放射線の人への影響
放射線・放射能・放射性物質ってどんなものですか
放射線被ばくを減らすにはどうすればよいですか
放射線を浴びるとどうなるのですか
放射線の人への影響
放射線は人の遺伝子を傷つけるので、放射線をできるだけ受けないようにすることは大切です。しかし、放射線と共存しつづけてきた地球上の生物には、遺伝子の傷を修復するさまざまな機能が備わっています。
放射線被ばくによる人への影響は、ある一定の線量(しきい値)を超えて被ばくすると発生する影響(=有害な組織反応)と、被ばく線量が増えるにつれて発生率が増えると仮定されている影響(=確率的影響)があります。なお、放射線被ばくによる人への影響は放射線によって細胞が傷ついたことが原因で発生しますが、放射線以外の原因で細胞が傷ついた影響と区別が困難です。例えば、疲労感や鼻血は、確かに有害な組織反応として放射線被ばくでも発生しますが、原因が特定できない(=原因不明である)からといって、放射線被ばく線量がしきい値より低いと考えられる場合にも放射線が原因として、他の原因を無視してしまうのは、症状改善や再発防止には得策とはいえません。
参考
- 環境省 放射性物質対策に関する不安の声について(新しいウィンドウで開きます。)
- 量子科学技術研究開発機構 放射線Q&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク 双葉町等での疫学調査の「報告書」について(新しいウィンドウで開きます。)
- SMC JAPAN 鼻血がでる原因から、考えられる放射線の影響による鼻血のメカニズムまで(新しいウィンドウで開きます。)
確率的影響
確率的影響は、被ばくした年齢が若いほどリスクが大きく、被ばくから年数がたつほど、相対的なリスクは小さくなります。例えば30 歳で全身に1,000ミリシーベルト放射線被ばくした人が70歳になったときのがん死亡リスクは、被ばくしていない人より、およそ40パーセント増え、被ばくした年齢が10歳若いとさらにおよそ30パーセント増えますが、10歳の加齢で10~15パーセント減ります(放射線影響研究所 原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報 参考資料)。
2021年の70-74歳の日本人のがん死亡率はおよそ0.6パーセント(1,000人に6人)です。
上記より、例えば30歳のとき1,000ミリシーベルト被ばくすると、70歳のときがんで死亡する確率はおよそ0.2(=0.6×0.4)パーセント(被ばくした1,000人に2人)増えて、およそ0.8(=0.6+0.2)パーセント(被ばくした1,000人に8人)になります。
確率的影響のリスクが被ばく線量と直線比例する(=被ばく線量が10倍になったら、リスクも10倍になる)仮定を使って推計すると、30歳で1ミリシーベルト被ばくした人が70歳のときがんで死亡する確率は、およそ0.0002(=0.6×0.0004)パーセント(被ばくした100万人に2人)増えます。
参考
- 日本アイソトープ協会 Isotope News 2018年4月号 No.756 放射線防護に用いられる直線しきい値なし(LNT)モデル:NCRP最新知見(新しいウィンドウで開きます。)
- 放射線安全研究センター LNT理論に関する論争(新しいウィンドウで開きます。)
- 日本学術会議 しきい値なしのモデルとリスク受容の課題(新しいウィンドウで開きます。)
がんについて
がんになる原因は膨大で、自然放射線からの被ばくが原因に占める割合は数パーセントと考えられています(がん死亡リスクの比較)。
2020年の日本人の都道府県別75歳未満年齢調整がん死亡率は、男性では最高の青森県(およそ1万人に11人)と最低の長野県(およそ1万人に7人)、女性でも最高の青森県(およそ1万人に6人)と最低の福井県(およそ1万人に4人)と、およそ1.5倍の差があります。
したがって、1ミリシーベルトの被ばくによるがんリスクの増加の可能性(100万人に数人)より、日常生活習慣に基づくがんリスクの変動幅の方が100倍くらい大きいといえます(健康を管理する)。そして、放射線によるがんも、放射線以外の原因によるがんも、遺伝子の突然変異というがん化のしくみは同じと考えられているので、科学的根拠に基づくがん予防方法は、放射線によるがんの予防にも有効と考えられます(放射線被ばくとがん)。
エックス線検査など医療で浴びる被ばくは健康に影響がありますか
福島第一原発事故に伴う放射線・放射性物質
各種相談先
- 環境省では、放射性廃棄物の問い合わせを電話で受け付けています。(新しいウィンドウで開きます。)
- 経済産業省では、放射線測定に関する相談を電話・ファクス・メールで受け付けています。(新しいウィンドウで開きます。)
- 量子科学技術研究開発機構では、放射線被ばくの健康相談をメール・郵便で受け付けています。(新しいウィンドウで開きます。)
- 東京都診療放射線技師会では、放射線被ばくの相談をメールで受け付けています。(新しいウィンドウで開きます。)
詳細情報リンク
基礎知識
- 環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(2022年度版)(新しいウィンドウで開きます。)
- 東京都健康安全研究センター 環境保健衛生講習会(動画配信)(新しいウィンドウで開きます。)
- 文部科学省 放射線副読本(2018年10月改訂)(新しいウィンドウで開きます。)
- 放射線影響協会 放射線の影響がわかる本(2000年11月改訂)(新しいウィンドウで開きます。)
- 日本原子力研究開発機構 原子力百科事典(新しいウィンドウで開きます。)
- 日本分析センター 日本の環境放射能と放射線(新しいウィンドウで開きます。)
各種Q&A
- 文部科学省 原子力損害賠償に関するQ&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 農林水産省
農畜産物に関するQ&A(新しいウィンドウで開きます。)
汚泥肥料に関するQ&A(新しいウィンドウで開きます。) - 消費者庁 食品と放射能Q&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 水産庁 放射能と魚のQ&A(新しいウィンドウで開きます。)-7月25日更新
- 東京都健康安全研究センター 放射能Q&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 量子科学技術研究開発機構(旧放射線医学総合研究所)放射線Q&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 長崎大学原爆後障害医療研究所 放射線・放射性物質Q&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 国立環境研究所 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A(新しいウィンドウで開きます。)
- 日本保健物理学会 専門家が答える暮らしの放射線Q&A(2014年)(新しいウィンドウで開きます。)
このページについてのお問い合わせ先
健康福祉部 保健予防課(中野区保健所) 結核・感染症予防係
中野区保健所2階5番窓口
電話番号 03-3382-6500 |
ファクス番号 03-3382-7765 |
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