中野区社会福祉法人指導検査実施要綱
2013年3月27日
要綱第49号
(趣旨)
第1条 この要綱は、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)の規定に基づき実施する社会福祉法人(以下「法人」という。)に対する指導検査について、必要な事項を定める。
(指導検査の目的)
第2条 法人に対する指導検査は、法第56条第1項の規定に基づき、関係法令・通知に照らし、別に定める指導検査に係る基準・方針等(以下「区の基準」という。)に対する実施状況等について個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、適正な法人運営及び円滑な社会福祉事業の経営の確保を図り、もって社会福祉のより一層の増進に資することを目的とする。
(指導検査の基本方針)
第3条 指導検査は、次に掲げる基本方針に基づき実施する。
(1) 法、関係法令及び区の基準等を基本に、指導検査に関する国の通知、これまでの指導検査実績等を勘案し、厳正に重点的かつ効果的に実施する。
(2) 指導検査が画一的、形式的に陥ることのないよう、問題の発生原因及び是正策を明らかにし、法人の問題解決を図り、自律的な運営を促すための具体的な助言及び指導を行う。
(3) 法、関係法令若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いているために、事業の経営等に重大な支障が認められ、是正の措置が速やかに講じられないときは、法に定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。
(4) 法人運営と施設又は事業(以下「施設等」という。)の運営は、相互に密接な関係を有するものであることから、法人の指導検査は、施設等の指導検査における指摘事項を把握した上で実施する。
(5) 指導検査の実施及び指導検査結果の処理に当たっては、東京都(以下「都」という。)及び関係分野との情報交換を密にするなど十分な連携を図る。
(指導検査の対象)
第4条 指導検査の対象(以下「検査対象」という。)は、中野区内に主たる事業所がある法人であってその行う事業が中野区の区域を越えないものとする。
(指導検査類型)
第5条 指導検査は、一般指導検査、特別指導検査及び施設整備中検査に分けて実施する。
2 一般指導検査は、指導検査事項全体について、法人の所在地において行う検査をいう。
なお、一般指導検査において改善すべき事項が認められ、指導検査後に法人から改善報告書等が提出された場合においては、書面によるほか必要に応じ、現地で確認する検査を行うものとする。
3 特別指導検査は、次の各号のいずれかに該当する場合に、特定の指導検査事項を定め重点的又は改善が図られるまで継続的に行う検査で、特命により行う指導検査をいい、実地において行う。
(1) 法人が、法、関係法令若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くために、当該法人の経営等に重大な支障を及ぼしているおそれがあると疑うに足りる理由があるとき。
(2) 一般指導検査による改善の措置が認められないとき。
(3) 正当な理由がなく、一般指導検査を拒否したとき。
4 施設整備中検査は、施設整備を伴う新設の法人に対して施設整備中に行う指導検査をいい、原則として、法人の所在地において行う。
(指導検査実施方針)
第6条 指導検査を重点的かつ効果的に行うため、社会福祉行政の動向を踏まえ、指導検査の重点項目を掲げる社会福祉法人指導検査実施方針(以下「実施方針」という。)を別に定める。
2 検査実施計画は、都が策定する検査計画を勘案して、毎年度指導検査を開始する時までに別に策定する。
3 法人の運営等に問題が発生した場合又は通報、現況報告書の確認の結果等により、そのおそれがあると認められる場合には、検査実施計画にかかわらず適宜指導検査を実施する。
4 一般指導検査は、特に大きな問題が認められない場合、原則として2年に1回実施するものとする。
5 前項の規定にかかわらず、新設の法人に対しては、新設年度又はその次年度の早期に当該法人の指導検査を実施する。
6 施設整備を伴う新設の法人に対しては、施設整備がある程度進んだ時期に原則として1回、指導検査を実施する。
(調査書等の提出)
第8条 法人には、第6条で定める実施方針等を踏まえ指導検査に必要な指導検査項目を掲げた調査書及び関係資料の提出を求める。
(指導検査基準)
第9条 指導検査項目、関係法令及び評価事項等を集約した指導検査基準(以下「検査基準」という。)は別に定めるものとし、検査基準における評価区分は、別表「評価区分」に基づき定める。
(一般指導検査の実施)
第10条 一般指導検査の実施通知は、原則として法人代表者に対して、あらかじめ送付する。
2 法人の運営等に問題が発生した場合又は通報、現況報告書の確認の結果等でそのおそれがあると認められる場合には、上記によらず一般指導検査の開始時に文書を提示するなどの方法により行う。
3 検査体制は、原則として2名以上の職員を検査員とする指導検査班を編成する。なお、当該検査員の中から班長を定める。
4 検査員は、検査基準に基づき、調査書等を基に、分担して検査を実施する。なお、検査員は相互に緊密な連携を保つものとし、班長が相互の関係を調整する。
5 一般指導検査終了後、検査員相互で調整を行った上で、法人の役員等に対して、実地検査指導事項票を用いて、検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。なお、班長が全般にわたる事項及び担当検査事項について、他の検査員は自己の担当した個別事項について講評を行う。ただし、法令解釈等で疑義が生じた場合など状況によっては、現地での講評を行わず、関係者を招致して行うことができる。
6 一般指導検査に当たっては、必要に応じて関係分野職員又は法人に関係する者に対し、検査への立会いを求め、又は必要事項の照会及び調査を行うことができる。
(一般指導検査後の取扱い)
第11条 検査員は、検査終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はそのことを明確にした上で健康福祉部福祉推進分野統括管理者へ報告する。
2 検査員は、前項の検討結果に基づき指導検査結果を法人代表者あて文書で通知する。この場合、検査基準に定める「評価区分」に照らして文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。
4 指導検査結果の文書指摘事項について、法人代表者に対し原則として30日以内に改善状況報告書又は改善計画書の提出を求め、その改善内容を確認する。
5 都に対しては、必要に応じて指導検査の結果を通知し、又はこれと協議を行うなど、連携を密にする。
6 度重なる一般指導検査によっても、改善の措置が認められないときには、特別指導検査の実施対象とする。
(特別指導検査の実施)
第12条 特別指導検査の実施通知は、一般指導検査に準じて、事前に文書により行う。ただし、指導検査の目的と効果を勘案し、特別指導検査の開始時に文書を提示するなどの方法により行うことができる。
2 検査体制は、原則として健康福祉部福祉推進分野統括管理者を長とする職員3名以上で指導検査班を編成する。なお、健康福祉部福祉推進分野統括管理者を除く職員のうち1名以上は、係長級以上の職にある者とする。
3 特別指導検査は、検査の目的及び効果をその都度勘案し、問題の重要性や緊急性等の状況に応じ、重点的又は改善が図られるまで継続的に実施する。
4 特別指導検査終了後、検査員相互で調整を行った上で、法人の役員等に対して検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。ただし、状況によって、現地での講評を行わず関係者を招致して行うこともできる。
5 特別指導検査に当たっては、必要に応じて関係分野職員又は法人に関係する者に対し、検査への立会いを求め、又は必要事項の照会及び調査を行うことができる。
(特別指導検査後の措置)
第13条 検査員は、特別指導検査終了後、その概況を健康福祉部長に報告し、必要に応じ関係分野と協議する。
2 検査員は、指導検査結果について、法人代表者あて、理由を付して文書で通知する。
3 指導検査結果の文書指摘事項について、法人代表者に対し原則として30日以内に改善状況報告書又は改善計画書の提出を求め、その改善内容を精査するとともに、必要に応じ指導を継続する。
4 改善報告若しくは改善計画が期限内に提出されないとき、又は前項の改善内容を精査した結果、改善の意思がなく、若しくは改善を怠っていると認められるときは、法の定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。
(施設整備中検査の実施)
第14条 施設整備中検査は第10条に準じて実施する。なお、実施の際は、都又は関係分野と十分な連携を図る。
(施設整備中検査後の取扱い)
第15条 施設整備中検査終了後の措置は、第11条に準じてとる。
(指導検査結果の活用)
第16条 指導検査の結果は、適宜集約し、行政運営に資するため関係分野に提供する。
(指導方針の統一、継続の確保)
第17条 指導検査の実施に当たり生じた疑義及び関係法令等の解釈については、関係分野等と調整又は協議により指導方針の統一と継続を図り、その内容を文書により整理する。
(都との連携)
第18条 法人に対する指導検査の実施に当たっては、都が行う、当該法人が運営する法人所在地にある施設の指導検査と同日に実施するなど、必要な連携を行う。
(指導検査情報の公開)
第19条 指導検査に関する情報は、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開に努める。
(都又は国への報告)
第20条 必要に応じ、指導検査結果を都又は国へ報告する。
(要綱の適用除外)
第21条 他の法令等に規定のある指導検査については、この要綱の適用を除外する。
附 則
この要綱は、2013年4月1日から施行する。
附 則(2015年4月1日要綱第58号)
この要綱は、2015年4月1日から施行する。
別表 評価区分
評価区分 | 指導形態 | 考え方 |
C | 文書指摘 | 福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合(軽微な違反の場合を除く。)、原則として「文書指摘」とする。ただし、改善中の場合、特別な事情により改善が遅延している場合等は、「口頭指導」とすることができる。 |
B | 口頭指導 | 福祉関係法令以外の関係法令又は福祉関係通達以外の関係通達等に違反する場合、原則として「口頭指導」とする。ただし、管理運営上支障が大きいと認められる場合、正当な理由なく改善を怠っている場合は、「文書指摘」とする。なお、福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合であっても、軽微な違反の場合に限り、「口頭指導」とすることができる。 |
A | 助言指導 | 法令及び通達等のいずれにも適合する場合、水準向上のための「助言指導」を行う。 |