第7回 これからの中野の教育検討会議 会議要旨

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更新日:2023年8月3日

開催日時 平成21年12月17日(木曜日)午後7時3分~午後9時3分
開催場所 中野区役所 教育委員会室
出席者委員葉養正明、藤井穂高、伊藤亜矢子、西村彰史、桜井多加子、金沢美代子、髙木基行、野呂文広、牧井直文、鈴木由美子、竹内沖司、寺嶋誠一郎、喜名朝博、合川昭、吉村恒治(敬称略、順不同)
その他教育長
事務局企画財政担当、学校再編担当、統括指導主事
傍聴者7人
 会議次第

【議事】
1 中野区における連携教育について

2 学校と地域の連携について

3 特別支援教育の充実について

4 その他


1 開会

(1)中野区教育委員会の人事異動について
 ・教育委員会幹部の人事異動について事務局報告
 ・教育長の就任あいさつ

2 議事

◆議事(1)中野区における連携教育について、(2)学校と地域の連携について
 
 資料1「これからの中野の教育検討会議の検討状況【修正版】」により説明。

会長
 今日は細かい議論をしていきたいと思う。
 まず第1章「教育を取り巻く状況」についていかがか。前回から加除、修正した個所等もあるのでその点も含めご審議いただきたい。

委員
 4~5ページにある「学力にかかわる調査結果」の中で、5ページの理科の「科学的な思考」では、中学校2年生だけ異様に低く、中学校1年生から2年生の差が一番大きい感じがするが、特に学年ごとの傾向があるわけでもなく、どうしてこういう結果になっているのか。
 また、4ページの上の表を見ると、通過率も教科によって全く割合が違っている。何故教科によって差が出てくるのか。どのように読み取っていいかわからない。

委員
 19、20、21年度と見たときに、原則的には同じ問題でやっているが、特に理科の「科学的な思考」については、中学校2年生が19年度29.4から20年度52になっている。これについては、目標値を設定し、その目標値に到達した児童・生徒の割合を出している。中学校2年生のテスト内容は、1つ前の学年の内容になるので、中1の理科の内容の学習定着率に課題があるということがわかると思う。さらに、中学校になって学習内容が増え、学習形態や方法か変わること等、小学校と中学校の学びの連続性の確保に課題があることがわかる。

委員
 4ページの教科ごとの通過率では、7割を超える項目が国語では非常に多いのに、社会では17年度、18年度には一つもないという結果になっているが、教科によって目標値の設定などが違うのか。

委員
 この調査は、出題した学習内容や問題の形式、難易度等を考慮し、「おおむね満足である状況」を示す数値(目標値)をあらかじめ目標として設置し、この目標値に到達した児童・生徒の割合(通過率)を表している。その目標値の設定については大きく変えていない。

会長
 説明がないとこれだけではわからないかもしれない。平均値のようにとらえてしまうと意味が大きく違ってきてしまう。

委員
 この数字を読んだだけではなかなかわかりにくいかもしれないので、説明を加えたいと思う。

会長
 1ページの「新学習指導要領への対応」では、幼稚園の記述がない。幼稚園は「幼稚園教育要領」が今年度からスタートしているが幼稚園の記述を入れなくていいか。

教育長
 幼稚園についても、記載したいと思う。

会長
 「教育を取り巻く状況」ということで、状況説明の箇所だが、もっと大上段に構えたような記述は要らないのか。例えば「知識基盤社会」と言われているが、国レベルではそこからスタートして、社会の力というのはそれぞれの社会にどれだけ質の高い知が行き渡っているかによって決まる。日本の国力が諸外国に比べてどのくらいの水準にあるかというのは、日本人一般に質の高い知がどれだけ行き渡っているかに由来する。そういう社会に先進国が変わりつつあり、それを「知識基盤社会」という言い方で言っている。OECDのPISAのような国際学力調査の順位に経済同友会や日経連が非常に真剣な視線を注ぐ背景には、そういうことが確かにある。教育競争の時代のため、世界各国が、他の国より自分の国が高いか低いか、非常に真剣な眼差しを注いでいる。いきなりそこから記述する必要はないと思うが、日本の順位が下降気味なため、国全体ではそういうことも考えていかなければいけないところである。

委員
 第3章に「「学校・家庭・地域」三位一体による教育力向上」というのがある。第1章では地域との連携については触れているが、家庭についての記述がほとんどない。第2章以降で家庭がかなり大きく出てくるので、家庭の状況についても記述した方がいいと思う。

会長
 第2章は、既にある教育ビジョンのエッセンスをまとめたものなので、次の第3章「これからの中野の教育」について、これは第4章とも絡んでくる箇所かと思うので、一括してご審議いただきたい。

委員
 2、3日前の新聞に品川区の幼稚園・保育園と小学校の連携カリキュラムが載っていた。それを見て感じたのだが、例えば「就学前の5歳児の後半で、一定の時間座って話を聞くことができる」という目標があった場合、何故友だちの話や先生の話が聞けるのか、それは、その学級や幼稚園に自分の居場所があり、自分がこの中の一員だという意識が前提にあるからだというが、そういう形で結果としての姿だけが出てくると、そこにいきなりいってしまう。学校の先生方は当然そこに至るまでの過程を考えて指導していて、いきなり「何でもいいから黙って話を聞きなさい」ということではない。
 9ページの教育ビジョンで、家庭のところに「子育てに責任を持ち、豊かな体験と愛情の中で生活習慣や規範意識などを身につけさせ、心の居場所となっている」とある。家庭との連携を考えたときに、幼稚園や保育園では、小学校以降につなげていくために「あなた、責任持ちなさいよ」と家庭に対して最初にいきなり言ってしまうと、お母さんたちはそれだけで肩の荷が重くなってしまう。何が最初なのかというと「あなたがやっていることはこんなに楽しいことだし、こんなに意味のあることなのですよ」ということを、子どもの姿を通して伝えていくこと。つまり、責任が先にきてしまうと、そこでもう保護者は行き場がなくなってしまう。
 目標としてはこういう姿があっていいと思うが、これから特に生活習慣や規範意識についてのミニマムスタンダードを考えていく時に、結果の姿だけを出していくと、そちらに追い込んでいってしまうということがある。品川区の連携カリキュラムでも、例えば一定の時間座って話を聞くことができる姿というのは、あくまでも結果としてそういう姿になっていくことで、小学校教育につながっていくものではあっても、そこに至るまでの積み重ねを丁寧に学校や家庭と共有していかないと、言葉だけが出ていくということになる。

会長
 とても重要な点である。0歳児から3歳児ぐらいの子どもを持つ母親対象の調査では、子育ては楽しいと感じる割合が非常に低く、子育ては苦しい、逃げ出したいというのが非常に多い。年次的調査を見ていくと、そういうネガティブな反応が高まってきている。そういうことをどうするかということがある。
 沖縄に行ってきたが、沖縄県は、少子化と無縁の県で出生率が高い。なぜ沖縄だけ少子化はないかというと土台が違う感じがする。石垣島の教育委員会や学校に行ったが、地域で支え合う体制がかなり広がっている感じがある。義務感ではなく、もともと子育ては一緒にするものだというのが広がっている感じがある。非常に重要なポイントだろうと思うが、そういうのを盛り込むことはできるのか。

委員
 実はミニマムスタンダードにそういうことを盛り込めるといいと思っていた。行動の最後のアウトプットとして育てていくのではなく、そこに至るまでの情緒発達の大事なところをミニマムスタンダードにいかに盛り込むかだと思う。つまり、分数が解ける、割合がわかるということだけでなく、もう少しその背後にある認知面や情緒面、社会面の力をバランスよく盛り込めるかどうか。資料の最後に「ステップ1、2、3」と書かれているが、これから何年かかるかわからないが、その中身にあるものができるかどうかで、それによっては本当に先進的なものになるし、大事なところになるのではないかと思う。

委員
 中野区の状況について、学力向上や体力向上を冒頭に取り上げている。教育ビジョンでも学力向上に並列するぐらいの形で体力向上も書かれている。第3章「これからの中野の教育」以降には、体力向上や健康教育が書かれていない。確かにスポーツテストを全員でやって、体力向上に取り組んだことで体力は上がってきてはいるが、上がっているのは今の子どもたちが上がっているだけであって、次の子どもも上がっていくという保証は全くない。ここまで言ってきておいて、記述が無いと、体力向上はもういいのかという感想は否めない。

会長
 中野区にもプレイパークはあるのか。

委員
 中野区にはプレイパークがないことから、運動場所の確保が区の大きな課題になっていると思う。そういうものも「これからの中野の教育」の大きな課題になっているような気がする。そうすると、校庭の芝生化の問題も当然関係してくる。

教育長
 現在、検討中の10か年計画改定の素案の中では、区の南部に東大附属中等教育学校用地の一部とNTT社宅跡地を防災公園にすることや区内にサッカー場や少年野球場などの新たなスポーツ施設の整備を図ることが記載されている。中野区としても運動施設を増やすことを考えていないわけではないので、そういうことも視野に入れながら教育として何ができるかは考えていかなければならないと思う。

会長
 教育委員会の所管ではない公園施策という部分もあるのかもしれない。
 今の子どもたちには動物的な感覚を磨く機会がなくなっている。木があっても、その木に登らなかったら、安全な飛び下りを訓練できない。そういう動物的なものがどんどんなくなっていることが一つの課題かもしれない。遊び集団などにしても崩れてきている。そういう体力や学力という定型的なコースワークみたいな世界だけの問題から、もっと裾野を広げて考えていかないと全人的な育ち、発達を保証できるということにはたどりつかない面もあるのではないかと思う。教育委員会の所管だけでは対応できないところもあると思うが、そういう面も少し抽象的でもいいので入れ込んでおくと、その所管で事業化できるだろうと思う。

委員
 保育園・幼稚園と小学校の連携というところで、教育委員会がつくっているのに保育園が入っているところは非常に評価できるのだが、保育園というのは今非常に多様化しており、認可保育園ばかりではないというのが結構大きな問題になっている。公立の幼稚園と公立の小学校が連携するというのは、壁はあってもやりやすいが、無認可や駅前保育園などが非常に多くなっていて、福祉領域が政策的に非常に一種荒れているように感じている。
 そこで、先ほどの話のように小学校に入ってくるまでにどういう力がついているのかというのは、小学校に入った後に機能してきて、小学校の低学年でうまくいかないと、そのままうまくいかないままになってしまうということも考えると、ここで保育園が入っていること自体は非常に評価できるのだが、どこまで入れたらいいのかということがある。小学校の交流というのは、公立幼稚園よりもむしろそういうところがやった方がいいのではないか。小学校というのはどういうところかということも含めて、子どもたちに少しでも体験させておいてあげると、その子どもたちが小学校に入ってきた時にも若干スムーズになるかなという感じもする。難しいところだとは思うが、公立の小学校の近くに無認可保育園がある場合など、そういう連携が進まないと公立幼稚園と小学校だけが、連携が深まり溝も埋まっていって、段差が滑らかになっていくというのは少し違うような感じもする。その辺りをぜひいろいろな学校でチャレンジしていただきたいと思う。

委員
 大ざっぱにいうと、5歳児の3分の2は幼稚園、3分の1が保育園に入っている。幼稚園の場合には区立は今4園しかなく、ほとんど私立幼稚園になっているが、幼稚園についても私どもは公私立関係なく小学校との連携についてはかなりできていると思っている。
 保育園では、確かに、無認可自体の数は少ないが、この辺りは行政としては東京都と一緒になって一定の質と施設の確保という部分をチェックしているというレベルで、小学校との連携という部分の働きかけについては今のところない。区の中で圧倒的に多いのは、認可保育園で、私立も10園ほどあるが、私立も含めて一緒に保育園・幼稚園と小学校の連携に関わっている。
 また、先ほど駅前保育所という話が出たが、認証保育所についても、質の向上という意味では私どもは連絡を取り合っているものの、基本的に認証保育所の場合は5歳までずっといる子どもはかなり少なく、年齢が上がると認可保育園や幼稚園に行くため、ターゲットとして公立・私立含めて認可園を対象にしていれば、保育園に行っているお子さんのかなりの部分はそれでカバーできると思う。

会長
 保育所の待機児はあまりいないのか。

委員
 今年度、23区の中で待機児のいない区は2区ぐらいしかないという状況で、中野区でもかなり急激に待機児が増えてきている。その待機児対策だが、認可園をぽんとつくるわけにはいかないため、認可園の定員拡大や、民営化に伴って園舎を大きくする中で定員を拡大する、または東京都の独自の制度である認証保育所を誘致したり、家庭福祉員を確保したりといった対応をしている。来年度は認定子ども園を2園開園するため、大幅な定員の拡大ができると思う。

会長
 受け皿が問題になってきていると思う。札幌で資生館という、4校を統合した小学校をつくった。約50億円かけて保育所や子育て支援総合センター、ミニ児童会館を一体化した複合施設をつくったが、その1階に200人ぐらいの定員の株式会社がつくった保育所が入っている。行ってみたのだが、とてもにぎやかで保育士もとても明るい顔をしていて、子どもたちも非常に楽しそうだった。ちょうど母親たちが迎えにきているところだったので、すごく生き生きとして、こういうのもいいなと感じた。そういうNPO的なものは中野にはないのか。

委員
 中野区の場合は、株式会社が指定管理者になった区立園が2園ある。まだ株式会社の保育園への参入については限界があるため、どうしても社会福祉法人が主になっている。逆に、東京都独自の認証保育所は、むしろ株式会社の方が主流のため、駅前保育所をかなり大規模な株式会社が幾つも運営している。

会長
 連携という課題が教育委員会から投げかけられて、この会議はそもそもそこから出発しているわけだが、なぜ連携かなどといった議論もかなり出てきていたと思う。その辺りについてお気づきの点があればお願いしたい。

委員
 「2 連携から一貫教育」の中で、グループとブロックという2つの表現が使われているが、グループはいわゆる中学校を一つの単位として地域化していくということで、ブロックは多分現状の4ブロックを使っているものかと思うのだが、17年度に策定された学校再編計画が連携などと関わってくると思っていて、私は頭ごなしに統合がいけないという意見は持っていないが、再編計画の中で統合の可能性がある学校以外の学校であっても、連携の中で見直されるという考え方を一応持っていた方がいいのだろうか。

教育長
 現在のところはこの検討会議と学校再編計画については、私たちとしては連動して考えてはいない。再編は計画のとおり今進めており、今後も進めていく考えだが、検討会議の報告を教育委員会として受けとめて、その方向でいくということであれば、多少考え方を加味したものになる可能性が当然ある。今進めているものについては、少なくともこういうブロックやグループという発想はない。

会長
 連携や一貫という仕組みが全国的に動き始めている感じもあり、港区は来年度施設一体型一貫校をつくる。その話で校長研修会に呼ばれて、全国的な状況やいい面や課題面の話をしてくれということで行ったのだが、結構電話や地方からの問い合わせがある。全国的にこういうことに関心があるのだなと感じている。だから、連携には連携、あるいは一貫の形もあるが、今までの6・3というぶつ切り状態のものを一歩乗り越えるような、未来ビジョンのようなものがないだろうかという視線がかなりあるなという感じは受けている。
 新しい仕組みのため、もしつくるとなれば課題もあることはある。このステップにも施設一体型という記述も出てくるが、施設一体型では一つの建物の中に入り込むので比較的連携がうまくいくことがある。分離しているとキャンパスが違うため、仮に道一つ隔てて小学校と中学校があっても、別々に校長先生がいないといけないし、教職員別々なので、いろいろな課題が出てくるという面がある。基本的に連携を再編の問題と絡めていくのは、恐らく実施計画などの段階での話になっていくので、それは教育委員会に教育委員がいるので、そこで議論されるのだろうと思うが、基本的にここでは「中野のこれからの教育」を理念的に考えた時に、ビジョンとしてどう詰めていくかということになるかと思う。

委員
 現在、小中一貫についての議論はどういう場所で行われているのか。他でもこういう話は出ているのか。

委員
 区として公的に検討しているのはこの検討会議だけである。

教育長
 議論としてはこの場なのだが、今、10か年計画の改定の中で、施設一体型の小中一貫校の設置の検討というところまでは、区全体の政策の中で計画を出して、皆さん方と意見交換しているので、区政の中ではその方向で進んでいきたいという考えを持っている。しかし、それをいつの段階でどのようにやるかということはまだ全然議論もされていないので、この場を受けた教育委員会の中で具体的に実施計画というものをつくっていかなければいけないと考えている。施設一体型の一貫校を、中野区の全学校がやるのか、区内に幾つか設置するかということも全然議論されていない。ただ、その根底には、今までもずっと議論してきたが、先ほどあったような小学校1年生に上がった時の課題、中学校1年生に進学した時の課題があり、それを乗り越えるために、一貫した取り組みや連携した取り組みが必要だろうという議論の中で、一貫校という言葉で出てきているというのはあると思う。

委員
 今、学びの連続性ということが言われており、新学習指導要領の中でも強調されているところで、何らかの形でそういう方向に持っていかなければいけないとは思うが、中野区の教育を考えた時に、そのことと施設一体型の一貫校をつくるということがどのようにつながっていくのかが、私もはっきりしない部分がある。中野区で施設一体型の一貫校をつくるということがまずありきになってしまうと連続性が大事で、どのようにそれを図っていくかというところが見えなくなってしまう。だから、元からきちんと考えておく必要があるのではないかと思っている。

委員
 施設一体型の一貫校をつくることで、どういうメリット・デメリットがあって、どういう効果があるのかということがきちんと皆さんで理解されていればいいと思う。

教育長
 お話のとおりで、学びの連続を大事にしながら、その先に何があるかということを考えていくことが必要だと思っている。

委員
 以前も出た話だが、9年間の一貫したカリキュラムを作るのは、私は非常にいいと思っている。しかし、一貫したカリキュラムを具体的な取り組みや活動も含めたもので策定するとなると、実際にはさまざまな課題があると思う。教員の体制が今非常に厳しい状況にある中で、こういう方向へ持っていくためには、ある程度どこかを軽減していくというイメージが持てないと引いてしまうというのが実態だと思う。だから、その辺りも考えながらこういうことを考えていかないとお題目に終わってしまうと思う。

教育長
 そのとおりで、これを進めていくのであれば、学校の組織運営というか、教育委員会事務局の組織も、学校の支援体制のようなものも考えていかなければいけない。教育委員会事務局や学校の仕組みも当然変わらざるを得ないと思う。16ページのところの図柄には、学校支援の仕組みが書いてあるが、担当の指導主事がきちんと研修をしたり、事務的なことをする地域の担当者を置いたりというようなことで、今そのような職員はいないが、今後、そういう職員も置いて学校の負担軽減や、地域とつないでいく役割をきちんと果たしていくようなことも考えていかなければいけないと考えている。

委員
 一貫教育構想の目的の3本柱を読んでみても、今やっていることとの違いがわからない。これは目的になっていないと思う。また方向性もわかりづらい。今のお話のとおり学校枠で、小学校は小学校、中学校は中学校の教育構想の中で子どもたちの教育にあたるというのではなく、子どもの発達性そのものをとらえたときに一貫教育も必要で、それを目的とした方が、わかりやすい。子どもたちは、小学校5、6年と中学校1、2年とはたまには運動を一緒にやった方が発達にかなっているのでカリキュラムの連続性を持たせなければだめであると言ってくれた方がいいと私は思う。この目的を読んだ限りでは、この目的が今とどこが違うのか私には理解できない。

委員
 これは教育の目的が書かれていて、一貫教育をするための理念は方向性に書かれていて、取り組む内容は現状が書かれているようなので、整合性がとれるように整理した方がいいと思う。

委員
 委員のお話のような発達論からというのは、他の区では先進的な取り組みが割と多い。6年間の中では、小学校5、6年生から子どもたちは変わり始め、小学校の学級担任制とうまく合わなくなり、教科担任制に変わっていくというのは、発達の連続性というよりも、発達の段階ということになると思う。発達から直接カリキュラムになるというわけでもない。ただ、中野区の現在の子どもたちの様子から小中の連携や一貫が必要だというのは非常にわかりやすく、先生方にとっても理解しやすい流れではある。

委員
 そのとおりで、いろいろな観点があると思う。どこにフォーカスを置くか、そこに中野のオリジナリティを出した方がいいと思っている。さきほど会長が、全身を使うような、原始人のようなというか、野山で遊ぶような体力づくりと話していたが、正直言って40年前の小学生の私から見ても、中野ではそういうことは今後ともないと思う。当時から自然の中で遊ぶという環境には恵まれていないし、今から野山をつくるわけにもいかないと思うので、中野でできるところで、こういう考えに基づいてやるというところをもう少しはっきり出した方が、責任ある態度ではないかなと思う。

会長
 目標や目的をもう少し絞り込んでいただきたいというのは前からかなり出ている。
 他の自治体と比べると、中野区は、地域総がかりで子育てや教育に臨もうとするところが大きな特色だと思う。中野区の中に入ってしまうと、とおり一辺倒のように見えるが、他の自治体ではあまり連携がない。私は昨日石垣島で2校見に行ったのだが、ものすごい小規模校なのに学校間連携がない。一つの小学校は児童数が11人で、3キロメートルぐらい先に13人の小学校がある。小中併設校も見たのだが、そこは小学校・中学校合わせて40人ぐらいだが、ほとんど連携がない。小規模校は連携しないと廃校になってしまうかもしれないという危機感があるので、地域とのつながりはある。
 そういう意味では、中野区は連携を組織的にやろうとしている。学校にしてみるとこれはかなり大変で、連携ということになれば、打合せが必要になる。打合せならしないほうが楽に決まっている。だから、簡単なように見えて本当にやるなら結構大変なことである。それをどうやってキャッチフレーズ的に中野区らしさとして打ち出すかという、中身の問題よりもその知恵の出し方の問題なのかなという感じがする。
 社会総がかりでというのは使われてしまったから使えないが、他の自治体と比べるとそこが特色ではないかと感じる。「学校・家庭・地域の連携」というのはどこでも使っている言葉だが、ただ実態は相当違っている感じがある。中野区らしさをうまい言葉で謳ってくれるといいと思う。
 また、教員の多忙感というのは、全国どこに行っても出てくる。教育委員会事務局の幹部職員と話したら出てくるのは二つで、一つは多忙感を何とかしてくれということで、もう一つは臨時採用の解消である。沖縄県では、定数部分の給与を原資にして頭数を増やして、臨時採用がやたらに学級担任をやっているというようなことがある。多忙感についても、教育長は組織を考えなければいけないと言っている。が、先生方の中で優秀な教員が引っ張り出される。
 教員は、子どものためにというのがストンと胸に落ちると、自分の勤務時間を無視して頑張るものである。しかし、ストンと胸に落ちず「何故こんなことをやらされるんだ」という驚愕感があると「勤務時間は終りではないか、もう帰ろう」ということになってしまう。その辺りが難しいところである。住民が教員と関係を築く時には、教員の心理をよくつかんで臨んでいかないとだめだと思う。一般の教員の方たちにそのねらいが、自分の抱えている子どもたちにとって、こういう点で意味があるということがわかれば早い動きになる。その辺りの工夫をお願いできればと思う。

委員
 まさに会長が言ったとおりだと思っている。実は、体力向上委員会が教育委員会の指示で動いて、小学校の低・中・高、中学校と4段階で一つの領域でミニマムスタンダードをつくり上げ、それが昨年度で終わり、それをやるための授業モデルを今年完成させるところまできた。それが、「カリキュラムをつくれ」といわれると「ただやらされるだけでうんざりだ」と言う教員も他の自治体ではいたりする。
 中学校と小学校では体育の指導がガラリと変わる。小学校では主体的に自分で課題を見つけて、自分で練習メニューをつくって取り組んでいくが、中学校では教師指導型で技能習得型、技能を教え込む型に変わっていく。これがさきほど言った発達の違いかもしれない。子どもたちは全然不満を持っていないが、小学校の教員にとっては中学の指導は不思議で仕方がない。一方、中学校の教員は「えっ、こんなこと小学校でやっているの」という状態である。私も中学校と小学校の体育教員と一緒に話し合って初めてわかった。今、会長が言ったように、頭の中ではなく、作業の中でどう教員が連携していくかが一番大切のような気がしている。ただ多忙感は間違いなくある。

委員
 おっしゃるとおりで、我々から見ると小学校と中学校の教員は同じに見えるが、教員は全くの異文化にふれている感じになっている。異文化交流を進めない限りは、一貫というのはできないと思う。お話のとおり、何故お互いが違うかというところがわかってくると腑に落ちるのだが、わからないためにお互いを批判しているという感じになってしまう。中野区は違うと思うが、他のところでは、取り組みを進めていく場合に最初にそこでつまずいてしまうことがある。しかし、例えば中学生になると自己肯定感がすごく下がってくるが、小学校の低学年の子どもたちと交流することで自己肯定感が上がってくるとか、そういう先行事例はいろいろあって、中学校でここができなくなるというのは、小学校のここのところをしっかりやっておくと補えるのではないかというカリキュラムの連携であるとか、具体的に子どもたちにとってこういうメリットがあるというのを示しながら、連携や交流を進めていくというようなステップがあると思う。それがいきなり小中一貫カリキュラムということできてしまうと、果たして何が変わるのかなという感じがする。実際にやってみると、特に子どもたちによい影響があると、やろうかなという教員が出てくる。そうすると学校は動いていくような感じがする。

委員
 こういうことがいいのでここを目標にするという理念のレベルの話と、それが子どもにどういう効果があるか、今言われたような、小学校の時にこれをやっておくと中学校でつまずかない効果があるといった子どもへの効果、教員の雑務が小中一貫にすることでこういうところが減るという教員の効果、そういう効果の話と、そのために何をするかという方向の話があって、それが整理されていない感じがする。今お話を聞いていて、中野の特色は何だろうかと思っているのだが、もしかしたらボトムアップ的にやっていけるかもしれない規模であるというのも逆に面白いと思った。
 だから、ここですべてを作ってしまうのではなく、実際にやってみるところから、こういう違いがあるということから考えていくということは、上からお題目だけが降ってくることが多い中で、そういうボトムアップ的にできるというのはすごく意味があるのではないかと思った。というのは、中央区がドライだと会長の話にあったが、今、中野区は学校がリーダーになれるというところも一つの特色だと私は個人的には思っている。区によっては学校がほとんどないような区もあるし、高学歴な人ばかりが住んでいて、公立の学校は全然リーダーではないという地域も正直ある。あるいは、広すぎて学校が追いつかないというところも、統制がとれないところもあると思う。中野区は小さなところに結構学校がたくさんあり、しかもいろいろな方が住んでいて、その中で学校が一つのわかりやすいシンボルになっている、少なくとも核になっている。それは中野区の力でもあり、特色でもあるところかなと思う。リーダーになれる学校が自分たちでボトムアップ的につくっていくというのはとても面白いと思っている。

委員
 多忙感などの問題はあるが、保育園も、幼稚園も、小学校も、中学校も、それぞれ一生懸命やっていて、ただ、ここで整合性がうまくとれないというのが一番の問題だと思う。実は幼稚園での運動遊びが小学校の体育のこういうところにつながるとか、そういうことをそれぞれが意識していれば、学びの連続、発達の連続がもっとうまく図れると思う。また、小学校の中でも学年で切れているところがあると思う。任されたその学年のことはやるが、その前の学年で勉強してきたところを十分理解できているかというと、そうでもない。そういうことから、連携といっても、異校種間だけではなく、学校内の連携も考えなくてはいけない。そのためカリキュラムが一番納得のいくところなのではないかと思う。
 この間、本区で体育の研究発表があり、跳び箱の授業を見たのだが、跳び箱には、助走があって、踏み切りがあって、手を突いて、空中姿勢があって、着地があってという運動要素がある。個々の運動要素は幼稚園の運動遊びの中で全部やってきているものだ。今幼稚園でやっていることが小学校でこういうふうにつながってくるんだという意識を教員が持つことで、もっと変わってくると思う。それは生活指導も全く同じで、整合性を持たせていくためにも、串刺しのお団子の間があいていて、その間をどう埋めるかということを連携だと考えがちだが、そうではなくて、そこをぎゅっと縮めてつくね状態にしていくということが一貫教育だと考えるといいのかなと思う。
 理念的なことはそのようにやっていくが、現実問題としてカリキュラムを作らなければいけない、ハード面はどうするのかと、その問題になってしまうと、話が違う方向にいってしまう。今やっているところが疲弊しているのは、カリキュラムをつくるとか、ハード面をどうするかというところに話がいってしまっているからで、本来は今やっていることをもっとよりよく考えていく中で整合性を持たせるというところに意識を変えることだと思っている。それは皆プロだからわかると思うが、そのようなことをお互いの授業を見ながら話ができるといいし、それが意識を変えていく一番ではないか。それが「連携教育から一貫教育へ」という流れなのだと思う。

会長
 小中併設校だと小学校5、6年生に中学校の先生がよく出前しているが、中野の場合そういう形はどの程度行われているのか。

委員
 本区ではなかなかできていないが、勉強会があるのでやれないことはない。時間割の問題などがクリアできればできる。区によってはそこに人をあてて、講師をあててその時間を持たせて、中学校の教員を小学校へ持ってくるということはやっている。

委員
 出前授業は本校も私の前任校も何回かはやっているが、年間に数回程度なのでそれが本当につながっていくものにはなっていない。

委員
 体育は研究会という形で行ったのか。

委員
 小学校教育研究会と中学校教育研究会のつながりはほとんどない。小学校と中学校で今連携を持っているのは、体力向上委員会のみで、これは6年間継続されている。

委員
 そういう委員会のようなものをつくって議論していく方がいいかもしれないということか。

委員
 委員会で議論していくにしても、教員が忙しくてなかなか集まれないという実態もある。

委員
 学校5日制になって、また新学習指導要領が入って週の授業時数が増えると、かなり厳しくなるという思いはある。

委員
 新学習指導要領が完全実施になると、小学校でさえほとんど、低学年まで6時間となり、下校指導を終わらせると3時半を過ぎるようになる。これからは研究授業なども相当困難な時代になってきて、現実的に勉強する時間を確保できないということになっていく。

会長
 いろいろなところで出ていることがほとんど出たような感じだが、課題はやはり山積している。

◆議事(3)特別支援教育の充実について

 資料2「特別支援教育の充実」により説明。

会長
 事務局からの説明内容について、質問・意見があればお願いしたい。

委員
 特別支援教育のコーディネーターの養成があると一つの大きなポイントになってくると思うが、コーディネーター研修などはどうなっているのか。校内委員会なども開かれてはいるが、学校内での認識によって非常に形式的なところもあれば、気になる子どもたちをきちっと網羅するような形で行われている地区もあり、同じお題目が書かれていても地域によって研修のやり方など、中身が全く違うというところに、過渡期の特徴があると思うのだが、その辺りはどうなのか。

委員
 コーディネーター研修では、区独自でやっているコーディネーター連絡会を通しての新任コーディネーターの研修の場になっているというのが一つある。

委員
 どのくらいの頻度であるのか。

委員
 年3回である。中野特別支援学校が地域の拠点になっていて、中野特別支援学校が夏休みに中野区と渋谷区と新宿区の3区合同で19年度から毎年中野でもやっているのがあり、今年は中野区の小学校を会場にして、5日間ぐらいを集中してかなりの講座数をやった。そこには中野区全校のコーディネーターが参加し、さらに特別支援教育に関心のある先生方もかなり参加していた。

委員
 中野区は、アポロ園や中野特別支援学校もあるので、リソースとして恵まれているのではないかと思うが、実際の様子はどうなのか。

委員
 特別支援教育の意義や目的がやっと学校の中にある程度は理解されてきたのではないかという感じはするが、まだいわゆる過渡期だと思う。例えば個別指導計画についても、本当に教育活動の中で十分に生かされるものになっていない。さきほどの学びの連続性ではないが、個別指導計画を生かしていく必要感があって作っているならいいが、個別指導計画をいつまでに作って、いつまでに提出しなければならないから作るという側面があると思う。
 また、巡回相談についても、本当に学校や子どもたちのニーズなどに応えるものであるならばいいが、何回も来てもいつも同じような形でやられているのではマンネリ化してしまう。もう少し工夫していくといいと考えている。私は、巡回相談員の方が子どもを見ていろいろ言うのはいいと思うが、この子どもに対して全体の教員で共通実践できる内容について一緒に考えていただけますかみたいなお願いをして、一緒に考えてもらったことがあるが、そんなふうに巡回相談が実際に生きていくような、そういうところをきちっと検証して考えていかないといけないのではないかなと思っている。コーディネーターもまだそこまで見て考えていくというようにはなっていない。

委員
 該当児が非常に多い学校と少ない学校がある。先日各学校に配付された個別指導計画の作成一覧を見ると、一桁のところもあり、30名くらいのところもある。私のところは年度当初に生活指導全体会で、全教職員で共通認識を図っている。
 当然、巡回指導員にもお願いするが、全員回っていたらとても終わらないため、コーディネーターの方で、今回はこの子とこの子が緊急を要するからという形で、座席表まで全部用意して見ていただいて、個別に指導を受けるというような形にしている。そうすると、その間、時間がもったいないので隣の職員室で緊急連絡会をやっている。
 特別支援が始まって、理念に文句を言う人はだれもいないし、教員だから必要なことだとわかっている。やらなければいけないこともわかっているし、自分が担任している子どものことなので時間が過ぎてもやる。ただ、問題は、巡回指導員がきて支援してもらっても、やるのはすべて担任である。理念もわかり、いいことだとわかっていてもまた担任の仕事が増えるだけである。巡回指導で、今は医者も来てくれるが、その話を全部聞いて対応策を考えるのは担任であり、個別指導計画も担任が作成している。19年度まではなかった仕事が増えている。多忙感どころではなく、多忙だということを申し上げるしかない状態だ。

委員
 コーディネーターの時数を減らす、あるいは、校内の位置づけの中で工夫して、コーディネーターが連携して、一緒につくっていくというようなスタイルをとっている地域もある。また、巡回相談についても、特別支援の対象者が少ないところと多いところとあったら、同じ5回ずつではなくて、多いところにはもっと配分する、人数で回数を配分する工夫をしているところもある。ただ多忙感が増えているというのはとても悲しい話で、それなりにリソースもあるわけなので、もう少し考えたらいいのではないかなと思う。

委員
 特別支援コーディネーターについては、やっと定着してきたところだが、実際は担任がやっている。経験もないので、そういう意味ではかなり負担なため、一人での対応でなくサブを指名している学校もある。

委員
 支援員や講師を加配でつけている区もあるが、中野区ではそういうのはない。

委員
 私が感じているのは、巡回相談にこられて、この子はこうだということで一緒に考えながら、支援対象の子どもたちをピックアップしているが、そのピックアップされた子どもたちの中にも、普通の学級の中で十分に順応していける子もいれば、かなり厳しい状況の子もいる。それを一様にこういう指導計画ということでやるのではなく、学校の教育全体の中でこの程度のことは何とかやらなければいけないということではないかと思う。

委員
 就学相談の見直しが、各学年であったり、低学年から高学年の節目に行っているところもあれば、9年間の義務教育のうち入口のところだけで、通常学級となってしまったら、絶対固定学級が必要な子であってもそのまま通常学級にいるという区もあり、地域によってバラバラである。そこの問題も含まれているのではないかと今のお話で思っているが、通級学級がどう機能しているかが問題で、通級学級の教員が個別支援のところでこういうことをやったほうがいいということをかなり明確に出してくれている地域もある。

委員
 軽度発達障害については、通級の情緒障害学級が実態に合っていると思うので、もう一つ増やすことには大賛成で、早急にこういうのを進めていっていただきたいと思っている。

委員
 通級でどう学んでいいかがその子や周りの教員もわかったり、その子もそのことで達成感を得て、通常学級での行動も落ちついてくることがたくさんあると思う。あとは、今、出なかった話題として一つは授業のユニバーサルデザイン化というような形がある。学校の中でカリキュラムづくりという、一貫教育のこととも重なるが、わかりやすくて楽しい授業にすることで、障害のない子どももそうでない子どもも授業がわかる、授業がわかるから落ちついてくる。授業や指示がわかりにくいためにわからなくて、皆とりあえず我慢しているが、正直な障害のある子どもは我慢できなくなってしまう。そういう例がとても多いので、特別支援は担任の多忙感があふれているということだけではなく、もっと学校づくり、授業づくりに生かしていくような、特別支援側からのリソースの使い方、せっかくアポロ園や中野特別支援学校もあるので、そういうところまで踏み込むということもありうるとは思う。
 授業がうまくいくと、教員も楽しいし、やりがいもある。そうすると、A君がいるからといって教員も困っていない。でも、学級経営とか授業がうまくいかなくなってしまうと、教員も苦しいし、A君がいることが負担に感じてしまうことになってしまうので、そういった支援の包括的な見方も一方で大事かなと思う。

教育長
 特別支援教育の現状の中から課題をつかみ出していただくということもあるが、前段で議論している一貫教育構想の中で、今始まった特別支援教育がどういう位置づけでこれから中野の中で進めていったらいいのかというようなことを、今後ご議論していただきたいと思い、このテーマを出している。

委員
 そういう意味では、資料の一番後ろに書いてあるが、急な予定変更や新しい環境にすごく弱い部分があるLDやADHDの子どもにとっては、一貫ということで環境が守られることはとてもいいことがあるかもしれない。ADHDとかLDについても小さい時から対応が可能で、ずっと一貫した対応を続けていけるというメリットもあるかもしれない。でも、逆に言うと、さきほど言ったように最初の入口のところだけで、あとはチェックがない、支援がないということになってしまうと、初めよければずっとよい、初め悪ければずっと悪いに、一貫校は逃げられないということもある。それは普通のお子さんにとっても同じだと思う。

教育長
 地域との関係で言えば、地域全体で取り組みましょうという提案をさせていただいているので、その中で学校での取り組み、あるいは、保育園・幼稚園までの取り組みと、地域でのかかわりをどう大事にしていくかというのを議論していただきたいと思っている。

委員
 地域での取り組みだが、最寄りの中学の方から「発達障害の子どもがクラスにいて、その子がどこかに行ってしまうと、授業をしている先生が探しにいったりしないといけないので、だれかそれを押さえてくれるような人はいませんか」という話を受けている。親がそういう障害があるということを認めないので、介助員をつけられないらしいのだが、やはりそうなのか。

委員
 その子の実情を校長が判断すればつけられるが、介助員の数が本当に少ないので、そういったこともあるかもしれない。ただ、親が認めていないとつけられないということはない。

委員
 「3 一貫した支援」で、「教育期間終了後も支援が引き継がれていけるような体制の~」と書いてあるが、以前この特別支援教育が始まった時に中野区で発達障害についての研修のようなものが行われたと思うが、その1回限りでそれ以降は行われていない。何故そういうのを継続的にやっていかないのか。

教育長
 地域や保護者の方への理解がとても大事だと思っているので、機会をとらえていろいろなところでやりたいと私としては思っている。

委員
 地域のことは非常に大事である。通級学級に行ったり固定学級に行ったりした方が、地域からは離れてしまうということへの不安感からそれができない、または偏見が怖いからできないという親たちもたくさんいると思う。そういう意味では地域や周りの子の保護者も含めた保護者の方の理解とか、学校教育だけではなく地域の中でつながりを持つことが必要だと思う。その子の教育も保証され、地域とのつながりも保証されるという意味で、副籍はとてもいいと個人的に思っていて、地域との取り組みということがとても大事だと思っている。

◆議事(4)その他

会長
 特別支援を含めて次回また議論させていただきたい。今後の日程について、事務局からお願いしたい。

事務局
 事務局で1月に検討会議の検討状況についての区民説明会を行う予定である。1月に開催する検討会議の中で、その説明会で出された区民からの意見も報告したいと考えている。
 次回の検討会議は、既に確認いただいているが、1月20日(水曜日)午後7時から当委員会室で開催する。また、2月には議会等の関係があるため、2月9日(火曜日)午後7時から当委員会室でお願いしたい。

会長
 1月と2月の検討会議で協議が終わることになるかと思う。その後教育委員会に報告し、教育委員会の方でどう受けとめるか決めていくという段取りになるだろう。

委員
 区民の声を聞くというのは、どういう形になるのか。

事務局
 教育委員会事務局から、検討会議の検討状況の概要について区民への説明を行い、そこでの意見を事務局の方でとりまとめ、次回の検討会議に資料として出したいと思っている。

会長
 本日はこれをもって終了する。

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このページは教育委員会事務局 子ども・教育政策課(教)が担当しています。

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