4-2 「小さな区役所」で、質の高い行政を実現するまち
10年後のまちの姿
「『小さな区役所』で、質の高い行政を実現するまち」として基本構想で描く10年後のまちの姿は、次のとおりです。
4-2 「小さな区役所」で、質の高い行政を実現するまち
- 区は、区民の参加を保障する区政運営を行っています。
- 区は、税財源の確保、歳出の抑制、民間活力の活用など財政構造の改革に努め、持続可能な、安定した区政運営により、区民にとって満足度の高い、効率的な行政を進めています。
- 区民の安心な暮らしを守るため、区は適切な危機管理のしくみを整えています。
- 民間が行う公共サービスの質、量を確保するため、区による評価・監視のしくみを整えています。
- さまざまな手続きや相談などについて、情報通信技術の利用によって区民の利便性が高まるとともに、区民と区の双方向による情報交換へと情報の伝達方法が変わっています。
- 情報通信技術を活用して、区民が情報を得たり、安全に取引したりすることが可能になるなど、生活の質を高める環境が整備されています。同時に、電子化された個人情報の保護が図られています。
- 区立施設が適正に再配置され、使いやすい施設により、必要なサービスが効率的に提供されています。
現状と課題
パブリック・コメント手続や外部委員による行政評価など、区の政策形成への参加のしくみは整っていますが、区政運営のあらゆる段階で手応えのある区民参加が行われ、区民の意見が庁内で共有されながら、適切に区政に反映されるしくみづくりが必要です。
現在の区の財政は硬直化しており、業務の民営化や民間委託など民間活力の活用も不十分な状態です。区民のニーズに基づく新たな課題や今後の施設需要に的確に対応できる行財政構造にしていく必要があります。
区は危機管理ガイドラインを策定し、全庁をあげてリスク管理に取り組む体制を整えていますが、職員一人ひとりが常にリスクを意識し、いざという時に的確に対応していく必要があります。
現在区は区民の権利を擁護するため、福祉サービス苦情調整委員や権利擁護センターを設けていますが、今後さらに区民が安心してサービスを選択できるしくみを充実させる必要があります。
申請や届出等の行政手続きは窓口での対応が中心であり、インターネット上で対応できるのは情報公開請求などごく一部です。区民が窓口に来なくても、いつでもどこでも手続き等ができるよう、インターネット上での対応業務を拡大していく必要があります。あわせて、電子情報セキュリティ対策を推進し、個人情報保護の徹底を図る必要があります。
区立施設は、数が多く、単独目的で設置され、老朽化が進んでいます。また、区民ニーズにあった施設配置となっておらず、需給のアンバランスが生じています。区民ニーズに対応した再配置を行うとともに、既存施設の転用や複合化など施設の有効活用を図ることが求められます。
施策の方向 「小さな区役所」で、質の高い行政を実現するまち
区民満足度の高い「小さな区役所」の実現
目標とする姿
「小さな区役所」では、区民の意思に基づいて、明確にされた目標の下、事業部が相互に連携しながら、2,000人の職員体制で、困難な行政課題に対応し、最小の経費で最大の価値を地域社会にもたらしています。
発生主義会計の導入により、民間と同様の基準で分析・評価が可能な形で、効率的でガラス張りの行政経営が行われる一方、公正・公平で創造的な政策に基づく行政運営が行われ、全国の自治体をリードする存在となっています。
成果指標と目標値
成果指標 | 指標とする理由 | 実績 | 21年度目標値 | 26年度目標値 |
---|---|---|---|---|
ずっと住み続けたいと思う区民の割合 | 区民の中野のまちの利便性や地域性、環境や雰囲気などへの総合的な評価を示すため。 | 32.2% (16年度) |
40% | 50% |
職員1人あたりの区民の数 | 少数の職員で行政サービスが効率的に実施されていることを示すため。 | 102人 (17年度) |
117人 | 142人 |
おもな取り組み
区民の意思を反映したPDCAの浸透
(担当:区長室 経営改革分野ほか全分野)
目標と成果による区政運営をより徹底、進化させ、「計画―実施―評価―改善」のサイクル(PDCAサイクル)により常に改善を行い、区民の意思を反映した公平公正な政策づくりを進め、顧客満足を高めていきます。
政策の科学的研究の強化
(担当:区長室 政策計画分野ほか)
計画的な人材育成によって職員の政策形成能力を高めるとともに、外部の専門家の力を取り入れて、政策の研究・開発を行うしくみを庁内に設置し、常に区民ニーズに的確に対応した施策を展開していきます。
区民の不利益救済の推進
(担当:区長室 政策計画分野ほか)
区民が行政運営の中で受ける違法または不当な取り扱いをなくすとともに、今後民間事業者やNPO法人など多様な主体によりサービスが提供されるようになる中で、区民が安心してそれらのサービスを利用することができるよう、速やかに不利益を救済するしくみを推進し、区民の権利を保障していきます。
公会計の改革と確実な予算編成
(担当:総務部 財務分野ほか)
発生主義会計を導入し、資産やコストなどの経営情報の的確な分析と区民との情報共有を徹底する公会計の改革を行います。
中期的な視点から複数年単位で編成・管理できる複数年型予算を導入し、成果重視で柔軟かつ効率的な予算編成に変えていきます。
また、確実な歳入の把握と、歳入に見合った歳出規模で適正な予算編成を行い、決算時の剰余金については、繰越金として翌年度の予算に計上し、大型事業や積立基金の原資とします。
コストを意識した業務の改善
(担当:区長室 経営改革分野ほか)
行政活動のコストと効率性を民間と比較可能な形で分析・評価する活動基準原価計算(ABC分析)や、市場化テストなどサービスの提供主体について民間と競争するしくみを導入することによって、業務の効率化を進め、区民にとって価値の高いサービスを提供していきます。
民間からの人材登用と職員定数の削減
(担当:区長室 経営改革分野、総務部 人事分野)
新規採用は極力抑制するとともに、多様な人材を確保するため、その時々の必要に応じて、任期付採用などにより民間からの登用や経験者採用を積極的に行い、変化の激しい行政課題に対応していきます。
また、業務の実態に合わせた転職や職種ごとの職員配置を適切に行い、職員の定数削減を進めます。
区民ニーズの変化に対応した区立施設の再編
(担当:区長室 政策計画分野、総務部 営繕分野ほか)
少子高齢化による人口構成の変化等による区民の施設ニーズの変化に適切に対応していくため、区立施設の再編を行います。再編により不用となった施設や土地については、他の機能への転換や民間への貸与などで有効活用を図ります。また、新たな施設整備のための財源とするため、必要に応じ売却も行います。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
目標と成果による区政運営の徹底、推進 | 推進 → | ||
政策の研究・開発の体制整備と稼動 | |||
民間サービス利用の苦情対応のしくみの検討 | 民間サービス利用の苦情対応のしくみ充実 | ||
発生主義会計の導入検討 | 発生主義会計の試行 | 発生主義会計の導入 | |
ABC分析や市場化テストの検討・試行 | ABC分析や市場化テストの実施 | ||
短時間勤務職員等の採用 | |||
任期付職員の採用 |
区民の暮らしを守る体制の整備
目標とする姿
区民の安心と安全を脅かす事態が未然に防止され、また、災害や事件・事故が発生した場合には被害をできる限り最小限に食い止める対策が構築され、区民の暮らしが守られています。
成果指標と目標値
成果指標 | 指標とする理由 | 実績 | 21年度目標値 | 26年度目標値 |
---|---|---|---|---|
区民の危急時に的確に対応できる職員の割合 | 区民の危急時に、身近に接した職員が初期対応を行うことができることを示すため。 | 4.5% (16年度) |
100% | 100% |
おもな取り組み
危機管理体制の整備
(担当:総務部 防災分野ほか全分野)
自然災害をはじめ、重大な事件・事故や健康被害などの事態発生に備えた情報連絡体制の確立とともに、危機管理対策会議を経て設置する各対策本部が機能し、被害を局限する措置を円滑に講じられるよう体制整備を図ります。
事業を行う上で想定されるリスクを常に分析・評価し、リスクの回避や軽減などに対応するリスク対策を徹底して実施します。
国民保護法による措置に、的確・迅速に対応するための体制を整備します。
危急時に的確に対応できる職員づくり
(担当:総務部 人事分野)
全職員が救急救命の基礎的知識・技能を修得し、危急時の初期対応ができるようにします。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
職員の救急救命講習の受講推進 | 職員の救急救命講習の受講推進(全職員受講) | 推進 → | 推進 → |
便利で利用しやすい行政サービスの拡充
目標とする姿
区民が、いつでもどこからでもインターネット環境を活用して、必要な情報を得ているとともに、各種行政手続きができる環境が整っています。
コンビニエンスストアなどの利用、窓口開設時間の拡大などにより、窓口サービスの利便性が高まっています。
成果指標と目標値
成果指標 | 指標とする理由 | 実績 | 21年度目標値 | 26年度目標値 |
---|---|---|---|---|
電子申請対応件数 ※区の申請事務のうち、電子上の手続きが可能なものの件数を示す数値 |
各種の手続きが即時に可能になる電子区役所の実現状況を示すため。 | 30件 (16年度) |
441件 | 対応可能 全手続き |
利用者満足度(アンケート調査) | 窓口サービスの利便性、迅速性、正確性などの満足度を示すため。 | 93% (15年度) |
95% | 97% |
おもな取り組み
電子区役所の構築
(担当:総務部 情報化推進分野ほか)
区政に関する情報は、インターネットを通じて区民が得ることができるようにします。
申請・届出等の行政手続きについては、インターネットを利用した手続きのオンライン化を進め、区民の利便性の向上と事務の効率化・簡素化を図ります。また、契約手続きについても電子入札を実施します。
マルチペイメントネットワークシステムを導入し、使用料・手数料、税、保険料などをパソコンや銀行のATMなどから納付できるようにすることで、区民の利便性の向上と事務の効率化・簡素化を図ります。
施設を利用する区民が、インターネットから施設の予約や空き状況を確認できるシステムを構築します。
GISを利用した地図情報の提供
(担当:総務部 情報化推進分野ほか)
統合型GISを構築し、福祉やまちづくりなどの情報を盛り込んだ電子上の地図をホームページで区民に提供します。
窓口サービスの効率化と利便性の向上
(担当:区民生活部 戸籍住民分野ほか)
地域センターで行っている行政の総合窓口機能を、取り扱い事務量や距離などを考慮し、5か所に集約して効率化を図る一方、区立施設やコンビニエンスストアなどを活用した証明書の交付を行います。
夜間窓口の取り扱い業務の拡充、駅などの交通結節点における業務窓口の開設など、24時間窓口サービスへ向けた取り組みも進めていきます。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
電子申請対応手続の拡充 | |||
マルチペイメントネットワークシステムの構築・稼動 | マルチペイメントネットワークシステムの対応拡充(税、国保) | ||
施設予約システムの検討 | 施設予約システムの稼動 | ||
統合型GISシステムの開発 | 統合型GISシステムの稼動 | ||
コンビニエンスストアや交通結節点など、新たな窓口・証明書交付検討 | コンビニエンスストアや交通結節点など、新たな証明書交付の実施 | ||
休日・夜間窓口の取扱業務の拡充の検討 | 休日・夜間窓口の取扱業務の拡充 | ||
地域センター窓口の集約準備 | 地域センター窓口の集約化(鷺宮、野方、江古田、東部、南中野に集約) |
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