中野区みどりの保護と育成に関する条例

昭和53年12月16日

条例第42号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、中野区のみどりの保護と育成に関し、必要な事項を定め、区、区民及び事業者が一体となつて緑化を推進し、もつて区民の健康で安全かつ快適な生活環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) みどり 樹木、樹木の集団(竹林を含む。以下「樹林」という。)、生け垣及び草花をいう。

(2) 事業者 商業、工業、建設業その他の事業活動を行う者をいう。

(3) 建築行為等 次に掲げる行為をいう。

 建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項に規定する確認を必要とする行為(非常災害のために必要な応急措置として行うものを除く。)

 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号)第2条第8号に規定する自動車駐車場を設置する行為

(区長の責務)

第3条 区長は、みどりの保護と育成に関する施策を積極的に推進しなければならない。

(基本計画策定義務)

第4条 区長は、みどりの保護と育成に関する基本計画を策定しなければならない。

(知識の普及等の義務)

第5条 区長は、みどりの保護と育成に関する知識の普及及び緑化思想の高揚に努めるとともに、みどりの保護と育成に関する区民の提案及び意見を尊重し、適切な措置を講じなければならない。

(区の木、区の花)

第6条 区の緑化推進の象徴として、区の木及び区の花を次のとおり定める。

(1) 区の木 しい

(2) 区の花 つつじ

(区民及び事業者の責務)

第7条 区民は、みどりを貴重な財産として、これを相互の連帯と協力により適切に保護するとともに、植栽その他の方法によつて、みどりをふやし育成することに努めなければならない。

2 事業者は、その事業の用に供する工場、事務所その他の施設の敷地内のみどりを適正に保護するとともに、植栽その他の方法によつて、みどりをふやし育成することに努めなければならない。

3 区民及び事業者は、区が実施するみどりの施策に協力しなければならない。

(維持管理等の義務)

第8条 みどりを所有し、又は管理する者(以下「所有者等」という。)は、その所有し、又は管理するみどりの適正な維持管理をし、良好な近隣関係を損なわないように努めなければならない。

2 区民は、あまねくみどりの効用を享受する者として、前項の所有者等の管理が及ばない落葉については、これを受忍しなければならない。

第2章 みどりの保護

(保存及び回復)

第9条 何人も、現存する樹木、樹林及び生け垣(以下「樹木等」という。)を保存するように心がけなければならない。やむを得ずその一部若しくは全部を伐採し、又は除去したときは、樹木等の回復を図るように努めなければならない。

(保護指定)

第10条 区長は、中野区規則(以下「規則」という。)で定められる基準に該当する樹木等のうち、特に保護する必要があると認めるものを、その所有者等の同意を得て保護指定樹木、保護指定樹林又は保護指定生け垣(以下「保護指定樹木等」という。)として指定することができる。

2 区長は、前項の指定をしたときは、その旨を所有者等に通知するとともに、これを公表するものとする。

(保護指定樹木等所有者の義務)

第11条 前条の保護指定樹木等の所有者等は、保護指定樹木等の枯損の防止などその保護に努めなければならない。

2 何人も、保護指定樹木等が大切に保護されるように協力しなければならない。

(標識の設置等)

第12条 区長は、第10条に規定する保護指定樹木等にその旨を表示する標識を設置するとともに、みどりの台帳を作成し、保管しなければならない。

2 何人も、前項の規定により設置された標識を汚損し、損壊し、又は区長の承諾を得ないで移転し、除去してはならない。

(届出義務等)

第13条 保護指定樹木等の所有者等は、次の各号の一に該当するときは、速やかに、その旨を区長に届け出なければならない。

(1) 保護指定樹木等を伐採しようとするとき。ただし、非常災害時の応急措置、通常の管理行為及び軽易な行為を除く。

(2) 保護指定樹木等を移植しようとするとき。

(3) 保護指定樹木等を譲渡しようとするとき。

(4) 保護指定樹木等が滅失又は枯死したとき。

(5) 前各号に掲げるもののほか、保護指定樹木等に異変があつたとき。

(6) 所有者等が氏名又は住所を変更したとき。

2 前項第1号に規定する届出に係る所有者等は、当該届出をした日から60日を経過した後でなければ届出に係る行為をしてはならない。

3 区長は、必要と認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

(保護指定の解除)

第14条 区長は、次の各号のいずれかに該当するときは、第10条第1項の規定による指定(以下この条において単に「指定」という。)を解除することができる。

(1) 前条第1項第1号又は第2号に該当する場合の届出があつたとき。

(2) 前条第1項第4号に該当する場合の届出があつたとき。

(3) 公益上の理由から指定を解除する必要があるとき。

(4) 所有者等から指定の解除の申出があつたとき。

(5) 保護指定樹木等が第10条第1項の基準に該当しなくなつたとき。

2 区長は、前項第1号の届出又は第4号の申出を受けたときは、所有者等に対し、当該保護指定樹木等の保護の観点から行為の変更を求めることができる。

3 区長は、第1項の規定により指定を解除したときは、その旨を所有者等に通知するとともに、これを公表し、指定を解除しないときは、その旨を所有者等に通知するものとする。

(買取り等の申出)

第15条 前条に規定する指定の解除を受けることができない保護指定樹林及びその土地の所有者は、指定の解除を受けることができないため、その土地の利用に著しい支障をきたすこととなる場合は、当該土地の買取り又は賃貸し(以下「買取り等」という。)について、区長に申し出ることができる。

(買取り等の協議)

第16条 区長は、前条の申出を受けたときは、その樹林を特に保存する必要があると認める場合で、かつ、保護指定樹林及びその土地の所有者と協議が整つたときは、買取り等を行うものとする。

2 区長は、前条の申出があつたものについて、買取り等を行うときは、その旨を保護指定樹林及びその土地の所有者に通知し、買取り等を行わないときは、直ちに保護指定樹林及びその土地の所有者に当該樹林の保護指定を解除する旨を通知するとともに、これを公表するものとする。

第3章 みどりの推進

(モデル地区の指定)

第17条 区長は、みどりの保護と育成に関する施策を推進するため、特に必要があると認めたときは、一定の区域を緑化推進モデル地区(以下「モデル地区」という。)に指定することができる。

2 区長は、前項に規定するモデル地区を指定し、又は解除するときは、あらかじめ当該区域内の住民の意見を聴くものとする。

3 区長は、第1項に規定するモデル地区を指定し、又は解除したときは、これを公表するもとする。

(モデル地区のみどりの推進)

第18条 区長は、前条に規定するモデル地区を指定したときは、当該モデル地区内のみどりの保護と育成に関する計画を策定し、これに基づきみどりの保護、植栽及び育成並びに第21条及び第22条に規定するみどりの協定その他必要な施策の推進に努めなければならない。

2 モデル地区内の住民及び事業者又は管理者は、前項に規定する計画に積極的に協力しなければならない。

(公共の緑化)

第19条 区は、その設置し、又は管理する道路、河川、公園、学校、庁舎その他の公共施設について、区長が定める基準により、植栽するなどその緑化に努めなければならない。

(民間の緑化)

第20条 規則で定める面積の敷地(前条の規定の適用を受けるものを除く。)を有する所有者若しくは管理者は、その敷地のうち規則で定めるものに、区長が定める基準により、植栽するなどその緑化に努めなければならない。

(住民によるみどりの協定)

第21条 住民が区域を定めて、その区域内に所有し、又は管理する土地について、住民の合意によりみどりの保護、植栽、育成及び生け垣の造成など緑化に関する協定(以下「みどりの協定」という。)を締結した場合は、みどりの協定書を作成し、これを区長に提出して認定を求めることができる。

2 区長は、前項のみどりの協定が、この条例の目的に照らして適当であると認めたときは、これを認定し、その旨を公表するものとする。

3 前2項の規定は、みどりの協定の廃止及び変更について準用する。

4 みどりの協定を締結した区域内の住民は、みどりの協定の定めるところにしたがつて、その所有し、又は管理する土地の緑化に努めなければならない。

(事業者とのみどりの協定)

第22条 区長は、規則により定める面積の敷地を有する工場、事務所、住宅団地などの緑化について、その事業者又は管理者とみどりの協定を締結することができる。

2 前条第4項の規定は、みどりの協定を締結した事業者又は管理者に準用する。

(緑化計画の認定等)

第23条 規則で定める規模以上の建築行為等を行おうとする者は、緑化に関する計画書を区長に提出し、認定を受けなければならない。

2 前項に規定する緑化計画は、区長が定める緑化基準に適合するものでなければならない。

3 区長は、第1項に規定する緑化計画の認定を受けないで建築行為等を行おうとする者又は認定を受けた緑化計画の内容に違反し、若しくはその履行をしない者に対して、緑化計画の認定を受けるよう又は当該認定に適合する建築行為等を行うよう若しくは緑化計画を履行するよう勧告することができる。

4 区長は、前項の規定による勧告に従わない者に対して、当該建築行為等の中止を求めることができる。

第4章 雑則

(指導、助言及び助成)

第24条 区長は、この条例の目的を達成するため、みどりの保護と育成に関する技術的な指導、助言及び苗木の供給、あつせん、融資又はその他緑化に必要な助成措置を講ずることができる。

(他の法令との調整)

第25条 区長は、第10条に規定する保護指定樹木等、第17条に規定するモデル地区又は第21条及び第22条に規定するみどりの協定などの施策が他の法令の適用を受けている場合、又は受けることとなつた場合は、この条例の適用に当たつて、前条に規定する助成及びその他の措置について、必要な調整を加えることができる。

(実地調査)

第26条 区長は、この条例の目的を達成するため、みどりの保護及び育成の状態又は緑化の状況について必要と認めるときは、職員に実地調査をさせることができる。

2 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(国等に対する要請)

第27条 区長は、この条例の目的を達成するため、必要があると認めるときは、国又は他の地方公共団体若しくはこれに準ずる法人に対して、その所有し、又は管理する土地若しくは施設の緑化について協力を要請することができる。

(委任)

第28条 この条例に規定するものを除くほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

この条例の施行期日は、規則で定める。

(昭和54年規則第7号で、同年4月1日から施行)

(平成2年3月30日条例第21号)

この条例は、平成2年4月1日から施行する。

(平成13年3月27日条例第46号)

この条例は、平成13年4月1日から施行する。

(平成18年10月20日条例第61号)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。ただし、第14条第1項及び第2項並びに第20条の改正規定は、公布の日から施行する。

2 改正後の第23条の規定は、この条例の施行の日以後において緑化に関する計画書を提出すべき者(同日前までに緑化に関する計画書を提出する者を除く。)について適用し、同日前までに緑化に関する計画書を提出すべき者及び提出する者については、なお従前の例による。

中野区みどりの保護と育成に関する条例

昭和53年12月16日 条例第42号

(平成19年4月1日施行)

体系情報
第2編 区民の権利・義務/第8章 土地・建築物・道路/第6節 環境の保全
沿革情報
昭和53年12月16日 条例第42号
平成2年3月30日 条例第21号
平成13年3月27日 条例第46号
平成18年10月20日 条例第61号