中野区住居確保給付金事業実施要綱

2015年4月1日

要綱第64号

(目的)

第1条 この要綱は、離職又は自営業の廃業(以下「離職等」という。)により経済的に困窮し、住居を喪失している者又は住居を喪失するおそれのある者に対し、家賃相当分の住居確保給付金を支給することにより、これらの者の住居及び就労機会の確保に向けた支援をすることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自立相談支援機関 中野区生活困窮者自立相談支援事業実施要綱(2015年中野区要綱第 号)の規定により自立相談支援事業の全部又は一部を委託した法人をいう。

(2) 常用就職 期間の定めがない労働契約又は6月以上の期間の定めがある労働契約に基づく就職をいう。

(3) 基準額 申請日の属する年度(申請日の属する月が4月から6月までの場合にあっては、前年度)分の地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による区民税(同法第328条の規定によって課する所得割を除く。)が課されていない者の収入の額を12で除して得た額をいう。

(4) 家賃額 支給申請者又は第12条第1項の支給の決定を受けた者(以下「受給者」という。以下同じ。)が賃借する賃貸住宅の1月当たりの家賃額(住宅扶助基準に基づく額を上限とする。)をいう。

(5) 不動産媒介業者等 不動産の貸借等の媒介等を業として行う者又は不動産の貸主等をいう。

(実施主体)

第3条 住居確保給付金事業の実施主体は、中野区とする。ただし、生活困窮者住居確保給付金の受給に係る相談及び受付並びに受給者への面接等に係る業務は、自立相談支援機関において行うものとする。

(事業の内容)

第4条 区長は、次条に規定する支給対象者からの申請に基づき住居確保給付金を支給する。

2 自立相談支援機関の就労支援員(以下「就労支援員」という。)は、当該支給対象者の就労の支援等を行う。

(支給対象者)

第5条 住居確保給付金の支給対象者は、住居確保給付金の支給の申請時において、次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 離職等により経済的に困窮し、住居を喪失している者又は住居を喪失するおそれのある者であること。

(2) 申請日において、65歳未満であって、かつ、離職等の日から2年以内であること。

(3) 離職等の日においてその属する世帯の生計を主として維持していたこと。

(4) 申請日の属する月における支給申請者及び当該支給申請者と同一の世帯に属する者の収入の額を合算した額が、基準額及び当該支給申請者の家賃額を合算した額以下であること。

(5) 申請日における支給申請者及び当該支給申請者と同一の世帯に属する者の所有する金融資産の合計額が、基準額に6を乗じて得た額(当該額が100万円を超える場合は100万円とする。)以下であること。

(6) 公共職業安定所に求職の申込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと。

(7) 国の雇用施策による給付又は地方自治体等が実施する住居を喪失した離職者に対する類似の給付を、支給申請者及び当該支給申請者と生計を一にする同居の親族が受けていないこと。

(8) 支給申請者及び当該支給申請者と同一の世帯に属する者のいずれもが、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員でないこと。

(住居確保給付金の支給額等)

第6条 住居確保給付金は、1月ごとに家賃額を支給するものとする。ただし、支給申請者及び当該支給申請者と生計を一にする同居の親族の収入合計額が、住宅扶助基準に基づく額を超える場合には、基準額と当該対象者の家賃額を合算した額から世帯収入額を減じて得た額とする。

2 前項で算出した額に100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。

3 住居確保給付金の支給期間は、3月を限度とする。ただし、一定の要件を満たす場合には、申請により、3月を限度に支給期間を2回まで延長することができる。

4 前項の支給期間は、新規に住宅を賃借する者にあっては入居契約に際して初期費用として家賃の支払いを要する月の翌月から、住居を喪失するおそれのある者にあっては支給の申請をした日の属する月に支払う家賃から支給を開始するものとする。

5 住居確保給付金は、住宅の貸主又は当該貸主から当該住宅の賃貸等に係る業務の委託を受けた事業者(以下「受託事業者」という。)の口座で、当該住居確保給付の支給申請者が指定するものへ振り込む方法により支給する。ただし、当該支給申請者を経ずに確実に賃貸住宅の貸主に支払うことができると認められる場合には、口座振込以外の方法によることができる。

(申請手続等)

第7条 住居確保給付金の支給を受けようとする者は、生活困窮者住居確保給付金支給申請書に次に掲げる書類を添えて、区長に申請しなければならない。この場合において、区は支給申請者に対し、住居確保給付金申請時確認書を説明し、誓約事項及び同意事項等について承諾したうえで申請することについて署名を得るものとする。

(1) 運転免許証、住民基本台帳カード、旅券、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳、健康保険の被保険者証、住民票、住民票記載事項証明書、外国人登録原票記載事項証明書又は戸籍謄本等の写しであって、支給申請者が本人であることを確認できるもの

(2) 支給申請者が、申請時において過去2年以内に離職等をした者であることを確認できる書類の写し

(3) 支給申請者及び当該支給申請者と生計を一にする同居の親族のうち収入がある者の収入を確認できる書類の写し

(4) 支給申請者及び当該支給申請者と生計を一にする同居の親族の預金通帳等の写しであって、それらの者の預貯金の合計額を確認できるもの

2 第5条各号に掲げる支給要件を備える者が、第15条に規定する就職活動を誠実に継続していたと認められる場合には、生活困窮者住居確保給付金支給申請書(期間(再)延長)を提出することにより、支給期間を延長することができる。

3 支給申請者は、公共職業安定所から求職受付票の交付を受け、求職申込みをしていること及び雇用施策による貸付け等を利用していないことを証明する書類に当該求職受付票の写しを添付し、区長に提出しなければならない。

(住宅を喪失している者に係る申請後の手続)

第8条 支給申請者(住宅を喪失している者に限る。第3項及び第11条において同じ。)は、生活困窮者住居確保給付金支給申請書の写しその他の必要な書類を不動産媒介業者等に提示して、入居する住宅を選定しなければならない。

2 前項の規定により選定する住宅は、その家賃の月額が住宅扶助基準額以下のものでなければならない。

3 第1項の規定により住宅を選定した支給申請者は、当該住宅について不動産媒介業者等が記載した入居予定住宅に関する状況通知書に支給申請者が記載すべき事項を記載して、区長に提出しなければならない。

(住居を喪失するおそれのある者に係る申請後の手続)

第9条 支給申請者(住居を喪失するおそれのある者に限る。次項において同じ。)は、生活困窮者住居確保給付金支給申請書の写しその他の必要な書類を当該住宅の貸主又は受託事業者に提示しなければならない。

2 支給申請者は、当該住宅の貸主又は受託事業者が記載した入居住宅に関する状況通知書に支給申請者が記載すべき事項を記載し、当該住宅に係る賃貸借契約書の写しを添付して、区長に提出しなければならない。

(支給対象者の要件の審査)

第10条 区長は、住居を喪失している者又は住居を喪失するおそれのある者から、第7条第1項の規定による申請があった場合において、当該支給申請者が支給対象者の要件に該当すると認めるときは、住居確保給付金支給対象者証明書を当該支給申請者に交付する。

(住居を喪失している者に係る賃貸借契約の締結手続)

第11条 前条の規定により住居確保給付金対象者証明書の交付を受けた支給申請者は、その者が入居する予定の住宅に係る不動産媒介業者等に当該住居確保給付金支給対象者証明書を提示して、当該住宅に係る賃貸借契約を締結しなければならない。

2 支給申請者は、前項の規定により当該住宅に係る賃貸借契約を締結したときは、当該住宅に入居した後7日以内に、住宅確保報告書に当該住宅に係る賃貸借契約書の写し及び新住所地における住民票の写しを添付して、区長に提出しなければならない。

(支給の決定)

第12条 区長は、第7条第1項の規定による申請があった場合において、住居確保給付金を支給することを決定したときは、住居確保給付金支給決定通知書により当該支給申請者に通知する。

2 区長は、第7条第2項の規定による申請があった場合において、住居確保給付金の支給を延長することを決定したときは、住居確保給付金支給決定通知書(期間(再)延長用)により当該申請者に通知する。

3 就労支援員等は、必要に応じて、前項の規定による住居確保給付金支給決定を受けた者の住宅を訪問し、居住の実態を調査する。

(不支給の決定)

第13条 区長は、第7条第1項の規定による申請があった場合において、住居確保給付金を支給しないことを決定したときは、住居確保給付金不支給通知書により当該支給申請者に通知する。

(支給額の変更)

第14条 区長は、次の各号に掲げる場合においては、受給者から住居確保給付金変更支給申請書の提出を求め、申請があったときは、住居確保給付の支給額を変更する。

(1) 住居確保給付金支給対象住宅の家賃が変更された場合

(2) 家賃の一部を支給する場合において、受給期間中に収入が減少した結果、基準額を下回った場合

(3) 借り主の責によらず転居せざるを得ない場合

2 区長は、前項の規定により、住居確保給付金の支給額を変更することを決定したときは、住居確保給付金変更支給決定通知書により当該申請者に通知する。

(受給者の就職活動)

第15条 受給者は、住居確保給付金の支給を受けている期間中、常用就職をするために、次に掲げる就職活動を行わなければならない。

(1) 毎月2回以上、公共職業安定所において職業相談を受けること。

(2) 毎月4回以上、就労支援員等の面接等による就職活動の支援を受けること。

(3) 原則として1週間に1回以上、求人先へ応募を行うこと又は求人先の面接を受けること。

2 受給者は、常用就職をしたときは、常用就職届を区長に提出しなければならない。

3 前項の規定による報告を行った者は、報告を行った月以降の各月の収入額を確認することができる書類を区長に提出するものとする。

(支給の停止等)

第16条 職業訓練受講給付金(職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成23年法律第47号。以下「職業訓練支援法」という。)に規定する職業訓練受講給付金をいう。以下同じ。)を受けている者は、住居確保給付金の支給を受けることはできない。

2 受給者は、職業訓練受講給付金を受給することとなった場合は、住居確保給付金支給停止届を区長に提出しなければならない。

3 区長は、受給者が職業訓練受講給付金を受けていることを確認したときは、第1項の規定により住居確保給付の支給の停止を決定し、その旨を住居確保給付金停止支給通知書により当該受給者に通知する。

4 職業訓練受講給付金の終了後、住居確保給付金の支給の再開を希望する者は、訓練終了時までに住居確保給付金支給再開届を区長に提出しなければならない。

5 区長は、前項の規定による届により住居確保給付金の支給を再開することを決定したときは、住居確保給付金支給再開通知書により当該者に通知する。

(支給の中止)

第17条 区長は、受給者が第15条第1項各号の就職活動を行わなかったときは、原則として就職活動を行わなかった事実を確認した月の翌月の家賃相当分から当該受給者に対す住居確保給付金の支給を中止することができる。

2 区長は、受給者が常用就職(申請後の常用就職も含む。)をした場合において、第5条第4号の支給要件に該当しなくなった者については、当該額を超える収入が得られた月の翌々月以降の家賃相当分から住居確保給付金の支給を中止する。

3 区長は、支給決定後、住宅の貸主の責めによらずに当該住宅から退去した者について、原則として退去した日の属する月の翌月の家賃相当分から住居確保給付金の支給を中止する。

4 区長は、支給決定後、受給者が虚偽の申請等により、不正に住居確保給付金を受給していることが明らかになった場合は、直ちに住居確保給付金の支給を中止する。

5 区長は、支給決定後、受給者が生活保護受給者等就労自立促進事業の候補者として選定されたにもかかわらず、正当な理由なく当該支援を受けることを拒むときは、原則として当該事実を確認した日の属する月の翌月の家賃相当分から住居確保給付金の支給を中止する。

6 区長は、支給決定後、受給者が公共職業安定所における職業訓練支援法による職業訓練の受講が可能と認められ、区長が同制度の利用を指示したにもかかわらず、正当な理由なく職業訓練受講を拒むときは、原則として当該事実を確認した日の属する月の翌月の家賃相当分から住居確保給付金の支給を中止する。

7 区長は、支給決定後、受給者が常用就職後に常用就職及び就労収入の報告を怠ったときは、住居確保給付金の支給を中止することができる。

8 区長は、支給決定後、受給者が禁錮刑以上の刑に処せられたときは、住居確保給付金の支給を直ちに中止する。

9 区長は、支給決定後、受給者又はその者と生計を一にする同居の親族が暴力団員と判明したときは、住居確保給付金の支給を直ちに中止する。

10 区長は、支給決定後、受給者が生活保護費を受給したときは、福祉事務所と調整の上、住居確保給付金の支給を中止する。

11 第1項から前項までに定めるもののほか、区長は、受給者が死亡する等の特別な事情が生じたときは、住居確保給付金の支給を中止することができる。

12 区長は、前各項の規定により住居確保給付金の支給を中止したときは、住居確保給付金支給中止通知書により当該受給者に通知する。

(返還の命令)

第18条 区長は、受給者が偽りその他不正の手段により住居確保給付金の支給を受けたときは、その者に対し当該住居確保給付金の全部又は一部の返還を命ずるものとする。

(再支給)

第19条 区長は、住居確保給付金の支給を受けた者が常用就職をした後に解雇された場合(自己の責に帰すべき重大な理由により解雇された場合を除く。)において、その者が再び支給対象者の要件に該当するに至ったときは、その者に対して改めてこの要綱により住居確保給付金を支給することができる。ただし、第17条(第2項及び第10項を除く。)の要件に該当したことにより中止となった者には再支給することができない。

(関係機関との連携)

第20条 区長は、第4条に規定する事業を円滑に実施するために、公共職業安定所、社会福祉協議会等の関係機関との連携を緊密に行うものとする。

2 区長は、住居確保給付金の各決定について、当該不動産媒介業者等、公共職業安定所、総合支援資金の貸付を受けている者については社会福祉協議会等の関係機関に決定通知書の写しを送付して情報提供する。

(不動産媒介業者等への制度の周知等)

第21条 区長は、この制度を円滑に運用するために、不動産媒介業者等の関係団体等を通じて不動産媒介業者等に対してこの制度の周知及び協力の依頼を行うとともに、支給対象者に対して不動産媒介業者等の名簿を閲覧させること等により情報提供を行うものとする。

(暴力団員等と関係を有する不動産媒介業者等の排除)

第22条 区長は、不動産媒介業者等が暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者と関係を有する不動産媒介業者等であることが確認されたときは、当該不動産媒介業者等に対し、当該不動産媒介業者等が発行する入居予定住宅に関する状況通知書及び入居住宅に関する状況通知書を受理しない旨を書面により通知し、以後、これらの通知書を受理しないものとする。

(補則)

第23条 この要綱に定めるもののほか、住居確保給付金の支給等に関し必要な事項及び様式は、別に定める。

附 則

この要綱は、2015年4月1日から施行する。

中野区住居確保給付金事業実施要綱

平成27年4月1日 要綱第64号

(平成27年4月1日施行)