屋上緑化の効果・注意点

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更新日:2023年10月31日

建物の屋上を緑化をすると、植物による日照の遮へいや土壌による断熱効果によって、夏場は熱が建物内に入るのを抑え、冬場は熱を外に逃がさないため、空調の消費量を抑制します。

また、植物の蒸散作用(葉から水分を発散すること)によって、建物外の周辺の空気を冷やす効果があるといわれています。
このことから、屋上緑化は、ヒートアイランド現象の対策のひとつとして期待されています。

この他、屋上緑化には雨水の流出抑制や自然性を回復する効果があります。
もちろん、緑に触れる場所となることから、屋上が憩いの場所となり暮らしに潤いを与えます。

効果のイメージ図
屋上緑化の効果を表すイメージ図


断熱効果

屋上は、太陽の光や熱を遮るものがないので、非常に暑くなります。夏場の屋上コンクリートの表面温度は、60度を超えることがあるといわれています。
屋上緑化をすると、植物や土壌によって、熱を遮断し温度を下げます。緑化した土壌内の温度は、コンクリート表面温度より20~30度低くなります。

蒸散作用による冷却効果

植物は、目には見えませんが葉から水分を発散させています。これを蒸散作用といいます。
ある試算によると、芝生1平方メートルあたりの1日の蒸散量は5ミリで、冷却効果は家庭用エアコンを3時間稼動させる効果に匹敵すると計算されています。
夏場、コンクリートやアスファルトの上よりも芝生の上の方が涼しい理由が、このことからよく理解できます。

雨水の流出抑制効果

一般的に屋上に降った雨は、そのまま下水へと流れ、一定量を超えると川へ流れ込みます。短時間に強い雨が降ると、川が流す能力を超え氾濫することになります。
屋上緑化をすると、土壌が雨水を貯留するため、下水へ流れ込む時間を遅らせると共に下水へ流れ込む量も抑制します。

自然性の回復

蝶などの昆虫が飛来し、自然性を回復します。国土交通省の屋上庭園では、139種類の昆虫が確認されています。

屋上緑化の注意点

屋上緑化は、屋上という人工の地盤面に緑化するものですから、地上の緑化と異なり様々な制約があります。

荷重のチェック

屋上には、重いものを載せるのに制限があります。緑化することは、重いものを載せることになりますので、事前に重さを計算し、制限内で緑化する必要があります。
既存の建物に緑化する場合は、建築士に相談して緑化することが可能かどうか診断を受けましょう。

あまり古い建物では、緑化できない場合もあります。また、新築で緑化する場合は、屋上緑化することを前提に計画・設計する必要があります。
いずれも建築士によく相談することが大事です。

防水のチェック

緑化部分は、水分がいつも保たれています。防水が悪いと、雨漏りの原因になります。
しっかりとした防水が必要です。
特に既存の建物では、防水層が耐用年数を迎えていることもありますので専門家に相談して診断を仰ぎましょう。
場合によっては、新たに防水層を設ける必要があります。区役所の屋上緑化では、既存の防水を補修すると共に、新たにアスファルト系の防水を行いました。

防根対策をしましょう

屋上とはいえ、植物の成長は旺盛です。
根が伸びて防水層をいためる危険があります。
根が防水層へ入り込まないように防根対策が必要です。
一般的には、防根シートを貼り、その上に緑化するようにします。

風対策をしましょう

屋上は風が強い場所です。植物や設備が転倒や落下し、思わぬ事故を起こす危険があります。十分な風対策が必要です。一定の大きさの樹木は風で倒れないよう支柱を取り付けたりします。地中でサポートするタイプのものもありますので、専門家に相談しましょう。

その他

この他、屋上は日差しが強く乾燥した場所ですから、植物や土壌の選定をはじめ、さまざまな注意が必要です。必ず専門家に相談し、計画を立ててから工事をしましょう。素人の判断で工事を行うことが一番危険です。

お問い合わせ

このページは環境部 環境課が担当しています。

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