中野区建築物等の解体工事等及び石綿除去工事等に関する要綱

2005年11月4日

要綱第111号

(目的)

第1条 この要綱は、建築物等の解体工事等に係る事前調査、石綿除去工事等に係る事前周知及び石綿飛散防止等に関し必要な事項を定めることにより、石綿による環境への影響を未然に防止し、もって区民の安全と健康を守ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 解体工事等 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の全部又は一部を解体、改造又は補修する工事をいう。

(2) 石綿除去工事等 石綿を含有する建築材料が使用されている建築物等を解体、改造又は補修する工事をいう。

(3) 特定粉じん排出等作業 大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第12項に規定する特定粉じん排出等作業をいう。

(4) 特定粉じん排出等作業の実施の届出 大気汚染防止法第18条の15に規定する届出をいう。

(5) 特定工事 特定粉じん排出等作業を伴う建設工事をいう。

(6) 特定建築材料 大気汚染防止法施行令(昭和43年政令第329号)第3条の3に規定する建築材料をいう。

(7) 石綿含有成形板等 特定建築材料を除く石綿を含有する建築材料をいう。

(8) 隣接関係住民 石綿除去工事等を行う建築物等の敷地境界線から10メートルの水平距離の範囲内又は当該工事に係る建築物等の高さと等しい水平距離の範囲内のうち、どちらか広い範囲内にある建築物等に居住する者をいう。

(9) 発注者等 解体工事等及び石綿除去工事等に関する請負契約の発注者及び元請業者又は請負契約によらないで自らその工事を行う者をいう。

(10) 工事施工者 解体工事等及び石綿除去工事等の元請業者又は請負契約によらないで自らその工事を行う者をいう。

(対象工事)

第3条 この要綱は、中野区内で施工される解体工事等及び石綿除去工事等を対象とする。

(事前調査)

第4条 区長は、工事施工者に対し、当該工事施工者が解体工事等を行う建築物等(当該建築物の一部について工事が行われる場合は、その部分)について、あらかじめ特定建築材料及び石綿含有成形板等の有無を調査し、記録し、石綿含有の有無の判定根拠となった資料を添付の上保存するよう指導するものとする。

2 工事施工者は、建築物等に使用されている材料について、設計図書等によって石綿の含有の有無が判定できない場合は、適量の試料を採取し、適切な検査機関において法令等に適合する方法で検査を行い、石綿含有の有無を判定しなければならない。この場合において、工事施工者は、採取箇所を湿らせてから試料の採取を行い、試料の採取後は、粉じんが飛散しないよう補修しなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、吹付け石綿が使用されていないことが確認できている建築物等において、断熱材、保温材及び耐火被覆材並びに成形板等について石綿を含有するものとみなして、法令等に適合する方法で適切に除去作業を行う場合は、石綿の有無の判定を省略できるものとする。

4 第1項の規定による調査の記録には、次の事項を記載するものとする。

(1) 調査責任者氏名

(2) 調査日時

(3) 当該建築物等に使用されている各建築材料の種類及び使用場所

(4) 当該建築物等に使用されている各建築材料の石綿含有の有無及びその判定根拠(試料の分析結果による場合は、分析結果のほか試料採取日及び資料採取場所を含む。)

(5) 前項の規定に基づき、断熱材、保温材及び耐火被覆材並びに成形板等について石綿を含有するものとみなして、法令等に適合する方法で適切に除去作業を行う場合は、その旨

(隣接関係住民への周知及び報告)

第5条 区長は、発注者等が特定工事の発注又は施工をする場合は、当該発注者等に対し、次に掲げる事項について、特定粉じん排出等作業を開始しようとする日の14日前までに隣接関係住民に周知するよう指導するものとする。

(1) 建築物の規模及び構造

(2) 特定粉じん排出等作業の期間、作業時間、作業範囲及び作業内容

(3) 施工する事業者及び現場責任者の氏名又は名称及び連絡先

(4) 前3号に掲げるもののほか、当該特定粉じん排出等作業に係る公害防止対策に関すること。

2 区長は、前項の規定による周知後にその内容に変更が生じたときは、発注者等に、速やかにその旨を隣接関係住民に対し通知させるものとする。

3 区長は、発注者等が第1項の規定による周知をしたときは、当該発注者等に対し、速やかに、次に掲げる資料を添付の上、特定粉じん排出等作業に係る隣接関係住民周知等に関する報告書(第1号様式)により、その状況を区長に報告するよう指導するものとする。

(1) 説明を行った隣接関係住民の範囲を平面図に図示したもの

(2) 説明会等で使用した説明資料

(掲示板の設置及び報告)

第6条 区長は、工事施工者が特定粉じん排出等作業の実施の届出をしたときは、当該工事施工者に対し、大気汚染防止法施行規則(昭和46年厚生省・通商産業省令第1号)第16条の4第1号の規定による掲示板(以下単に「掲示板」という。)を速やかに設置するよう指導するものとする。

2 前項の掲示板は、日本工業規格A3版以上の大きさとし、建築敷地の道路に接する部分で、路面から掲示板の下端までの高さがおおむね1メートルとなるように設置しなければならない。

3 区長は、工事施工者が第1項の規定による掲示板の設置をしたときは、当該工事施工者に対し、速やかに、次に掲げる資料を添付の上、特定粉じん排出等作業に係る隣接関係住民周知等に関する報告書(第1号様式)により、その状況を区長に報告するよう指導するものとする。

(1) 掲示板設置位置を平面図に図示したもの

(2) 掲示板設置状況の写真(設置位置及び掲示内容の分かるもの)

4 工事施工者が、前条第3項に規定する報告書と前項に規定する報告書を同時に提出する場合は、報告書を兼用できるものとする。

(石綿除去工事等の施工方法)

第7条 区長は、工事施工者が石綿除去工事等を実施する場合は、当該工事施工者に対し、次に掲げる事項を遵守し、適正に施工するよう指導するものとする。

(1) 特定粉じん排出等作業を実施する場合は、大気汚染防止法その他関係法令等を遵守すること。

(2) 石綿含有成形板等を除去する場合は、次に掲げる事項を遵守すること。

 防じんシートその他の資材を使用して、工事現場に覆いをすること。

 除去作業は、石綿部分を薬剤等で湿潤化した後に行い、当該石綿含有成形板を破断しない方法で除去すること。

 除去した石綿含有成形板等を運搬し、又は保管するときは、破損することのないように行うこと。

 石綿を湿潤化するために行う散水その他の措置により石綿を含む水を排出するときは、ろ過処理その他の適切な処置を講ずること。

 除去作業に使用した工具及び資材等は、付着した石綿を取り除いた後、当該作業場の外へ搬出すること。

 工事現場及びその周辺に、石綿含有成形板等の破片その他の石綿を含有するくずが残存しないよう、後片付け及び清掃を石綿が飛散しない方法で行うこと。

 石綿含有成形板等の破片その他の石綿を含有するくず及び他の廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に定めるところにより処理すること。

(準備状況検査)

第8条 区長は、特定粉じん排出等作業の実施の届出があった場合には、作業の準備が適切にされているかどうかについて、立入検査又はそれに代わる方法により確認することができる。

(完了報告)

第9条 区長は、特定粉じん排出等作業の工事施行者が特定粉じん排出等作業を終了したときは、当該工事施工者に対し、次に掲げる関係資料を添付の上、特定粉じん排出等作業完了報告書(第2号様式)により、当該作業の実施状況等を報告するよう指導するものとする。

(1) 工事写真

(2) 特定建築材料の廃棄に係る廃棄物の処理及び清掃に関する法律第12条の3に規定する産業廃棄物管理票E票の写し

(3) 大気中の石綿濃度調査結果報告書(都民の健康と安全を確保する環境に関する条例施行規則(平成13年東京都規則第34号)別表第13の1の項に該当する場合のみ)

2 前項の規定による報告は、関係資料の入手後、速やかに行わなければならない。

(報告書の提出部数)

第10条 この要綱の規定による報告は、報告書(報告書に添付する関係書類を含む。)の正本に、その写しを添えてしなければならない。

(周知状況等の報告の指導)

第11条 区長は、第9条の規定による報告のほか、この要綱の施行に必要な場合には、発注者等に対し、解体工事等に関して第4条の規定による事前調査の記録その他の事項について、報告を求めるものとする。

(雑則)

第12条 この要綱に定めるもののほか解体工事等における石綿飛散防止に関し必要な事項は、別に定める。

附 則

この要綱は、2005年11月21日から施行する。

附 則(2010年8月20日要綱第143号)

この要綱は、2010年10月1日から施行する。

様式 略

中野区建築物等の解体工事等及び石綿除去工事等に関する要綱

平成17年11月4日 要綱第111号

(平成22年10月1日施行)