中野区地域支えあい活動の推進に関する条例
平成23年3月18日
条例第19号
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 情報の提供等(第7条―第14条)
第3章 雑則(第15条―第18条)
第4章 罰則(第19条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、近年における急速な少子高齢化の進展、生活様式の多様化等に伴い、単身で生活する高齢者、高齢者のみで構成される世帯が増加する状況にあることにかんがみ、支援を必要とする者の早期の発見及び地域における支えあい活動の推進を図るため、地域における支えあい活動に関し、その基本理念並びに区、区民及び事業者の役割を明らかにするとともに、支援を必要とする者に係る情報の提供、提供された情報を取り扱う者の遵守すべき義務等を定め、もって区民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「支えあい活動」とは、支援を必要とする者に対する次に掲げる活動をいう。
(1) 地域において日常的に生活の状況を見守る活動
(2) 前号の活動に付随して行われる日常生活を支援するための活動
(3) 区等が実施する保健医療サービス、福祉サービスその他の支援を必要とする者が必要とするサービスを円滑かつ適切に利用することができるようにするための活動
(4) 支援を必要とする者の生命、身体又は財産に危険が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、当該支援を必要とする者の生命、身体又は財産を円滑かつ迅速に保護することができるようにするための活動
2 この条例において「支援を必要とする者」とは、高齢者、障害者、児童その他の日常生活において地域における支援を必要とすると区長が認める者をいう。
(基本理念)
第3条 支えあい活動は、区民が安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図ることを基本とし、区が主体的にその推進を図るとともに、区、関係機関、地域住民、事業者等が相互に連携を図りながら協力して行うものとする。
2 支えあい活動は、支援を必要とする者の意思を尊重し、その尊厳に配慮するとともに、プライバシーの確保等その権利が侵害されることのないよう十分配慮して行われなければならない。
(区の役割)
第4条 区は、前条の基本理念にのっとり、関係機関、地域住民、事業者等と連携を図りながら、地域における支えあい活動の推進に関する施策を実施するものとする。
2 区は、支援を必要とする者の早期の発見を図るとともに支えあい活動の円滑かつ効率的な実施を図るため、支援を必要とする者及びその者の状況等に関し必要な調査を実施し、支援を必要とする者に係る情報を収集するものとする。
3 区は、関係機関、地域住民、その他の団体等が行う支えあい活動が、相互に緊密な連携協力を図りながら区内において展開されるようにするとともに、関係者相互間の情報及び意見の交換が促進されるよう必要な施策を実施するものとする。
4 区は、地域における支えあい活動に関する地域住民の健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な施策を実施するものとする。
(区民の役割)
第5条 区民は、全ての区民が安心して暮らせる地域社会を実現するためには区民相互の助け合いが不可欠であることを理解し、支えあい活動を主体的に行うよう努めるとともに、地域における支えあい活動に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、その業務を通じて、第2条第1項第1号に掲げる支えあい活動を行うよう努めるものとする。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、地域における支えあい活動に協力するよう努めるものとする。
第2章 情報の提供等
(1) 70歳以上の単身の世帯に属する者
(2) 75歳以上の者のみで構成される世帯に属する者
(3) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)の規定により身体障害者手帳の交付を受けている者
(4) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者
(5) 東京都知事の定めるところにより愛の手帳の交付を受けている者
(6) 児童(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する児童をいう。)及びその保護者(同法第6条に規定する保護者をいう。)であって、区長が特に支援が必要であると認めた者
(7) 前各号に掲げる者に準ずる者として区長が認めた者
2 前項の規定により情報を提供することができる団体等は、次のとおりとする。
(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体(現に支えあい活動を行い、又は行おうとする団体に限る。以下「地縁団体」という。)
(2) 民生委員法(昭和23年法律第198号)に定める民生委員
(3) 児童福祉法に定める児童委員
(4) 警察署
(5) 消防署
4 第1項の規定による情報の提供は、規則で定めるところにより調製する名簿(以下単に「名簿」という。)を書面で提供することにより行うものとする。
(地縁団体に対する情報の提供の手続等)
第12条 区長は、第7条第1項の規定により地縁団体に対し情報を提供しようとするときは、当該地縁団体からの申出に基づき、これを行うものとする。
2 前項の申出をしようとするときは、地縁団体は、規則で定めるところにより、区長に対し、提供を受けた情報を管理する者(以下「名簿管理者」という。)を届け出なければならない。
3 名簿管理者は、支えあい活動を行うために必要な範囲で、当該地縁団体の構成員であって規則で定めるところにより名簿を閲覧するものとして区長に届け出た者(以下「名簿閲覧者」という。)に対し、その管理する名簿を閲覧させることができる。
4 前項の規定による閲覧は、名簿管理者の立会いがなければすることができない。
(協定の締結等)
第13条 区長は、第7条第1項の規定により団体等に対し情報を提供しようとするときは、あらかじめ、当該情報の提供を受ける団体等と当該情報の取扱いに関する協定を締結するものとする。
2 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 提供する情報の対象者が居住する区域
(2) 情報の提供及び閲覧の制限に関する事項
(3) 情報の管理の方法に関する事項
(4) 協定に違反した場合の措置
(5) その他情報の管理に関し必要な事項
3 区長は、協定の内容が遵守されているかどうかを確かめるため必要があると認めるときは、協定を締結した相手方から提供した情報の管理に関し、報告を徴し、又は提供した情報の管理の状況を検査することができる。
2 前項の規定により提供する情報は、必要最小限のものでなければならない。
第3章 雑則
(守秘義務)
第17条 名簿管理者等は、支えあい活動により知り得た個人の秘密を漏らしてはならない。支えあい活動を行わなくなった後も、同様とする。
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 罰則
第19条 名簿管理者又は名簿管理者であった者が、正当な理由がないのに、第12条第1項の申出により提供を受けた名簿(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、300,000円以下の罰金に処する。
附則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。