公有財産の使用料及び貸付料の減額・免除の考え方及び基準の新設について
令和5年2月2日
4中総経第1745号
各部(局・室・次)長あて総務部長通知
公有財産の目的外使用許可又は貸付における使用料又は貸付料(以下「使用料等」という。)の減額・免除については、令和2年1月27日付、31中総用第1696号総務部長決定「公有財産使用料の減額・免除基準」(平成26年5月30日の改定)(以下「現行基準」という。)のとおり基準を定め、運用しているところです。
この度、現行基準を廃止し、新たに使用料等に係る減額・免除基準を定めることとしましたので、通知いたします。各財産所管部長におかれては、これに係る事務処理について、遺漏なく取扱われるようお願いいたします。
記
1 減額・免除の考え方
(1) 現行基準の課題
どのような場合に公有財産の使用料等を減額・免除することができるかは、行政財産の目的外使用料は「行政財産使用料条例」に、普通財産及び行政財産の貸付料は「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」にそれぞれ規定されています。また、行政財産の目的外使用料の減額・免除の対象は「行政財産使用料条例施行規則」にて規定されています。
本来、これらに加えて、減額・免除基準により、各条例及び規則の中で定められていない個別具体的な減免事由や減免率、また特別な事由により減額・免除できると認めるとき等について定める必要があります。
しかしながら、現行基準では、下図のように、根拠となる条例、規則、減額・免除基準が同列に規定され、適用すべき根拠が体系的に規定されていません。そこで、新たな基準を策定し、適正かつ円滑な運用を期すこととしました。
(2) 減額・免除の根拠規定(新基準)
① 行政財産の目的外使用許可
○ 行政財産使用料条例(第4条第1項各号)
○ 行政財産使用料条例施行規則(第2条第1項各号)
○ 使用料の減額・免除基準【新】(別紙1のとおり)
② 普通財産及び行政財産の貸付け
○ 貸付料の減額・免除基準【新】(別紙2のとおり)
2 現行基準からの主な改正点
具体的には、より体系的な分類とするための整理が中心となり、内容の大幅な変更はありません。
(1) 基準の分類化
使用料と貸付料で減額・免除の根拠規定が異なるため、それぞれ「使用料の減額・免除基準」及び「貸付料の減額・免除基準」を別に規定しました(内容はほぼ同様です。)
(2) 文言の改正
【旧】事務室、会議室等内部管理業務のために使用する場合
【新】(略)、行政財産使用料条例第4条第1号に該当する場合(使用料基準No.5、貸付料基準No.6)
⇒ 行政財産使用料条例第4条第1号に該当する場合は減額することができることから、該当団体の公用又は公共用若しくは公共的事業の用に供するための使用の際は、現行基準の限定的な列挙に限らず適用できる記載としました。
(3) 免除対象の追加
以下2つの基準を追加しました。
○ 災害その他緊急事態の発生により応急施設として短期間使用するとき。(100%)
○ 公の学術調査研究、公の施策等の普及宣伝その他公益上の目的のために行われる講演会、研究会等の用に短期間使用するとき。(100%)
3 留意事項
(1) 別紙1及び別紙2の各新基準のうち、「区長が目的、公共性及び必要性等を総合的に判断して真にやむを得ないと認める場合」(最大100%)として減額率を別に定める際は、公平・適正な使用料等の負担を十分考慮し、減額・免除の必要性について改めて検討したうえで決定してください。
また起案決定時には相当の事由等を記載し(「区長が目的、公共性及び必要性等を総合的に判断して真にやむを得ないと認める場合」のみの記載は不可)起案回付時は事前に経理課管財係担当者へご相談のうえ、経理課長の審査を経由してください。
(2) 使用料等の算定方法については、例年同様に別途通知します(2月初旬頃予定)。
4 適用日
令和5年4月1日
※使用(貸付)開始日が令和5年4月1日以降のものは、それ以前に減額・免除申請を受けた場合でも、各新基準を適用することとします。
※現行基準は令和5年3月31日をもって廃止とします。ただし、すでにこの基準の規定により減額・免除を適用している場合は、なお従前の例によって処理できるものとします。
使用料の減額・免除基準
規則の該当条項 | 主体・目的 | 基準No. | 基準 | 減額率 |
行政財産使用料条例施行規則第2条第1号 国又は地方公共団体その他公共団体若しくは公共的団体において、公用又は公共用若しくは公益的事業の用に供するため使用するとき。(減額又は免除) | 国又は地方公共団体その他公共団体 | 1―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% |
1―2 | 区民の利便を図る業務を行うために使用する場合 | 100% | ||
1―3 | 関係地方公共団体を対象とした職員研修を行うために使用する場合 | 100% | ||
区が財政援助をしている団体 | 2―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% | |
2―2 | 区の財政援助の目的を実現するための業務を行うために使用する場合 | 100% | ||
社会福祉法人 | 3―1 | 区が委託した事務事業を実施するために使用する場合 | 100% | |
3―2 | 区内全域又は一部地域の区民を対象として、区の事務事業と関連のある行事を行うために使用する場合 | 50% | ||
その他公共的団体 | 4―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% | |
4―2 | 区民を対象とした公益的活動を行うために使用する場合 | 100% | ||
1から4に定めるほか、行政財産使用料条例第4条第1号に該当する場合 | 5 | ― | 50% | |
行政財産使用料条例施行規則第2条第2号 行政財産の使用の許可を受けた者が、地震、水災、火災等の災害のため、当該財産を使用の目的に供しがたいと認めるとき。(減額又は免除) | ― | 6 | ― | 最大100% (※) |
行政財産使用料条例施行規則第2条第3号 区が設立した法人等が本来業務の用に供するために使用するとき。(免除) | ― | ― | ― | 100% |
行政財産使用料条例施行規則第2条第4号 行政財産に隣接する者が当該財産を使用する場合において、当該使用が必要最小限のものであって、かつ、相隣関係上やむを得ないとき。(免除) | ― | ― | ― | 100% |
行政財産使用料条例施行規則第2条第5号 5人以上で構成される団体であって、かつ、区内に住所を有する者、区内の事務所若しくは事業所に勤務する者又は区内の学校に在籍する者が全体の半数以上を占めるものが中野区区民活動センター行政財産使用料条例施行規則(平成23年中野区規則第60号)第8条第1項第1号から第4号までの活動を行う目的で条例別表に掲げる施設を集会場等として使用するとき。(免除) | ― | ― | ― | 100% |
行政財産使用料条例施行規則第2条第6号 前各号に定めるもののほか、特別な事由があるとき。(減額又は免除) | 災害その他緊急事態の発生により応急施設として短期間使用するとき。 | 7 | ― | 100% |
公の学術調査研究、公の施策等の普及宣伝その他公益上の目的のために行われる講演会、研究会等の用に短期間使用するとき。 | 8 | ― | 100% | |
上記に定めるほかに、区長が目的、公共性及び必要性等を総合的に判断して真にやむを得ないと認める場合 | 9 | ― | 最大100% |
※使用の目的に供しえなかった程度・期間を考慮し決定する。
貸付料の減額・免除基準(※1)
条例の該当条項 | 主体・目的 | 基準No. | 基準 | 減額率 |
国又は地方公共団体その他公共団体若しくは公共的団体において、公用又は公共用若しくは公益的事業の用に供するため使用するとき。 | 国又は地方公共団体その他公共団体 | 1―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% |
1―2 | 区民の利便を図る業務を行うために使用する場合 | 100% | ||
1―3 | 関係地方公共団体を対象とした職員研修を行うために使用する場合 | 100% | ||
区が財政援助をしている団体 | 2―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% | |
2―2 | 区の財政援助の目的を実現するための業務を行うために使用する場合 | 100% | ||
社会福祉法人 | 3―1 | 区が委託した事務事業を実施するために使用する場合 | 100% | |
3―2 | 区内全域又は一部地域の区民を対象として、区の事務事業と関連のある行事を行うために使用する場合 | 50% | ||
学校法人 | 4 | 区内学校法人が法人本来の業務を行うために一時的に使用する場合 | 65% | |
その他公共的団体 | 5―1 | 区の事務事業と直接関連のある業務を行うために使用する場合 | 100% | |
5―2 | 区民を対象とした公益的活動を行うために使用する場合 | 100% | ||
1から5に定めるほか、条例第4条第1項第1号に該当する場合 | 6 | ― | 50% | |
特に必要があると認めるとき。 | 公有財産に隣接する者が当該財産を使用する場合において、当該使用が必要最小限のものであって、かつ、相隣関係上やむを得ないとき。 | 7 | ― | 100% |
災害その他緊急事態の発生により応急施設として短期間使用するとき。 | 8 | ― | 100% | |
公の学術調査研究、公の施策等の普及宣伝その他公益上の目的のために行われる講演会、研究会等の用に短期間使用するとき。 | 9 | ― | 100% | |
認可保育所運営事業者 | 10 | 区有地を使用して認可保育所を運営する場合 | 100% | |
上記に定めるほかに、区長が目的、公共性及び必要性等を総合的に判断して真にやむを得ないと認める場合 | 11 | ― | 最大100% | |
普通財産の貸付けを受けた者が、地震、水災、火災等の災害のため、当該財産を使用の目的に供し難いと認めるとき。 | ― | 12 | ― | 最大100% (※2) |
※1 区が借地又は借家している土地又は建物を貸し付ける場合においても、本基準を同様に適用する。適用する場合は、決定時に経理課長審査を経由すること。
※2 使用の目的に供しえなかった程度・期間を考慮する。