中野区ユニバーサルデザイン推進計画(第2次) 令和6年(2024年)3月 中野区 第1章 計画の基本的な考え方 1 計画の背景 策定の目的 中野区では、すべての人が、それぞれの意欲や能力に応じて社会参加する「全員参加型社会」やまちの魅力向上による地域の活性化の実現に向けて、平成30年に中野区ユニバーサルデザイン推進条例、令和元年に中野区ユニバーサルデザイン推進計画を策定し、取組を進めてきました。 計画期間の終了に伴い、この間の社会情勢や区民意識の変化、直近の国等の動向、中野駅周辺を含めた区内のまちづくりの進展を踏まえ、さらなる効果的な施策を実施・推進するために、推進計画(第2次)を策定します。 社会情勢 新型コロナウイルス感染症は、社会に大きな影響を与えました。健康への心配を広げただけでなく、在宅勤務等の社会活動の変化をもたらしました。この影響もあって、テレワーク等のデジタル技術を活用した社会活動が急激に進展したことは、私たちの生活のあり方にも大きな変化が生じています。 中野区の人口は、33万人を超えていますが、令和17年をピークに減少することが予測されています。中野区は、若年層が全国に比較して多く、この若年層では外国籍の割合が多くなっている等の特徴があります。 障害者手帳(身体・知的・精神)は、令和4年度で全区人口の4%にあたる13,656人が所持しています。バリアフリー、ユニバーサルデザイン、そしてダイバーシティやインクルージョンが意識される時代にあっては、障害があってもできるだけ自立した暮らしができるよう、まちづくりを進めることが望まれています。これらの考えによる各種の取組は、平成27年に国連サミットで採択された国際目標、SDGs(持続可能な開発目標)の目標11「住み続けられるまちづくりを」等の実現に寄与するものと考えます。  *ダイバーシティ 多様性のこと。  *インクルージョン 多様な人々が地域社会の一員として暮らすことができている状態のこと。 中野区ユニバーサルデザイン推進計画を策定した令和元年から社会状況が変化しています。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」で取組の柱とした「心のバリアフリー」と「ユニバーサルデザインの街づくり」は大幅に進展をみせ、人々の心にユニバーサルデザインの意識が広まりました。中野区では、こうした機運を一過性のものにすることなくさらに発展させ、より一層ユニバーサルデザインの推進を加速させていくことが重要です。 区民意識 ユニバーサルデザインについての中野区民の認知度は60.7%、理解度は37.6%となっています(令和4年中野区区民意識・実態調査)。なお、認知度は、「詳しく知っている」「知っている」「言葉だけは知っている」の合計であり、理解度は、「詳しく知っている」「知っている」の合計です。 中野区内事業所のユニバーサルデザイン導入割合は27.9%です。通路やスロープ等、ユニバーサルデザインの設備を取り入れている事業所の割合が30%程度に対し、見やすいWeb サイトやサービス、社内研修等を実践している事業所の割合は15%程度となっています(令和4年中野区男女共同参画・ユニバーサルデザインに関する意識調査)。なお、導入割合は、実際にユニバーサルデザインを「取り入れている」の合計である。 国・東京都の動向 国では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を策定しました。共生社会の実現に向けた様々な分野での取組は、「ユニバーサルデザイン2020評価会議」によって、取組の継続が重要であることが示されています。  *共生社会 障害の有無にかかわらず、女性も男性も、高齢者も若者も、すべての人がお互いの人権や尊厳を大切にし支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる社会のこと。 共生社会の実現に向けた法制度の整備として、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」が令和2年に改正され、旅客支援や情報提供等のソフト面の取組の強化や「心のバリアフリー」の推進等が盛り込まれました。また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の改正により、民間事業者による社会的障壁の除去に係る必要かつ合理的な配慮の提供は、令和6年4月に努力義務から義務へと強化されます。  ※合理的な配慮の提供 障害のある人から社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としていると意思が様々な手段により伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること。 令和4年には「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション推進法)」が成立・施行され、国や地方公共団体の責務が明記されています。 東京都では、すべての人が安全で安心して、かつ、快適に暮らし、訪れることができるユニバーサルデザインの理念に基づいたまちづくりを進めるため、東京都福祉のまちづくり推進計画(2019年度から2023年度)に基づき、福祉のまちづくりを計画的に推進しています。 区のこれまでの動き 令和元年に定めた中野区ユニバーサルデザイン推進計画では、第1次計画として目標(目指すべき将来像)や施策の方向を示し、進捗状況を公表しています。 令和2年に「中野区障害者の多様な意思疎通の促進に関する条例」と「中野区手話言語条例」、令和4年に「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」を策定し、社会的障壁がない社会やすべての人が安心して暮らせる地域社会の実現を目指しています。 2 計画の位置付け 中野区ユニバーサルデザイン推進条例に基づき、ユニバーサルデザインに関する取組を総合的かつ計画的に推進するために策定するものです。「中野区基本計画」を上位とする個別計画であり、関連する個別計画と整合を図り、策定します。 3 計画期間 令和6年度から令和10年度までの5か年をこの計画の期間とします。 第2章 ユニバーサルデザインの考え方 1 ユニバーサルデザインの定義 ユニバーサルデザインは、「ユニバーサル」(すべての、普遍的な)と「デザイン」(設計、計画)を組み合わせた言葉で、「すべての人のためのデザイン」を意味しています。それぞれの言葉の頭文字をとって、「UD」とも言われます。 ユニバーサルデザインは、建物だけでなく、教育、情報、サービス等あらゆる分野に取り入れることができる考え方です。中野区では、ユニバーサルデザインを次のように定義しています。 「ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、個人の属性や考え方、行動の特性等にかかわらず、全ての人が利用しやすいようあらかじめ考慮して都市及び生活環境を設計すること。(中野区ユニバーサルデザイン推進条例第2条)」 2 ユニバーサルデザインに関連する考え方 バリアフリー 「バリアフリー」とは、障害者や高齢者等の物理的な障壁(バリア)を取り除くことから始まった考え方です。現在は対象も様々な人々に広がり、物理的な障壁だけでなく、社会的、制度的、心理的なすべての障壁に対応する考え方です。 バリアフリーとユニバーサルデザインは優劣の関係ではなく、どちらも暮らしやすい社会の実現を目指す考え方です。 障害のある人や高齢者等のニーズに応えながらバリアフリーの取組を推進し、できるだけ多くの人が安全で快適に暮らすことができる環境をつくることがユニバーサルデザインにつながります。 障害の社会モデル 障害に対する考え方が「医学モデル」から「社会モデル」に変化しています。 「医学モデル」とは、医学的に診断される損傷・機能制約を障害の本質と捉え、当事者の個人的な問題であるとする考え方です。「社会モデル」は、障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である、という考え方です。 平成18年に国際連合で採択された障害者権利条約で「社会モデル」の考え方が示されており、日本でも法律でその考え方を取り入れています。 「社会モデル」の考え方を浸透させ、ユニバーサルデザインの推進に取り組んでいく必要があります。 心のバリアフリー 「心のバリアフリー」とは、様々な心身の特性や考え方を持つすべての人々が、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合うことです。「心のバリアフリー」を体現するためのポイントは次の3点です(「ユニバーサルデザイン2020行動計画」より)。  @障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」を理解すること。  A障害のある人(及びその家族)への差別(不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供)を行わないように徹底すること。  B自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションを取る力を養い、すべての人が抱える困難や傷みを想像し、共感する力を培うこと。 「心のバリアフリー」は、中野区ユニバーサルデザイン推進条例に示す基本理念の一つである「ハート」と同じ考え方です。この考え方は、区のユニバーサルデザインに関するすべての取組の根底にあります。 コラム ユニバーサルデザインの7原則 ユニバーサルデザインの7原則は、アメリカのロナルド・メイス氏をはじめとする研究者等がまとめたものです。ユニバーサルデザインを理解する上で基本となる考え方で、ユニバーサルデザインの取組の方向性を明確にしています。 1 公平性 誰でも公平に使える (例)自動ドア 2 柔軟性 利用者に応じた使い方ができる (例)高さの異なる手すり 3 単純性 使い方が簡単で、すぐに理解できる (例)大型スイッチ 4 安全性 使い方を間違えても重大な結果につながらない (例)ホーム落下防止の二重扉 5 わかりやすさ 必要な情報がすぐに理解できる (例)ピクトグラム(文字の代わりに表示する絵文字や図記号で、言葉がわからなくても直観的に内容を伝えることができます。) 6 省体力 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使える (例)レバー式のドア 7 空間性 利用者に応じたアクセスのしやすさと十分な空間が確保されている (例)ユニバーサルデザインに配慮したトイレ 第3章 計画の展開 1 基本理念と目標(目指すべき将来像) 中野区ユニバーサルデザイン推進条例において、ユニバーサルデザインを効果的に進めるため、ハード、ソフト、ハートという3つの面から基本理念を定めています。 この計画では、「ユニバーサルデザインの理解と実践が進んだまち」を目指し、ユニバーサルデザインに関する取組の目的を明確にするため、基本理念ごとに目指すべき将来像として目標を定めます。この目標の実現に向け、総合的にユニバーサルデザインのまちづくりを進めていきます。  基本理念 ハード 支障なく円滑に利用できる都市基盤・施設の整備の推進 目標(目指すべき将来像) ・安全で快適な歩行空間が整備されている ・誰でも利用しやすい公共交通が整備されている ・誰でもわかりやすい標識・サインが整備されている ・誰でも利用しやすい施設が整備されている  基本理念 ソフト 平等かつ円滑に利用できる商品・サービスの提供の推進 目標(目指すべき将来像) ・誰もが使いやすいサービスや商品が普及している ・誰もがいつでもどこでも必要とする情報を容易に得られている ・一人一人に合ったサービスが提供されている  基本理念 ハート 一人一人の個性や多様性が理解され、かつ、尊重され、様々な人が支え合うための理解の促進 目標(目指すべき将来像) ・心のバリアフリーの重要性への理解が広がっている ・ユニバーサルデザインの考え方が理解されている ・様々な個性や多様性が尊重されている  施策の体系図 目的 全員参加型社会と地域の活性化の実現 全ての人が、自らの意思により、自立して活動し、自己実現できる環境を段階的・継続的に整備する 基本理念ハード 支障なく円滑に利用できる都市基盤・施設の整備の推進 目標(目指すべき将来像) ・安全で快適な歩行空間が整備されている ・誰でも利用しやすい公共交通が整備されている ・誰でもわかりやすい標識・サインが整備されている ・誰でも利用しやすい施設が整備されている 施策の方向1 利用しやすく安全で快適なみち・公園づくり 主な取組1-1 安全で快適に通行できる道路・空間の整備 主な取組1-2 安全で快適に利用できる公園の整備 施策の方向2 円滑に移動できる交通環境づくり 主な取組2-1 わかりやすい案内表示の充実 主な取組2-2 円滑に移動できる交通サービスの検討・実施 主な取組2-3 利用しやすい駐車場・自転車駐車場の整備 施策の方向3 利用しやすく配慮された区有施設づくり 主な取組3-1 区有施設の現状把握及びガイドラインの検討 主な取組3-2 利用しやすい区有施設の整備・改修 施策の方向4 利用しやすく配慮された民間施設・住宅づくり 主な取組4-1 利用しやすい民間施設の誘導・整備の支援 主な取組4-2 快適に暮らせる住宅の誘導・整備の支援 基本理念ソフト 平等かつ円滑に利用できる商品・サービスの提供の推進 目標(目指すべき将来像) ・誰もが使いやすいサービスや商品が普及している ・誰もがいつでもどこでも必要とする情報を容易に得られている ・一人一人に合ったサービスが提供されている 施策の方向5 利用しやすくわかりやすい区のサービスづくり 主な取組5-1 円滑に利用できるサービスの充実 主な取組5-2 災害・緊急時の迅速な情報提供と要配慮者への支援 施策の方向6 参加しやすい地域の場づくり 主な取組6-1 参加しやすい環境整備 主な取組6-2 スポーツ・健康づくりを楽しめる環境整備 主な取組6-3 学びを楽しめる環境整備 施策の方向7 地域における利用しやすいサービス・商品づくり 主な取組7-1 便利で魅力ある商店街の整備 主な取組7-2 ユニバーサルデザインに資する事業創出の支援 主な取組7-3 事業活動における意識向上機会の促進 施策の方向8 わかりやすい情報を簡単に得られる環境づくり 主な取組8-1 ICTを活用した区政情報等の発信 主な取組8-2 デジタルデバイドの解消に向けた取組 主な取組8-3 ユニバーサルデザインに配慮した広報物等の作成 主な取組8-4 情報を得にくい人への支援 基本理念ハート 一人一人の個性や多様性が理解され、かつ、尊重され、様々な人が支え合うための理解の促進 目標(目指すべき将来像) ・心のバリアフリーの重要性への理解が広がっている ・ユニバーサルデザインの考え方が理解されている ・様々な個性や多様性が尊重されている 施策の方向9 違いを超えて尊重しあう心を育む教育環境づくり 主な取組9-1 学校等におけるユニバーサルデザインの推進 主な取組9-2 指導方法の充実によるわかりやすい授業の実施 施策の方向10 ユニバーサルデザイン推進の担い手づくり 主な取組10-1 区職員の理解促進 主な取組10-2 ユニバーサルデザイン推進を担う地域人材の育成 施策の方向11 ユニバーサルデザインの考え方を広げるしくみづくり 主な取組11-1 区民・事業者に対する普及啓発 主な取組11-2 区民団体等による普及啓発の取組の支援 施策の方向12 個性や多様性を大切にする意識づくり 主な取組12-1 人権擁護・男女共同参画推進のための普及啓発 主な取組12-2 多文化共生推進のための普及啓発 主な取組12-3 障害者に対する理解促進のための取組 主な取組12-4 性的少数者に対する理解促進のための取組  基本理念 ハード 支障なく円滑に利用できる都市基盤・施設の整備の推進 目標(目指すべき将来像) ・安全で快適な歩行空間が整備されている ・誰でも利用しやすい公共交通が整備されている ・誰でもわかりやすい標識・サインが整備されている ・誰でも利用しやすい施設が整備されている 現状と課題 歩道に凹凸や傾斜があることに不便を感じている区民の割合は50.8%、区内移動の快適性に関する区民の満足度は61.2%、案内表示に不便を感じている区民の割合は22.4%、施設利用で必要な設備等がないと感じている区民の割合は17.1%となっています。 区は、バリアフリー基本構想に基づいて、みち・公園等の整備を進めています。特に、多くの人が往来する中野駅周辺を含めたすべてのまちづくりでは、すべての人が使いやすいよう配慮された施設や空間整備が求められており、またその理念や整備の取組について、区全体に波及させていくことが望まれています。 公共施設は多くの人々に利用されるため、施設整備には最新のユニバーサルデザインを取り入れることが重要です。施設設計段階から当事者等の意見を取り入れ、整備後も継続的な点検と改修のしくみを確立することが必要です。 ■図1 歩道に凹凸や傾斜があることに不便を感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図2 区内移動の快適性に関する満足度  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図3 案内表示等のわかりにくさに不便を感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図4 施設を利用したとき必要な設備やサービスがないと感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) 施策の方向 1 利用しやすく安全で快適なみち・公園づくり 2 円滑に移動できる交通環境づくり 3 利用しやすく配慮された区有施設づくり 4 利用しやすく配慮された民間施設・住宅づくり 成果指標 ・バリアフリー基本構想で設定した歩道の整備率 令和4年度現状値55.5% 令和10年度目標値66.4% 出典:中野区資料 ・区内移動の快適性に関する満足度 令和4年度現状値61.2% 令和10年度目標値68% 出典:中野区区民意識・実態調査 ・整備・改修する施設の新しい点検の実施件数(令和6年度からの累計値) 令和4年度現状値なし 令和10年度目標値10件 出典:中野区資料 ・バリアフリー基本構想で設定した特定事業の整備率 令和4年度現状値63.0% 令和10年度目標値78.7% 出典:中野区資料  基本理念ハード 施策の方向1 利用しやすく安全で快適なみち・公園づくり 主な取組1-1 安全で快適に通行できる道路・空間の整備 ○中野駅新北口駅前広場は、土地の立体的活用により、バス・タクシー乗降場や憩いの広場を整備し、自動車交通処理や回遊性の向上に向けた歩行者動線の確保により、新しい中野の顔となる都市型複合交通ターミナルの整備を進めます。[中野駅周辺まちづくり課] ○中野駅南口駅前広場は、高低差のある地形に対応したユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線を整備するとともに、バスやタクシーの錯綜解消や交通空間・歩行者空間の拡充により安全な交通結節機能の整備を図ります。[中野駅周辺まちづくり課] ○中野駅桃園広場(西口広場)は、中野駅西側南北通路の整備にあわせて、ユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線の整備を進めます。[中野駅周辺まちづくり課] ○西武新宿線沿線まちづくり、東中野駅・中野坂上駅周辺地区まちづくり、防災まちづくり等、各事業の進捗にあわせ、ユニバーサルデザインに配慮した道路・空間の整備を進めます。[まちづくり計画課、まちづくり事業課] ○道路のバリアフリー化を目指し、区道43-250(鷺宮二丁目南北)、区道45-290(上鷺公園前)等、順次、歩車道の段差解消や歩道の勾配緩和等のバリアフリー工事を進めます。[道路建設課] ○中野区無電柱化推進計画に基づき、無電柱化を進めます。[道路建設課] ○多様な世代や属性に向けた自転車利用のルールの周知やマナー向上の啓発をするとともに、各駅周辺を中心に、放置自転車の指導・警告、撤去を実施します。[防災危機管理課、交通政策課] ○違反屋外広告物や商店の商品のはみだし等、不法占用に対して、商店街や地域、警察署等の関係機関と連携し、指導・取締を推進します。[道路管理課] 主な取組1-2 安全で快適に利用できる公園の整備 ○中野区公園再整備計画に基づき、ユニバーサルデザインに配慮した園路やトイレの改修、遊具の更新等、公園の再整備を進め、利便性・快適性や魅力を高めます。また、公園が快適で安全に利用できるようルールづくりを進めます。[公園課] ○新しい公園の整備では、ユニバーサルデザインに配慮します。[公園課]  基本理念ハード 施策の方向2 円滑に移動できる交通環境づくり 主な取組2-1 わかりやすい案内表示の充実 ○公共サインの整備にあたって、基本的な考え方等を定めた公共サインガイドラインに沿って、ピクトグラムや多言語化等を進めます。[広聴・広報課] 主な取組2-2 円滑に移動できる交通サービスの検討・実施 ○交通弱者等が区内を円滑に移動できる公共交通サービスに関する検討を進めます。[交通政策課] ○区内における移動の利便性向上のため、シェアサイクルの普及を促進します。[交通政策課] 主な取組2-3 利用しやすい駐車場・自転車駐車場の整備 ○「障害者等駐車区画の適正利用に向けたガイドライン」(東京都)に基づく駐車場の整備を促進します。[交通政策課、中野駅周辺まちづくり課] ○自転車の多様化に合わせた自転車駐車場の整備を進めます。[交通政策課、中野駅周辺まちづくり課]  基本理念ハード 施策の方向3 利用しやすく配慮された区有施設づくり 主な取組3-1 区有施設の現状把握及びガイドラインの検討 〇区有施設のユニバーサルデザインやバリアフリー設備等の現状を把握し、今後の区有施設整備・改修における基本的な考え方を整理したガイドラインの検討を行います。[企画課] ○最新のユニバーサルデザインを研究し、有識者等の意見を聞きながら、施設整備等への反映を具体的に検討します。[企画課] 主な取組3-2 利用しやすい区有施設の整備・改修 ○区有施設や小中学校の整備・改修は、「都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドライン」(東京都)等を踏まえ、区が定める計画に沿って進めます。また、有識者等による評価・点検のしくみを構築し、スパイラルアップにつなげていきます。[企画課、各課] ○新たに移転する中野区役所本庁舎では、多機能トイレの充実、出入口やトイレの音声誘導装置の設置、大きな文字や多言語・ピクトグラムによるサイン表示等、ユニバーサルデザインに配慮した庁舎とします。[新区役所整備課] ○備品等の調達においては、ユニバーサルデザインの視点で配慮された商品の活用を進めます。[各課]  基本理念ハード 施策の方向4 利用しやすく配慮された民間施設・住宅づくり 主な取組4-1 利用しやすい民間施設の誘導・整備の支援 ○中野区バリアフリー基本構想の「重点整備地区における施設別のバリアフリー化の方針」に基づき障害者や高齢者をはじめ、すべての人が使いやすいよう配慮された施設を誘導します。[都市計画課、まちづくり事業課、中野駅周辺まちづくり課] ○中野区福祉のまちづくりのための環境整備要綱に基づき、小規模施設の整備改善を誘導します。[福祉推進課、建築課] ○ユニバーサルデザインに配慮したトイレ設置、障害者・高齢者用サイン表示、授乳・おむつ替え等スペースの設置等の事業について、商店街に周知・情報提供を行い、事業を誘導します。[産業振興課] ○公衆浴場の改修(バリアフリー化等)に必要な経費の一部を補助します。[福祉推進課] 主な取組4-2 快適に暮らせる住宅の誘導・整備の支援 ○民間住宅においては、ユニバーサルデザイン及びバリアフリー化の普及を促進します。[住宅課] 〇障害者や高齢者が快適に住み続けられるよう住宅改修にかかる費用を一部給付します。[介護・高齢者支援課、障害福祉課] ○高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅の普及を促進します。[住宅課]  基本理念 ソフト 平等かつ円滑に利用できる商品・サービスの提供の推進 目標(目指すべき将来像) ・誰もが使いやすいサービスや商品が普及している ・誰もがいつでもどこでも必要とする情報を容易に得られている ・一人一人に合ったサービスが提供されている 現状と課題 区から必要なサービスが受けられていると満足している区民の割合は72.1%、地域の活動等へ気軽に参加できない区民の割合が22.6%、食事や買い物等を安心してできる店が少ないと感じている区民の割合が15.7%、欲しい情報が手に入らないと感じている区民の割合は24.9%となっています。 区では、ICTを活用した行政のDXを進めていますが、DXが進む一方で、ICTを活用した手続き等が困難な方への対応が課題となります。「人手による支援」等の選択肢を用意しておくことが、ユニバーサルデザインの観点において必要です。  *ICT 「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称。情報処理だけでなく、インターネットのような通信技術を活用したメール等を使った人間同士のコミュニケーションや知識の共有を行うこと。  *DX デジタル・トランスフォーメーションのこと。進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変化させる概念。 情報提供等において、視覚や聴覚に障害のある人、言語の違いで情報が得にくい人に対する配慮も一層求められています。ピクトグラム、やさしい日本語の活用、手話通訳をはじめとした多様な意思疎通支援等の整備が必要です。 ■図5 区から必要なサービスが受けられていると満足している割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図6 地域の活動やイベントに気軽に参加できないと感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図7 食事や買い物等を安心してできる店が少ないと感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図8 欲しい情報が手に入らないと感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) 施策の方向 5 利用しやすくわかりやすい区のサービスづくり 6 参加しやすい地域の場づくり 7 地域における利用しやすいサービス・商品づくり 8 わかりやすい情報を簡単に得られる環境づくり 成果指標 ・行政手続における電子申請の利用割合 令和4年度現状値73.5% 令和10年度目標値85% 出典:中野区資料 ・区民活動センター集会室利用率(15施設の平均) 令和4年度現状値40.9% 令和10年度目標値55% 出典:中野区資料 ・ユニバーサルデザイン関連のセミナー参加者数(創業支援・啓発等)(令和6年度からの累計値)  令和4年度現状値なし 令和10年度目標値200人 出典:中野区資料 ・情報発信のユニバーサルデザインガイドラインに基づく見直し・改善数(令和6年度からの累計値) 令和4年度現状値682件(平成31年度から令和4年度までの累計値) 令和10年度目標値1,000件 出典:中野区資料  基本理念ソフト 施策の方向5 利用しやすくわかりやすい区のサービスづくり 主な取組5-1 円滑に利用できるサービスの充実 ○区が提供する各種サービス・事業では、手話通訳やタブレット端末による多言語通訳・翻訳の活用を進めます。また、案内や申込み手続、サービスの提供方法については、点検・見直し・改善を進めます。[企画課、文化振興・多文化共生推進課、障害福祉課、各課] 〇新たに移転する中野区役所本庁舎ではすべての来庁者が迷わないよう、総合案内のほか、各フロアに案内人を配置して目的の窓口へ適切に案内します。また外国人向け相談窓口を設置し、わかりやすい窓口サービスを展開します。[区民サービス課] ○見やすい申請書や電子申請手続の拡大等により利用しやすい行政サービスの整備を進めます。[企画課、情報システム課、各課] ○区有施設で利用する机・椅子等の備品、文房具等について、ユニバーサルデザインの視点で配慮された商品の活用を進めます。[企画課、各課] 〇ICTを活用し、来庁せずに相談できる体制の整備を進めます。[各課] 主な取組5-2 災害・緊急時の迅速な情報提供と要配慮者への支援 ○災害時や緊急時に発信する情報等について、多言語化ややさしい日本語等、多様な手法や手段の導入を進めます。[防災危機管理課] ○避難支援や避難所運営において、状況に応じた必要な支援や対応ができるよう、要支援者のための「災害時個別避難支援計画書」の作成・更新や多様な避難者に対応可能な避難所運営の検討を進めます。[地域活動推進課、防災危機管理課] ○要配慮者等が防災訓練等の防災事業に参加しやすい環境づくりを進めます。[防災危機管理課]  基本理念ソフト 施策の方向6 参加しやすい地域の場づくり 主な取組6-1 参加しやすい環境整備 ○区有施設で利用者用のFree Wi-Fiを整備するほか、区民活動センター集会室の予約方法の改善等、ICTを活用した施設の利便性向上に努めます。[情報システム課、地域活動推進課] ○区民向け講座で可能なものは、オンラインで提供します。[各課] ○障害者の社会参加を促進するため、手話通訳者、要約筆記者等の派遣を行います。[障害福祉課] 主な取組6-2 スポーツ・健康づくりを楽しめる環境整備 ○障害者や高齢者、子どもをはじめ、すべての人が仲間と交流しながらスポーツ・健康づくりを楽しめる環境を整備します。[スポーツ振興課] ○オンラインで参加できる「なかの元気アップ体操ひろば」の実施や、住民主体の高齢者のための多様な通いの場づくりを進めます。[介護・高齢者推進課] 主な取組6-3 学びを楽しめる環境整備 ○児童館、なかのZERO、歴史民俗資料館、区民活動センター、高齢者会館等において、誰もが参加しやすい地域の場づくりを進めます。[文化振興・多文化共生推進課、育成活動推進課、地域活動推進課、地域包括ケア推進課] ○子どもから高齢者までが利用しやすい図書館整備を進めます。また、録音図書や在宅配送サービス等、図書館における障害者・高齢者向けサービスを充実します。[子ども・教育政策課]  基本理念ソフト 施策の方向7 地域における利用しやすいサービス・商品づくり 主な取組7-1 便利で魅力ある商店街の整備 ○多言語に対応したホームページやマップの作成等、商店街・地域連携による多文化対応事業を支援します。[産業振興課] ○商店街における決済のキャッシュレス化や、取引のデジタル化等に向けて支援します。[産業振興課] 主な取組7-2 ユニバーサルデザインに資する事業創出の支援 ○区内で起業を目指す方や新たな事業展開を考えている事業者に対するセミナーや相談等、創業支援の取組の一環として、利用しやすいサービス・商品を生み出す事業が創出されるよう支援します。[産業振興課] 主な取組7-3 事業活動における意識向上機会の促進 ○商業者向けに障害者等への対応に関する説明会(セミナー)を実施します。[産業振興課] ○事業活動においてユニバーサルデザインを取り入れてもらうためのインセンティブについて、検討します。[企画課]  基本理念ソフト 施策の方向8 わかりやすい情報を簡単に得られる環境づくり 主な取組8-1 ICTを活用した区政情報等の発信 ○区ホームページやSNSの活用等、多様な方法で効果的な情報発信を進めます。[広聴・広報課、各課] ○地域のユニバーサルデザイン情報や区が保有している行政データ等を、二次利用可能なオープンデータとして公開し、データ検索等が容易になるシステム環境を整備します。[子ども・教育政策課、福祉推進課、各課] 主な取組8-2 デジタルデバイドの解消に向けた支援 ○パソコン教室やスマートフォン教室等を開催し、区民のデジタルデバイド解消に向けた支援を行います。[情報システム課] ○町会・自治会等、公益活動団体のICTスキル向上のため、SNS等での情報発信のための費用を助成します。[地域活動推進課] 主な取組8-3 ユニバーサルデザインに配慮した広報物等の作成 ○中野区情報発信のユニバーサルデザインガイドラインに基づく広報物等の作成を一層進めるとともに、既存広報物等の点検・見直し・改善を進めます。[広聴・広報課、各課] ○「やさしい日本語」のガイドラインを策定し、ガイドラインに基づく「やさしい日本語」による広報及び普及啓発を進めます。[文化振興・多文化共生推進課、各課] 主な取組8-4 情報を得にくい人への支援 〇最新技術を活用する等、障害者等が必要な情報を容易に得られるよう、情報のバリアフリーを進めます。[障害福祉課、各課]  基本理念ハート 一人一人の個性や多様性が理解され、かつ、尊重され、様々な人が支え合うための理解の促進 目標(目指すべき将来像) ・心のバリアフリーの重要性への理解が広がっている ・ユニバーサルデザインの考え方が理解されている ・様々な個性や多様性が尊重されている 現状と課題 外出時に困ったとき手助けを頼みにくいと感じている区民の割合は28.1%、ユニバーサルデザインの認知度は60.7%、障害者差別解消法の認知度は25.9%、パートナーシップ宣誓の認知度は41.2%となっています。  *ユニバーサルデザインの認知度 「詳しく知っている」「知っている」「言葉だけは知っている」の合計  *障害者差別解消法の認知度 「名前は知っている」「内容も知っている」の合計  *パートナーシップ宣誓の認知度 「内容を知っている」「聞いたことはあるが、内容は知らない」の合計 区では、区民向けにユニバーサルデザインサポーター養成講座をはじめとした様々な普及啓発を行っていますが、ユニバーサルデザインの考え方を広げる仕組みづくりについて、さらなる取組が必要です。 区では、多文化共生や障害者理解等、多方面での普及啓発を進めています。これらの普及啓発やユニバーサルデザインの理念、心のバリアフリーの重要性を広める取組を一層充実させることが重要で、商店や企業、一般の地域社会まで十分に浸透するよう、取り組んでいく必要があります。 ■図9 外出時に困ったとき手助けを頼みにくいと感じている割合  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図10 ユニバーサルデザインの認知度  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) ■図11 障害者差別解消法の認知度  資料:健康福祉に関する意識調査(令和4年) ■図12 パートナーシップ宣誓の認知度  資料:中野区区民意識・実態調査(令和4年) 施策の方向 9 違いを超えて尊重しあう心を育む教育環境づくり 10 ユニバーサルデザイン推進の担い手づくり 11 ユニバーサルデザインの考え方を広げるしくみづくり 12 個性や多様性を大切にする意識づくり 成果指標 ・学級生活をよりよくするために学級会(学級活動)で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めていると思う児童・生徒の割合 令和4年度現状値 小学6年生69.9%、中学3年生79.9% 令和10年度目標値 小学6年生75%、中学3年生85% 出典:全国学力・学習状況調査 ・ユニバーサルデザインサポーター養成者及び区民向け障害平等研修参加者の延べ人数(令和6年度からの累計値) 令和4年度現状値153人(平成31年度から令和4年度までのユニバーサルデザインサポーター養成者の累計値) 令和10年度目標値500人 出典:中野区資料 ・ユニバーサルデザインの認知度 令和4年度現状値60.7% 令和10年度目標値75% 出典:中野区区民意識・実態調査 ・障害のある人に対する理解が「ある程度進んでいる」、「十分に進んでいる」と回答した人の割合  令和4年度現状値31.9% 令和10年度目標値41.9% 出典:障害福祉サービス意向調査  基本理念ハート 施策の方向9 違いを超えて尊重しあう心を育む教育環境づくり 主な取組9-1 学校等におけるユニバーサルデザインの推進 ○人権教育や道徳教育によって、違いを超えて誰もが尊重される社会を実現することができる資質・能力を育みます。[指導室] ○外国語による活動や学習を充実させ、言語や他国の文化を理解し、尊重する意識を育てるとともに、お互いの考えを伝え合うことができるコミュニケーション能力を育てます。[指導室] ○不登校、日本語への適応が困難、LGBT等、配慮を要する児童・生徒に対して、一人一人に応じたきめ細かな支援を進めます。[指導室] ○保護者を対象に特別支援教育への理解促進を図ります。[指導室、学務課] 主な取組9-2 指導方法の充実によるわかりやすい授業の実施 ○授業の改善、教員への研修、校内研究の結果を全区的に活かす取組等を進めながら、すべての子どもたちが「わかる」「できる」「ともに学び合う」ためにユニバーサルデザインの考えを取り込んだ授業を行います。また、デジタル福祉教材を活用し、共生社会の実現に必要な資質・能力を育む学習を進めます。[指導室] ○性的少数者等に対する正しい理解と認識を深めるために、教職員に向けた研修等を実施します。[指導室]  基本理念ハート 施策の方向10 ユニバーサルデザイン推進の担い手づくり 主な取組10-1 区職員の理解促進 ○ユニバーサルデザインの理解を深め、具体的な対応方法等を学ぶ研修のほか、多様性の理解と認識を深める研修等を実施します。[企画課、文化振興・多文化共生推進課、地域活動推進課、障害福祉課、保健予防課] 主な取組10-2 ユニバーサルデザイン推進を担う地域人材の養成 ○ユニバーサルデザインや障害の社会モデル、心の不調等に関する知識等を身につけ、地域にユニバーサルデザインの考え方を広げ、実践する区民の担い手を養成します。[企画課、地域包括ケア推進課、障害福祉課、保健予防課] 〇手話通訳者や代筆・代読支援者等、多様な意思疎通支援者を養成します。[障害福祉課]  基本理念ハート 施策の方向11 ユニバーサルデザインの考え方を広げるしくみづくり 主な取組11-1 区民・事業者に対する普及啓発 ○ユニバーサルデザインを広く区民や事業者に知ってもらうための事業を実施します。[企画課、産業振興課、地域包括ケア推進課、障害福祉課、保健予防課] ○区ホームページやSNS、区掲示板等を活用した普及啓発を充実します。[企画課] 主な取組11-2 区民団体等による普及啓発の取組の支援 ○区民公益活動に関する政策助成において、「ユニバーサルデザインへの配慮」を組み入れた活動を行う区民団体等を支援します。[地域活動推進課]  基本理念ハート 施策の方向12 個性や多様性を大切にする意識づくり 主な取組12-1 人権擁護・男女共同参画推進のための普及啓発 ○人権や男女共同参画に関するパネル展やイベントを実施するほか、男女共同参画センター情報誌「アンサンブル」等による普及啓発を行います。[企画課] ○生きづらさを抱えた人を地域で支える共生社会を目指して、関係機関と連携した取組を進めます。[地域活動推進課] 主な取組12-2 多文化共生推進のための普及啓発 ○中野区多文化共生推進基本方針に基づいて、多文化共生の理解促進を行います。[文化振興・多文化共生推進課、企画課] 〇中野区国際交流協会の取組を支援しながら「やさしい日本語」の出前講座や国際理解講座等による普及啓発を行います。[文化振興・多文化共生推進課] ○姉妹都市や友好関係にある海外自治体との交流を通じて相互理解を深めるとともに、交流自治体を広げていきます。[文化振興・多文化共生推進課] 主な取組12-3 障害者に対する理解促進のための取組 ○区民向けの啓発事業を実施するほか、障害者施設等が実施するまつり等交流事業を支援します。[障害福祉課] ○障害者が障害の種類や特性に応じた支援を得られるようヘルプカードとヘルプマークの配布・普及啓発を行います。[障害福祉課] 主な取組12-4 性的少数者に対する理解促進のための取組 ○パートナーシップ宣誓の周知や、LGBT等性的少数者の社会生活における悩み等を理解するための取組を進めます。[企画課、各課] 第4章 計画推進の取組 1 施策の改善・向上(スパイラルアップ) ユニバーサルデザインの推進は、すべての人にとって暮らしやすい社会をつくるための永続的な取組です。継続的に評価・点検を行い、施策の改善・向上(スパイラルアップ)を図る取組を推進します。 施策のPDCAサイクル PDCAとは、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったものです。このサイクルを繰り返すことによって施策の進行管理を行い、スパイラルアップにつなげていきます。 施策の改善・向上(スパイラルアップ)を図る取組として、具体的には次の取組を実施します。 ・有識者等による評価・点検のしくみの構築 すべての人にとって使いやすい、また、最新のユニバーサルデザインを取り入れた区有施設等にするため、有識者や区民による評価・点検のしくみを構築し、実施します。 ・区職員への継続的な教育 ユニバーサルデザインの考え方や見直し手順等を継続的に周知し、職員の理解を高めるとともに、見直しや改善を促進します。 ・進行状況の把握・公表 計画の進行状況を把握したうえで評価・点検をし、区民に公表しながら進めます。 ・ユニバーサルデザインに関する意識調査の実施 ユニバーサルデザインへの区民意識の現状を把握し、今後の施策展開につなげていくため、「中野区区民意識・実態調査」等により、ユニバーサルデザインの認知度や理解度を調査します。 ・計画改定時における審議会の設置 この計画の改定にあたっては、施策の評価・点検を行って改善・向上を図るため、中野区ユニバーサルデザイン推進審議会(区長の附属機関)を設置します。審議会の答申を反映して、計画の改定を行います。 ・ユニバーサルデザインに係る要望・相談状況調査の実施 区のサービスのうち、ユニバーサルデザインの視点で改善すべき点等を把握するため、ユニバーサルデザインに係る要望・相談状況調査を行います。 資料編 中野区ユニバーサルデザイン推進条例 平成30年3月30日中野区条例第18号 (前文) 私たちは皆、自らの存在と尊厳が守られ、自由に幸せを追い求めることのできる権利を持っています。こうした権利は、誰もが生まれながらに持っているものであるとともに、いつの時代にも共通する、変わらないものです。 一方で、私たちを取り巻く環境は、絶えず変化が生じ、人々の暮らしや価値観も多様化していきます。移り行く時代の中で、持続的にまちの活力を生み出していくためには、多様な生き方、個性や価値観を受け入れることのできる地域社会を実現することが必要になります。私たちは、ユニバーサルデザインの推進を通じて、多くの人の社会参加を促すとともに、まちの魅力の向上に取り組んでいきます。 全ての人が、それぞれの意欲や能力に応じて社会参加する「全員参加型社会」やまちの魅力向上による地域の活性化の実現に向けて、この条例を制定します。 (目的) 第1条 この条例は、全ての人が、自らの意思により、自立して活動し、自己実現できる環境を段階的かつ継続的に整備することを通じて、全員参加型社会及び地域の活性化を実現するため、区、区民及び事業者のそれぞれの責務を明らかにするとともに、基本的な事項を定めることにより、ユニバーサルデザインの推進を図ることを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「ユニバーサルデザイン」とは、年齢、性別、個人の属性や考え方、行動の特性等にかかわらず、全ての人が利用しやすいようあらかじめ考慮して都市及び生活環境を設計することをいう。 (基本理念) 第3条 ユニバーサルデザインの推進は、次に掲げる事項を基本理念とする。 (1) 支障なく円滑に利用できる都市基盤・施設の整備の推進 (2) 平等かつ円滑に利用できる商品・サービスの提供の推進 (3) 一人一人の個性や多様性が理解され、かつ、尊重され、様々な人が支え合うための理解の促進 (区の責務) 第4条 区は、この条例の目的を達成するため、ユニバーサルデザインを推進するための目標(将来像)を示すとともに、ユニバーサルデザインの推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。 2 区は、区民及び事業者に対し、ユニバーサルデザインについて普及啓発を図るものとする。 3 区は、区民及び事業者と協働して、ユニバーサルデザインを推進できるよう相互調整及び連携促進を図るものとする。 (区民の責務) 第5条 区民は、ユニバーサルデザインについて理解を深めるよう努めなければならない。 2 区民は、様々なユニバーサルデザインの取組について、主体的に参加し、ユニバーサルデザインの推進に努めなければならない。 3 区民は、ユニバーサルデザインの推進に当たり、区及び事業者と協働するよう努めなければならない。 (事業者の責務) 第6条 事業者は、施設、商品及びサービスの提供その他自らの事業を通じて、ユニバーサルデザインの推進に努めなければならない。 2 事業者は、ユニバーサルデザインの推進に当たり、区及び区民と協働するよう努めなければならない。 3 事業者は、当該事業者の従業員がユニバーサルデザインについての理解を深めることができるよう努めなければならない。 4 事業者は、次条第1項に規定する推進計画の実施に関して、区に協力するよう努めなければならない。 (推進計画の策定等) 第7条 区長は、この条例の目的を達成するため、ユニバーサルデザインに係る施策の総合的かつ計画的な推進に関する計画(以下「推進計画」という。)を策定する。 2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 (1) ユニバーサルデザインを推進するための目標(将来像) (2) ユニバーサルデザインの推進に関する施策の方向及び主な取組 3 区長は、推進計画の策定及び改定に当たり、区民及び事業者の意見を求めるものとする。 (施策の評価・点検及び中野区ユニバーサルデザイン推進審議会の設置等) 第8条 区長は、推進計画に基づく施策について継続的に評価・点検を行い、当該評価・点検の結果を広く区民に公表するとともに、当該施策に反映させ、当該施策の持続的な改善・向上を図るものとする。 2 推進計画の改定に当たり、推進計画に基づき実施した施策の評価・点検を行い、当該施策の改善・向上を図るため、区長の附属機関として、中野区ユニバーサルデザイン推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。 3 審議会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議する。 (1) 推進計画に関すること。 (2) 前号に掲げるもののほか、ユニバーサルデザインの推進に関し必要な事項 4 審議会は、ユニバーサルデザインの推進に関し特に必要な事項について、区長に意見を述べることができる。 5 審議会は、区民、事業者、学識経験者その他区長が必要と認める者のうちから、区長が委嘱する委員20人以内をもって組織する。 (委任) 第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附則 この条例は、平成30年4月1日から施行する。 中野区ユニバーサルデザイン推進計画(第2次) 令和6年(2024年)2月発行 発行 中野区企画部企画課平和・人権・男女共同参画係 電話 03-3228-8229 FAX 03-3228-5476