中野区フレンドホーム事業実施要綱
2022年3月31日
要綱第102号
(目的)
第1条 この要綱は、学校の休業期間等を活用して、施設に在籍する児童に家庭生活を体験させるフレンドホーム事業(以下「事業」という。)を実施することにより、当該児童の情緒の安定及び社会性の発達を促し、児童の健全な育成に寄与することを目的とする。
(1) 施設 児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第41条に規定する児童施設又は法第37条に規定する乳児院をいう。
(2) 施設長 施設の長をいう。
(3) 交流 施設に在籍する児童が家庭生活を体験することをいう。
(4) フレンドホーム 前条に規定する目的を達成するため、児童を短期間受け入れ、当該児童の交流を希望する家庭であって、施設長が適当と認めたものをいう。
(5) 委託児童 第27条第1項第3号の規定により里親に委託された児童をいう。
(6) 交流児童 フレンドホームが交流する児童をいう。
(対象児童)
第3条 事業の対象となる児童(以下「対象児童」という。)は、施設に在籍する中野区の措置児童であって、施設長が中野区児童相談所の所長(以下「所長」という。)の了解を得た上で、その成育歴、性向及び家庭の状況から、事業を実施することが望ましいと判断したものとする。
2 前項の規定にかかわらず、乳児院に在籍する者に対して事業を実施する場合は、おおむね1歳以上の幼児を対象とする。
(実施体制)
第4条 事業は、施設及び中野区児童相談所が連携して実施するものとする。
2 施設長は、地域において、フレンドホームを積極的に開拓するとともに、施設における児童の処遇の一環として、フレンドホームを有効に活用し、当該施設に在籍する児童の家庭体験を促進するものとする。
3 所長は、事業の普及促進に努めるとともに、登録及び交流に関する情報の管理、施設に措置している対象児童とフレンドホームとの交流状況の把握並びにフレンドホームへの助言及び施設への指導を行うものとする。
(フレンドホームの条件)
第5条 フレンドホームは、次に掲げる全ての要件を満たす家庭とする。
(1) フレンドホームの登録の申込みを希望する者(以下「申込者」という。)は、原則として中野区内に在住している者であること。ただし、申込者の居住地が中野区外に所在する場合において、施設長が対象児童とフレンドホームとの交流状況を把握できるときは、この限りでない。
(2) 申込者は、心身共に健全であること。
(3) 申込者は、子どもと適切に交流ができると認められ、かつ、申込者と起居を共にする成人の親族等(以下「成人の親族等」という。)を有していること。ただし、成人の親族等がいない場合であっても、子どもと適切に交流ができると認められる特段の事情があるときはこの限りではない。
(4) 対象児童との交流期間中、申込者又は成人の親族等のいずれか1人以上の者が、当該児童の養育に専念できること。
(5) 申込者及び申込者と起居を共にする者(以下「同居人」という。)が、施設の児童について、十分な理解と愛情を有していること。
(6) 申込者の家庭生活が、円満に営まれていること。
(7) 申込者の家庭及び住居の環境が、児童の保健、教育その他の福祉上適当であり、住居の広さ及び間取りについては、実子、委託児童及びフレンドホームが交流する児童の年齢、性別、人数及び家族の構成に応じた適切な環境が確保されることが見込まれること。
(8) 申込者は、児童の交流に関し虐待等の問題がないこと。
(9) 申込者又は同居人が、次のいずれかに該当していないこと。
ア 申込者が成年被後見人又は被保佐人であること。
イ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの間にある者
ウ 法及び児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの間にある者
エ 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待又は法第33条の10に規定する被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
(フレンドホームの申込み)
第6条 施設長及び所長は、申込者からの相談に応じるものとする。
2 所長は、申込者の意向等により、施設を紹介するものとする。
3 申込者は、フレンドホーム申込書(第1号様式)に必要事項を記入の上、フレンドホームの登録を希望する施設長に提出する。
4 施設長は、申込者が前項のフレンドホームの登録の申込みをする場合において、里親の申請を併せて希望するときは、当該申込者に対して、当該申込者が居住する地域を所管する児童相談所へ連絡するよう案内するものとする。
(1) 父に当たる者、母に当たる者その他の同居人の状況について、児童とのより良い組合せとなるよう十分留意し、現在の状況を中心に把握すること。
(2) 家庭生活の状況について、児童が数日間生活する上で不適当な状況、好ましくない状況等の有無を把握すること。
(3) 児童との交流の期間中において、フレンドホームが旅行その他特別な行事の実施を予定している場合は、事前に当該内容を把握しておくこと。
(4) 既に施設との交流がある家庭については、その交流状況を把握しておくこと。
(登録の移管)
第9条 他の施設に登録しているフレンドホームの紹介を受けた施設(以下「紹介先施設」という。)の長は、対象児童との交流が一定期間継続した場合において、当該フレンドホーム及び当該フレンドホームが現に登録している施設長の同意を得て、フレンドホームの登録を移管することができる。
3 紹介先施設の長は、フレンドホームに登録後、当該移管が完了した旨を当該フレンドホームに対し、通知するものとする。
4 前3項の規定は、他の施設に措置変更する児童と交流中のフレンドホームが、措置変更後も引き続き交流を希望する場合の手続について準用する。
(登録事項の変更)
第10条 フレンドホームは、登録をした事項に変更があったときは、フレンドホーム登録事項変更・登録抹消届(第4号様式)により、速やかに施設長に届け出なければならない。
2 施設長は、前項の規定による届出があったときは、速やかに当該変更内容を登録簿に反映させなければならない。
(登録の抹消)
第11条 施設長は、フレンドホームが次の各号のいずれかに該当するときは、必要に応じて所長と協議を行い、フレンドホームの登録を抹消することができる。
(1) フレンドホームの登録後、2年以上対象児童との交流がないとき。
(2) フレンドホームから登録抹消の届出があったとき。
(3) 第5条各号に掲げる条件に適合しなくなったとき。
2 施設長は、前項の規定により登録を抹消したときは、その旨をフレンドホームに対し、通知するものとする。
(引合せ)
第12条 施設長は、当該施設の登録簿の中から、対象児童に適したフレンドホームを選定し、引合せを行う。
2 施設長は、対象児童に適したフレンドホームの登録が当該施設にないときは、所長に他の施設に登録しているフレンドホームの紹介を受けるものとする。
3 施設長は、引合せの結果、対象児童と交流することが適当と認められたフレンドホームに通知するとともに、所長に対し、フレンドホームとの交流を開始する旨を連絡するものとする。
3 所長は、対象児童が在籍する施設に対して、フレンドホーム登録施設と連携を密にとり、交流の調整を行わせる。
(交流の実施)
第14条 第12条第3項の規定による通知を受けたフレンドホームは、施設長が定めるところにより、対象児童を受け入れるものとする。
2 フレンドホームは、新たに対象児童と交流するときは、交流を開始する前に対象児童が在籍する施設を訪問し、当該児童との面会を通じて十分な意思疎通を図るものとする。
(報告)
第15条 施設長は、フレンドホームと対象児童との交流実績をフレンドホーム事業実績報告書(第6号様式)により、毎月5日までに、所長に報告しなければならない。この場合において、交流期間が2月以上にわたるときは、当該交流の最終日が属する月の実績として報告するものとする。
2 施設長は、フレンドホームの登録に異動があったときは、原則として当該移動があった日の属する月の翌月の5日までに、フレンドホーム登録簿異動連絡票(第7号様式)により、所長に報告しなければならない。
3 施設長は、所長から求めがあったときは、登録簿の写しを提出しなければならない。
(経費の請求)
第16条 区長は、施設からの請求に基づき、別に定める基準により、交流を行ったフレンドホームに対し施設が支払った謝礼に係る経費を支払うものとする。
(書類等の整備保管)
第17条 施設長は、登録簿等の書面を整理し、区長の求めに応じて提出できるようにしなければならない。
2 施設長は、前項の書類等について、経費の精算を行った日の属する年度の終了後5年間保管しておかなければならない。
(秘密の保持)
第18条 区長は、事業の関係者に対し、本事業の実施に当たり知り得た秘密を保持させるものとする。事業の終了後も同様とする。
(補則)
第20条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。
附則
この要綱は、2022年4月1日から施行する。