中野区身体障害者更生援護施設措置費徴収金認定要綱

1997年8月1日

要綱第97号

(趣旨)

第1条 この要綱は、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号。以下「法」という。)第18条第4項第3号の規定による措置に要する費用を支弁した区長が、法第38条第4項及び中野区身体障害者福祉法施行規則(昭和62年中野区規則第25号。以下「規則」という。)第15条第2項の規定に基づき入所者又はその扶養義務者から徴収する費用の額の認定について、規則に定めるもののほか必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 所長 中野区福祉事務所長をいう。

(2) 入所者 法第18条第4項第3号の規定により入所又は入所の委託の措置を受けた者をいう。

(3) 主たる扶養義務者 原則として入所者が入所又は入所の委託の措置を受けた際、入所者と同一世帯、同一生計にあった配偶者及び子(入所者の年齢が20歳未満の場合は、配偶者、父母及び子)のうち最多税額納付者をいう。

(費用徴収対象者)

第3条 費用徴収の対象者は、入所者及びその者の主たる扶養義務者とする。

(入所者の階層区分の認定)

第4条 所長は、入所者にその者の前年分(1月から6月までに措置を開始するときは、前々年分)の収入及び必要経費について、収入申告書並びに収入額及び必要経費額を確認できる書類(以下「収入申告書等」という。)の提出を求めるものとする。

2 所長は、前項の収入申告書等が提出されたときは、審査、確認のうえその者の前年の対象収入額を算出し、規則別表第2(1)入所者費用徴収基準に定める階層区分を認定して費用徴収金の額を決定する。

3 所長は、入所者から収入申告書等が提出されない場合又は提出された収入申告書等では前年の対象収入額を明らかにすることができない場合は、入所者、扶養義務者、身体障害者更生援護施設(以下「施設」という。)又は関係機関等に対し収入及び必要経費に関する調査を行い、必要な書類を整え、対象収入額を推定により算出して階層区分を認定することができる。

4 所長は、入所者が各月の初日において、生活保護法(昭和25年法律第144号)による保護を受けている場合は、前年の対象収入額の金額にかかわりなく第2項に基づく当該月の階層区分の認定は、1階層とする。

5 入所者が生活保護法による保護を停止されたときは、保護停止期間中当該入所者を生活保護法による被保護者とみなす。

6 所長は、入所者が生活保護法による保護が廃止になったときは、第1項及び第2項の規定により保護の廃止日が月の初日のときはその日をもって、保護の廃止日が月の中途のときはその翌月の初日をもって階層区分を変更認定する。

(対象収入額の算定)

第5条 対象収入額は、入所者の前年の収入について、次項に定める収入として認定するものから第4項に定める必要経費を控除した額とする。

2 入所者の収入として認定するものは、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 年金、恩給等の収入

 年金、恩給その他これに類する定期的に支給される金銭(以下「年金収入等」という。)については、公的給付であるか、私的給付であるかを問わず、入所者が受給権を有する定期的な給付はすべて収入として認定する。ただし、次項に該当するものは除く。

 年金収入等の収入とすべき時期は、その年金収入等の支給の基礎となる法令、契約等により定められた支給日の属する年の収入として認定する。

 さかのぼって年金収入等の受給権が生じ、それまでの年金を一度に受給した場合は、認定対象となる当該年に支給されるべき1年分のみの金額を収入として認定する。

 外貨により支払われる年金収入等の邦貨換算は、原則として支給日の相場により行う。

(2) 財産収入

土地、家屋、機械器具等を他に利用させて得られる果実である地代、小作料、家賃、間代、使用料等の収入については、課税標準として把握された所得の金額(所得税法(昭和40年法律第33号)第22条第1項に規定する総所得金額、山林所得金額等のうちこれらの所得に係るものをいう。以下同じ。)を収入として認定する。

(3) 利子、配当収入

公社債の利子、預貯金の利子、法人から受ける利益の配当等の収入については、確定申告がなされる場合に限り、課税標準として把握された所得の金額を収入として認定する。

(4) 授産工賃収入

授産施設から支払われる工賃収入については、実際の支給額から別に決定する就労控除額を控除した額を収入として認定する。

(5) その他の収入

施設入所前の就労収入、不動産、動産の処分等による収入、山林所得、一時所得(生命保険契約に基づく一時金、満期返戻金等)等の収入については、課税標準として把握された所得の金額を収入として認定する。

(6) 分離課税される譲渡所得については、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第31条第1項に規定する長期譲渡所得又は同法第32条第1項に規定する短期譲渡所得の金額を収入として認定する。

(7) 相続、遺贈又は個人からの贈与による所得については、相続税又は贈与税の課税価格を収入として認定する。

3 収入として認定しないものは、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 施設入所前の退職金等の臨時的な収入

(2) 臨時的な見舞金、仕送り等による収入

(3) 地方公共団体又はその長が支給する福祉的給付金

(4) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第117号)により支給される特別手当のうち、生活保護基準の放射線障害者加算に相当する額

(5) 公害に係る健康被害の補償金、損害賠償金、公害健康被害の補償等に関する法律(昭和48年法律第111号)の補償給付に相当するもののうち、生活保護法において補償給付ごとに収入として認定しないものとして定める額に相当する額

(6) 児童手当法(昭和46年法律第73号)により支給される児童手当等法令により入所者の生活費以外の用途に充てることとされている金銭

(7) 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和39年法律第134号)により支給される特別障害者手当等施設に入所することにより支給されないこととなる金銭

(8) 法により支給される更生訓練費

(9) その他、生活保護法において収入として認定しないこととされている収入等、社会通念上収入として認定することが適当でないと判断される金銭

4 必要経費として認定するものは、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 所得税等の租税

所得税、住民税、相続税、贈与税その他所長が特別の事情があると認めた税については、その実際の支払額を必要経費として認定する。ただし、固定資産税は除く。

(2) 社会保険料又はこれに準ずるもの

国民健康保険の保険料、国民健康保険税等所得税法第74条第2項に規定する社会保険料、所得税法において小規模企業共済等掛金控除として控除が認められる心身障害者扶養年金及び心身障害者扶養共済制度の掛金等社会保険料に準ずるものは実際の支払額を認定する。

(3) 日用品費

施設入所者(内部障害者更生施設入所者を除く。)については、前年度基準による生活保護法によるその入所施設所在地の級地基準による冬季加算を含めた入院患者日用品費相当額(年額)を認定する。

(4) 日常生活費

 通所者については、当該通所者に係る前年度基準による生活保護法による第1類基準、第2類基準、冬季加算、期末一時扶助費の各相当額の年額分の合計に1.5倍した額を必要経費として認定する。

 給食を実施していない授産施設への通所者については、給食費として別に決定する額を必要経費として認定する。

(5) 最低生活費

 通所者が世帯主(当該世帯の生計中心者をいう。以下同じ。)である場合は、前年度基準による生活保護法における当該世帯の最低生活費相当額(第1類基準、第2類基準、障害者加算、冬季加算、知事限り承認特別基準の範囲の住宅扶助費及び期末一時扶助費の各相当額の年額分から世帯主以外の者の収入を控除した額)を認定する。ただし、夫婦で通所している場合は、当該世帯の最低生活費相当額から入所者以外の世帯員の収入を控除した額の2分の1をそれぞれ認定する。

 20歳以上の通所者で世帯主でない場合は、当該通所者本人に係る最低生活費相当額を認定する。

(6) 更生訓練のための経費

 当該年度に法第18条の2に基づく更生訓練費の支給を受けない入所者の場合は、更生訓練費のうち訓練のための経費相当額及び通所のための経費の実支出額を認定し、更生訓練費の支給を受ける入所者の場合は、通所のための経費の実支出額と更生訓練費において支給される通所のための経費との差額を認定する。この場合において、経費相当額の算出については、更生訓練費支給要綱(昭43年6月28日社更発第142号)に基づいて行うものとする。

 更生訓練のための経費は、原則として前年の実績をもとに算定する。前年更生訓練費の支給を受けていない者については、前年支給要件に該当すれば支給された支給推計額(訓練従事日数を20日以上として推計した額)をもとに算定する。

(7) 医療費

所得税法において医療費控除の対象となる範囲で、保険金等で補てんされる金額を控除した額を医療費として認定する。

(8) その他の必要経費

所長は、特別な事情があると認めた経費を必要経費として認定することができる。

(主たる扶養義務者の階層区分の認定)

第6条 所長は、主たる扶養義務者にその者の前年分の所得税及び当該年度の市町村民税(特別区民税を含む。以下同じ。)の課税状況(1月から6月までに措置を開始するときは、前々年分の所得税及び前年度分の市町村民税の課税状況)が確認できる書類の提出を求めるものとする。

2 所長は、前項の書類が提出されたときは、課税状況等を調査、確認のうえ、規則別表第2(2)扶養義務者費用徴収基準に定める階層区分を認定して、費用徴収金の額を決定する。

3 所長は、第1項の書類が提出されない場合又は提出された書類により課税状況を明らかにすることができない場合は、課税状況を推定して認定することができる。

4 主たる扶養義務者が各月の初日において、生活保護法による保護を受けている場合は、市町村民税及び所得税の課税の有無にかかわらず、A階層と認定する。

5 主たる扶養義務者が月の中途で生活保護法による保護を受けるに至ったときは、当該月の初日をもってA階層に変更認定する。

6 主たる扶養義務者が生活保護法による保護を停止されたときは、保護停止期間中当該主たる扶養義務者を生活保護法による被保護者とみなす。

7 前年分の所得税が課税されていて、当該年度分の市町村民税が非課税の場合は、B階層と認定する。

(入所者及び主たる扶養義務者の階層区分の認定時期)

第7条 入所者及び主たる扶養義務者の階層区分の認定の時期は、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 措置開始ケースは、措置開始日とする。

(2) 措置継続ケースは、毎年7月1日とする。ただし、認定対象者の変動、徴収基準の改正等階層区分の変更が必要な場合は、必要な時期に認定する。

(主たる扶養義務者の見直し時期)

第8条 措置継続ケースの主たる扶養義務者の見直しの時期は、毎年7月1日とする。主たる扶養義務者の認定の対象となる範囲は、原則として、入所者が最初に施設に措置されたときに入所者と同一世帯、同一生計にあった配偶者、父母及び子のうち、見直しの時期に入所者と同一世帯、同一生計にあるものとする。

2 所長は、主たる扶養義務者が死亡し、結婚し、離婚し、若しくは転勤等により転居(区内転居した場合は除く。)した場合又は入所者が20歳に達し、入所後結婚し、若しくは養子縁組をした場合は、事実のあった日の属する月の翌月の初日をもって見直しを行うものとする。

3 所長は、見直しに際しては、入所者等から世帯状況書の提出を求めることができる。

(主たる扶養義務者の認定の例外)

第9条 夫婦のみの世帯又は親一人子一人の世帯で共に入所者の場合は、それぞれを主たる扶養義務者と認定しない。

(費用徴収金の額の日割計算)

第10条 規則第17条に規定する日割計算は、次の算式により行い、算定した額に100円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。

費用徴収基準月額×(当該月の実措置日数/当該月の実日数)

2 月の中途で施設種別又は措置施設の変更があった入所者に係る費用徴収金の額を計算する場合においては、当該変更日は、徴収限度額(一般事務費及び一般生活費の合算額をいう。以下同じ。)の低い施設の措置日数に算入して日割計算するものとし、他の施設の措置日数には算入しないものとする。

(費用徴収の特例)

第11条 入所者又は主たる扶養義務者が規則第16条の規定による費用徴収の特例措置を希望するときは、身体障害者更生援護施設徴収金変更申請書により所長に申し立てなければならない。ただし、生活保護法による保護を受ける等明らかに階層区分の変更が必要と認められる場合は、この限りでない。

2 規則第16条第1項第1号の対象収入額は、特別の事情が生じた年における年間収入額又は必要経費を推定して算出するものとする。この場合において、特別の事情が収入の減少であるときは、必要経費の推定は行わないものとし、必要経費の増加であるときは、年間収入額の推定は行わないものとする。ただし、特別の事情が収入の減少かつ必要経費の増加であるときは、年間収入額及び必要経費を推定して算出するものとする。

3 所長は、入所者が費用徴収の特例措置を受けた場合でも、当該入所者に係る主たる扶養義務者の費用徴収金の額の変更は行わない。

4 所長は、主たる扶養義務者が規則第16条に規定する特別の事情により費用徴収金を負担することができないと認められる場合で必要があると認めるときは、年度の中途においても主たる扶養義務者の見直しをすることができる。

5 前項の規定により主たる扶養義務者の見直しを行った結果、主たる扶養義務者に変更がないときは、当該年の課税額を推定して階層区分を変更認定し、費用徴収金の額を変更することができる。ただし、階層区分が2階層以上変動しないときは、階層区分の変更はしないものとする。

(入所者が入院した場合の特例)

第12条 所長は、入所者が病院等に入院した場合は、入院日の翌日から退院日の前日までの間、3か月を限度として入所者の階層区分を2の階層に変更することができる。この場合において、退院時再度階層区分の見直しを行うことができる。

2 入院日及び退院日が月の中途であるときの当該月の費用徴収金は、入院日の属する月については、当該月の初日から入院日までの日数を、退院日の属する月については、退院日から当該月の末日までの日数をもとに日割計算した額とする。

3 所長は、前2項の規定の適用があった場合でも、主たる扶養義務者の費用徴収金の額の変更は行わない。

(入所期間の計算等)

第13条 入所期間により徴収限度額が設定されている更生・授産施設の入所期間の起算点は、入所者が最初に更生・授産施設への入所の委託の措置を受けたときとする。

2 更生・授産施設に入所中に措置替えにより施設が替わった場合の入所期間は、各更生・授産施設の入所期間を通算するものとする。

3 月の中途で設定された入所期間が経過する場合は、経過した日の属する月の翌月から徴収限度額の変更を行う。

(主たる扶養義務者の費用徴収金の額の特例)

第14条 主たる扶養義務者が2人以上の入所者の主たる扶養義務者となる場合は、最初に措置された者を入所者として費用徴収金の額を決定する。

2 主たる扶養義務者が既に他の社会福祉施設の入所者の扶養義務者として費用徴収されている場合の費用徴収金の額は、認定した階層における費用徴収基準月額から他の社会福祉施設の費用徴収額を減じた額とする。

(費用徴収金の額の通知)

第15条 所長は、費用徴収金の額の決定又は変更を行ったときは、入所者及び主たる扶養義務者に対して身体障害者更生援護施設費用徴収額決定(変更)通知書により通知するものとし、措置委託先の施設の長に対してはその写しを送付するものとする。

(費用徴収金の更正)

第16条 所長は、決定した費用徴収金の額に誤りがあるときは、直ちに更正しなければならない。

2 費用徴収金の額の更正は、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 更正後の費用徴収金の額が更正前の額よりも増額となるときは、誤りを発見した日の属する月の翌月の初日をもって階層区分を変更し、費用徴収金の額の変更決定を行う。

(2) 明らかに入所者又は主たる扶養義務者の責めに帰すべき理由により費用徴収金の額を誤って決定したときは、変更すべき月に遡及して階層区分を変更し、費用徴収金の額の変更決定を行う。

(3) 更正後の費用徴収金の額が更正前の額よりも減額となるときは、変更すべき月に遡及して階層区分を変更し、費用徴収金の額の変更決定を行う。この場合において、既に納付済の費用徴収金があるときは、その差額を還付し、又は変更後の費用徴収金に充当する。

1 この要綱は、1997年8月1日から施行する。

2 この要綱の施行前に行った身体障害者福祉法に基づく措置に要する費用の徴収に関する手続その他の行為は、この要綱に基づき行ったものとみなす。

中野区身体障害者更生援護施設措置費徴収金認定要綱

平成9年8月1日 要綱第97号

(平成9年8月1日施行)