中野区民間福祉サービスに係る紛争の解決の促進に関する条例
平成19年7月9日
条例第27号
(目的)
第1条 この条例は、民間福祉サービスに係る民間事業者と利用者との間の紛争(以下単に「紛争」という。)について、調停の制度を設けること等により、その迅速かつ適正な解決を図り、もって区民の権利及び正当な利益を擁護するとともに、民間福祉サービスの質の向上を図ることを目的とする。
(1) 民間福祉サービス 民間事業者が中野区の区域内において有償で提供する福祉サービスをいう。
(2) 民間事業者 福祉サービスを提供する民間の法人その他の団体及び個人をいう。
(3) 利用者 福祉サービスを利用する者、利用しようとする者及び利用していた者で、中野区の区域内に住所を有するものをいう。
(民間福祉サービス紛争調停委員)
第3条 紛争の調停を行わせるため、区長の附属機関として中野区民間福祉サービス紛争調停委員(以下「委員」という。)を置く。
2 委員は、3人以内とし、人格が高潔で、福祉及び法律に関し優れた識見を有する者のうちから区長が委嘱する。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
6 委員は、自己に利害関係のある事件については、その紛争の調停を行うことができない。
7 委員は、民間福祉サービスに係る区民の権利及び正当な利益を擁護するため、公平かつ適正な職務の執行に努めなければならない。
(調停の申請)
第4条 利用者又は民間事業者は、紛争(次に掲げるものを除く。)の調停を区長に申請することができる。
(1) 医療に関するもの
(2) 動産又は不動産の売買(役務の提供に伴うものを除く。)に関するもの
(3) 裁判所に係属する事件又は裁判所において確定判決を経た事件に関するもの
(4) 紛争の解決を図る手続で規則で定めるものを行ったもの
(5) 前各号に掲げるもののほか、調停を行うことが適当でないと区長が認めるもの
2 前項の規定による申請は、当該紛争に係る事実があった日の翌日から起算して1年以内に行わなければならない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3 第1項の規定による申請をしたものは、当該申請を取り下げることができる。
2 委員は、前項の規定により区長が紛争を当該委員の調停に付したときは、調停案を作成して、これを当該紛争の当事者(以下単に「当事者」という。)に示し、期限を定めて、その受諾を勧告することができる。
3 委員は、前項の規定により調停案を当事者に示し、その受諾を勧告したときは、直ちに調停案の写しを添えてその旨及び調停の経過を区長に報告しなければならない。
4 委員は、調停による解決の見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
5 委員は、前項の規定により調停を打ち切ったときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
7 区長は、前項の規定により当事者から文書の提出があったときは、その旨を委員に通知するものとする。
(調査)
第6条 委員は、前条第2項の調停案を作成するため必要があると認めるときは、当事者の出席及び説明を求めること、当事者に対し紛争の調停のため必要な書類の提出を求めることその他の必要な調査を行うことができる。
2 当事者は、前項の調査に協力しなければならない。
(1) 当事者が正当な理由なく前条第1項の調査に協力しないとき 当該調査に協力すべき旨の勧告
(2) 当事者が正当な理由なく第5条第2項の調停案を受諾しないとき 当該調停案を受諾すべき旨の勧告
(3) 第5条第1項の規定により調停に付された紛争に係る民間福祉サービスが違法又は不当なものであると認められるとき 当該民間福祉サービスに関し必要な措置をとるべき旨の勧告
2 前項の規定による勧告の求めは、委員の合議によるものとする。
(勧告)
第8条 区長は、前条第1項の規定による勧告の求めがあったときは、正当な理由がない限り、当該勧告をするものとする。
2 前項の勧告を受けたものは、当該勧告に従わないときは、その理由を区長に報告しなければならない。
3 区長は、第1項の勧告をした場合において、当事者が正当な理由なく当該勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
(調停の処理状況の報告)
第9条 委員は、毎年度、紛争の調停の処理状況について区長に報告しなければならない。
(運営状況の公表)
第10条 区長は、毎年度、この条例の運営状況を公表しなければならない。
(委任)
第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成19年10月1日から施行し、同日の1年前の日以後に発生した事実に係る紛争について適用する。