中野区なかのくどもの権利けんりかんする条例じょうれい

令和4年3月28日

条例第16号

目次もくじ

前文ぜんぶん

だい1しょう 総則そうそく(だい1じょうだい8じょう)

だい2しょう どもの権利けんり保障ほしょう(だい9じょうだい12じょう)

だい3しょう どもにやさしいまちづくりの推進すいしん(だい13じょうだい19じょう)

だい4しょう どもにかんする取組とりくみ推進すいしんおよび検証けんしょう(だい20じょうだい23じょう)

だい5しょう どもの権利けんり相談そうだんおよび侵害しんがいからの救済きゅうさい(だい24じょうだい27じょう)

だい6しょう 雑則ざっそく(だい28じょう)

附則ふそく

どもは、権利けんり主体しゅたいであり、一人ひとり人間にんげんとしてその尊厳そんげん尊重そんちょうされ、その権利けんり保障ほしょうされます。すべてのひとは、まれながらにしてしあわせにきるための権利けんりっています。この権利けんりは、どもであることを理由りゆう侵害しんがいされることがあってはなりません。

いま、いじめや虐待ぎゃくたい貧困ひんこんなど困難こんなん状況じょうきょうにあるどもがいます。多様たよう背景はいけいち、それが理解りかいされずにくるしんでいるどももいます。

どもにとって、どもならではの権利けんり保障ほしょうされることも大切たいせつです。わたしたちは、だれ一人取ひとりとのこすことなく、すべてのどもがしあわせにきていけるようどもの権利けんり保障ほしょうします。わたしたちは、どものいのち健康けんこうまもり、その成長せいちょう応援おうえんします。わたしたちは、どものこえみみをかたむけ、その意見いけんかんがえ、おもいをめ、これを尊重そんちょうし、どもと一緒いっしょに、どもにとってもっといことを第一だいいちかんがえます。

わたしたちは、どもをパートナーとして、まち全体ぜんたいどもの成長せいちょうささえ、どもの権利けんり保障ほしょうする、どもにやさしいまち中野なかのをつくっていきます。どもにやさしいまちは、すべてのひとにやさしいまちです。

どものみなさん、まようことやこまったことがあったら、まわりの大人おとな相談そうだんしてみてください。相談そうだんをすることは、わるいことではありません。あなたは、一人ひとりではありません。わたしたち大人おとなは、あなたの意見いけんかんがえ、おもいをめ、あなたの立場たちばりそい、あなたにとってもっといことを一緒いっしょかんがえます。あなたのことを応援おうえんしているひとがいることをわすれないでください。

日本にほんは、世界せかい国々くにぐにと、どもの権利条約けんりじょうやくむすんでいます。この条約じょうやくでは、「いのちまもられ、成長せいちょうできること」、「意見いけん表明ひょうめいし、参加さんかできること」、「どもにかんすることがおこなわれるときは、そのどもにとってもっといことがかんがえられること」、「差別さべつをされないこと」などのどもの権利けんり保障ほしょうすることを約束やくそくしました。わたしたちは、この約束やくそくまもるため、全力ぜんりょくをつくさなければなりません。

ここに、どもの権利条約けんりじょうやく精神せいしんにのっとり、どものいま未来みらいのために、どもの権利けんり保障ほしょうし、どもにやさしいまちづくりを推進すいしんすることを宣言せんげんし、この条例じょうれい制定せいていします。

だい1しょう 総則そうそく

(目的もくてき)

だい1じょう この条例じょうれいは、中野区なかのく(以下いか」といいます。)かかわるすべてのひとどもの権利けんり尊重そんちょう理念りねんち、それぞれの生活せいかつ活動かつどうかすことにより、どもの権利けんり保障ほしょうし、もってどもにやさしいまちづくりを推進すいしんすることを目的もくてきとします。

(用語ようご意味いみ)

だい2じょう この条例じょうれいにおいて「ども」とは、区内くない在住ざいじゅうし、在学ざいがくし、または在勤ざいきんするとう区内くないにおいて生活せいかつし、活動かつどうする18歳未満さいみまんひと、およびこれらのひとひとしく権利けんりみとめることが適当てきとうみとめるひとのことをいいます。

2 この条例じょうれいにおいて「保護者ほごしゃ」とは、どものおやおよび里親さとおやその他子たこどものおやわり養育よういくするひとのことをいいます。

3 この条例じょうれいにおいて「区民くみん」とは、区内くないにおいて、在住ざいじゅうし、もしくは在勤ざいきんしているひと事業じぎょういとなんでいるひと(以下いか事業者じぎょうしゃ」といいます。)または在学ざいがくしているひとおよび保護者ほごしゃのことをいいます。

4 この条例じょうれいにおいて「そだまな施設しせつ」とは、区内くない学校がっこう専修学校せんしゅうがっこうまたは各種学校かくしゅがっこう児童福祉施設じどうふくししせつその他子たこどもがそだち、まなぶために利用りようする施設しせつのことをいいます。

5 この条例じょうれいにおいて「団体だんたい」とは、区内くないにおいて、どもがそだち、まなぶための活動かつどうおこな団体だんたいのことをいいます。

6 この条例じょうれいにおいて「どもの権利条約けんりじょうやく」とは、児童じどう権利けんりかんする条約じょうやくのことをいいます。

(基本理念きほんりねん)

だい3じょう どもの権利けんり保障ほしょうは、つぎさだめるかんがかた基本理念きほんりねんとします。

(1) どもは、そのいのちまもられ、心身しんしん尊厳そんげんきずつけられることなく、愛情あいじょう理解りかいをもってはぐくまれること。

(2) どもは、その意見いけんかんがえ、おも(以下いか意見等いけんとう」といいます。)表明ひょうめいすることができ、自分じぶん関係かんけいのあることについてその意見等いけんとう尊重そんちょうされること。

(3) どもに関係かんけいのあるあらゆることについて、どもにとってもっといことはなにかを第一だいいちかんがえること。

(4) どもは、一人ひとりひとりの個性こせい尊重そんちょうされ、だれ一人取ひとりとのこされることなくその権利けんり保障ほしょうされること。

(役割やくわり)

だい4じょう は、あらゆる取組とりくみおこなうことによりどもの権利けんり保障ほしょうし、どもにやさしいまちづくりを推進すいしんするものとします。

2 は、どもの権利けんり保障ほしょうについて、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくするとともに、その活動かつどう支援しえんするものとします。

3 は、どもの権利けんり保障ほしょうについて、くに東京都とうきょうと区市町村等くしちょうそんとう必要ひつよう協力きょうりょくもとめることにより、どもの権利けんりひろ保障ほしょうされるようはたらきかけをおこなうものとします。

4 は、この条例じょうれいによるどもの権利けんり尊重そんちょう理念りねんひろまり、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいどもの権利けんりについての理解りかいふかめることができるよう、そのかんがかたひろめていくものとします。

(区民くみん役割やくわり)

だい5じょう 区民くみんは、どもの権利けんりについての理解りかいふかめ、これを保障ほしょうするようつとめるものとします。

2 区民くみんは、地域社会ちいきしゃかいにおけるどもの権利けんり保障ほしょう重要性じゅうようせい理解りかいし、どもがすこやかにそだち、安心あんしんしてごすことができるよう、地域社会全体ちいきしゃかいぜんたいどもを見守みまもり、支援しえんするようつとめるものとします。

3 区民くみんは、そだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくして、どもの権利けんりについてそのかんがかたひろめていくことにつとめるものとします。

(そだまな施設しせつおよび団体だんたい役割やくわり)

だい6じょう そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、その活動かつどうにおいてどもの権利けんり保障ほしょうするようつとめるものとします。

2 そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもの権利けんり保障ほしょうするため、および区民くみん協力きょうりょくするようつとめるものとします。

(事業者じぎょうしゃ役割やくわり)

だい7じょう 事業者じぎょうしゃは、その従業員じゅうぎょういんどもの権利けんり保障ほしょうすることができる環境かんきょうととのえるようつとめるものとします。

2 事業者じぎょうしゃは、その事業じぎょうどもの権利けんり侵害しんがいにつながることのないよう適切てきせつ気配きくばりをおこなうようつとめるものとします。

3 事業者じぎょうしゃは、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくして、その事業じぎょうとしてどもの権利けんり保障ほしょうするための活動かつどうをし、これを推進すいしんするようつとめるものとします。

(中野区子なかのくこどもの権利けんり)

だい8じょう どもの権利けんりについての区民くみん理解りかい関心かんしんふかめるため、中野区子なかのくこどもの権利けんり(以下いかどもの権利けんり」といいます。)もうけます。

2 どもの権利けんりは、11月20日がつはつか(国際連合総会こくさいれんごうそうかいにおいてどもの権利条約けんりじょうやく採択さいたくされた)とします。

3 は、どもの権利けんり目的もくてきにふさわしい事業じぎょうひろ区民等くみんとう参加さんかもとめておこなうものとします。

だい2しょう どもの権利けんり保障ほしょう

(あらゆる場面ばめんにおける権利けんり保障ほしょう)

だい9じょう どもは、家庭かていそだまな施設しせつおよび団体だんたい活動かつどう地域社会等ちいきしゃかいとう、あらゆる場面ばめんにおいて、とくつぎさだめる権利けんり保障ほしょうされます。

(1) 身体的しんたいてきまたは精神的せいしんてき暴力ぼうりょくけないこと。

(2) 健康的けんこうてき生活せいかつをし、必要ひつよう医療いりょう行政ぎょうせいサービスとうけられること。

(3) 家庭的かていてき環境かんきょうのもとでそだつこと。

(4) 自分じぶん意見等いけんとう表明ひょうめいし、それが尊重そんちょうされること。

(5) まなび、やすみ、およびあそぶこと。そのために必要ひつよう環境かんきょうととのえられること。

(6) 権利けんり個人こじんとして尊重そんちょうされ、自分じぶんについての情報じょうほうること。

(7) 失敗しっぱいをしてもやりなおせること。そのために必要ひつよう環境かんきょうととのえられること。

(8) どもの発達はったつおうじてそのプライバシーが尊重そんちょうされること。

(9) 家庭かてい環境かんきょう経済的けいざいてき状況じょうきょう社会的身分しゃかいてきみぶん国籍こくせき人種じんしゅ民族みんぞく文化ぶんか障害しょうがい有無うむ性別せいべつ性自認せいじにん性的指向等せいてきしこうとうにより差別さべつをされないこと。

(10) どもであることを理由りゆう不当ふとうなあつかいをけないこと。

2 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもの意見等いけんとう尊重そんちょうするとともに、その意見等いけんとうがどのように尊重そんちょうされているかをどもにかりやすく説明せつめいするようつとめるものとします。

3 は、どもの権利けんり保障ほしょうするため、必要ひつよう取組とりくみおこなうものとします。

(家庭かていにおける権利けんり保障ほしょう)

だい10じょう 保護者ほごしゃは、家庭かていにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうするため、とくつぎさだめることについて必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

(1) 家庭的かていてき環境かんきょうのもとで愛情あいじょうけてそだつこと。

(2) どもの発達はったつおうじて個人こじん秘密ひみつまもられること。

2 保護者ほごしゃは、前項ぜんこう取組とりくみおこなうときには、子育こそだてについての必要ひつよう協力きょうりょくもとめることとうにより、どもの成長せいちょうささえることができるようつとめるものとします。

3 は、家庭かていにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうするため、どもおよび保護者ほごしゃたいして、必要ひつよう取組とりくみおこなうものとします。

(そだまな施設しせつおよび団体だんたい活動かつどうにおける権利けんり保障ほしょう)

だい11じょう そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、その活動かつどうにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうするため、とくつぎさだめることについて必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

(1) 安全あんぜん安心あんしんできる環境かんきょうのもとで、まなび、成長せいちょうすること。

(2) 一人ひとりひとりの個性こせい尊重そんちょうされ、差別さべつをされないこと。

(3) いじめや体罰たいばつけないこと。

(4) そのどもの個人こじんかんする情報じょうほうについて、その意思いしはんし、または正当せいとう目的もくてき範囲はんいをこえて利用りようされ、または提供ていきょうされないこと。

2 そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、前項ぜんこう取組とりくみおこなうときには、つぎさだめることをおこなうことにより、その活動かつどうにおいてどもの権利けんり保障ほしょうされるようつとめるものとします。

(1) どもの権利けんり保障ほしょう主体的しゅたいてきみ、どもの成長せいちょうささえることができるよう必要ひつよう支援しえんおこなうこと。

(2) 支援しえん必要ひつようとするどもを早期そうき発見はっけんし、どもの意見等いけんとう尊重そんちょうしながら、どもにとってもっと解決方法かいけつほうほうをとること。

(3) 虐待ぎゃくたい貧困等ひんこんとう早期そうき発見はっけんし、その他関係機関たかんけいきかん協力きょうりょくして対応たいおうすること。

3 は、そだまな施設しせつおよび団体だんたい活動かつどうにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうするため、そだまな施設しせつおよび団体だんたいたいして、必要ひつよう取組とりくみおこなうものとします。

(地域社会ちいきしゃかいにおける権利けんり保障ほしょう)

だい12じょう どもとかかわる活動かつどうをする区民くみんは、地域社会ちいきしゃかいにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうするため、とくつぎさだめることについて必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

(1) 安全あんぜん安心あんしんできる環境かんきょうのもとで生活せいかつすること。

(2) 地域ちいき活動等かつどうとう参加さんかし、自分じぶん意見等いけんとう表明ひょうめいすること。

(3) やすみ、またはあそぶことができ、一人ひとりまたは集団しゅうだん活動かつどうすることができる居場所いばしょ利用りようすること。

2 どもとかかわる活動かつどうをする区民くみんは、前項ぜんこう取組とりくみおこなうときには、適切てきせつ支援しえんけることにより、その活動かつどうつづけていけるようつとめるものとします。

3 は、地域社会ちいきしゃかいにおいて、どもの権利けんり保障ほしょうし、前項ぜんこう規定きていする活動かつどうつづけていけるようにするため、どもとかかわる活動かつどうをする区民くみんたいして、必要ひつよう取組とりくみおこなうものとします。

だい3しょう どもにやさしいまちづくりの推進すいしん

(どもの意見等いけんとう表明ひょうめいおよび参加さんか)

だい13じょう は、どもが自分じぶん意見等いけんとう表明ひょうめいし、参加さんかする機会きかい確保かくほするために必要ひつよう制度せいどもうけるようつとめるものとします。

2 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもの意見等いけんとう表明ひょうめい参加さんかをうながすため、どもがその意味いみ方法ほうほうについてまなび、必要ひつよう情報じょうほうることができるようつとめるものとします。

(ども会議かいぎ)

だい14じょう 区長くちょうは、どもの意見等いけんとうもとめるための会議かいぎ(以下いかども会議かいぎ」といいます。)ひらきます。

2 区長くちょうは、どもにかんする計画けいかくその他区長たくちょう必要ひつようみとめることについて、ども会議かいぎ参加さんかするどもの意見等いけんとうもとめるものとします。

3 区長くちょうは、ども会議かいぎ多様たよう背景はいけいどもの意見いけん反映はんえいされるようつとめるものとします。

4 ども会議かいぎは、参加さんかするどもの自主性じしゅせい自発性じはつせい尊重そんちょうして運営うんえいされるものとします。

5 区長くちょうは、ども会議かいぎへのどもの参加さんかがうながされ、ども会議かいぎ順調じゅんちょう運営うんえいされるよう必要ひつよう支援しえんおこなうものとします。

6 ども会議かいぎ参加さんかするどもは、だい2こう規定きていすることや自分じぶん必要ひつようみとめることについて、その意見等いけんとうをまとめ、区長くちょう提出ていしゅつすることができます。

7 前項ぜんこう規定きていにより提出ていしゅつされた意見等いけんとうについて、区長くちょうは、これを尊重そんちょうするようつとめるものとします。

(虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとう防止ぼうし)

だい15じょう 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもが虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとうけることなく、すこやかにそだち、安心あんしんしてらすことができるようつとめなければなりません。

2 は、関係機関かんけいきかん協力きょうりょくし、どもにたいする虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとう予防よぼう早期そうき発見はっけんむものとします。

3 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもが虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとうけることがないようくばるとともに、虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとうけたとおもわれるどもを発見はっけんしたときは、すみやかにその関係機関かんけいきかんらせなければなりません。

4 は、虐待ぎゃくたい体罰等たいばつとうけたどもをすみやかにかつ適切てきせつ救済きゅうさいするため、関係機関かんけいきかん協力きょうりょくし、必要ひつよう支援しえんおこなうものとします。

(いじめその権利けんり侵害しんがい防止ぼうし)

だい16じょう 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもがいじめその権利けんり侵害しんがいけることなく、安心あんしんして生活せいかつすることができるようつとめるものとします。

2 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもにたいするいじめその権利けんり侵害しんがい予防よぼう早期そうき発見はっけんむものとします。

3 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、いじめその権利けんり侵害しんがいけたどもをすみやかにかつ適切てきせつ救済きゅうさいするため、関係機関かんけいきかん協力きょうりょくし、必要ひつよう支援しえんおこなうものとします。

4 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、いじめその権利けんり侵害しんがいかかわったどもがふたたびいじめその権利けんり侵害しんがいかかわることのないようむものとします。

(貧困ひんこん防止ぼうし)

だい17じょう は、すべてのどもがだれ一人取ひとりとのこされることなく、すこやかにそだち、まなぶことができるよう、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくして、どもの貧困ひんこん防止ぼうし総合的そうごうてきむものとします。

(有害ゆうがいまたは危険きけん環境かんきょうおよび情報じょうほうからの保護ほご)

だい18じょう 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもが家庭かてい地域社会ちいきしゃかいなか尊重そんちょうされ、安心あんしんして健康的けんこうてききるため、違法いほう薬物等やくぶつとう有害ゆうがいまたは危険きけん環境かんきょう情報じょうほうからどもをまもるようむものとします。

2 は、前項ぜんこう規定きていする取組とりくみかんし、ども、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたい必要ひつよう情報じょうほう提供ていきょうするものとします。

(居場所いばしょづくり)

だい19じょう そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもが安心あんしんしてごすことができる居場所いばしょづくりにつとめるものとします。

2 は、前項ぜんこう規定きていする居場所いばしょづくりのための活動かつどうおこなそだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくし、その支援しえんつとめるものとします。

3 そだまな施設しせつおよび団体だんたいは、だい1こう規定きていする居場所いばしょづくりにかんし、どもが意見等いけんとう表明ひょうめいし、参加さんかする機会きかいもうけるとともに、その意見等いけんとう尊重そんちょうするようつとめるものとします。

だい4しょう どもにかんする取組とりくみ推進すいしんおよび検証けんしょう

(どもにかんする取組とりくみ推進すいしん)

だい20じょう は、すべてのどもの権利けんり保障ほしょうされるよう、ども、区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたい協力きょうりょくして、どもにかんする取組とりくみ推進すいしんするものとし、そのための体制たいせい整備せいびするものとします。

2 は、どもにかんする取組とりくみ推進すいしんされるよう、必要ひつよう財政上ざいせいじょう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

3 は、どもにかんする取組とりくみ推進すいしんするため、定期的ていきてきに、どもの状況等じょうきょうとうについて調査ちょうさおこない、その結果けっか公表こうひょうするものとします。

(どもにかんする取組とりくみ推進計画すいしんけいかく策定さくてい)

だい21じょう は、どもにかんする取組とりくみ推進すいしんするための基本きほんとなる計画けいかく(以下いか推進計画すいしんけいかく」といいます。)さだめます。

2 は、推進計画すいしんけいかくさだめる場合ばあいは、どもや区民くみん意見等いけんとう反映はんえいさせるようつとめるものとします。

3 は、推進計画すいしんけいかくさだめた場合ばあいは、すみやかにこれを公表こうひょうし、ひろめていくものとします。

4 ぜん2こう規定きていは、推進計画すいしんけいかくあらためる場合ばあいについて準用じゅんようします。

(中野区子なかのくこどもの権利委員会けんりいいんかい設置せっち)

だい22じょう 推進計画すいしんけいかくおよびどもにかんする取組とりくみ検証けんしょうするため、区長くちょう附属機関ふぞくきかんとして、中野区子なかのくこどもの権利委員会けんりいいんかい(以下いか権利委員会けんりいいんかい」といいます。)きます。

2 権利委員会けんりいいんかいは、区長くちょうもとめにおうじ、つぎさだめることについて調査ちょうさ検討けんとうおこない、意見いけんべます。

(1) どもの権利けんり保障ほしょう状況じょうきょうかんすること。

(2) 推進計画すいしんけいかくおよびどもにかんする取組とりくみ検証けんしょう改善等かいぜんとう提言ていげんかんすること。

(3) その他区長たくちょう必要ひつようみとめること。

3 権利委員会けんりいいんかいは、前項各号ぜんこうかくごうさだめることにかんし、必要ひつようがあるとみとめるときは、区長くちょう意見いけんべることができます。

4 権利委員会けんりいいんかいは、学識経験者がくしきけいけんしゃその他区長たくちょう必要ひつようみとめるひとのうちから、区長くちょう任命にんめいする委員いいん10人以内にんいないをもって組織そしきします。

5 権利委員会けんりいいんかい委員いいん(以下単いかたんに「委員いいん」といいます。)任期にんきは、2ねんとします。ただし、再任さいにんされることができます。

6 委員いいんけたときは、補欠ほけつ委員いいんくことができます。この場合ばあいにおいて、補欠ほけつ委員いいん任期にんきは、前任者ぜんにんしゃ残任期間ざんにんきかんとします。

7 委員いいんは、職務上知しょくむじょうし秘密ひみつをもらしてはなりません。そのしょく退しりぞいたあとも、同様どうようとします。

(権利委員会けんりいいんかい意見いけん尊重そんちょう)

だい23じょう 区長くちょうは、権利委員会けんりいいんかいから前条第ぜんじょうだい2こうおよび同条第どうじょうだい3こう意見いけんけたときは、これを尊重そんちょうし、必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

2 区長くちょうは、権利委員会けんりいいんかいからの意見いけんけたときは、すみやかにこれを公表こうひょうし、ひろめていくものとします。

だい5しょう どもの権利けんり相談そうだんおよび侵害しんがいからの救済きゅうさい

(中野区子なかのくこどもの権利救済委員けんりきゅうさいいいん設置せっち)

だい24じょう どもの権利けんり侵害しんがい(以下いか権利侵害けんりしんがい」といいます。)からのすみやかな救済きゅうさいどもの権利けんり保障ほしょうをはかるため、区長くちょう附属機関ふぞくきかんとして、中野区子なかのくこどもの権利救済委員けんりきゅうさいいいん(以下いか救済委員きゅうさいいいん」といいます。)きます。

2 救済委員きゅうさいいいんは、つぎさだめることを担当たんとうします。

(1) どもの権利けんり保障ほしょうについての相談そうだんおうじ、必要ひつよう助言じょげんおよび支援しえんをすること。

(2) どもの権利けんり保障ほしょうについての必要ひつよう調査ちょうさおよび調整ちょうせいをすること。

(3) 権利侵害けんりしんがいからの救済きゅうさいのため関係者かんけいしゃ要請ようせいをすること。

(4) 権利侵害けんりしんがいふせぎ、またはどもの権利けんり保障ほしょうするための意見いけん表明ひょうめいすること。

(5) だい3ごう要請ようせいおよび前号ぜんごう意見いけん内容ないよう公表こうひょうすること。

(6) 権利侵害けんりしんがいからの救済きゅうさいどもの権利けんり保障ほしょうについての理解りかいひろめていくことおよび関係者かんけいしゃとの協力きょうりょく推進すいしんかんすること。

3 救済委員きゅうさいいいんは、5人以内にんいないとし、人格じんかく高潔こうけつで、社会的信望しゃかいてきしんぼうあつく、どもの人権問題じんけんもんだいかんしすぐれた識見しきけんそなえているひとのうちから、区長くちょう任命にんめいします。

4 救済委員きゅうさいいいん任期にんきは、2ねんとします。ただし、再任さいにんされることができます。

5 区長くちょうは、救済委員きゅうさいいいん心身しんしん故障こしょうのために職務しょくむおこなうことができないとみとめる場合ばあいだい3こう規定きていする任命にんめい要件ようけんたさなくなった場合ばあいまたは救済委員きゅうさいいいん職務上しょくむじょう義務違反ぎむいはんその他救済委員たきゅうさいいいんとしてふさわしくないおこないがあるとみとめる場合ばあいには、その救済委員きゅうさいいいんしょくくことができます。

6 救済委員きゅうさいいいんは、職務上知しょくむじょうし秘密ひみつをもらしてはなりません。そのしょく退しりぞいたあとも、同様どうようとします。

(救済委員きゅうさいいいん職務しょくむ執行しっこう)

だい25じょう 救済委員きゅうさいいいんは、職務しょくむおこなうときには、どもの意見等いけんとうき、その意見等いけんとう尊重そんちょうするとともに、そのどもにとってもっといとかんがえられることをおこなうものとします。

2 救済委員きゅうさいいいんは、公正こうせいかつ公平こうへいにその職務しょくむおこなわなければなりません。

3 救済委員きゅうさいいいんは、それぞれ独立どくりつしてその職務しょくむおこないます。

4 救済委員きゅうさいいいんは、自分じぶん利害関係りがいかんけいのある事案じあんについては、その職務しょくむおこなうことができません。

5 救済委員きゅうさいいいんは、毎年度まいねんど、その職務しょくむ実施状況じっしじょうきょうについて区長くちょう報告ほうこくしなければなりません。

6 は、救済委員きゅうさいいいん独立性どくりつせい公正こうせいかつ公平こうへい職務しょくむ執行しっこう確保かくほするために必要ひつよう協力きょうりょくおよび支援しえんおこなうとともに、専門せんもん職員しょくいんおよび窓口まどぐち設置等せっちとう体制たいせい整備せいびをはかるものとします。

7 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、どもが救済委員きゅうさいいいん相談等そうだんとうをしやすい環境かんきょうととのえるようつとめるとともに、救済委員きゅうさいいいん職務しょくむ執行しっこう協力きょうりょくするようつとめるものとします。

(救済委員きゅうさいいいんへの相談等そうだんとう)

だい26じょう ども(そのどもに関係かんけいのあるひとをふくみます。)は、救済委員きゅうさいいいんどもの権利けんり保障ほしょうについて必要ひつよう相談そうだんおこない、またはだい24条第じょうだい2項第こうだい3ごう要請ようせい同項第どうこうだい4ごう意見いけん表明ひょうめいおこなうことをもとめることができます。

(救済委員きゅうさいいいん要請ようせいおよび意見いけん尊重等そんちょうとう)

だい27じょう 機関きかんは、救済委員きゅうさいいいんからだい24条第じょうだい2項第こうだい3ごう要請ようせいおよび同項第どうこうだい4ごう意見いけん表明ひょうめいけたときは、これを尊重そんちょうし、必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

2 機関きかんは、前項ぜんこう取組とりくみおこなうときには、その内容ないよう救済委員きゅうさいいいん報告ほうこくしなければなりません。ただし、同項どうこう取組とりくみおこなうことができないときは、理由りゆうけてそのことを救済委員きゅうさいいいん報告ほうこくしなければなりません。

3 区民くみんそだまな施設しせつおよび団体だんたいは、救済委員きゅうさいいいんからだい24条第じょうだい2項第こうだい3ごう要請ようせいおよび同項第どうこうだい4ごう意見いけん表明ひょうめいけたときは、これを尊重そんちょうし、必要ひつよう取組とりくみおこなうようつとめるものとします。

だい6しょう 雑則ざっそく

(委任いにん)

だい28じょう この条例じょうれい施行しこうかん必要ひつようなことは、規則きそくさだめます。

 そく

この条例じょうれいは、令和れいわ4ねん4月1日がつついたちから施行しこうします。

中野区子どもの権利に関する条例

令和4年3月28日 条例第16号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第2編 区民の権利・義務/第3章 子ども・女性/第7節 子どもの権利の保障
沿革情報
令和4年3月28日 条例第16号