中野区犯罪被害者等支援条例
令和2年3月26日
条例第17号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)の趣旨にのっとり、中野区(以下「区」という。)における犯罪被害者等の支援に関する基本理念を定め、区及び区民等の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等の支援に係る施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益を保護し、区民が安心して暮らせる地域社会を実現することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪被害者等基本法第2条第1項に規定する犯罪等をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族その他これらに準ずる者として区長が認める者をいう。
(3) 区民等 区内に住所を有する者、区内に存する事業所若しくは事務所に勤務する者、区内に存する学校に在学する者又は区内で事業活動を行うものをいう。
(4) 二次被害 犯罪等による直接的な被害以外の犯罪被害者等が被る経済的な損失、精神的な苦痛、心身の不調、プライバシーの侵害等をいう。
(5) 再被害 犯罪被害者等が当該犯罪等の加害者から再び受ける生命、身体、財産等の被害をいう。
(6) 関係機関等 国、東京都、警察、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体その他の犯罪被害者等の支援に関係するものをいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等の支援は、次に掲げる事項を基本理念とする。
(1) 犯罪被害者等の個人の尊厳が重んぜられるよう配慮すること。
(2) 犯罪被害者等の置かれている生活環境、心身の状況その他の事情の変化に応じ、必要とされる支援を途切れることなく行うこと。
(3) 犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害することのないよう支援するとともに、二次被害及び再被害の発生の防止に配慮すること。
(区の責務)
第4条 区は、前条の基本理念にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえ、犯罪被害者等の支援に係る施策を策定し、及び実施するものとする。
(区民等の責務)
第5条 区民等は、犯罪被害者等の置かれている状況及び支援の必要性についての理解を深め、犯罪被害者等が地域社会で孤立することのないよう努めなければならない。
(犯罪被害者等の支援に係る施策の実施)
第6条 区は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう次に掲げる事項について必要な施策を講ずるものとする。
(1) 犯罪等に起因する経済的負担の軽減のための支援に関すること。
(2) 犯罪等に起因して日常生活又は社会生活を営むことが困難となった者に対する支援に関すること。
(3) 犯罪等に起因する精神的な被害を早期に軽減し、又は回復するための支援に関すること。
(4) 犯罪等に起因する法律問題の解決に向けた支援に関すること。
(5) 犯罪等に起因して従前の住居に居住することが困難となった場合における転居等に係る支援に関すること。
2 区は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう犯罪等により害を被ったことにより直面している様々な問題について相談に応じる窓口を設置し、必要な情報の提供、助言及び関係機関等との連絡調整を行うものとする。
3 区は、犯罪被害者等が必要とする支援を途切れることなく受けることができるよう関係機関等との連携及び協力を行うものとする。
4 区は、犯罪被害者等が犯罪等を誘発したときその他犯罪被害者等の支援を行うことが適当でないと認めるときは、当該犯罪被害者等の支援を行わないものとする。
(犯罪被害者等の支援を行う人材の養成)
第7条 区は、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、犯罪被害者等の支援を行う人材を養成するための研修その他必要な措置を講ずるものとする。
(区民等への広報等)
第8条 区は、犯罪被害者等の置かれている状況、二次被害の発生の防止の重要性その他犯罪被害者等の支援に関する事項について、区民等が理解を深めることができるよう広報及び啓発を行うものとする。
(委任)
第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、区長が定める。
附則
この条例は、令和2年4月1日から施行する。