平成15年度決算

　平成15年度決算は、厳しい財政状況から経費節減に努めましたが、景気低迷などの影響で特別区交付金や利子割交付金などが大幅に減少したことにより一般会計の実質収支が約9億円となり、前年度(10億円)より減少しました。
　区財政は、人件費などの義務的経費の割合が高く、また、将来の財政需要に備える基金は東京23区の中でも極めて少ない状況であり、依然として危機的な状況にあります。このため、今後とも行財政の構造改革を進め、財政を再建することが区の最重要課題になっています。
　こうした結果、平成15年度の各会計歳入歳出決算は、概略で次のようになりました。
【注】　金額は、表示単位未満で四捨五入しています。このため、収入率、執行率、構成比の数値は、表示されている数値から算出した値とは一致しないことがあります。

• 一般会計
  　歳入決算額：848億円、歳出決算額：839億円(歳入歳出差引額9億円)
• 用地特別会計
  　歳入決算額：49億円、歳出決算額：49億円(歳入歳出差引額0億円)
• 国民健康保険事業特別会計※
  　歳入決算額：260億円、歳出決算額：264億円(歳入歳出差引額▲4億円)
• 老人保健医療特別会計
  　歳入決算額：252億円、歳出決算額：252億円(歳入歳出差引額0億円)
• 介護保険特別会計
  　歳入決算額：129億円、歳出決算額：128億円(歳入歳出差引額1億円)

※平成15年度国民健康保険事業特別会計の歳入歳出差引不足額については、同16年度国民健康保険事業特別会計歳出予算より繰上充用しました。

　歳出決算額839億円を目的別にし、1万円に換算するとこうなります。
【注】高額順。その他を除く。

• 民生費　4,400円
  　(お年寄りや障害のある方への援助、生活保護、保育園の運営などに)
• 総務費　1,200円
  　(区役所の運営や徴税事務、区報発行、統計調査、コンピューターの管理などに)
• 教育費　1,200円
  　(小・中学校、幼稚園、図書館、スポーツ施設の運営などに)
• 公債費　700円
  　(区債の返済に)
• 環境費　600円
  　(清掃事業、リサイクルの推進などに)
• 衛生費　400円
  　(保健所の仕事、区民健診、環境衛生などに)
• 土木費　400円
  　(道路・河川の管理などに)
• 区民費　300円
  　(戸籍事務や防災対策、地域センターなど地域の区民施設の運営などに)
• 都市整備費　300円
  　(まちづくり、住宅対策のために)
• その他　500円
  　(財政調整基金や減債基金への積み立て、議会の活動、商工業の振興などに)

• 実質収支
  　歳入、歳出の差し引きから翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は、9億円となり、平成14年度に比べ1億円減少しました。
• 人件費、人件費比率
  　職員の給与などの人件費は、職員の削減などにより前年度に比べ9億円、3.1％減少しました。しかし、それ以上に歳出総額も減少したため、逆に人件費比率は32.4％と前年度に比べて0.5ポイント増加してしまい、依然として高い状況です。
• 公債費、公債費比率、起債残高
  　起債の元利償還にあてる公債費は、起債の償還が進んだために10億円、15.5％減少しました。公債費比率は8.8％と昨年度に比べ2.6ポイント低下し、23区平均の8.5％と比べ若干高い状況まで下がりました。また起債残高は562億円となり、前年度に比べ20億円増加しました。
• 投資的経費
  　土地の取得、施設の整備や改修などの投資的経費は、(仮称)北部防災公園用地の取得完了等にともない53億円、51.7％減少しました。
• 基金
  　基金残高は、介護保険の分を除くと102億円で、前年度に比べ17億円増加しました。しかし、これでも東京23区の中では下から2番目の状況です。
• 経常収支比率
  　人件費や公債費などの経常的な支出に対し、特別区民税などの経常的な収入がどの程度充当されているかをみるのが、経常収支比率です。この数値が高いほど財政の硬直化が進んでいるといえ、みなさんのニーズに応える新規事業や事業のレベルアップを実施することが難しくなります。
  平成15年度は88.3％と、前年度に比べ1.6ポイント減少しました。経常収支比率は70～80％が適当とされており、依然として高い数値といえます。

• 用地の取得：面積1,538平方メートル、取得額は5億8,300万円
  　すべて地域まちづくり事業に基づく地区施設道路用地の購入によるものです。
• 用地の処分：面積12,054平方メートル、処分額は62億1,000万円
  　このほとんどは、区の公社経営健全計画に基づく中野区への売却によるものです。
• 金融機関からの借入金残高(3月末現在)：90億9,900万円
  　前年度に比べ46億4,900万円、34％減りました。また、区の公社経営健全化計画策定時(平成12年度末)と比較すると84億3,900万円、48％減少しました。平成16年度以降も経営健全化計画(同13年度～17年度)に基づき、土地開発公社の金融機関からの借入金を償還する計画で、経営の健全化を図っていきます。