勤務条件に関する行政措置要求の審査に関する規則
昭和五十三年四月一日
特別区人事委員会規則第十九号
(目的)
第一条 この規則は、地方公務員法(昭和二十五年十二月十三日法律第二百六十一号。以下「法」という。)第八条第七項及び第四十八条の規定に基づき、職員の勤務条件に関する行政措置要求(以下「要求」という。)及びこれに対する審査、判定の手続並びに審査、判定の結果執るべき措置に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(行政措置の要求)
第二条 職員は、特別区人事委員会(以下「人事委員会」という。)に対し、法第四十六条の規定により、要求を行うことができる。ただし、法第四十九条の二の規定により人事委員会に対して、審査請求をすることができる処分については、この要求を行うことができない。
(当事者)
第三条 この規則において、当事者とは、要求を行う職員(以下「要求者」という。)及び要求者の所属の長をいう。
(代理人)
第四条 当事者は、必要があるときは、代理人を選任することができる。
2 当事者は、数人の代理人を選任したときは、うち一人を主任代理人として指名しなければならない。
3 当事者は、代理人を選任又は解任したときは、人事委員会にその者の氏名、住所、職業等を記載した書面をもつて届け出なければならない。主任代理人を選任したときも同様とする。
4 人事委員会は、審査を行うについて、必要があると認めるときは、代理人の数を制限することができる。
5 代理人は、当事者のために、その事案の審査に関し必要な行為をすることができる。ただし、要求の全部又は一部を取り下げることはできない。
6 主任代理人は、代理人に対する通知又は書類の送達について、他の代理人を代表する。
(行政措置要求書の提出)
第五条 要求者は、行政措置要求書正副各一通に関係書類記録及びその他必要な資料を添えて、人事委員会に提出しなければならない。ただし、要求者は、審査の係属中においても、資料を提出することができる。
(行政措置要求書)
第六条 行政措置要求書には、次に掲げる事項を記載し、要求者が記名しなければならない。
一 要求者の職名、氏名、住所、生年月日及び勤務場所
二 要求事項
三 要求の具体的理由
四 要求事項について当局と交渉を行つた場合にはその交渉経過の概要
五 要求の年月日
2 行政措置要求書に記載した事項に変更を生じた場合には、要求者は、速やかにその旨を書面をもつて人事委員会に届け出なければならない。
(行政措置要求の調査等)
第七条 人事委員会は、行政措置要求書が提出されたときは、要求者の資格、要求事項及びその他の記載事項について調査し、要求が不適法であつて補正することができるものであるときには、相当の期間を定めてその補正を命じるものとする。ただし、それが軽微なものであつて、要求の受理に影響のないものであるときは、人事委員会は職権でその補正をすることができる。
2 前項の調査のため、人事委員会が必要と認めるときは、行政措置要求書の副本を要求者の所属長に送付し、その意見又は資料の提出を求めることができる。
(交渉の勧奨)
第八条 人事委員会は、適当と認めるときは、前条第一項の決定を行う前に、当事者に対し、要求事項について、交渉を行うようすすめることができる。
(要求の受理又は却下)
第九条 人事委員会は、第七条の規定による調査の結果により、その要求を受理し、又は却下するものとする。要求を受理した場合には、その旨を当事者に通知しなければならない。なお、次に掲げる要求については、却下するものとする。
一 要求をすることができない者によってされた要求
二 法第四十六条に規定する勤務条件に該当しないことが明らかな事項についてされた要求
三 法第五十五条第三項に規定する地方公共団体の事務の管理及び運営に関する事項に該当することが明らかな事項についてされた要求
四 第七条の規定による補正命令に従った補正がされない要求
2 前項の規定による要求の却下は、人事委員会の判定により行う。
(審査の併合又は分離)
第十条 人事委員会は、数個の要求が、同一若しくは相関連する事案に関し、又は同一の所属の長に対するものであるときは、当事者の申立て又は職権でこれらを併合して審査することができる。
2 人事委員会は、必要があると認めるときは、併合した審査を分離することができる。
3 人事委員会は、前二項の規定により審査の併合又は分離をしたときは、その旨を当事者に通知しなけれはならない。
(苦情審査員等の指名)
第十一条 人事委員会は、要求を受理した場合には、委員及び事務局長のうちから事案の審査を担当する苦情審査員(以下「審査員」という。)を指名することができる。
2 前項の場合において二人の審査員を指名したときは、人事委員会はうち一人を審査員長に指名しなければならない。
3 人事委員会は、事案の審査を補佐させるため、事務局職員のうちから苦情審査補佐員(以下「審査補佐員」という。)を指名することができる。
(審査員等の職務権限)
第十二条 審査員は、当該事案の審査に関し、人事委員会の権限を行使することができる。ただし、二人の審査員があるときは、審査員長がその事案の審査を指揮する。
2 審査補佐員は、審査員の指揮のもとに審理に立ち合い、審査を補佐するものとする。
(審査の報告)
第十三条 審査員は、その事案の審査が終了したときは、その結果を書面に作成し、意見書を添えて人事委員会に提出しなければならない。
2 人事委員会は、審査の係属中においても、審査員に報告を求めることができる。
(事案の審査等)
第十四条 人事委員会は、事案の審査のため必要があると認めるときは、当事者若しくはその代理者又はその他の関係者から意見を徴し、又はこれらの者に対し資料の提出を求め若しくは出席を求めてその陳述を聞き、その他必要な事実調査を行うことができる。
2 前項の事案審査のため、人事委員会が必要と認めたときは、公開又は非公開の口頭審理を行うことができる。
3 人事委員会は、事案の審査係属中においても、事案が適切に解決されるよう当事者間をあつ旋することができる。
(証人による証拠調べ)
第十五条 人事委員会は、事案の審査のため必要があると認めるときは、証人に出席を求めることができる。
2 人事委員会が、前項の規定により証人を出席させる場合には、次に掲げる事項を記載した書面により呼び出すものとする。
一 証人の氏名、住所及び職業
二 出席すべき日時及び場所
三 証言を求めようとする事項
3 人事委員会は、証人に対し、口頭による証言にかえて口述書を提出させることができる。
(要求の取下げ)
第十六条 要求者は、人事委員会が判定を行うまでは、いつでも書面をもつて要求を取下げることができる。
(事案の審査の打ち切り)
第十七条 要求が人事委員会に係属中に、要求者の死亡、所在不明等により事案の審査を継続することが不可能又は利益のなくなつたとき、若しくは、交渉又はあつ旋により要求事由等が消滅し事案の審査をする必要がなくなつた場合には、人事委員会は、要求を却下することができる。
(判定)
第十八条 人事委員会は、事案の審査を終了したときは、速やかに判定を行い、判定書の正本を当事者に送達しなければならない。
(勧告)
第十九条 人事委員会は、判定の結果必要があると認めるときは、当該事項に関し、権限のある者に対し書面により必要な勧告をしなければならない。この場合に書面の写を要求者に送付するものとする。
(補則)
第二十条 この規則の施行に関し必要な事項は、人事委員会が定める。
付則
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和六二年二月三日特別区人事委員会規則第二号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成一二年一〇月一六日特別区人事委員会規則第二二号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成一七年三月三〇日特別区人事委員会規則第一三号)
この規則は、平成十七年四月一日から施行する。
附則(平成二八年三月一五日特別区人事委員会規則第一一号)
1 この規則は、平成二十八年四月一日から施行する。
2 不利益処分の不服申立てであって、この規則の施行前にされた不利益処分に係るものについては、なお従前の例による。
附則(令和三年一月二六日特別区人事委員会規則第二号抄)
(施行期日)
1 この規則は、令和三年四月一日から施行する。