未来への扉をひらく4つの戦略 2 地球温暖化防止戦略 ― スリム中野 省エネルギーとごみゼロをめざして ―
干ばつや豪雨などの異常気象の多発、海水面の上昇など、地球温暖化による影響が深刻化しています。
平成17年2月に、地球温暖化防止のため「京都議定書」が発効しました。日本は、温室効果ガスの排出量を平成20年から24年の間に、平成2年度対比で6%の削減が義務づけられましたが、平成14年度の排出量が平成2年度対比で7.6%増えているため、実質13.6%削減しなければなりません。
東京都においては、温室効果ガスの約9割を占める二酸化炭素排出量について、その5割以上は業務部門と家庭部門によるものであり、その伸び率も平成2年度対比でそれぞれ39%増、23%増となっています。
区として地球温暖化防止やヒートアイランド現象を緩和するために、事業者と家庭における二酸化炭素の排出量を削減する必要があります。このために、省エネルギーとごみ量の半減、みどりのネットワークづくりに取り組んでいきます。;
展開1 省エネルギーの推進と自然エネルギーの活用
解決すべき課題
- 増加し続けるエネルギー消費量と二酸化炭素排出量
- 十分でない自然エネルギーの活用
町会・自治会や学校など地域ぐるみの取り組みによって、省エネルギーを推進します。
家庭や事業所の省エネルギー、省資源などに配慮した取り組み事例を紹介し、さらに評価・表彰するしくみを創出します。
町会・自治会や学校など地域の中で、省エネルギーをはじめとした地球温暖化防止に有効な取り組みの紹介や診断、アドバイスを行うことのできる、地域の核となる人材を育成します。
区においても、省エネルギー機器の導入や自然エネルギーの活用を進めていきます。
太陽光や風力による発電、グリーン電力証書の普及を進めることによって、自然エネルギーの活用を進めます。
太陽光発電や風力発電などの自然エネルギー機器を区や友好都市などに設置する事業など、環境に配慮した事業に区民が出資し、その運用により生じた利益を出資者へ配分するしくみを、NPOや事業者、友好都市などとの協働により創出します。
家庭への自然エネルギー機器の普及促進を図るため、太陽光発電機器の設置を支援します。
購入電力の一定割合を自然エネルギーで発電した電力とする「グリーン電力証書」の購入を事業者へ働きかけ、購入事業者の取り組みを公表・紹介するしくみをつくります。
事業者への協力や連携の働きかけを強めることによって、環境マネジメントシステムの導入を推進します。
区民、NPO、事業者との協働により地球温暖化防止ビジョンなどを策定するとともに、区役所本庁舎について、環境マネジメントシステムISOを導入します。
環境に配慮した事業運営を促進するため、事業者にエコアクション21などの環境マネジメントシステムの導入を働きかけます。
大規模な開発における、環境に配慮した取り組みの誘導や義務化のしくみを検討します。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
地球温暖化防止に向け、新たな取り組みを始める。 |
省エネルギーと自然エネルギーの活用に向けた取り組みを具体化する。 |
省エネルギー、自然エネルギーの活用の定着を進める。 |
さらなる二酸化炭素の削減を進め、地球温暖化防止に実効性ある取り組みを持続的に推進する。 |
環境配慮行動・事業の紹介、評価、表彰制度の整備 | |||
地域環境アドバイザーの育成 | |||
自然エネルギー利用拡大のための区民ファンド設立準備 | 区民ファンドの設立 | 区民ファンド等による自然エネルギー活用事業の実施 | |
事業者の「グリーン電力証書」購入促進 | 家庭への自然エネルギー機器設置の支援 | 地方都市や友好都市との自然エネルギー共同事業の実施 | |
事業者の環境マネジメントシステム導入の推進 | |||
区役所本庁舎の環境マネジメントシステムISO認証取得 | 区施設における省エネルギー機器等の活用推進 | 改築する学校での省エネルギー・自然エネルギー設備の導入 |
表の2段目は目標、3段目以降は具体的な取り組みを示します。
展開2 ごみの発生抑制と資源化の推進
解決すべき課題
- あまり進まないごみ減量
- 資源化可能物のごみへの混入
- 限界が迫っている最終処分場
ごみゼロに向けた区民レベルの取り組みによって、ごみの減量を図ります。
ごみの発生抑制(Reduce)、資源の再使用(Reuse)、再生利用(Recycle)の3Rによる、ごみを出さない生活スタイルを定着させるため、事業者に対してごみにならない製品の開発などを求めるとともに、効果的な情報提供や環境学習、ごみ・リサイクル会計の公表などを進めます。
また、ごみを出さない生活スタイルを推進するため、「ごみゼロ都市・なかの」の実現に取り組む区民団体とも連携・協力していきます。
さらに、ごみ減量への動機づけや費用負担の公平化を図るため、家庭ごみの有料化を行います。
多様な資源回収の方法を進めることによって、リサイクルを推進します。
ごみとして出される資源を減らすため、古紙、ペットボトル、プラスチック製容器包装、びん・缶、乾電池、古布などの回収を促進します。
古紙は、行政による回収から地域の団体による集団回収への移行を進め、自主的なリサイクル活動への支援を促進します。
ペットボトルは、公共施設への回収ボックスの設置や集合住宅における回収拠点の拡大を行うとともに、ペットボトルを減容する自動回収機の店舗などへの設置導入を支援します。
プラスチック製容器包装は、回収する地域を拡大し、全区展開をめざします。
びん・缶は、回収の効率化と休日回収の実施、回収拠点の増設を行い、分別の徹底と回収の促進を図るとともに、報奨金を廃止します。
地域での小さな単位での多様な取り組みや地方都市との連携などによって、生ごみの資源化を進めます。
生ごみの減量と資源化について、集合住宅における処理設備の導入支援など、家庭や地域での取り組みを促進します。また、地方都市との連携を図り、肥料化やその活用などを進めます。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
ごみ減少と資源化のための新たな取り組みを進める。 |
資源化可能物の混入を減らし、ごみ量を減少させる。 |
ごみの減量と資源化が進んでいる。 |
ごみの減量と資源化がさらに進んでいる。 |
ごみ・リサイクル会計の作成・公表 | |||
家庭ごみの有料化調査・検討 | 家庭ごみの有料化実施 | ||
町会・自治会等による資源回収拡大支援 | 古紙の行政回収の廃止 | ||
びん・缶回収の効率化と回収拠点の増設 | |||
ペットボトルの回収拠点の拡大 | |||
プラスチック製容器包装回収の全区展開 | |||
生ごみ減量化啓発の実施 | 生ごみの減量・資源化の方策検討 | 地方都市との連携等による生ごみの資源化実施 | |
事業者の廃棄物の共同処理と資源化の促進 | 事業系一般廃棄物の行政収集廃止 |
表の2段目は目標、3段目以降は具体的な取り組みを示します。
展開3 みどりを増やし、みどりをつなぐ
解決すべき課題
- ヒートアイランド現象の発生
- 緑地・樹林の減少
- 狭小な公園
建築時などの指導や区民活動の支援によって、地域緑化を推進します。
緑化の普及・啓発に努め、身近なところでみどりを増やす取り組みを進めます。
保護樹木・樹林などを指定して維持管理を支援します。地域のみなさんと「みどりの協定」を結んで緑化を進めていくとともに、地域団体やNPOなどのみどりを増やし保全する取り組みを支援します。
条例による建築確認時の緑化の効果的な指導を進め、地上部や屋上のみどりの確保に努めます。
校庭の芝生化や施設の屋上緑化などによって、公共施設のみどりを増やします。
区民がうるおいを感じ、環境にやさしい生活を享受できるよう、校庭の芝生化、屋上緑化など学校や公共施設の緑化を進めます。
公園や道路などの公共施設の緑化と、民間のみどりの誘導によって、みどりのネットワークをつくります。
豊かな自然林が残され、人々がやすらぎを感じることができる公園として、災害時には防災公園ともなる(仮称)北部防災公園を整備します。(仮称)南部防災公園についても、整備に向け検討を進めます。
平和の森公園や哲学堂公園など大規模なみどりをつなぐ軸として、沿道や河川沿いの緑化、公共施設の緑化を進めるとともに、民地のみどりを増やす取り組みを支援します。また、ホタルの棲める水辺を整備します。
新たな開発が予定されている警察大学校等跡地地区やその周辺について、防災公園の整備や民間のみどりの誘導により、みどりのネットワークを構築します。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | ステップ4 |
---|---|---|---|
みどりを増やす新たな取り組みを始める。 |
区内各地にみどりを増やす。 |
みどりのネットワークを形成する。 |
みどりのネットワークを広げる。 |
花とみどりを増やす新しいしくみの検討 | 区民やNPOの行う緑化活動の支援 | ||
建築時の緑化指導 | 沿道や河川沿いの緑化 | ||
校庭の芝生化(若宮小) | 校庭の芝生化(1校程度) | 校庭の芝生化(1校程度) | 校庭の芝生化(2校程度) |
屋上緑化の推進(学校など) | |||
ビオトープのネットワークについて検討 | ビオトープづくりの推進 | ||
(仮称)北部防災公園の整備 | 公園の拡張整備(みなみ公園) | 公園の拡張整備(囲桃園公園、上町公園、本一公園) 警察大学校等跡地における防災公園等の整備 |
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道路緑化 |
表の2段目は目標、3段目以降は具体的な取り組みを示します
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