中野区行事における臨時営業等の取扱要綱
2019年12月24日
要綱第167号
中野区行事における臨時営業等の取扱要綱(2000年中野区要綱第121号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、縁日、祭礼等の行事において、簡易な施設を設けて不特定多数の者に対し、食品を提供する臨時営業(業に該当するものをいう。以下「臨時営業」という。)及び臨時出店(業に該当しないものをいう。以下「臨時出店」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(臨時営業の対象)
第2条 臨時営業の対象となる者は、食品衛生法施行条例(平成12年東京都条例第40号。以下「条例」という。)第3条ただし書の規定により、東京都知事が衛生上支障がないと認め、食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第55条の規定による営業許可を受けた飲食店営業(臨時)の営業を行うものとする。
2 臨時営業の形態は、次に掲げるものとする。
(1) 一時的に催される特定の行事において、簡易な施設で食品提供を行う営業であり、行事の都度、営業場所を移動し、又は反復して営業する形態のもの(以下「移動型臨時営業」という。)
(2) 一時的に催される行事において、簡易な施設で食品提供を行う営業であり、申請した行事の開催期間内に限り申請した営業場所でのみ営業する形態のもの(以下「短期固定型臨時営業」という。)
(1) 移動型臨時営業 一時的に催され、不特定多数の者が自由に参加できる行事であって、次に掲げるもの
ア 神社又は仏閣の縁日又は祭礼
イ 住民祭
ウ 産業祭
エ 花火大会
オ 盆踊り
カ 花見
キ 歩行者天国
ク 彼岸会
(2) 短期固定型臨時営業 前号の行事ほか、一時的に催され、不特定多数の者が自由に参加できるものであって、次に掲げるもの
ア 地域又は産業の活性化を目的とした行事
イ 復興支援又は慈善活動を目的とした行事
ウ 国際交流を目的とした行事
エ 運動競技を行う行事
オ 音楽又は演芸を行う行事
4 臨時営業の対象となる営業場所は、前項に規定する行事の開催場所の範囲内とする。ただし、短期固定型臨時営業の対象となる営業場所にあっては、次に掲げる要件を満たさなければならない。
(1) 申請した営業場所であること。
(2) 上下水道等に直結する給排水設備の整備ができず、固定店舗としての営業許可を受けられない場所であること。
(2021要綱115・一部改正)
(臨時営業の公衆衛生上必要な措置の基準)
第3条 公衆衛生上必要な措置の基準は、法第51条第2項の規定により、食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「規則」という。)別表第17及び別表第18の基準に従い、営業者が定めるものとする。
2 保健所長は、臨時営業の特殊性を踏まえ、次に掲げる事項を留意するよう指導するものとする。
(1) 施設の補修及び水の補充に努めること。
(2) 食品、器具、容器包装等は、衛生的に取り扱うこと。
(3) 営業場所で使用する食器類は、1回限りの使用とし、食器の洗浄を行う場合は、営業場所以外の場所で衛生的に行うこと。
(4) 客が使用した食器等の処理は、営業者の責任で行うこと。
(5) 営業場所における調理、加工、製造等の行為は、全て施設内で行うこと。
(6) 給水タンクは、定期的に清掃し、清潔に保ち、給水タンクからは、常に飲用に適する水が供給されること。
(7) 排水の処理は、適正に行うこと。
(8) 器具等は、取扱食品等に応じて区分すること。
(9) 取扱品目及び取扱量は、施設の規模等に見合ったものとすること。
(10) 冷凍原材料の解凍は、専用の容器等で衛生的に行うこと。
(11) 営業時間外にあっても、施設を衛生的に保てるよう措置を講ずること。
(2021要綱115・全改)
(臨時営業の施設基準)
第4条 臨時営業の施設基準は、条例別表第2の規定により飲食店営業に適用される基準のとおりとする。
2 前項の規定にかかわらず、移動型臨時営業の施設基準は、次に掲げるとおりとする。
ア 施設 屋根、側壁を有し、清掃しやすく、全ての設備を収容することができるものであり、使用しない場合には、衛生的に保管できる構造の施設であること。
イ 洗浄設備 器具類の洗浄設備及び手洗い設備を備えること。(洗浄設備及び手洗い設備を兼ねる場合を含む。)
ウ 消毒設備 手指を消毒するため、消毒用薬品を入れた容器を備えること。
エ 給水設備 蛇口のついた容量18リットル以上のふたの付いた容器を備え、使用する水は、飲用に適する水であること。
オ 排水設備 排水容器を備えること。
(1) 条例別表第2第1の3のニにおける床に係る規定並びに第1の3のヲ及びタの規定は、適用しない。
(2) 条例別表第2第1の3のヘ及びリの規定にかかわらず、次のとおりとする。
ア 給水設備 施設内には、取扱食品に応じ、40リットル以上又は80リットル以上の飲用に適する水を供給する給水タンクを備えること。(手洗い設備と洗浄設備で給水タンクを分けることにより、合計で当該給水タンクの容量を満たす場合を含む。)
イ 排水設備 給水タンクと同等の容量の排水タンクを備えること。(手洗い設備と洗浄設備で排水タンクを分けることにより、合計で上記タンク容量を満たす場合を含む。)
4 第1項の規定にかかわらず、構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設で行う短期固定型臨時営業の施設基準は、次に掲げるとおりとする。
(2) 条例別表第2第1の1の規定並びに第1の3のヘ及びリの規定にかかわらず、次のとおりとする。
ア 施設 屋根、側壁を有し、清掃しやすく、全ての設備を収容することができるものであり、使用しない場合には、衛生的に保管できる構造の施設であること。
イ 給水設備 施設内には、40リットル以上の飲用に適する水を供給する給水タンクを備えること。(手洗い設備と洗浄設備で給水タンクを分けることにより、合計で当該給水タンクの容量を満たす場合を含む。)
ウ 排水設備 給水タンクと同等の容量の排水タンクを備えること。(手洗い設備と洗浄設備で給水タンクを分けることにより、合計で当該給水タンクの容量を満たす場合を含む。)
(2021要綱115・一部改正)
2 短期固定型臨時営業の対象となる取扱食品は、給排水タンクの容量が80リットル以上の施設で行う短期固定型臨時営業にあっては複数品目を、給排水タンクの容量が40リットル以上80リットル未満の施設及び条例第3条ただし書の規定により構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設で行う短期固定型臨時営業にあっては1施設につき1品目を取り扱うことができる。ただし、調理加工の操作が同一であれば1品目の範囲として取り扱うことができるものとし、臨時営業の許可を受けている施設であれば、開缶開栓を行うだけの清涼飲料水及び酒類については、複数品目を取り扱うことができるものとする。
(2021要綱115・一部改正)
(臨時営業を行う者等の遵守事項)
第6条 移動型臨時営業を行う者は、食品の取扱いに当たり、次に掲げる事項を遵守しなければならない。ただし、第3号の規定にあっては、保健所長が必要があると認めるときは、この限りでない。
(1) 生もの(刺身、生卵、生肉等をいう。以下同じ。)及び生クリームの提供は行わないこと。ただし、これらを原材料として使用し、加熱処理をして提供する場合を除く。
(2) 原材料の細切等の仕込み行為は営業場所で行わないこと。
(3) 仕込みの必要な原材料を使用する場合は、あらかじめ固定店舗としての営業許可を受けた施設等で行い、必要に応じて使用又は調理の直前まで十分に冷蔵したものを使用すること。
(4) 営業場所での製造、加工及び調理に当たり、大量の水の使用を必要とする食品は取り扱わないこと。
(5) ところてん、かき氷、清涼飲料水及び酒類を除き、客への提供を行う直前に加熱処理を行わないものは取り扱わないこと。
(6) かき氷については、飲用氷を使用し、手指、ほこり等で汚染されない構造の機械を用いて削氷を行い、衛生的な器具を用いて盛り付けすること。
2 短期固定型臨時営業を行う者は、食品の取扱いに当たり、次に掲げる事項を遵守しなければならない。ただし、第3号の規定にあっては、保健所長が必要があると認めるときは、この限りでない。
(1) 生もの及び生クリームを取り扱わないこと。ただし、これらを原材料として使用し、加熱処理をして提供する場合を除く。
(2) 営業場所では、小分け、盛り付け、加熱処理等の簡易な調理加工に限ることとし、原材料の細切等の仕込み行為は営業場所では行わないこと。
(3) 仕込みの必要な原材料を使用する場合は、保健所長が当該仕込み場所に営業許可を要しないと認めた場合を除き、あらかじめ固定店舗としての営業許可を受けた施設等で行い、必要に応じて使用又は調理の直前まで十分に冷蔵したものを使用すること。
(4) 営業場所では、製造、加工及び調理に当たり、大量の水の使用を必要とする食品は取り扱わないこと。
(5) 条例第3条の規定ただし書の規定により構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設にあっては、喫茶類及び酒類を除き、客への提供を行う直前に加熱処理を行わないものは取り扱わないこと。
(2021要綱115・一部改正)
(営業許可手続等)
第7条 臨時営業を行う者は、保健所長に許可の申請をし、その許可を受けなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、移動型臨時営業を行う場合において、やむを得ないと認められるときは、申請者の住所地を所管する都内の保健所長に許可の申請をし、その許可を受けることにより、中野区保健所長の許可を受けたものとみなすことができる。
3 移動型臨時営業の申請を行う者は、中野区食品衛生法施行細則(昭和50年中野区規則第8号)第2号様式(以下「申請書」という。)に、主たる営業場所及び取扱食品を記入しなければならない。
4 短期固定型臨時営業の申請を行う者は、申請書に、営業する行事の名称及び行事開催期間内における営業期間を記入し、行事の会場内における営業場所を記載した書類及び営業の大要(第1号様式)を添付しなければならない。この場合において、保健所長は、必要があると認めるときは、行事の内容が確認できる書類を添付させるものとする。
5 保健所長は、短期固定型臨時営業の申請者に、営業の大要の記載内容について十分確認するものとする。この場合において、保健所長は、必要があると認めるときは、行事の主催者及び営業場所の管理者による営業場所の使用許可書類及び承諾書を提出させるものとする。
6 保健所長は、臨時営業の許可をするに当たり、営業施設の検査を行うものとする。
7 保健所長は、臨時営業の許可に当たって、法第55条第3項の規定により、次の各号に掲げる営業形態に応じ、当該各号に定める条件を付し、その旨を中野区食品衛生法施行細則第7号様式(以下「営業許可書」という。)に記載しなければならない。
(1) 移動型臨時営業 次に掲げる条件
ア 許可有効期間は5年間とすること。
イ 移動型臨時営業の営業範囲に限ること。
(2) 短期固定型臨時営業 次に掲げる条件
ア 許可有効期間は申請のとおりとすること。
イ 短期固定型臨時営業の営業範囲に限ること。又は短期固定型臨時営業(条例第3条の規定ただし書の規定により構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設)の営業範囲に限ること。
9 臨時営業の許可を受けた者(以下「臨時営業者」という。)は、営業中常に、営業許可書を施設内の見やすい場所に掲示し、又は携帯しなければならない。
(2021要綱115・一部改正)
(臨時営業の監視指導)
第8条 保健所長は、食中毒等の事故を未然に防止するため、必要に応じて、職員に対して臨時営業者に対する一斉検査等を行わせ、第3条に規定する臨時営業の公衆衛生上必要な措置の基準の履行状況の確認並びに取扱食品、従事者の健康状態及び食器、器具等の検査を実施するものとする。
2 保健所長は、営業形態の特殊性に鑑み、次に掲げる事項について指導するものとする。
(1) 臨時営業者、客等が近隣に迷惑な行為をしないようにすること。
(2) 営業場所、時間等について、関係法令に違反しないようにすること。
(3) 臨時営業者の営業について違反を発見した場合は、許可処分をした保健所長に通報するものとする。
(2021要綱115・一部改正)
(臨時出店者に関する指導)
第9条 保健所長は、住民祭、産業祭等のうち中野区、東京都、国又は住民団体が関与する公共的目的を有する行事に出店し、不特定多数の者に対し施設を設けて飲食店行為及び食料品販売行為を行う者であって、業に該当しないもの(以下「臨時出店者」という。)については、営業許可対象としないことができる。この場合において、保健所長は、地域保健法(昭和22年法律第101号)の規定による啓発及び指導を行い、行事主催者から公共性の根拠を十分に確認するとともに、行事の目的及び地域の実情を踏まえて、公共的目的を有する行事の判断を行うものとする。
3 第3条第1項の規定は、臨時出店の公衆衛生上必要な措置の要件について準用する。
4 第4条第2項の規定は、臨時出店の施設及び設備の要件について準用する。
(1) 出店期間は、原則として1年に5日以下とし、反復継続して食品を提供する業の取扱いと区別すること。ただし、各行事の目的及び地域の実情等を踏まえ保健所長が業に該当しないと判断した場合は、この限りでない。
(2) 出店に際しては、法第5条から第13条まで、第15条から第18条まで及び第20条並びに食品表示法(平成25年法律第70号)第5条の規定を遵守しなければならないこと。
(3) 飲食店行為における取扱食品及び食品の取扱いは、原則として第5条第1項の規定に準ずること。ただし、衛生面のほか、行事の目的、地域の実情を踏まえ、保健所長が特に認めた場合を除く。
(5) 食料品販売行為において取り扱うことができる食品は、公衆衛生上の観点から、原則として、次に掲げる条件を全て満たす食品であること。
ア 法により保存基準が定められていないもの(加熱用鮮魚介類を除く。)であること。
イ 容器包装に入れられたもの(生鮮の野菜及び果実を除く。)であること。
(6) 行事主催者は、臨時出店者が保健所長の指導を遵守しているか十分確認をし、食中毒等事故の発生時は保健所長の調査に協力するとともに、行事終了後も臨時出店者との連絡体制等を確保すること。
6 保健所長は、前項に掲げる指導等を行った者に対して、臨時出店届に受理確認印を押したものの写しを交付し、当該写しを、出店施設の見やすいところに掲示するよう指導するものとする。
7 保健所長は、出店場所における指導等に当たり、前条の規定に準じて行うものとする。
(2021要綱115・一部改正)
附則
この要綱は、2019年12月25日から施行し、改正後の中野区行事における臨時営業等の取扱要綱の規定は、同年9月1日から適用する。
附則(令和3年6月1日要綱第115号)
この要綱は、2021年6月1日から施行する。
別表(第5条関係)
(2021要綱115・旧別表第2・全改)
分類 | 食品 |
煮物類 | おでん 煮込み 豚汁 けんちん汁 |
焼物類 | 焼き鳥 焼き貝 いか焼き 焼きさつま揚 焼きぎょうざ 焼魚 |
お好み焼類 | たこ焼き お好み焼き タコス |
ゆで物、蒸し物類 | じゃがバター 蒸しぎょうざ 蒸ししゅうまい |
めん類 | 焼きそば 即席カップ麺 |
揚物類 | 串かつ フライドチキン フライドポテト |
喫茶類 | ところてん かき氷 清涼飲料水 甘酒 しるこ コーヒー 紅茶 |
ドッグ類 | ソーセージ等を衣を付けて焼いたもの又は油で揚げたもの ホットドッグ等 |
酒類 | 日本酒 ビール 焼酎 |
焼き菓子類 | 今川焼き クレープ ベビーカステラ 五兵衛餅 焼き餅 |
揚菓子類 | ドーナッツ 大学芋 |
団子菓子類 | 草団子 焼き団子 |
まんじゅう類 | 焼きまんじゅう 蒸しまんじゅう |
飴菓子類 | べっこう飴 果実飴 カルメ焼 |
その他 | 果実チョコ(果実にチョコレートをからめたもの) |
備考 餅をつく行為は仕込み場所で行い、営業場所で餅をついてはならない。
様式 略