中野区自転車等放置防止条例
昭和63年3月31日
条例第15号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 自転車等の放置防止に関する責務(第3条―第9条)
第3章 施設設置者の自転車駐車場設置義務(第10条―第22条)
第4章 放置自転車等の規制(第23条─第30条)
第4章の2 自転車等駐車整理区画(第30条の2─第30条の10)
第5章 自転車等駐車対策協議会(第31条―第34条)
第6章 雑則(第35条・第36条)
第7章 罰則(第37条―第39条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(昭和55年法律第87号。以下「法」という。)に定めるもののほか、公共の場所における自転車等の放置を防止するため、その規制措置及び自転車駐車場の設置義務等に関し必要な事項を定めることにより、安全で良好な都市環境を確保することを目的とする。
(1) 公共の場所 道路、公園、駅前広場その他の公共の用に供する場所をいう。
(2) 自転車等 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する自転車又は同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。
(3) 自転車駐車場 一定の区画を限つて設置される自転車等の駐車のための施設をいう。
(4) 放置 自転車等が自転車駐車場以外の場所に置かれていて、当該自転車等の利用者が当該自転車等を離れて直ちに移動することができない状態をいう。
(5) 施設設置者 官公署、学校等公益的施設の設置者又は百貨店、スーパーマーケット、金融機関、遊技場等自転車の大量の駐車需要を生じさせる施設の設置者をいう。
第2章 自転車等の放置防止に関する責務
(区長の責務)
第3条 区長は、自転車等の駐車需要の集中する鉄道駅周辺及び自転車等の駐車需要が著しくなることが予想される地域においては、鉄道事業者等による自転車駐車場の設置を誘導し、又は必要に応じて自ら自転車駐車場を設置し、若しくは拡充するよう努めなければならない。
2 区長は、この条例に定めるもののほか、自転車等の放置防止のために、警察署その他の官公署に対する協力要請及び自転車等の利用者、施設設置者等に対する指導、啓発等必要な措置を講じなければならない。
(区民の責務)
第4条 区民は、近距離にある鉄道駅等への交通手段としては、自転車等の利用を自粛するよう努めなければならない。
(自転車等の利用者の責務)
第5条 自転車等の利用者は、自転車等を公共の場所に放置してはならない。
2 自転車等の所有者又は利用者(以下「所有者等」という。)は、その所有又は利用に係る自転車等に自己の住所、氏名等を明記するよう努めなければならない。
(自転車等の小売業者の責務)
第6条 自転車等の小売業者は、その販売する自転車等について、所有者等が自己の住所、氏名等を明記するよう勧奨に努めなければならない。
(鉄道事業者の責務)
第7条 鉄道事業者は、その鉄道の利用者のために、積極的に鉄道駅周辺に自転車駐車場を設置するよう努めなければならない。
2 鉄道事業者は、区長が公共の用に供する自転車駐車場を鉄道駅周辺に設置するため、鉄道用地の提供を申し入れたときは、当該用地の譲渡、貸付けその他の方法により協力するよう努めなければならない。
(施設設置者の責務)
第8条 施設設置者は、次章に定めるものを除くほか、その施設の利用者のために、必要かつ十分な広さの自転車駐車場を設置するよう努めなければならない。
2 施設設置者は、自転車整理員の配置等の方法により、その施設における駐車自転車等の整理及びその施設の周辺における自転車等の放置防止に努めなければならない。
第3章 施設設置者の自転車駐車場設置義務
(自転車駐車場設置義務区域の指定)
第10条 法第5条第4項の規定に基づき条例で定める区域(以下「指定区域」という。)は、中野区の区域とする。
(施設を新築する場合の自転車駐車場の規模)
第11条 指定区域内において、次の表中(ア)欄に掲げる用途に供する施設で(イ)欄に掲げる規模のものを新築しようとする者は、(ウ)欄に掲げる算定方法による規模の自転車駐車場を当該施設若しくはその敷地内又は規則で定める近隣の場所に設置しなければならない。
(ア) | (イ) | (ウ) |
施設の用途 | 施設の規模 | 自転車駐車場の規模 |
1 百貨店、スーパーマーケットその他の小売店及び飲食店 | 店舗面積が200平方メートル以上のもの | 店舗面積20平方メートルごとに1台 |
2 銀行、信用金庫その他の金融機関 | 店舗面積が250平方メートル以上のもの | 店舗面積25平方メートルごとに1台 |
3 ぱちんこ屋、ゲームセンターその他の遊技場 | 店舗面積が150平方メートル以上のもの | 店舗面積15平方メートルごとに1台 |
4 スポーツ、体育、健康の増進を目的とする施設 | 運動場面積が250平方メートル以上のもの | 運動場面積25平方メートルごとに1台 |
5 学習、教養、趣味等の教授を目的とする施設 | 教室面積が150平方メートル以上のもの | 教室面積15平方メートルごとに1台 |
6 病院、診療所等の医療を提供する施設 | 診療室面積が150平方メートル以上のもの | 診療室面積15平方メートルごとに1台 |
備考 この表中(ウ)欄により算定した自転車駐車場の規模に1台未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとする。 |
2 前項の表中店舗面積、運動場面積、教室面積及び診療室面積(以下「店舗等面積」という。)の算定方法は、規則で定める。
(施設の用途を変更する場合の自転車駐車場の規模)
第14条の2 指定区域内において、次に掲げる施設の用途の変更をしようとする者は、当該用途の変更が建築基準法(昭和25年法律第201号)第87条第1項の規定による建築確認が必要となる場合は、当該用途の変更後の施設(当該施設のうち当該施設の敷地について指定区域が定められる前に建築された部分で、かつ、指定区域が定められた後に当該施設の用途の変更がされていない部分(第16条の規定によりこの条例の適用を受けなかつた部分を含む。)を除く。)をすべて新築するものとみなして、第11条から第13条までの規定により算定した自転車駐車場の規模から、現に設置されている自転車駐車場の規模を控除した規模の自転車駐車場を設置するよう努めなければならない。
(2) 混合用途施設となる用途の変更又は混合用途施設についての用途の変更で、当該用途の変更後の施設のすべてについて当該各用途に供する店舗等面積ごとに第11条第1項の表(ウ)欄の規定により算定した自転車駐車場の規模の合計が10台以上である場合に係るもの
(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、高等学校又は大学であつて、自転車等による通学が学則等で禁じられ、かつ、放置自転車等を防止するための方策が講じられている施設
(2) 前号に掲げるもののほか、区長が自転車駐車場を設置しないこと又はその規模を変更することに特別な理由があると認める施設
2 前項の自転車駐車場の所有者又は管理者は、当該自転車駐車場の規模の合計が70台以上である場合において、区長が必要と認めるときは、当該自転車駐車場の自転車等の整理及び誘導を行うため、規則の定めるところにより、整理誘導員を置かなければならない。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(措置命令)
第21条 区長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、規則の定めるところにより、その者に対し、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
(違反者氏名等の公表)
第22条 区長は、次の各号のいずれかに該当する違反行為をした者の氏名及びその事実を公表することができる。この場合において、当該違反行為が法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員により、その法人又は人の業務又は財産に関し行われたものであるときは、その法人の名称又は人の氏名についても公表することができる。
(1) 前条の規定による区長の命令に従わなかつた者
第4章 放置自転車等の規制
(規制区域の指定)
第23条 区長は、次の各号に掲げる要件を備えた地域を、自転車等の放置を規制する区域(以下「規制区域」という。)として指定することができる。
(1) 鉄道駅又は大規模商店街の周辺地域であること。
(2) 公共の用に供する自転車駐車場が設置されている地域であること。
(3) 大量の自転車等の放置が認められる地域であること。
(4) 継続して自転車等の放置を規制しなければ、前号に規定する状態になるおそれが大きい地域であること。
2 区長は、前項の規定により規制区域を指定しようとするときは、規制の適用日を定めて告示しなければならない。
3 前項の告示は、規制の適用日の14日前までに行わなければならない。
4 前2項の規定は、規制区域を変更し、又は解除する場合について準用する。
(規制区域内における措置)
第24条 区長は、規制区域内に放置された自転車等を、その場所から撤去し、一定の保管場所において保管することができる。
2 区長は、規制区域内において、自転車等の利用者に対し、その場所が規制区域内である旨及び前項に規定する規制措置を行うことがある旨を、規則で定める方法により告知するものとする。
4 区長は、第1項の規定により放置自転車を撤去し、保管したときは、当該自転車等を保管している旨及び区長が指定する方法によりこれを返還する旨を公示しなければならない。
(1) 大量の自転車等の放置により、当該公共の場所が危険な状態にあると認めるとき。
(2) 規制措置を行わなければ、前号に規定する状態になるおそれが大きいと認めるとき。
(3) 当該自転車等が継続して7日以上放置されていると認めるとき。
2 区長は、前項の規定に基づき規制措置を行う場合を除き、必要があるときは、規制区域外に放置された自転車等を、その近隣の場所で通行等の障害とならない場所に移動することができる。
(撤去自転車等の返還)
第27条 撤去自転車等の所有者等は、第24条第4項の公示において区長が指定した方法により当該撤去自転車等を引き取らなければならない。この場合において、区長が必要と認めるときは、引取人は、当該撤去自転車等の所有者等又はその代理人であることを明らかにしなければならない。
2 区長は、前項の引取人が当該撤去自転車等の所有者等又はその代理人であることを確認したときは、その者に当該撤去自転車等を返還しなければならない。
(保管期間を経過した撤去自転車等の処分)
第28条 区長は、第26条本文の規定に基づき規則で定める期間を経過してもなお返還することができない撤去自転車等について、法第6条第3項の規定により、売却してその売却代金を保管し、又は廃棄等の処分をすることができる。
2 区長は、前項の規定により撤去自転車等を売却する場合においては、自転車等の安全利用の確保等のため、売却の相手方を指定することができる。
第4章の2 自転車等駐車整理区画
(自転車等駐車整理区画の設定)
第30条の2 区長は、自転車の駐車及び整理のために必要があると認めるときは、自転車等駐車整理区画(以下「整理区画」という。)を設定することができる。
(利用の形態)
第30条の3 整理区画の利用の形態は、規則で定める登録の有効期間中の利用(以下「登録利用」という。)及び1日を単位とする利用(以下「1日利用」という。)とし、整理区画ごとに規則で定めるものとする。
(利用対象車両)
第30条の4 整理区画に駐車することができる車両は、自転車とする。ただし、規則で定める整理区画においては、原動機付自転車及び自動二輪車を駐車することができる。
(利用対象者)
第30条の5 整理区画を利用することができる者は、自転車を通勤又は通学のために利用する者で、次の各号のいずれにも該当するものとする。ただし、区長が特に必要と認める者は、この限りでない。
(1) 中野区若しくは中野区に隣接する特別区の区域内(以下「区内等」という。)に住所を有する者、区内等に存する事務所等に勤務する者又は区内等に存する学校に在学する者
(2) 前号の住所、事務所等又は学校が整理区画の最寄りの駅から規則で定める距離にある者
2 1日利用については、前項の規定を適用しない。
(登録の承認)
第30条の6 登録利用をしようとする者は、規則で定めるところにより区長に申請し、登録の承認を受けなければならない。
(1) 整理区画における車両の収容台数を超えるとき。
(2) その他区長が特に必要と認めるとき。
(1) 第30条の5第1項に規定する要件に該当しなくなつたとき。
(3) その他区長が整理区画の管理上必要と認めるとき。
(整理手数料)
第30条の8 登録者は利用の前に、1日利用をしようとする者は利用の都度整理手数料を納付しなければならない。ただし、区長は、特別の理由があると認めるときは、当該整理手数料を免除することができる。
種類 | 整理手数料の額 | |
自転車 | 登録利用 | 1台につき 12,000円 |
1日利用 | 1台につき 200円 | |
原動機付自転車及び自動二輪車 | 登録利用 | 1台につき 24,000円 |
1日利用 | 1台につき 400円 |
3 既納の整理手数料は、還付しない。ただし、区長が特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。
(利用の制限)
第30条の9 区長は、次の各号のいずれかに該当するときは、整理区画の利用を制限することができる。
(1) 当該整理区画における車両の収容台数を超えるとき。
(2) その他整理区画の管理上支障があるとき。
(違反車両の移送及び保管)
第30条の10 区長は、整理区画内において次の各号のいずれかに該当する車両があるときは、これを一定の場所に移送し、保管することができる。
(1) 登録利用に必要な登録を受けていない車両
(2) 納付すべき整理手数料を納付していない車両
第5章 自転車等駐車対策協議会
(設置)
第31条 法第8条の規定に基づき、区長の附属機関として、中野区自転車等駐車対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。
(委員)
第32条 協議会の委員は、30人以内とし、次の各号に掲げる者のうちから区長が委嘱する。
(1) 警察、道路管理者等自転車等の駐車対策に関係する者
(2) 鉄道事業者等自転車等の駐車対策に利害関係を有する者
(3) 学識経験者
(4) 公募による区民
(任期)
第33条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(組織及び運営)
第34条 協議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、協議会を代表し、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は欠けたときは、その職務を代理する。
4 協議会に必要に応じて部会を置くことができる。
5 前各項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
第6章 雑則
(民営自転車駐車場に対する補助)
第35条 区長は、公共の用に供する民営の自転車駐車場の設置が自転車等の放置防止に寄与するものであると認めるときは、別に定めるところにより、その設置者に対して当該自転車駐車場の設置に要する費用の一部を補助することができる。ただし、第3章の規定により設置されるものを除く。
第7章 罰則
第37条 第21条の規定による区長の命令に従わなかつた者は、100,000円以下の罰金に処する。
附則
附則(平成5年6月21日条例第32号)
この条例は、平成5年6月25日から施行する。
附則(平成7年3月22日条例第15号)
1 この条例は、平成7年4月1日から施行する。
2 改正後の第4章の規定は、平成7年4月1日以後に撤去した自転車等について適用し、同日前に撤去した自転車等については、なお従前の例による。
附則(平成13年3月27日条例第41号)
1 この条例は、平成13年6月1日から施行する。ただし、第30条の改正規定及び次項の規定は、同年7月1日から施行する。
2 改正後の第30条の規定は、平成13年7月1日以後に撤去した自転車等に係る撤去費用等の徴収について適用し、同日前に撤去した自転車等に係る撤去費用等の徴収については、なお従前の例による。
附則(平成15年12月16日条例第54号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成20年6月19日条例第39号)
1 この条例は、平成21年1月1日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第10条の改正規定は、平成20年7月1日から施行する。
2 改正後の第19条第2項の規定は、施行日以後に新築、増築又は用途の変更に係る確認(建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第4項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)又は第18条第3項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による確認をいう。以下同じ。)を受ける施設に係る自転車駐車場について適用し、施行日前に確認を受けた施設に係る自転車駐車場については、なお従前の例による。
附則(平成27年3月18日条例第18号)
この条例は、平成27年6月1日から施行する。