こころの健康づくり-2

2.ストレスがもたらすこころの病気とは?
ストレスが強すぎたり長く続いたりすると、心身が疲れ果てて、身体面、心理面、行動面にさまざまな症状が現れます。ストレスと関係の深い症状として、うつ病、神経症、心身症の3つが挙げられます。これらは、ストレスに対する体の防御反応の結果として現れるものです。
(1)うつ病
うつ病は、わたしたちが最もかかりやすいストレス病です。「こころの風邪」とも言われ、誰にでも起こりうる病気です。
その症状は、やる気が起きない、気分が落ち込む、物事をすべて悲観的にとらえるなど精神的なものだけでなく、めまい、耳鳴り、動悸や、頭痛、肩こり、吐き気などのかたちで現れることもあります。症状は、朝方に出て、夕方に落ち着くことが多いようです。
また、春先から春にかけての「木の芽時」はうつ病が増える、と言われます。これは、就職や転職、入学、引越しのような生活環境の変化が影響しているようです。
几帳面な人、頑張りすぎる人、責任感が強い人、律儀な人、真面目な人、融通がきかない人、繊細な人などが、うつ病にかかりやすいとされています。最近では若い人のうつ病も増えています。
適切に対処すれば回復する可能性が高い病気ですので、症状が出たときは早めに対処することが大切です。放置すると回復が遅れたり、最悪の場合は自殺に至ることもあります。何もする気が起こらない状態や、憂うつな気分が2週間以上続いているときは専門医に気軽に相談しましょう。ときには家族や職場の方のサポートを得ることも重要です。
(2)神経症
精神的ストレスが引き金になって起こるこころの病気が神経症です。その症状は、外出したり乗り物に乗るのが怖い、戸締りをしたか不安になり何度も確認する、不潔感がぬぐえずに繰り返し手を洗う、自分の記憶や感情が混乱する、などさまざまです。全てに共通するのが強い不安感です。極度の不安感から、不眠、食欲不振、頭痛、めまいなどの症状が現れることもあります。
神経質な人、心配性の人、完璧主義の人、潔癖症の人がかかりやすいとされています。職場や学校、家庭での人間関係や、引越しのような生活環境の変化などがきっかけになることもありますが、その人がもともと持っている素質や性格、ものの考え方によるところが大きいようです。
治療には、病気の源にある極度の不安を取り除くことが第一なので、病院でのカウンセリングや心理療法が必要です。
(3)心身症
精神的ストレスが引き起こす体の病気が心身症です。
外部からストレスが加わると体はそれに反応しますが、時としてこの反応が体の病気となって現れることがあります。具体的には、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、胃・十二指腸潰瘍、狭心症、円形脱毛症など、その症状は全身に及びます。
心身症はこころの病気です。ストレスに対する体の防御反応が過剰になり引き起こされます。検査の結果、身体的な異常が見つかる点で、うつ病や神経症とは区別されます。
がんばり屋の人、イライラしやすい人、せっかちな人は、自分でストレスを作り出してしまう結果、心身症になりやすいと言われています。
心身症の治療には、体の治療とともにこころの治療も必要です。
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