社会保険各法の給付と本給付との関係は、受療者が社会保険各法の被扶養者等である場合は、社会保険各法による医療の給付が優先する。したがつて養育医療給付は保険診療の自己負担分を対象とする。

3 給付の申請

養育医療給付を受けようとするときは、当該未熟児の保護者は、次の要領により区長に申請しなければならない。

(1) 申請は、養育医療給付申請書(区規則第6号様式)による。

添付書類

ア 医師の記載した養育医療意見書(第2号様式)

イ 世帯調書(第3号様式)

ウ 世帯調書に記載されている所得税額証明書(別に定める方法により、申請をしようとする日の属する年の前年の所得額を確認することができるときは、添付を省略することができる。)

(2) 看護料及び移送料の申請は、看護・移送承認申請書(第4号様式)による。

添付書類

ア 当該費用の領収書またはその写し

イ 各保険組合で支給した金額の証明書またはその写し

(3) 前2号の申請書は、区長に提出するものとする。

4 削除

5 給付の決定

区長は、第3項の申請があつたときは、速やかに養育医療を給付するか否かを決定し、次の要領により処理する。

(1) 給付を行うことを決定したときは、養育医療券(規則第1号様式(1)。以下「医療券」という。)を申請者に交付するとともに、当該医療機関に対し、その旨を第5号様式の書面により通知する。

(2) 看護料及び移送費の給付を行うことを決定したときは、看護・移送承認書(第6号様式)により、申請者に交付する。

(3) 給付を行わないことを決定したときは、養育医療給付却下決定通知書(区規則第7号様式)により申請者に通知するとともに当該医療機関に対し、その旨を養育医療不承認決定通知書(第7号様式)により通知する。

6 医療券の取扱い上の留意事項

(1) 医療券の有効期間については、当該指定養育医療機関による医療開始の日にさかのぼるものとし、終期は医療終了の日であるので診療終了予定期間に若干の余裕を考慮した期間を記載することとする。

(2) 医療券の交付に際しては申請者に対し、その取扱いについて十分指導するとともに、費用の一部負担金等についてあらかじめ周知させておかなければならない。

(3) 医療を受ける場合において、やむを得ない理由により医療券を指定養育医療機関に提出できない時は、とりあえず医療を受けさせ、その理由がなくなつた後、速やかに医療券を提出させることとする。

7 医療の継続

(1) 指定養育医療機関は、当該医療を医療券の有効期間を過ぎて継続する必要のあると認める場合には、事前に養育医療継続協議書(第8号様式)に養育医療継続の意見書(第9号様式)を添付し、区長に協議しなければならない。

(2) 区長は、協議内容を審査し適当と認めたときは、養育医療継続承認書(第10号様式)により当該医療機関へ通知する。

当該未熟児の保護者に対しては、養育医療継続承認書(第11号様式)により通知する。

8 転院の取扱い

やむを得ない理由により当該指定養育医療機関を転院する場合は、新たに給付の申請をしなければならない。

この場合の養育医療給付申請書(区規則第6号様式)には、養育医療意見書及び転院を必要とする理由を記載した医師の追加意見書(第12号様式)を添付することとし、世帯調書等は省略できるものとする。

9 医療券の再交付

医療券を紛失又はき損した場合は、医療券再交付申請書(第13号様式)により医療券にを表示して再交付する。

10 自己負担額の決定及び徴収

法第21条第3項の規定による扶養義務者から徴収する額の決定は、区規則の定めによることとし、費用負担通知書(第14号様式)により、扶養義務者へ通知する。

11 診療報酬の請求・審査及び支払

診療報酬の請求・審査及び支払については、昭和29年4月28日社発第353号厚生省社会局長・児童局長通知「医療扶助並びに更生医療及び育成医療の給付に伴う診療報酬の審査及び支払に関する事務の委託について」に定めるところによる。

なお、国民健康保険については、昭和49年10月15日児発第655号厚生省児童家庭局長通知「育成医療費等公費負担医療の給付にかかる診療報酬等の審査及び支払に関する事務の国民健康保険団体連合会への委託について」に定めるところによる。

12 備え付け台帳

区長は、医療費助成申請書受理兼整理簿(第15号様式)を備え付け、申請・決定の状況を明らかにするとともに、医療券交付台帳(医療券写しのとじ込み)を備え付けておかなければならない。

第5 指定養育医療機関

1 指定基準

東京都養育医療機関指定基準(東京都未熟児養育事業実施要綱(以下「都要綱」という。)による。

2 指定

法第20条第5項の規定による養育医療機関の指定を受けようとする当該医療機関の開設者は、養育医療機関指定申請書(母子保健法施行細則(昭和62年東京都規則第61号。以下「都細則」という。)第3号様式甲又は第3号様式乙)により、区長を経由して知事に提出しなければならない。

知事が養育医療機関の指定をしたときは、養育医療機関指定書(都要綱第3号様式)を申請書経由の区長を経由して申請者に交付する。

3 変更等の届出

規則第12条の規定による届出をするときは、養育医療機関変更届(都細則第4号様式)により、区長を経由して知事に届出なければならない。

4 指定辞退の申出

規則第13条の規定による指定辞退の申出をするときは、養育医療機関指定辞退届(都細則第5号様式)により、区長を経由して知事に申出なければならない。

第6 妊婦健康診査及び保健指導の徹底

未熟児の出生を防止するために、未熟児の出生の原因となる妊婦の疾病等の予防と早期発見に努め、早期に治療を行うことが必要であるので、区長は、妊婦に対する妊娠中の定期的な健康診査及び保健指導の徹底に努めなければならない。

第7 医療機関等の協力

区長は、未熟児医療事業の円滑な実施を図るため、本事業に直接関係ある医療機関はもとより医療保健関係者等に対し医師会、助産師会等を通じて、本事業の趣旨の周知徹底を図るとともに積極的な協力を求めなければならない。

第8 広報活動

区長は、未熟児養育事業の実施にあたつては、未熟児医療にたずさわる医師及び助産師等の医療保健関係者をはじめ、広く本事業の趣旨の周知徹底を図るほか積極的な協力を求めて効率的な運営を図らなければならない。

また、区民特に妊婦に対し、本事業の趣旨の徹底を図り母親学級等の保健衛生教育の場を通じて、常に未熟児養育上の正しい知識とその方法を普及しなければならない。

この要綱は、昭和50年4月1日から適用する。

この要綱は、昭和51年7月1日から適用する。

(1992年7月31日要綱第152号)

この要綱は、1992年7月31日から施行し、改正後の第4条第3項、第4項、第5項、第7項及び第12項の規定は、同年4月1日から適用する。

(1998年7月6日要綱第77号)

この要綱は、1998年7月6日から施行する。

(2001年3月30日要綱第63号)

この要綱は、2001年4月1日から施行する。

(2002年4月1日要綱第70号)

この要綱は、2002年4月1日から施行する。

(2003年3月28日要綱第62号)

この要綱は、2003年4月1日から施行する。

(2004年2月3日要綱第3号抄)

(施行期日)

1 この要綱は、2004年2月3日から施行する。

(経過措置)

3 この要綱の施行の際この要綱による改正前の要綱で定める様式による用紙で現に残存するものは、その限りにおいて使用することができるものとする。

(2004年3月31日要綱第96号)

この要綱は、2004年4月1日から施行する。

(2005年3月31日要綱第14号)

この要綱は、2005年4月1日から施行する。

(2006年1月25日要綱第11号)

この要綱は、2006年1月25日から施行する。

(2016年3月16日要綱第25号)

この要綱は、2016年4月1日から施行する。

(2017年7月14日要綱第97号)

この要綱は、2017年7月14日から施行する。

(2019年7月8日要綱第104号)

この要綱は、2019年7月8日から施行する。

(2020年6月11日要綱第136号)

この要綱は、2020年6月11日から施行する。

(2021年11月25日要綱第152号)

(施行期日)

1 この要綱は、2021年11月25日から施行する。

(経過措置)

2 この要綱の施行の際この要綱による改正前の中野区未熟児養育事業実施要綱、中野区療育給付事業実施要綱、中野区放課後子ども教室推進事業実施要綱、中野区乳幼児親子支援活動助成金交付要綱、子育て支援地域づくり啓発助成金交付要綱、中野区立障害児通所支援施設医療的ケア実施要綱又は中野区障害児通所支援施設第三者評価受審費補助金交付要綱で定める様式による用紙で現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。

中野区未熟児養育事業実施要綱

昭和52年1月10日 要綱第46号

(令和3年11月25日施行)

体系情報
要綱通知編/ 子ども教育部
沿革情報
昭和52年1月10日 要綱第46号
平成13年3月30日 要綱第63号
平成14年4月1日 要綱第70号
平成15年3月28日 要綱第62号
平成16年2月3日 要綱第3号
平成16年3月31日 要綱第96号
平成17年3月31日 要綱第14号
平成18年1月25日 要綱第11号
平成28年3月16日 要綱第25号
平成29年7月14日 要綱第97号
令和元年7月8日 要綱第104号
令和2年6月11日 要綱第136号
令和3年11月25日 要綱第152号