中野区老人ホーム措置費徴収金認定要綱
昭和60年12月27日
要綱第101号
(目的)
第1条 この要綱は、老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第11条第1項第1号及び第3号に規定する措置(以下単に「措置」という。)に要する費用を支弁した区長が、法第28条及び中野区老人福祉法施行規則(昭和62年中野区規則第24号。以下「規則」という。)第8条の規定に基づき、当該措置を受けた者又はその扶養義務者からその負担能力に応じて、当該措置に要する費用の全部又は一部を徴収する事務に関し必要な事項を定め、事務の適正かつ円滑な実施を図ることを目的とする。
(1) 福祉事務所長 中野区福祉事務所長
(2) 被措置者 措置を受けている者
(3) 扶養義務者 民法の規定により被措置者を扶助し、又は扶養する義務のある者。ただし、被措置者の配偶者及び子に限る。
(4) 対象収入額 年間収入の全額から、租税、社会保険料、医療費等の必要経費及び社会通念上収入として認定することが適当でないものを控除した額をいう。
(5) 施設 法第5条の3の規定に基づく養護老人ホームをいう。
(費用徴収対象者)
第3条 規則第8条の規定に基づく費用徴収の対象者は、被措置者又はその者の主たる扶養義務者とする。
(被措置者の階層区分の認定)
第4条 福祉事務所長は、被措置者にその者の前年分の収入及び必要経費(1月から6月までに措置を開始するときは、前々年分の収入及び必要経費)について収入申告書(第1号様式)並びに収入額及び必要経費額を確認できる書類の提出を求めるものとする。
3 福祉事務所長は、被措置者から収入申告書が提出されない場合又は提出された収入申告書では前年の対象収入額を明らかにすることができない場合は、被措置者、扶養義務者、施設又は関係機関等に対し法第36条に基づき、収入及び必要経費に関する調査を行い、対象収入額推定認定書(第2号様式)により、その者の前年の対象収入額を推定算出し、階層区分を認定する。
4 福祉事務所長は、被措置者が生活保護法による保護を受けている場合は、前年の対象収入額の金額にかかわりなく第2項に基づく階層区分の認定は、1階層とする。
5 被措置者が生活保護法による保護を停止されたときは、保護停止期間中当該被措置者を生活保護法による被保護者とみなす。
(1) 措置開始ケースは、措置開始日とする。
(2) 措置継続ケースは、毎年7月1日とする。
(3) 前条第6項の規定により階層区分を認定する場合は、その日が月の初日のときはその日からとし、月の中途のときは翌月の初日とする。
(被措置者の対象収入額の算定)
第6条 被措置者の収入として認定するものは、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 年金、恩給その他これに類する定期的に支給される金銭(以下「年金収入等」という。)の認定については、次のとおりとする。
ア 年金収入等は、支給月計算(前年における実際の支給金額又は支給されるべき金額の合計)とする。
イ さかのぼつて年金の受給権が生じ、それまでの年金を一度に受給した場合は、認定対象となる当該年に支給されるべき1年分のみの金額を収入として認定する。
(2) 地代、小作料、家賃、間代、使用料等の収入については、課税標準として把握された所得の金額を収入として認定する。ただし、確定申告をしていない場合は、総収入から課税上の必要経費を減じて得た額を収入として認定する。
(3) 公社債の利子、預貯金の利子、法人から受ける利益の配当等の収入については、総合課税を選択した場合に限り課税標準として把握された所得の金額を収入として認定する。
(4) 不動産、動産の処分による収入、山林所得、一時所得(生命保険契約に基づく一時金、満期返戻金等)等の収入については、課税標準として把握された所得の金額を収入として認定する。
(5) 分離課税される譲渡所得については、長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額を収入として認定する。
2 収入として認定しないものは、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 老人ホーム入所前の退職金等の臨時的な収入
(2) 臨時的な見舞金、仕送り等による収入
(3) 地方公共団体又はその長、社会事業団体その他から恵与された慈善的性質を有する金銭
(4) 施設からいわゆる個人的経費として支給される金銭
(5) 生活保護法において収入として認定しないこととされている収入等社会通念上収入として認定することが適当でないと判断される金銭
3 必要経費として認定するものは、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 所得税、住民税、相続税贈与税等の租税
(2) 社会保険料又はこれに準ずるもの
(3) 医療費。ただし所得税法で医療費として控除が認められるものとし、老人ホーム入所前のものは除く。
(4) 養護老人ホーム入所者が介護保険サービスを受けた場合に事業者に支払う利用料
(5) 配偶者等が被措置者の仕送りにより生活している場合は、配偶者等の生活保護基準の第1類及び第2類の基準額の合計の1.5倍に、家賃、地代及び生活保護基準で認められている加算額を加えた金額から、当該配偶者等の収入額を控除して得た金額の範囲内で、実際に仕送りしている金額
(6) 配偶者が養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに入所している場合は、個別的日常経費(入院患者日用品費の年額)から当該配偶者の収入を控除して得た金額
(7) 災害により資産が損害を受けた場合において、これを補てんするために必要とされる費用
(8) 入所前から継続して返済している被措置者名義の世帯更生資金等のやむを得ない借金の返済
(9) 被措置者の日常の用に供される補装具、身体障害者日常生活用具等の購入費
(10) その他、支出せざるを得ない事由が被措置者にあると福祉事務所長が認めるものの購入費
(1) 年金収入等は、被措置者が受給している年金等の裁定通知書及び支払通知書又は振込通知書の写し等により確認する。
(2) 財産収入、利子配当収入その他の収入は、前年分所得額の確定申告書の写し、課税証明又は決定(更生)通知書等により確認する。
(1) 所得税、住民税等の租税は、各税の領収証書、課税証明又は所得税の源泉徴収票等納税を確認できるものにより確認する。
(2) 社会保険料、医療費及び仕送り金等については、領収書又はこれに代わる支払を証明できるものにより確認し、領収書等がない場合は、施設長の証明により確認する。
(被措置者の費用徴収金の額の決定)
第8条 福祉事務所長は、第4条の規定により階層区分を認定したときは、当該階層における費用徴収基準月額に基づき当該被措置者の費用徴収金の額を決定する。
2 費用徴収金の額は、措置を開始した日から月額で当該月分の費用徴収金の額を決定するものとし、その日が月の中途であるときは、日割計算により費用徴収金の額を決定する。
3 費用徴収金の額の日割計算は、次の算式により行う。
費用徴収基準月額×(当該月の実措置日数/当該月の実日数)
(主たる扶養義務者)
第9条 主たる扶養義務者は、被措置者の出身世帯(被措置者が入所の際、当該被措置者と同一の住所に居住し、同一の生計にある場合(以下「同一世帯」という。)及び住居等の関係で別居していたが主としてその配偶者又は子の仕送りにより被措置者が生計を維持していた場合等社会通念上同一世帯と同様と認められる場合をいう。)に属する扶養義務者のうち前年分所得税が最も多い者とし、所得税が課せられていない場合は当該年度分区市町村民税の税額が最も多い者とする。ただし、最も多い税額の者が2人以上いる場合には、そのうち当該世帯を事実上主宰している者を主たる扶養義務者とする。
2 前項の規定に基づき定められた主たる扶養義務者と被措置者との関係が疎遠であり、その理由が両者の生活歴等から判断して妥当と認められるときは、福祉事務所長は当該主たる扶養義務者を除いた扶養義務者の中から主たる扶養義務者を定めることができる。
(主たる扶養義務者の特例)
第10条 福祉事務所長は、被措置者が入所する際の出身世帯に被措置者の扶養義務者がない場合に限り、出身世帯に属さない被措置者の配偶者又は子を、次の各号の定めるところにより、主たる扶養義務者とする。
(1) 当該配偶者又は子の所得税又は住民税の所得割の計算について、被措置者が所得税法第2条第1項第33号若しくは地方税法第292条第1項第7号に規定する控除対象配偶者又は所得税法第2条第1項第34号若しくは地方税法第292条第1項第8号に規定する扶養親族となつている場合は、当該配偶者又は子を主たる扶養義務者とする。
(2) 当該配偶者又は子が健康保険、船員保険、国家公務員等共済組合、地方公務員共済組合又は私立学校教職員共済組合の被保険者又は組合員であつて、被措置者がこれらの制度の給付について当該配偶者又は子の被扶養者となつている場合(前号に該当する被措置者の配偶者又は子が他にある場合を除く。)は、当該配偶者又は子を主たる扶養義務者とする。
(4) 前3号のいずれかに該当する被措置者の配偶者又は子がない場合は、被措置者への仕送りの状況、被措置者との間の資産面での関係の深さ等を勘案し、社会通念上、主たる扶養義務者と認められる被措置者の配偶者又は子を主たる扶養義務者とする。
2 主たる扶養義務者が転出し、残存する世帯に扶養義務者がいない場合は、主たる扶養義務者の転出先の世帯を出身世帯とし、引き続きその者を主たる扶養義務者とする。
(主たる扶養義務者の認定の時期)
第12条 主たる扶養義務者の認定の時期は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 措置開始ケースは、措置開始日とする。
(2) 措置継続ケースは、毎年7月1日とする。ただし、第10条の規定により主たる扶養義務者を認定した場合を除く。
(3) 前条第1項の規定により、新たに主たる扶養義務者を認定するときは、次のとおりとする。
ア 主たる扶養義務者が転出したときは、当該事実の生じた年度に変更を行わず、翌年度当初に新たに主たる扶養義務者を定める。
イ 主たる扶養義務者が行方不明となつたときは、当該事実を確認した日の属する月の翌月の初日とする。
ウ 主たる扶養義務者が死亡したときは、当該事実の生じた日の属する月の翌月の初日とする。
(主たる扶養義務者の階層区分の認定)
第13条 福祉事務所長は、主たる扶養義務者にその者の当該年度分区市町村民税の課税額及び前年分の所得税の課税額(1月から6月までに措置を開始するときは、前年度分区市町村民税の課税額及び前々年分の所得税の課税額)を確認できる次の各号に掲げる書類の提出を求めるものとする。
(1) 生活保護法における被保護者の場合は、生活保護受給証明書
(2) 区市町村民税納税通知書、区市町村民税徴収税額の通知書、納税証明書又は課税証明
(3) 所得税の源泉徴収票(年末調整済みであることを要する。)、所得税の確定申告の写し、課税証明又は決定(更正)通知書
4 福祉事務所長は、主たる扶養義務者が生活保護法による保護を受けている場合は、前年(度)分の課税額の金額にかかわりなく、第2項に基づく階層区分の認定は、A階層と認定する。
5 主たる扶養義務者が生活保護法による保護を停止されたときは、保護停止期間中当該主たる扶養義務者を生活保護法による被保護者とみなす。
(主たる扶養義務者の階層区分の認定時期)
第14条 主たる扶養義務者の階層区分の認定時期は、第12条の規定により主たる扶養義務者を認定したときとする。
2 前条第6項の規定により階層区分の認定時期は、その日が月の初日であるときはその日からとし、月の中途のときは翌月の初日とする。
(主たる扶養義務者の費用徴収金の額の決定)
第15条 福祉事務所長は、第13条の規定により階層区分を認定したときは、当該階層における費用徴収基準月額に基づき当該主たる扶養義務者の費用徴収金の額を決定する。
2 扶養義務者が2人以上の被措置者の主たる扶養義務者となる場合は、次の各号に定めるところにより、主たる扶養義務者の費用徴収金の額を決定する。
(1) 最初に措置された者を被措置者として費用徴収金の額を決定する。
(2) 同時に措置された場合は、主たる扶養義務者の費用徴収月額が低額となる者を被措置者として費用徴収金の額を決定する。
3 費用徴収金の額は、措置を開始した日から月額で当該月分の費用徴収金の額を決定するものとし、その日が月の中途であるときは、日割計算により費用徴収金の額を決定する。
(主たる扶養義務者が未成年者の場合の費用徴収)
第16条 福祉事務所長は、主たる扶養義務者と認定した者が未成年者である場合は、費用徴収を行わない。ただし、その者が成年に達した場合は、その者の誕生日が月の初日のときはその月の初日から、誕生日が月の中途のときは翌月の初日から前条の規定により費用徴収金の額を決定し、徴収する。
(1) 被措置者については、対象収入額推定認定書により対象収入額を推定認定する。
(2) 主たる扶養義務者については、課税額推定認定書により課税額を推定認定する。
(費用徴収金の額の変更時期等)
第18条 福祉事務所長は、措置費の基準が改正されたことにより支弁額に変更が生じた場合において、当該支弁額の変更の日が月の初日であるときはその日から、月の中途であるときは翌月の初日から費用徴収金の額の変更を行う。
2 被措置者費用徴収基準の相部屋割引の規定の新たな適用又は適用の変更若しくは廃止により、費用徴収基準月額に変更が生じた場合は、翌月から費用徴収金の額の変更を行う。
3 被措置者が死亡又は長期入院等により措置を廃止したときは、廃止日が月の初日であるときは前月分までを徴収し、その日が月の中途であるときは前日分までを、日割計算により徴収する。
4 主たる扶養義務者が死亡したときは、死亡した日まで徴収するものとし、その日が月の中途であるときは日割計算し徴収する。
5 措置の変更により継続して他の施設に措置された被措置者の費用徴収金の額を計算する場合においては、当該措置の変更日は、措置の変更前後の費用徴収金の額を比較して、いずれか低額となる施設の措置日数に算入して日割計算をするものとし、他の施設の措置日数には算入しないものとする。
6 被措置者が入院し、その医療費の支出のため費用徴収金を負担することが困難と認められるときは、福祉事務所長は、当該入院の期間についての費用徴収金の徴収を行わないことができる。
(決定通知書)
第19条 福祉事務所長は、費用徴収金の額を決定したときは、老人ホーム徴収金決定(変更)通知書(第5号様式)により、当該被措置者又は主たる扶養義務者に通知し、被措置者分については、その写しを施設長に送付する。
(費用徴収金の更正)
第20条 福祉事務所長は、決定した費用徴収金の額に誤りがあるときは、直ちに更正しなければならない。
2 費用徴収金の額を更正した場合、当該被措置者又は主たる扶養義務者から費用徴収金を徴収するときは、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 更正後の費用徴収金の額が更正前の額より増額となるときは、誤りを発見した日の属する月の翌月の初日から費用徴収金を徴収する。
(2) 明らかに被措置者又は主たる扶養義務者の責めに帰すべき理由により費用徴収金の額を誤つて決定したときは、その決定した日から費用徴収金を徴収する。
(費用徴収金の還付)
第21条 費用徴収金を還付する場合は、あらかじめ還付予定日を定めるものとし、還付加算金の計算にあたつては、日数計算は、1年を365日とし、期間日数は実日数として行うものとする。
附則
1 この要綱は、昭和61年1月1日から施行する。
附則(昭和61年6月26日要綱第98号)
この要綱は、昭和61年7月1日から施行する。
附則(昭和61年9月29日要綱第113号)
この要綱は、昭和61年10月1日から施行する。
附則(昭和62年5月25日要綱第43号)
この要綱は、昭和62年5月25日から施行し、同年4月1日から適用する。
附則(昭和63年7月1日要綱第62号)
この要綱は、昭和63年7月1日から施行する。
附則(1991年5月28日要綱第120号)
この要綱は、1991年5月28日から施行し、改正後の第1条及び第2条の規定は、同年4月1日から適用する。
附則(1993年3月23日要綱第29号)
この要綱は、1993年4月1日から施行する。
附則(1994年7月1日要綱第78号)
この要綱は、1994年7月1日から施行する。
附則(1995年6月28日要綱第84号)
この要綱は、1995年7月1日から施行する。
附則(1998年6月29日要綱第68号)
この要綱は、1998年7月1日から施行する。
附則(2001年3月16日要綱第53号)
この要綱は、2001年3月26日から施行する。
附則(2004年2月3日要綱第3号抄)
(施行期日)
1 この要綱は、2004年2月3日から施行する。
(経過措置)
3 この要綱の施行の際この要綱による改正前の要綱で定める様式による用紙で現に残存するものは、その限りにおいて使用することができるものとする。
附則(2005年4月1日要綱第58号)
この要綱は、2005年4月1日から施行する。
附則(2006年9月5日要綱第166号)
この要綱は、2006年9月6日から施行する。
附則(2016年3月16日要綱第23号)
この要綱は、2016年4月1日から施行する。