中野区道路占用工事要綱
昭和54年8月30日
要綱第51号
注 2022年3月から改正経過を注記した。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、中野区道路占用規則(昭和52年中野区規則第54号。以下「規則」という。)第16条の規定に基づき、占用者が占用に係る道路の掘削復旧工事を施行する場合の基準を定める。
(適用範囲)
第2条 この要綱の適用範囲は、中野区が管理する道路とする。
(舗装の分類)
第3条 舗装の分類は、別表に掲げるところにより高級舗装、中級舗装及び簡易舗装とする。
第2章 掘削工事
(1) 高級舗装 5年
(2) 中級舗装 3年
(3) 簡易舗装 1年
2 前項の規定にかかわらず、次の場合において、区長が特に必要があると認めたときは、この限りでない。
(1) 災害の防止、事故の復旧等一般の危険を防止するため掘削する場合
(2) 沿道建築物に対する引込管線路のため掘削する場合
(3) その他公共事業等のためやむを得ない場合
(掘削幅の規制)
第5条 車道部の掘削幅は、必用最小限の幅(安全に作業を行うことができ、かつ、埋戻し及び舗装復旧に支障にならない幅をいう。以下同じ。)とする。
2 歩道部の掘削幅は、アスファルト系舗装の場合は必要最小限の幅とし、平板等の舗装の場合は1枚を単位とする必要最小限の幅とする。
(掘削工事施行方法)
第6条 占用者は、道路占用許可申請書に添付した図書のとおり、工事を施行しなければならない。
2 工事に着手するに当つて占用者は、交通保安設備及び道路復旧材料の準備について区長の確認を受け、かつ、掘削位置及び工法等について現場立会いにより、その指示を受けなければならない。
3 舗装の取壊し工事に着手する範囲は、1日以内に取壊し工事が完了できるものでなければならない。
4 舗装の取壊し工事は、路面にカツターを入れてブレーカー等で取り壊す方法により施行するものとし、その際、騒音及び振動の防止に配慮しなければならない。
第3章 復旧工事
(復旧工事施行者)
第7条 占用に伴う掘削跡の復旧工事は、占用者が行う。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合は、舗装体(表層、基層及び路盤)の復旧を区長が受託することができる。
(1) 道路全域にわたり影響するような大規模の掘削工事で、その復旧に特別の舗装技術を必要とする場合
(2) 占用工事による掘削が他の占用工事と競合又は隣接することにより、区長が統一して復旧する必要がある場合
(3) 掘削復旧工事と合せて道路補修工事等を施行する必要がある場合
(4) その他区長が特に必要があると認めた場合
(復旧工事の時期)
第8条 復旧工事は、占用物件の埋設が完了した後、直ちに復旧(以下「即時復旧」という。)工事を施行しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、復旧工事の施行上の理由により即時復旧工事ができないものと区長が認めたときは、この限りでない。
(復旧範囲)
第9条 復旧幅は、原則として、たわみ性舗装(高級舗装、中級舗装及び簡易舗装)については、路盤厚の1.0倍、剛性舗装(高級舗装)については、路盤厚の1.4倍を掘削幅に加えたもので、別図のとおりとし、復旧範囲は表層、基層及び路盤とする。
2 前項の規定にかかわらず、掘削跡の道路復旧は、掘削工事施行前の状況に復する範囲を対象とするもので、掘削により舗装体が切断され、路面荷重に耐えられないことにより、舗装破壊の原因になると区長が認めた場合又はその区域外においても、その工事に起因して舗装に影響があると区長が認めた場合は、区長の指示する範囲を復旧しなければならない。
(1) アスファルトコンクリート舗装した車道部であること。
(2) 大型車の交通量が一日一方向あたり三千台以上の路線でないこと。
(3) 機械施工による転圧が可能であり、転圧により土木工事施行管理基準の締固め度が得られること。
(4) 周辺の舗装状況が良好であること。
(5) その他道路管理者が指示する条件
(既設舗装の取壊し)
第10条 復旧工事における既設舗装の取壊しは、道路境界に沿つて平行にダイヤモンド・カツター等を使用し、粗雑にならないように施行しなければならない。
(埋戻しの方法)
第11条 埋戻しは、占用物件の周囲とその上端0.1メートルまでの部分については占用物件の保護等を考慮し、突き棒や電動式締固め機械等を併用して十分な締固めを行い、それ以外の部分についてはランマー等の締固め機械を使用して敷ならし厚0.3メートル以下ごとに十分な締固めを行うものとする。
(2022要綱60・一部改正)
(埋戻しの材料)
第12条 埋戻しに使用することができる材料は、次の基準による。
(1) 路面下1.2メートルから上の部分並びに占用物件の周囲及びその上端0.1メートルまでの部分は、遮断層用砂又は改良土を使用する。
(2) 路面下1.2メートルから占用物件の上端0.1メートルまでの部分は、埋戻し用砂又は改良土を使用する。ただし、区長が使用を認めたときは、当該箇所における掘削発生材料を使用することができる。
(3) 前2号の規定にかかわらず、歩道部分の家庭引込供給管及び汚水管等の小規模な工事において区長が使用を認めたときは、路床面から占用物件の上端0.1メートルまでの部分は、当該箇所における掘削発生材料を使用することができる。
2 埋戻しに使用することができる発生材料の基準は、路盤材料においては、径40ミリメートル以下の砂利及び砕石とする。
3 埋戻しに使用する砂(遮断層用及び埋戻し用)の材料規格は、中野区工事施行規程(昭和53年訓令第23号。以下「工事施行規程」という。)第11条の規定による土木材料仕様書(以下「土木材料仕様書」という。)による。
(埋戻し復旧跡の検査結果の提出)
第13条 占用者は、舗装工事を行う前に埋戻し復旧跡の検査結果を区長に提出し、その指示により工事しなければならない。
2 検査結果の提出の際には、埋戻し状態及び試験箇所の写真を添付するものとする。
3 前2項の規定にかかわらず、小規模な工事については、区長の指示により、検査結果及び写真の提出を省略することができる。
(舗装工)
第14条 舗装構造については、別に定める図面によるものとし、施行については工事施行規程第11条の規定による土木工事標準仕様書による。
(舗装先行工事の復旧方法)
第15条 舗装先行工事の復旧方法については、区長の指示による。
(舗装材料)
第16条 復旧工事に使用する材料規格は、土木材料仕様書による。
第4章 埋戻し復旧跡の検査
(埋戻し復旧跡の検査)
第17条 占用者は、土研式円錐貫入試験により50メートルから100メートルまでごとに一箇所以上、埋戻し復旧跡の検査を受け、合格しなければならない。
2 前項の規定による土研式円錐貫入試験は、路床面から行い、土質別には補正せず0.1メートルの貫入に要する打撃回数が、16回以上の場合は合格とする。
(舗装完了の検査)
第18条 占用者は、表層材料、路盤材料、舗装厚、密度、平坦性等が確認できる証明書、供試体、写真等の資料を区長に提出し、舗装完了の検査を受けなければならない。ただし、小規模な工事については、区長の指示により、資料の一部についてその提出を省略することができる。
2 検査を受ける区間は、区長の指示する区間とする。
第5章 補則
(占用者復旧の場合の路盤築造後の措置)
第19条 占用者は、区長の指示する復旧工法で仮舗装し、舗装体の復旧工事を施行するまでの間は、その維持修繕に努めなければならない。
(受託復旧の場合の路盤築造後の措置)
第20条 占用者は、区長に引き継ぐまでの間、区長の指示する復旧工法で仮舗装し、その維持修繕に努めなければならない。
(復旧工事完了後の措置)
第21条 占用者は、舗装完了の検査を受け、合格した日から次の期間(以下「責任期間」という。)中、復旧箇所の維持修繕に努めなければならない。
(1) 高級舗装及び中級舗装 12か月
(2) 簡易舗装及び歩道 6か月
(道路に与えた損傷等の措置)
第22条 占用に関する工事期間中及び占用に関する工事完了後において、当該工事に起因して道路に与えた損傷又は第三者に与えた損害については、占用者が措置しなければならない。
(占用者が履行すべき事項の区長の代行措置)
第23条 責任期間中に区長が復旧箇所の修繕等を指示した場合は、その指示による。
2 占用者が前項の指示事項を履行しない場合又は履行が不十分と認められる場合は、区長が措置し、その費用は占用者が負担しなければならない。
(監督事務費及び工事費)
第24条 規則第17条第1項の規定による復旧工事を占用者が行う場合(「自費復旧」という。)の監督事務費は、区長が算定した工事費の6%とする。
2 規則第17条第2項の規定による区長が自ら復旧工事を施行する場合の復旧費は、工事費とその10%の監督事務費との合計額とする。
(その他)
第25条 この要綱に定めるもののほか必要な事項については、別に定める。
附則
この要綱は、昭和54年9月1日から施行する。
附則(1991年12月6日要綱第206号)
この要綱は、1991年12月6日から施行する。
附則(1998年3月6日要綱第8号)
この要綱は、1998年4月1日から施行する。
附則(2004年3月29日要綱第85号)
この要綱は、2004年4月1日から施行する。
附則(2022年3月23日要綱第60号)
この要綱は、2022年3月23日から施行する。
別表(第3条)
舗装の分類
1 高級舗装
(1) アスフアルトコンクリート舗装したもの(たわみ性舗装)
(2) セメントコンクリート舗装、石塊又は煉瓦舗装、セメントマカダム基礎アスフアルトコンクリート舗装したもの(剛性舗装)
2 中級舗装
(1) 在来の簡易舗装にアスフアルトコンクリートを被覆したもの
(2) 簡易舗装要綱(日本道路協会)による舗装であつて、通常表層と路盤から構成され、表層は瀝青系で舗装したもの
3 簡易舗装
(1) 在来の砂利・砕石舗装を基礎として簡易な路盤を築造したうえ瀝青乳剤で舗装したもの
(2) (1)に準じて新設されたもの
(3) 歩道用コンクリート平板、アスフアルトコンクリート舗装又は瀝青材料で表面処理した表層のあるもの
注
1 「たわみ性舗装」とは表層、基層及び路盤からなつていて、表層にアスフアルトコンクリートを使用し、基層路盤にアスフアルト系又はセメント処理を施したもの
2 「剛性舗装」とは表層及び路盤からなつていて、セメントコンクリート舗装及び剛式アスフアルトコンクリート舗装(ホワイトベース上にアスフアルトコンクリート表層のあるもの)したもの
別図(第9条)
復旧範囲
復旧面積は掘削部分、Kd部分及び必要によりA1A2B1B2部分を加えたものとし、標準的には、次式により算定する。ただし、工事に起因して隣接する既設舗装に亀裂、落込、平坦性阻害等の欠陥を生じさせた場合には、その部分を、復旧面積に加えるものとする。
S=(m+2Kd+A1+A2)(n+2Kd+B1+B2)
S~復旧面積
m~掘削部分の長さ
n~掘削部分の幅
d~掘削部分の路盤の厚さ
K~剛性舗装の場合は1.4倍
~たわみ性舗装の場合は、1.0倍
A1A2~道路の中心線と平行の方向のKd部分の端から舗装の絶縁線(目地板端等をいう。以下同じ。)までの距離(1.5メートルより大なるときは0とする。)
B1B2~道路の中心線と直角の方向のKd部分の端から舗装の絶縁線までの距離(1.5メートルより大なるときは0とする。)
注
1 「路盤の厚さ」とは、表層、基層と路床との間にあつて、主として砂利、砕石等の粒状材料をもつて構成された層の厚さをいう。
2 歩道についてのA1A2B1B2は、0.6メートルより大なるときは0とする。
3 歩道平板舗装についてA1A2B1B2は、対象としない。
4 A1A2B1B2部分の復旧面積は、表層及び基層とする。