中野区公文規程施行細目
昭和52年1月10日
要綱第23号
―昭和51年10月22日決定―
第1 総則的事項(第1条関係)
1 中野区公文規程の適用対象
中野区公文規程(以下「公文規程」という。)の適用対象となるのは、区長の補助執行部局において用いられる公文全てである。
(1) 公文は、全て日本語を用いて作成されるべきものである。公文規程は、この前提に立つて制定されている。
(2) 公文は、公文書の作成に用いる文の意義であり、公文書作成に用いる用紙、表記手段等に関する事項を含んでいない。
(3) 公文中に引用する文には、引用という事柄の性質上公文規程に定める漢字、送り仮名、仮名遣いについての制限規定は適用がない。
2 公文書作成に用いる用紙、公文の表記手段等
公文規程は、その性質上公文に関する事項以外の事項については規定しなかつたが、公文書(帳票類を除く。)作成に用いる用紙、表記手段等については、次に定めるところによる。
(1) 用紙
原則としてA4判の大きさの紙を縦長に用いる。
(2) 表記手段
原則として、黒色、赤色若しくは青色のインク(消すことができるインクを除く。)を用いてのペン又はボールペンによる手書き、パーソナルコンピュータによる印字、複写又は印刷とする。これらの手段のうち、作成する文書の性質、数量、保存年限等を考慮して最適のものにより行わなければならない。
(3) 文書のとじ方
文書は、左とじとする。ただし、縦書文書のみをとじるときは右とじとする。
縦書文書と横書文書を一つにとじる場合の縦書文書は、左側に余白のあるものにあつては左側をとじ、左側に余白のないものにあつては裏返してとじることとする。
第2 公文の種類(第2条関係)
公文書は、その性質、使用目的等に応じ、公文規程第2条各号に掲げられた種類の公文のいずれかを用いて作成することとする。
辞令文、起案文等については、特に形式を定める実益に乏しいこと、特定の形式を定め得ないこと等により、公文規程においては、一括して「不定形文」として扱うこととした。
第3 公文の文体、形式、用語等(第3条関係)
1 公文の作成の基本方針
(1) できるだけ平易な言葉、無理のない言い回しを用いる。
(2) 誤解を生ずるおそれのない言葉、行き届いた言い回しを用いる。
(3) できるだけ簡潔な言い回しを用いる。
2 公文の文体、表現等
(1) 文体
公文の文体は、原則として「である」体を用いる。ただし、伺、願、届、申請、照会、報告、表彰文等の類は、なるべく「ます」体を用いる。
(2) 構成、表現
ア 文語調の表現はできるだけやめて、平易簡明なものとする。
イ 文章はできるだけ区切つて短くし、接続詞や接続助詞などを用いて文章を長くすることを避ける。
ウ 文の飾り、曖昧な言葉、回りくどい表現は、できるだけやめて、簡潔な、論理的な文章とする。敬語についても、なるべく簡潔な表現とする。
エ 内容に応じ、できるだけ箇条書きの方法を取り入れ、一読して理解しやすい文章とする。
オ 文章には、濁点及び半濁点を必ず用いる。
(3) 文法
公文の文法は、義務教育課程において用いられる共通語についての文法に従う。
3 公文の形式
(1) 縦書き及び横書きの区分
ア 不定形文以外の公文
公文規程の別記1から別記11までに定めるところに従い、縦書き又は横書きとする。
イ 不定形文
原則として横書きとする。
(2) 公文規程で定められた形式により難い公文
公文規程で定められた形式によらなくてもよい公文は、次のようなものとする。
ア 通知文、指令文、証明文等で、その形式が法令等により定められているもの
イ 法定受託事務の執行に関する公文等で、その形式をその事務執行に関する法令等に定められた他の公文の形式に準ずることが事務執行の円滑化に資するもの
その公文に係る事務執行を主管する課の長が総務部総務課長と協議して定める。
(4) 教示文及び事務担当者氏名の表記位置
ア 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条の規定に基づく教示及び行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条の規定に基づく教示に関する文を記載する場合は、主たる公文の末尾に主たる公文から少し離して、主たる公文の形式に準じて書く。
イ 公文書に事務担当者の氏名等を記載する場合は、主たる公文の末尾に主たる公文から少し離して右側に書く。なお、アの記載がある場合は、アに記載した文の次に記載するものとする。
(5) 配字位置図
ア 一般原則
(ア) 文の最初の行及び新たに起こした行の初めの一字分は空白とする。ただし、表彰文及び証明文の一部(卒業証書等)については、空白としない。
(イ) 句読点を用いない文については、句読点を使うべき箇所を一字分空白とする。
(ウ) 文の項目を細別する記号の次には、読点又はピリオドを打たず、一字分空白とする。
(エ) 「なお」「おつて」「また」等を使つて完結した前の文に対する独立した形の補足説明等をする文を続けるときは、行を変える。
(オ) 「ただし」「この」「その」等を使つて文を続けるときは、行を変えず、前の文に続ける。
イ その他
(ア) 公文規程の別記で、特に配字位置について指定のないものについては、公文書作成に用いる用紙の大きさ及び字の大きさとの均衡を考慮して、出来上がつた公文書の体裁が良くなるよう適当な位置に収める。
(イ) 句点については、一字分のスペースを配するのが原則であるが、完結する文の最終字が行の最後の位置を占めるときの句点は、次の行の最初の位置に配することをせず、当該完結する文の最終字に係る行の末尾に配するようにする。読点の配置については、句点の場合に準ずる。
4 用語
(1) 用語についての基本的留意事項
ア 特殊な言葉を用いたり、堅苦しい言葉を用いることをやめて、日常一般に使われている易しい言葉を用いる。
(例)
救援する→救う
懇願する→お願いする
一環して→一つとして
即応した→かなつた
イ 使い方の古い言葉を使わず、日常使い慣れている言葉を用いる。
(例)
彩紋→模様・色模様
ウ 言いにくい言葉を使わず、口調の良い言葉を用いる。
(例)
遵守する→守る
しゆんじゆんする→ためらう
エ 音読する言葉はなるべく避け、耳で聞いて意味のすぐ分かる言葉を用いる。
(例)
橋梁〈×〉→橋 充填する→うめる
塵埃〈××〉→ほこり 陳述する→述べる
眼蓋→まぶた 堅持する→堅く守る
(×印は、常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)にない漢字であることを示す。以下カにおいて同じ。)
オ 音読する言葉で、意味の二様に取れるものは、なるべく避ける。
(例)
協調する(強調する)→歩調を合わせる
カ 「常用漢字表」にない漢字を用いて初めて意味の分かる言葉を仮名で置き換えることはなるべく避け、別の同意義の言葉を用いる。
(例)
欺罔〈×〉→だます(「ぎもう」と書かない。)
キ 公文全体を通じて統一ある表現となるような難易・正俗のむらのない用語を用いる。
ク 不快、差別感を与えるおそれのある次の用語については、他の適切な用語に置き換えて用いる。
めくら | つんぼ | おし | 不具廃失(者) |
(例) 目が見えない者 | (例) 耳が聞こえない者 | (例) 口がきけない者 | (例) 心身に著しい障害のある状態(者) |
廃疾 | 零細企業 |
(例) 障害 著しい障害 | (例) 小規模企業 |
(2) 特定の用語使用についての留意事項
ア 本来は文語体の用語であるが公文に使用して支障のない用語
(ア) 「あり」「なし」「同じ」
簡単な注記や表の中などでは用いてよい。
(例)
所有の有無 あり
障害発生の見込み なし
右に同じ
(イ) 「たる」
「たる」の形のみを用い、「たり」「たれ」等の形はどんな場合にも用いない。
(例)
中野区の代表者たる区長
調査権の発動たる説明要求
(ウ) 「べき」
「べき」の形のみを用い、「べし」「べく」等の形はどんな場合にも用いない。
(例)
提出すべき報告書
生きるべき道
論ずべき問題
イ 使用方法の紛らわしい助詞
(ア) 「と」
並列を表す意味に用いるときは、なるべく最終の語句の後にも付ける。
(例)
東京と大阪との間
赤と青と黒とを用いる。
(イ) 「から」
時及び所について起点を示すときは、この語を用い、「より」は用いない。
なお、「より」は、前項の準拠又は手段を表す場合に用いる。
(ウ) 「の」
主語を示す場合に用いてよい。
(例)
条例の定めるところによる。
用語の一定しない場合
(エ) 「ば」
「ならば」の「ば」は略さないで用いる。
(例)
文書が到達したならば、直ちに回覧する。
(オ) 「な」
「な」の形のみを用い、「なる」の形は用いない。ただし、「いかなる」は用いてよい。
(例)
必要な書類
平等な扱い
ウ 使用方法の紛らわしい助動詞
(ア) 「う」「よう」
「う」「よう」は意思を表す場合にのみ用いる。ただし、「であろう(でありましよう、でしよう)」と用いる場合は推量を表す意味で用いてよい。
(例)
回答するであろう(推量)
回答しよう(意思。推量には用いない。)
(イ) 「ます」
「ます」の形のみを用い、「まする」「ますれば」「ませ(まし)」の形を用いない。
(例)
ありますが
ありますけれど
(ウ) 「ぬ」
「ん」「ず」の形のみを用い、「ぬ」「ね」の形は用いない。
(例)
知りません
知らずに犯した罪
(エ) 「まい」
打消しの推量を表す場合にも意思を表す場合にも用いない。
(オ) 「だ」
「だ」「だろう」「だつた」の形は用いないで、「である」「であろう」「であつた」を用いる。
(3) 法令用語の用法と意義についての留意事項
ア 述語の表現方法
(ア) 「するものとする」
「しなければならない」という義務付けの意味に用いる場合と、一種の含みを持たせて原則や方針を示す気持ちの強い場合とに用いる。
(イ) 「とする」「である」
「とする」は、創設的な意味を表すときに用いる。
「である」は、単なる事実の説明に用いる。
(ウ) 「例とする」
通常そのようにすべきであるという意味で、特別の理由があればその例外が認められるような場合に用いる。
(エ) 「例による」
「準用する」とほぼ同意義であるが、異なる点は、「準用する」の場合にはそこに示された規定のみが準用されるのに対し、「例による」の場合には、当該規定及びこれに基づく取扱方法等を含めて包括的に、その場合に当てはめるという意味を持つている。
(オ) 「なお従前の例による」
条例、規則等の改廃のとき、その改廃される部分は形式的には失効するが、その規定の実体は新しい条例等に取り入れられて存続するという意味である。「なお効力を有する」というのと実質的には同じで、経過規定として多く用いる。
(カ) 「この限りでない」
ただし書の規定で、本文に対して除外例を示すときに用いる。「・・・してはならない。ただし、・・・の場合は、この限りでない。」というのがこの例で、これこれの場合には本文の禁止規定を適用しないという意味である。この言葉の使用上注意すべき点は、本文のうちのこの限りでないとされた部分を消極的に否定しているだけで、否定した上に積極的に別のことをそこに取り入れるまでの意味を持つものではないことである。
(キ) 「改正する」「改める」
「改正する」は、条例、規則等の改正全体を捉えている場合に用いる。
「改める」は、条例、規則等の改正中、各部分についていう場合に用いる。
(ク) 「推定する」「みなす」
「推定する」というのは、当事者間に取り決めのない場合あるいは反対の証拠が挙がらない場合、ある事実について一応こうあるであろうという判断を下すことである。
「みなす」は、本来異なるものを他のものと同一に取り扱う場合に用いる。この場合において、いかに両者が同一でないという証拠が挙がつても、みなされた範囲内における効果には変わりないのである。
(ケ) 「準用する」「適用する」
「準用する」というのは、ある事項に関する規定をそれと本質が異なる他の事項について、当然必要となる適当な修正を加えて当てはめる場合に用いる。
「適用する」は、本質が同じ事項について、読み替えその他修正を必要としないで当てはめる場合に用いる。
(コ) 「科する」「課する」
刑罰、民事罰(過料)又は団体規律的罰をある人にかけることを表す場合に、「科する」を用いる。
「課する」は、区が住民その他の団体の構成員に対し、公権力をもつて租税その他の金銭、夫役又は現品を賦課し、徴収することをいう。
イ 接続詞の用法
(ア) 「及び」「並びに」
名詞や動詞などを二つ並べて書くときには、必ず「及び」を用い、三つ以上であつても同一種類のものを同一の比重をもつて書くときには、最後の二つだけを「及び」で結び、その他は読点でつなぐ。
三つ以上並べられた語句に段階があるときは、大きい方の連結には「並びに」を用い、小さい方の連結には「及び」を用いる。
なお、段階が三つ以上であるときは、「並びに」を重複して用いる。
(イ) 「又は」「若しくは」
二つの語句のうちそのいずれか一つを選ぶときには、必ず「又は」を用いる。三つ以上あつても段階がないときは、最後の二つだけを「又は」で結び、その他は読点でつなぐ。
三つ以上並べられた語句に段階があるときは、大きい方の連結には「又は」を用い、小さい方の連結には「若しくは」を用いる。
なお、段階が三つ以上であるときは、「若しくは」を重複して用い、「又は」は、一番大きい連結にだけ一回用いる。
(ウ) 「又は」「及び」
「又は」と「及び」の両方の意味を与えようとする場合には、「又は」を用いる。
甲も乙も、丙のことをしてはならない、という場合で、甲と乙とを抽象的、包括的に捉えようとする場合には、「甲及び乙は、丙のことをしてはならない」というように用いる。
甲も乙も、丙あるいは丁のことをしてはならない、という場合には、「甲及び乙は、丙又は丁のことをしてはならない」というように用いる。
(エ) 「かつ」
「及び」「並びに」に相当する接続詞であるが、連結される語が互いに密接不可分であり、両語を一体として意味が完全に表されるような場合に、その時の語感によつて用いる。
(オ) 「あるいは」
普通文では「又は」「若しくは」と同じ意味の接続詞として、別段それらと区別することなしに用いられる。しかし、例規文では特にそれらと意味上の差別をして用いる必要がないので、原則として用いない。
(カ) 「この場合において」
主文章の後に行を改めないで、主文章の趣旨を補足的に説明し、又はこれと密接な関係をもつ内容の事項を続けて規定する場合に用いる。
なお、後段として同一項中に付記するには文章が長すぎるような場合には、行を改めて「前項の場合において」と別項にする。
ウ 特殊な用語、用法
(ア) 「者」「物」「もの」
法律上の人格を持つている者であれば、自然人、法人、単数、複数の区別なく、全て「者」を用いる。
人格のない有体物で、現実に権利義務の客体となるものは、全て「物」を用いる。
「者」又は「物」で表すことができない抽象的なもの及び人格のない社団、財団等を表す場合には、「もの」を用いる。
なお、「もの」は、ある特定の「者」又は「物」を限定的に説明するときにも用いる。
(イ) 「時」「とき」「場合」
「時」は、ある時点を瞬間的に捉えて表現する場合に用い、「とき」は、不特定のときを表す。
「場合」は、仮定的条件又は既に規定された事例を引用する包括的条件を示す語として用いる。
「とき」と「場合」と同時に用いて条件を表す場合には、大きい方の条件には「場合」を、小さい方の条件には「とき」を用いる。
(ウ) 「所」「ところ」
「所」は、一定の場所を示すときに用いる。
「ところ」は、その「ところ」という語句が受ける規定の内容全体を、包括的に代表する代名詞の用をなすものである。更に将来規定されるであろうという他の法令の内容をも予定する意味にも用いる。
(エ) 「以上」「以下」「以前」「以後」「以降」「以内」「以外」「未満」「超える」「満たない」
数量的又は時間的比較をする場合に、「以」をもつて表示された数位は、それぞれその基本点となり含まれる。すなわち、「百円以上」「百円以下」というときには、百円が含まれる。
「以前」「以後」「以降」もこの例に準ずる。ただし、「以後」と「以降」の意義は、全く同一なので、原則として「以後」を用いる。
「以内」は、期間、広さその他の数量の一定限度を表す。
「以外」は、ある包括的な対象のうち、その字句のすぐ上に掲げられたものを除いて、残りのものを表す。
「未満」「満たない」「超える」は、共に数量的又は時間的限度を表し、共に基本的数量が含まれない。
(オ) 「・・・から・・・まで」
連続した章、条、項、号等を、その連続した形において引用する場合に用いる。「乃至」は用いない。
(カ) 「削る」「削除」
条例等の一部を改正する場合に、改められる部分の規定を跡形もなく消すときには、「削る」を用いる。
これに反して、改められる規定の内容のみを消して、その条名又は号番号等を残す場合には、「」「」というように「削除」を用いる。
(キ) 「その他」「その他の」
「その他」は、特記された事項以外の事項が並列的に多数予想される場合に用いる。
「その他の」は、前置された名詞又は名詞句が後置される言葉の意味に包含され、その一部を成す場合に用いる。この場合、前置される言葉は、通常、例外としての役割を持つわけである。
(ク) 「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」
これら三つの言葉は、いずれもある行為又は事実と、その後に続く行為との時間的近接性を表すものである。しかし、近接の度合により次のように使い分ける。
「直ちに」は、一切の遅延が許されない場合に用いる。
「速やかに」は、「直ちに」よりは急迫の程度が低い場合で、訓示的意味を持つものとして用いる。
「遅滞なく」は、正当な又は合理的な理由による遅延が許される場合に用いる。
(4) 用語についての留意事項
「法令における漢字使用等について」(平成22年11月30日付け内閣法制局総総第208号通知)の定めるところに従い、分かりやすい用語を使用するよう留意する。
5 用字
(1) 漢字
第4の1、2及び3の項による。
(2) 仮名
外来語又は外国(漢字が国語の表記に用いられる国を除く。)の地名、人名は片仮名で書く。ただし、「かるた」「たばこ」などのような外来語の意識の薄くなつているものは、平仮名で書いてもよい。
(3) 数字
ア 縦書きの場合
(ア) 数字は、規定の番号、年月日、条名、号名又は条中のものは、「」「」「」等を用いる。この場合、「」「」等の用法は用いない。
章、節、条、項等を表す序数には、複数を表す場合との誤りを防ぐため、「第」を付けて表す。
(イ) 日付、番号等を表す場合又は表の中で計数を表す場合などには、「」「」「」等を用い、十、百、千、万等を省略することができる。
なお、千台で単位を区分する必要がある場合には、三桁区切りによつて「、」を付ける。
(ウ) 分数又は倍数を文書の中に書く場合には、「」又は「」というように国語読みのまま記載する。
(エ) 数字で期間を表す場合で、暦の年月日と間違えるおそれのあるときは、「か」を用いる。
イ 横書きの場合
全てアラビア数字を用いる。ただし、次の場合には、漢数字を用いる。
(ア) 固有名詞を表す場合
(例) 中野四丁目
五島列島
(イ) 概数を表す場合
(例) 数十日
四、五日
(ウ) 数量的意味の薄い語を表す場合
(例) 一般
一部分
四分五裂
(エ) 桁の大きい数を表す場合
(例) 1,900億
120万
(オ) 慣用的な言葉を表す場合
(例) 一休み
二言目
四つ、五つ
(4) 外国文字
公文には、原則として外国文字を用いない。ただし、次のような場合には、例外的に外国文字を用いる。
イ 工事関係の起案文、設計図表等で計量の単位を簡略に表す必要がある場合に、その計量の単位の記号として計量単位規則(平成4年通商産業省令第80号)の定める計量単位についての略語を用いるとき。
ウ 工事関係の設計図面等の説明文中に通常工事関係者間で用いられている外国文字で表す記号を用いるとき。
エ 文の項目を細別する場合で、特に必要があるとき。(7の(2)のイ参照)
6 符号
(1) 通常用いる符号
ア 「。」(丸)
(ア) 文章を完全に言い切つた所に必ず句点を用いる。ただし、辞令、賞状、証書等には用いない。
(イ) 文章を列記する場合に、動詞形で終わるときは常に句点を用い、名詞形で終わるときは用いない。ただし、名詞形の字句の後に更に文章が続くとき又は「・・・こと」若しくは「・・・とき」で終わるときは用いる。
イ 「、」(点)
(ア) 主語の後には、必ず読点を用いる。ただし、副詞句、形容詞句その他の条件句又は条件文章の中に出てくる主語の後には用いないのが、むしろ普通である。
(イ) 名詞を並列して用いる場合には、二個のときは「及び」、「又は」等の接続詞で結び、三個以上のときは最後の二個のみを「及び」、「又は」等の接続詞で結び、その前に並列する名詞は、読点で結ぶ。
(ウ) 形容詞(句)、副詞(句)又は動詞(句)を並列して用いる場合には、(イ)の例による。ただし、二個の場合にも、「及び」、「又は」等の接続詞の前に読点を用いる。
(エ) 例示的に並列された字句を「その他」でくくる場合には、並列される字句が、形容詞(句)、副詞(句)及び動詞(句)のときは「その他」の前に読点を用い、名詞(句)のときは「その他」の前に読点を用いない。
(オ) 長い条件句、条件文章等の前後には、読点を用いる。
(キ) 目的語を目的格の助詞を付けて表す場合には、通常読点を用いない。ただし、条件句、条件文章が入るときは、目的語の次の条件句又は条件文章の前後に、通例、読点を用いる。
(ク) 対句の場合には、対句の接続にのみ読点を用い、対句の中にある主語や並列語及び対句を受ける述語の前には、通例、読点を用いない。
(ケ) 文章が極めて複雑な場合には、前記(ア)から(ク)までの原則を考慮しつつ、読点を省略できるものは省略し、文章の意味が誤りなく表現されるように工夫する。
(コ) 縦書文で、億、万、千、百等の数詞を用いずに数を表す場合の数の桁を示す符号としても用いる。
ウ 「・」(なか点)
(ア) 事物の名称等を列挙する場合で、かつ、それぞれが互いに密接不可分で「、」又は「,」(横書文の読点として用いたときに限る。)を用いることが不適当な場合には、それぞれの名称の間に用いる。
(イ) 外国語、外国の地名・人名等に用いる。
(ウ) 縦書文で、億、万、千、百等の数詞を用いずに数を表す場合の小数点を示す符号として用いる。
エ 「,」(コンマ)
(ア) アラビア数字の桁を示す場合に用いる。
(イ) 横書文の読点として用いてもよい。
オ 「「 」」(かぎ括弧)
特に示す必要がある事物の名又は語句を明示する場合に用いる。
カ 「( )」(丸括弧)
注記する場合に用いる。
キ 「.」(ピリオド)
アラビア数字の小数点を示す場合に用いる。
(2) 通常用いない符号
次に例示するような符号は、これらを用いることにより、より良く公文の内容が理解できると認められる場合等特に必要がある場合に限つて用いる。
ア 「『 』」(二重かぎ括弧)
イ 「〔 〕」(角型括弧)
ウ 「{ }」(くくり型括弧)
エ 「―」(ダッシュ)
オ 「~」(波型)
カ 「‐」(ハイフン)
キ 「→」(矢印)
ク 「{」「〔」(くくり)
ケ 「々」「ゝ」「ヾ」「」「〃」(繰り返し符号)
コ 「 」(傍線、アンダーライン)
サ 「・・・」(傍点)
シ 「?」(疑問符)
ス 「!」(感嘆符)
7 文の項目を細別する場合の順序
(1) 細別順序の原則
ア 横書きの場合は、次の順序による。
イ 縦書きの場合は、次の順序による。
(2) 細別順序の例外
ア 条文形式を用いる公文の場合は、公文規程別記1に定める例による。
イ 細別が多段階にわたる場合は、(1)のほかアルファベット、ローマ数字を用いてもよい。
ウ 細別が少段階である場合には、必ずしも「第一」又は「」から始める必要はない。
第4 使用漢字の範囲等(第4条関係)
1 常用漢字表使用上の注意事項
(1) 「常用漢字表」にある漢字で書き表せない言葉は、仮名書きにするか、又は別の言葉に換える。この場合の書換え又は言換えの標準は、次のとおりとする。
ア 仮名書きにする。
(ア) 仮名書きにする場合の基準1
「常用漢字表」にない漢字を、そのまま仮名書きにする。
(例) 佃〈×〉煮→つくだ煮
艀〈×〉→はしけ
(×印は、常用漢字表にない漢字であることを示す。以下(ウ)、イ、ウ及びエにおいて同じ。)
(イ) 仮名書きにする場合の基準2
漢語でも、漢字を用いずに意味の通る使い慣れたものは、そのまま仮名書きにする。
(例) でんぶん
あつせん
(ウ) 仮名書きにする場合の基準3
他に良い言換えがなく、又は言換えをしては不都合なものは、「常用漢字表」にない漢字だけを仮名書きにする。
(例) 口腔〈×〉→口こう
イ 「常用漢字表」中の音が同じで、意味の似た漢字で書き換える。
(例) 車輛〈×〉→車両
煽〈×〉動→扇動
碇〈×〉泊→停泊
編輯〈×〉→編集
哺育→保育
抛〈×〉棄→放棄
傭〈×〉人→用人
聯〈×〉合→連合
ウ 同じ意味の漢語で言い換える。
(ア) 意味の似ている、用い慣れた言葉を使う。
(例) 印顆〈×〉→印形
改悛〈×〉→改心
(イ) 新しい言葉を工夫して使う。
(例) 剪〈×〉除→切除
溢〈×〉水→出水
エ 漢字を易しい言葉で言い換える。
(例) 隠蔽する→隠す
庇〈×〉護する→かばう
(2) 「常用漢字表」にない漢字を用いた専門用語等であつて、他に言い換える言葉がなく、しかも仮名で書くと理解することができないと認められるものについては、「常用漢字表」にない漢字をそのまま用いる。この場合、漢字には振り仮名を付ける。
(例) 砒〈ひ〉素 埠〈ふ〉頭
2 常用漢字表の音訓の使用上の注意事項
(1) 「常用漢字表」の音訓の使用については、次の事柄に留意すること。
ア 次のような代名詞は、漢字で書く。
(例) 彼 何 僕 私 我々
イ 次のような副詞及び連体詞は、漢字で書く。
(例)
必ず 少し 既に 直ちに 再び 全く 最も 専ら 余り 至つて 大いに 恐らく 必ずしも 辛うじて 極めて 殊に 更に 少なくとも 絶えず 互いに 例えば 次いで 努めて 常に 初めて 果たして 割に 概して 実に 切に 大して 特に 突然 無論 明くる 大きな 来る 去る 小さな 我が(国)
ただし、次のような副詞は、仮名を書く。
(例) かなり ふと やはり よほど
ウ 次の接頭語は、その接頭語が付く語を漢字で書く場合は、漢字で書き、その接頭語が付く語を仮名で書く場合は、仮名で書く。
(例) 御案内 御挨拶
ごあいさつ ごべんたつ
エ 次のような接尾語は、仮名で書く。
(例) げ(惜しげもなく)
ども(私ども)
ぶる(偉ぶる)
み(弱み)
め(少なめ)
オ 次のような接続詞は、仮名で書く。
(例) おつて かつ したがつて ただし ついては ところが ところで また ゆえに
ただし、次の4語は、漢字で書く。
及び 並びに 又は 若しくは
カ 助動詞及び助詞は、仮名で書く。
(例)
ない(現地には、行かない。)
ようだ(それ以外に方法がないようだ。)
ぐらい(20歳ぐらいの人)
だけ(調査しただけである。)
ほど(三日ほど経過した。)
キ 次のような語句を、( )の中に示した例のように用いるときは、仮名で書く。
(例)
こと(許可しないことがある。)
とき(事故のときは、連絡する。)
ところ(現在のところ差し支えない。)
もの(正しいものと認める。)
とも(説明するとともに意見を聞く。)
ほか(特別の場合を除くほか)
ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。)
わけ(賛成するわけにはいかない。)
とおり(次のとおりである。)
ある(その点に問題がある。)
いる(ここに関係者がいる。)
なる(合計すると1万円になる。)
できる(だれでも利用ができる。)
・・・てあげる(図書を貸してあげる。)
・・・ていく(負担が増えていく。)
・・・ていただく(報告していただく。)
・・・ておく(通知しておく。)
・・・てください(問題点を話してください。)
・・・てくる(寒くなつてくる。)
・・・てしまう(書いてしまう。)
・・・てみる(見てみる。)
ない(欠点がない。)
・・・てよい(連絡してよい。)
・・・かもしれない(間違いかもしれない。)
・・・にすぎない(調査だけにすぎない。)
・・・について(これについて考慮する。)
(2) 「常用漢字音訓表」の範囲内の音訓によつては、漢字で書き表せない言葉は、1の(1)に定める標準に準じて書換え又は言換えをする。
(例) 質す→質問する
3 常用漢字表の字体の使用上の注意事項
「常用漢字表」の字体の使用については、「常用漢字表」に定める「字体についての解説」に従うこと。
4 送り仮名の付け方使用上の注意事項
(1) 単独の語
ア 活用のある語は、「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号)の本文の通則1の「本則」・「例外」及び通則2の「本則」の送り仮名の付け方による。
イ 活用のない語は、「送り仮名の付け方」の本文の通則3から通則5までの「本則」・「例外」の送り仮名の付け方による。
ウ 表に記入したり、記号的に用いたりする場合には、次の例に示すように、( )の中の送り仮名を省く。
(例) 晴(れ) 曇(り) 問(い) 答(え) 終(わり) 生(まれ)
(2) 複合語
ア イに該当する語を除き、「送り仮名の付け方」の本文の通則6の「本則」の送り仮名の付け方による。ただし、活用のない語で、読み間違えるおそれのない語については、「送り仮名の付け方」の本文の通則6の「許容」の送り仮名の付け方により、次の例に示すように送り仮名を省く。
(例)
明渡し 預り金 言渡し 入替え 植付け 受入れ 受持ち 受渡し 打合せ 打合せ会 打切り 移替え 埋立て 売上げ 売惜しみ 売出し 売場 売払い 売渡し 売行き 縁組 追越し 置場 贈物 帯留 折詰 買上げ 買入れ 買受け 買換え 買占め 買取り 買物 書換え 格付 掛金 貸切り 貸金 貸越し 貸倒れ 貸出し 貸付け 借入れ 借受け 借換え 切上げ 切替え 切下げ 切捨て 切土 組合せ 組入れ 組替え 組立て 繰上げ 繰入れ 繰替え 繰越し 繰延べ 差押え 差止め 差引き 下請 締切り 仕分 捨場 座込み 備付け 染物 田植 立会い 立入り 立替え 立札 月掛 付添い 月払 積卸し 積込み 積出し 積立て 積付け 手続 届出 取扱い 取卸し 取替え 取決め 取消し 取下げ 取締り 取調べ 取立て 取次ぎ 取付け 投売り 抜取り 飲物 乗換え 乗組み 話合い 払込み 払下げ 払出し 払渡し 引上げ 引受け 引換え 引込み 引下げ 引締め 引継ぎ 引渡し 日雇 歩留り 船着場 賦払 振出し 前払 見合せ 見積り 見習 未払 申合せ 申合せ事項 申入れ 申込み 申立て 申出 持込み 持分 元請 催物 盛土 焼付け 雇入れ 雇主 譲受け 譲渡し 呼出し 読替え 割当て 割増し
イ 活用のない語で慣用が固定していると認められる次の例に示すような語については、「送り仮名の付け方」の本文通則7により、送り仮名を付けない。
(例)
合図 合間 植木 浮世絵 受入額 受入先 受入年月日 請負 受付 受取 埋立区域 埋立事業 埋立地 売上(高) 売出発行 売手 売主 売値 売渡価格 売渡先 絵巻物 置物 奥書 押売 (博多)織 折返線 織物 卸売 買上品 買受人 外貨建債権 買手 買主 買値 書付 書留 貸方 貸室 貸倒引当金 貸出票 貸付(金) 貸主 貸間 貸家 箇条書 肩書 借入(金) 借方 借主 缶詰 気付 切手 切符 切替組合員 切替日 くじ引 組合 倉敷料 繰上償還 繰入限度額 繰入率 繰替金 繰越(金) 繰延資産 消印 月賦払 小売 小売(商) 木立 小包 子守 献立 先取特権 作付面積 座敷 差出人 差引簿 試合 仕上機械 仕入価格 仕掛花火 仕掛品 敷網 敷石 敷金 敷地 敷物 (支出)済(額) 下請工事 仕出屋 仕立屋 質入証券 支払 字引 事務取扱 事務引継 締切日 (条件)付(採用) 所得割 新株買付契約書 関取 備付品 (型絵)染 ただし書 立会演説 立入検査 立場 立替金 建物 月掛貯金 付添人 積立(金) 積荷 詰所 手当 出入口 出来高払 手引書 手回品 手持品 頭取 取扱(所) 取扱(注意) 取入口 取替品 (麻薬)取締法 取締役 取立金 取次(店) 取付工事 取引 取引(所) 仲買 仲立業 投売品 並木 荷扱場 荷受人 荷造費 (春慶)塗 乗合旅客 乗換(駅) 乗組(員) 場合 羽織 葉巻 払込(金) 払下品 払出金 番組 番付 控室 引当金 引受(時刻) 引受(人) 引換(券) (代金)引換 引継事業 引継調書 引取税 日付 引込線 瓶詰 歩合 船積貨物 踏切 振替 振込金 振出(人) 不渡手形 分割払 (鎌倉)彫 掘抜井戸 前受金 前貸金 巻紙 巻尺 待合(室) 見返物資 見込額 水引 見積(書) 見取図 見習工 未払勘定 見舞品 名義書換 申込(書) 持込禁止 元売業者 物置 物語 物干場 (備前)焼 役割 屋敷 雇入契約 雇止手当 夕立 譲受人 呼出符号 読替規定 陸揚地 両替 割合 割当額 割引 割増金 割戻金 割安
「売上(高)」、「(博多)織」などのようにして掲げたものは、( )の中を他の漢字で置き換えた場合にも、「送り仮名の付け方」の本文通則7を適用する。
(3) 付表の語
「送り仮名の付け方」の本文の付表の語(1のなお書きを除く。)の送り仮名の付け方による。
第5 公文規程施行に伴う経過措置
1 用語関係
既存の条例、規則、訓令等その存在の永続性があるものを改正する場合、新しい方式に従つた結果、改正されない部分に用いられている用語と改正された部分に用いられているこれと同一の内容を表す用語とが書き表し方において異なることとなつても差し支えない。(例えば、ある規則において同一の処分を表す「取消」の用語が二か所に用いられている場合にその一方の「取消」を含む部分を改正するときは、必ずこれを「取消し」としなければならないが、他方の「取消」はそのままにしておいて差し支えない。)
なお、一部改正に当たり、上述のような書き表し方の差が生ずることを避ける特別の必要がある場合には、新しい方式により統一するものとする。
2 形式関係
形式についても1に準じて扱うものとする。
(昭和51年10月22日決定)
(昭和56年3月31日要綱第25号)
(昭和56年10月22日要綱第83号)
附則(1991年6月26日要綱第169号)
この要綱は、1991年6月26日から施行する。
附則(1994年4月22日要綱第104号)
この要綱は、1994年4月25日から施行する。
附則(2007年3月30日要綱第66号)
この要綱は、2007年4月1日から施行する。
附則(2009年3月31日要綱第43号)
この要綱は、2009年3月31日から施行する。
附則(2010年11月30日要綱第176号)
この要綱は、2010年11月30日から施行する。
附則(2016年3月3日要綱第15号)
この要綱は、2016年3月3日から施行する。ただし、第3の3第4号アの改正規定は、2016年4月1日から施行する。
附則(2016年12月28日要綱第1号)
この要綱は、2016年12月28日から施行する。
附則(2019年3月29日要綱第36号)
この要綱は、2019年4月1日から施行する。